中学校 社会 歴史

中学校 社会 歴史

中世の日本/鎌倉幕府の成立「院と平氏の政治」(第1学年)
2015.01.26
中学校 社会 歴史 <No.002>
中世の日本/鎌倉幕府の成立「院と平氏の政治」(第1学年)
大阪府 中学校教諭

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元目標

  1. 院政から平氏政権の登場と源平合戦、鎌倉幕府の成立と衰えを通して、貴族政権と比較して武家政治の特色を考察する。
  2. 武士が台頭して武家政権が成立し、その支配が次第に全国に広まるとともに、東アジア世界との密接なかかわりがみられたことを理解する。
  3. 武士の台頭から武家政治への転換に着目して歴史の流れを大観し、自分の言葉で表現できるようにする。

2.教材観

 本単元は、律令政治から武士の台頭、武家政権の成立とその全国への広がりを見せる11世紀から14世紀初めの中世前半を扱った時代である。その中で、武家政権の先駆けといえる平氏政権は,日本が古代から中世に移行する上で大きな歴史的な意味をもつ政権であり,これは武家政権が展開される中世の日本を理解する重要なことがらである。
 また、鎌倉幕府の成立により武家政権が成立し全国に広がったこと、日宋貿易や元寇などを通して東アジア世界とのかかわりに気付き、多様な中世を理解することをねらいとしている。
 本単元では,院政から平清盛が朝廷内で勢力を強めていくが、しかし貴族の反発で平氏が衰退していくまでの歴史の流れ,また源氏が源平合戦を通して武家政権を樹立していく過程を政治面からだけでなく外交面や経済面からも考察させ,中世前半の歴史的特色を理解する。

本単元の構造図

3.本時(院と平氏の政治)の学習のねらい

・武士のおこりから平氏政権までの流れを確認する。
・平氏がどのようにして政治の実権を握ったのかを考察し、自分の言葉で表現する。

4.指導計画

1)院と平氏の政治 …第1時(本時)
2)武家政治の始まり …第2時
3)鎌倉時代の武士と農民 …第3時
4)鎌倉時代の農業と商業の発達 …第4時
5)元の襲来と鎌倉幕府のおとろえ …第5時

5.観点別評価規準

社会的事象への
関心・意欲・態度

社会的な
思考・判断・表現

資料活用の技能

社会的事象についての知識・理解

・院政から平氏政権、鎌倉幕府までの成立と支配の広がり、東アジアとの関わりを背景とした社会や文化など、歴史的事象に対する関心を高め意欲的に追究し、時代の特色を捉えようとする。

・院政から平氏政権、鎌倉幕府の成立と社会的な変動や武家政治の特色について、多面的・多角的に考察し、公正に判断して、その過程や結果を適切に表現している。

・院政から平氏政権、鎌倉幕府の成立と社会的な変動や武家政治に関する様々な資料を収集し、有用な情報を適切に選択して、読み取ったり図表などにまとめたりしている。

・貴族政治から武士が台頭して武家政権が成立し、その支配が次第に全国に広まることを理解し、その知識を身につけている。

6.評価計画

関心・意欲・
態度

思考・判断・
表現

技能

知識・理解

1次 院と平氏の政治

2次 武家政治の始まり

3次 鎌倉時代の武士と農民

4次 鎌倉時代の農業と商業の発達

5次 元の襲来と鎌倉幕府のおとろえ

定期テスト

合  計

2

3

2

2

7.観点別評価補助簿の例

8.本時の学習計画

第3編 中世の日本 1鎌倉幕府の成立 「院と平氏の政治」

【学習のねらい】
・武士のおこりから平氏政権までの流れを確認する。
・平氏がどのようにして政治の実権を握ったのかを考察し、自分の言葉で表現する。

学習事項・
ねらい

学習活動

学びの支援と
留意点

評価の観点等

○導入
・わたしは誰でしょう、というクイズで関心意欲を高める。

<一斉>
電子黒板で「画像をよく見て、これに関係する歴史上の人物を答えよ」を行い、正解が出たところで人物の紹介とともに今日のねらいを伝える。

テンポよく、あまり時間をかけないようにする。そして、本時のねらいとクイズがつながっていることを確認する。

○共有課題
・摂関政治以降、平氏政権までの流れをつかむ
ワークシート:課題1)

<コの字>
課題1 共有の課題
平氏政権までの政治の流れを読み取ろう

以前の政治を振り返り、天皇親政からの流れを理解させる。

【作業】
摂関政治から院政、平氏政権までの流れを確認し、ワークシートの課題1に書き込み、どのような政治の内容かも理解する。

○発展課題
・平氏が政権をにぎったことについて考察する
ワークシート:課題2)

課題2 ジャンプの課題
平氏政権が成立することになった最も大きな要因について考察する。

正解は決まっていないことを伝え、教科書や資料集・配布資料(朝廷との関係、際立つ軍事力、経済力の源、年表:清盛が生きた時代などから読み取り、要因を一つ選ばせる。

【考察】
平氏が政権をにぎるようになった要因として、関わりのあることに着目し、その中で最も関わりの深い出来事が何かを考察する。

・平氏政権について深く考察し、班で意見をまとめる

<4人班>
【作業】
選んだ要因について、班の中で意見交流し、なぜそう思うのかも自分の言葉で伝える。

どの要因を選択したとしても、選択した理由を出させて、意見交流を図る。そして政権の歴史における意義を考える。

・発表する

【発表】
各グループの歴史の流れを発表し、自分の班の意見とは違う班の意見を聞き、議論し、考える

各班の意見を聞いて気付いたことや発見したことを書き込むように指示する。
異なる意見が出ない場合は、教師側から出して、意見の多様化をはかる。

【思考・判断・表現】
要因と関わりのある歴史上の出来事を見つけ、その関連性を自分の言葉で表現することができる。

○まとめ(5分)
・平氏政権の終わりについて考察する

【考察】
平氏政権の終わりと、その理由について考える。

なぜ平氏の政権が短期間で終わり、源氏が幕府を開くのか、課題意識を持たせる。

ワークシート

年表:清盛が生きた時代