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スケートと笑顔の関係
2013.08.09
生活&総合navi(生活・総合) <Vol.65>
スケートと笑顔の関係
い~め~る より
八木沼純子

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 私がスケートを始めたのは5歳のころでした。小学生から競技生活が終わる大学卒業までの16年間、朝練、学校、夜練という忙しい生活を続けていました。学校の宿題は、夜の練習の合間合間にするという毎日。中学・高校は同じスケーターの先輩も通っていた、リンクからも遠くない学校に入学しました。そこには水泳、体操、ブラスバンドなどスポーツや音楽で頑張っている生徒が多く、同じクラスにも違うスポーツで頑張っているクラスメイトや様々な部活動を一生懸命にとり組んでいる友人たちがいたことが、私にとって、とてもスケートの励みになりました。とにかく、リンクで技を磨き同じ年代の仲間と競い合いながらの日々を過ごしたスケートの生活。しかしそれに集中できたのも、先生方やクラスの友だちの励ましがあったからこそ。私にとっては一番充実した時間を過ごすことができた時代だったかもしれません。
 最近、スケート教室の講師をやる機会が増え、小学生を対象とした教室を5年ほど前から毎年やらせていただいています。滑ることで何か新しい身体の動かし方を発見したり、コミュニケーションの場であったり、新しい友だちとの出会いの場であったりと、そういう場にもしてもらえたらと思っています。スケートに限りませんが、新しいことへのチャレンジはいろいろな能力の発見にもつながり、将来への道の選択肢がさらに広がっていくのではないでしょうか。
 このスケート教室は、私が所属しているプロのフィギュアスケートチーム「プリンスアイスワールド」のスケーターたちが講師となり、初めてスケートを滑る子どもたちを教えています。もともと私たちのチームは、若手育成や子どもたちにフィギュアスケートの面白さを伝えるということも目的として活動しています。まさに、草の根運動隊といったところでしょうか。微力ながらスケート人口の底辺を少しでも拡大していければと思っています。
 今、教える難しさというものを実感しています。まずはどうコミュニケーションをとっていけばよいのか。これは永遠の課題のような気がします。しかし心を通わせる「笑顔」は子どもにも教える側にも活力となるものだと思います。今度ぜひ、先生と子どもたちのスート教室も実現できればと思っています。

八木沼純子

八木沼 純子

東京都生まれ。
5歳からスケートを始め、早くから国際大会で活躍。1988年、14歳のとき日本代表としてカルガリー五輪に出場した。
1995年プロに転向し、プリンスアイスワールドのリーダーとしてアイスショーに出演する傍ら、フィギュアスケート競技会の解説、テレビやラジオでのスポーツキャスター、コメンテーターとしても多岐に渡り活動中。