小学校 図画工作

小学校 図画工作

《札幌発信シリーズ》 表現(1)造形遊び つくろう!わくわくストリート
2011.03.25
小学校 図画工作 <No.009>
《札幌発信シリーズ》 表現(1)造形遊び つくろう!わくわくストリート
札幌市立幌西小学校 実践者 吉伊宏子

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

図画工作・札幌発信シリーズ<2>

指  導  計  画

題材名

つくろう!わくわくストリート

学年

総時数

材料・道具

ビニールシート、カラーセロファン、ポスターカラー、OHP用カラーペン、ハンガー、連結クリップ、セロテープ、はさみ、筆、刷毛、ブルーシートなど

題材の目標

ビニールシートを使って工夫し、空間を変えることを楽しむ。

題材の評価

  • 自分のイメージを膨らませ、空間づくりを楽しもうとしている。<関心・意欲・態度>
  • 材料のよさを生かして、空間が楽しい感じになるように表し方を思い付いたり考えたりしている。<発想や構想の能力>
  • ビニールシートを使って吊るし方や模様など表したいことを工夫している。<創造的な技能>
  • 互いの活動の面白さをとらえたり、楽しさを感じ取ったりしている。<鑑賞の能力>

学習内容

  • 学校の中のある場所をわくわくするような空間に変えることを知る。
  • 透明なビニールシートを使って、透けたり光を通したりする特性を生かし、ポスターカラーやカラーセロファンなどを用いて表現する。
  • イメージを膨らませ、色の重なりや吊るす形の面白さを感じながら表現する。
  • いろいろな方向から見たりのぞいたりして、楽しい空間になっているか鑑賞する。

題材構成

【1時間目】

 空間を変える場所へ行き、どんなふうに変えると楽しい空間になるかイメージが膨らむようにする。
 ビニールシートを使うことを伝え、触ったり吊るしてみたりしながら、ビニールの特性に気付いていく。

【2時間目】

 イメージを膨らませながら、ビニールシートにポスターカラーやカラーセロファンなどを使って表現する。天井に吊るして次時への工夫や思いがさらに膨らむようにする。

ポスターカラーでプラスチックのふたをスタンプにして押す

ポスターカラーでプラスチックのふたをスタンプにして押す

刷毛を使ってポスターカラーを飛ばす

刷毛を使ってポスターカラーを飛ばす

ポスターカラーをつけた刷毛で自由に線を描く

ポスターカラーをつけた刷毛で自由に線を描く

下から見て、光の透け具合や色の重なりを確かめている

下から見て、光の透け具合や色の重なりを確かめている

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作品を吊るしてみて、さらに工夫したいことを考え、イメージが膨らむようにする

作品を吊るしてみて、さらに工夫したいことを考え、イメージが膨らむようにする

【3時間目】

z_vol09_10 前時に引き続き、表現する。時折天井に吊るし、光や色の重なりに気付き、吊るし方を工夫する。さらに楽しい空間にするには、どう工夫したらいいか考えながら表現する。



カラーセロファンをつけ、カラーペンでさらに線を重ねている

カラーセロファンをつけ、カラーペンでさらに線を重ねている

ポスターカラーの線の上にカラーセロファンを重ね、光の透け方や色の重なりを楽しんでいる

ポスターカラーの線の上にカラーセロファンを重ね、光の透け方や色の重なりを楽しんでいる

吊るしながらカラーセロファンを貼っている

吊るしながらカラーセロファンを貼っている

【4時間目】

 鑑賞。様々な方向から作品を見合い、自分の作品と友達の作品との違いや色の重なりの面白さや吊るす形の工夫に気づき、楽しい空間になったことを味わう。

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【まとめ】

 ポスターカラーやカラーセロファンなどを自分の表現に合わせて、自由に使えたことが良かった。また、子どもたちに身近な学校の中の場所を“わくわく”する場所に変える題材の設定も子どもたちの意欲を引き出すことができた。
 場の設定として、廊下の踊り場や階段上に針金を何本も張り、そこへハンガーと連結クリップでビニールシートを吊るした。試しに吊るしてみたり、吊るし方にも工夫ができたりと楽しんで活動していた。
 ただ、ポスターカラーはすぐには乾かないので、吊るすときにビニールシートどうしがくっついてしまったり、子どもたちの服についてしまったりしたことが、残念だった。本実践では、制作場所を廊下や教室で行ったが、広い場所で活動できるともっと楽しめたのではないかと考えている。

【監修 北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】