小学校 図画工作
小学校 図画工作

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。
指 導 計 画 |
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題材名 |
「アーティストになろう」 |
学年 |
4 |
総時数 |
6 |
ねらい |
季節が秋に変わり、11月に入ると、色づいている木々が学校の近くの神社で見られるようになってきた。また、正門から校舎までには桜並木があり、紅葉をはじめた木も多くある。そこで、子どもたちに季節を感じてもらいたいという願いと、様々な発想で表現させてみたいという思いから、場所や材料の形などの特徴を生かして、落ち葉を使って校地内(屋外)を飾りつける活動に取り組むことにした。見たり触ったり、形のおもしろさ、色の美しさに感動したりするなど、感覚に働きかけるような活動を行うことで、新たな感動から発想を広げられるようにしたい。 |
評価内容 |
造形への関心・意欲・態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力 |
〔共通事項〕との関連 |
材料の形や色、場所の特徴を基に、自分のイメージをもつこと。 |
材料・用具 |
落ち葉、枝、ヤツデなどの葉、花、ナンテンなどの実、ガムテープ、ビニールテープ、イメージメモ |
指導計画・流れ |
第1次 第2次 第3次 |
1.みんなで秋のアーティストになろう!
「思いっきり図工を楽しんでもらいたい」と、4月から思い続けて活動に取り組んできた。これまでの積み重ねのおかげか、子どもたちは表現するということを楽しむことができるようになってきたと感じた。
そこで、「言葉では言い表せないけど、心にジーンとくる作品をつくるアーティストになって、校地内を秋で飾ろう!」となげかけた。
まず、校地内をグループで散策する。その後、どの場所または用具をどんなふうに飾りつけたいかを話し合い、イメージメモに描いた。落ち葉の色の美しさを生かすということを条件として示した。子どもたちがあげた飾りつけたい場所・用具として、壁、三角コーン、掲示板の枠、雨どい、水飲み場わきの花壇があった。どこも子どもたちや先生、学校に来るお客さんからよく見える場所で、自分たちの作品を多くの人に見てもらいたいという願いがふくらんでいるようだった。
2.はりきって飾りつけ!
材料は、子どもたちが近くの神社や公園などに行って拾ったり、隣の小学校のイチョウの葉をもらいに行ったりして集めた。協力して集めたたくさんの落ち葉などを見て、「わー、すごい!たくさん使えるね。」と、とてもわくわくしている様子がうかがえた。
イメージメモを譜面台に貼りつけ、それをもとに活動に移れるようにした。実際に飾りつけてみると、考えていた以上にアイディアが浮かんできたようで、イメージメモと変わってきたグループもあった。途中、ほかのグループの見学に行き、お互いにいいところや参考になるところを伝え合った。「すごい、かっこいい!」などと歓声が上がり、「僕らもこれしよう!」と急いで自分のグループに戻り、作品づくりに取り組んだ。
3.作品紹介
4.作品鑑賞会
子どもたちは、いいなと思うところを指さしながら話をしていた。どの子も、「自分の班が1番!」と言わんばかりに、誇らしげに作品の紹介をすることができた。色をそろえたところ、グラデーションにしたところ、見立てをしたところなどを、自信をもって発表することができ、秋で飾りつけをする活動を本当に楽しんで取り組むことができたのだと感じた。
3日ほど展示していたが、その間にたくさんの先生から「すごいね、きれいだね。」という言葉をもらったり、学級の保護者の方も、足を止めて見ていたりしたので、そのことを子どもたちに伝えると、ニンマリ、嬉しそうにしていた。
5.活動を終えて…
感覚に働きかける活動を通して、自分のもったイメージをふくらませたり、楽しんで表現活動に取り組んだりすることができた。自信もついたようだ。
また、友だちの作品をすなおに「すてきだな」「きれいだな」と感じることができ、そこから自分たちの作品をより良くしようという思いをもって、造形活動に生かすことができた。
今回の活動だけでなく、1年を通してイメージメモを使って、イメージをふくらませてきた。友だちとの意見交換を通して、子どもたちは安心してのびのびと造形活動に取り組むことができるようになった。また、「それいいね。」と言ってもらい、認めてもらうということも大きな自信にもつながっているようだった。
今回の活動「アーティストになろう」では、時間がかかることもあり、活動をしながらイメージがどんどん変化していくので、メモを簡略化したり、使用せずに活動に入ったりするなど、使用方法を選定することも考慮しなければならないと考える。