小学校 図画工作
小学校 図画工作

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。
図画工作・札幌発信シリーズ<7>
指 導 計 画 |
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題材名 |
スノーワンダーランド【A表現(1)造形遊び】 |
学年 |
3 |
総時数 |
3 |
題材のねらい |
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材料 |
バケツ、プリンカップ(カタヌキをつくるのに使用)、シャベル、ビーズ、つまようじ、カラーセロハン、ポリテープ、モール、カラーポリ袋 |
評価基準 |
造形への関心・意欲・態度 発想や構想の力 創造的な技能 鑑賞の能力 |
学習内容 |
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学習展開
-1時間目開始-
同じ時期には、社会科「昔の人々が受けつぐ行事」の学習で「さっぽろ雪まつり」について調べていた。大きく、本物そっくりの雪像を見ている経験や、材料の面白さが子どもの意欲を引き出しているように感じた。
(1)カタヌキづくりに挑戦 ~雪の特徴をつかむ~
題材の導入時には、次の1~5について説明した。
- 題材名から
・雪を使って自分たちの楽しい世界をつくろうとめあてをもった - 活動のねらい
・バケツに雪を入れてつくったカタヌキを使って活動することを確認した - 注意すること
・スコップの使い方
・カタヌキを高く積み上げると倒れる危険性も(3段目まで)
・カタヌキのつくり方 - 子どもからの質問
・地面を掘って穴をつくってもいいか
・校庭にある木や彫刻、遊具などを使ってもいいか - カタヌキづくり
・学校で用意した清掃用のバケツを使用
・自分でバケツを用意した子どももいた
話を聞いている子どもたちは、「早くやってみたい」と、わくわくしているようだった。説明が終わってから活動場所へ移動した。まず、自分たちの場所を決めてから活動を開始させた。
<活動初めのころ>
スコップで雪をバケツに入れ、固めたあと、ひっくり返すカタヌキの行為は大変楽しく、20分間で3~4個つくる子もいた。そして次第に、つくることから置き方に楽しさを感じる子どもが増えてきた。
(2)カタヌキを使って何ができるかな?~雪の特徴を生かす~
始めからカタヌキの置き方を考えて並べたり、積み重ねたりする子どもだけでなく、何気なく置いていた子もいた。「どうしてこう置くの?」「何に見える?」と聞いてみることで、「家の壁みたい」と自分の活動の面白さに改めて気付いたり、今後の活動に見通しをもちさらに工夫したりする様子が見られた。カタヌキの置き方を整理してみると、大きく二つに分けられると考えた。
<アイデア1>並べる・積み上げる
<アイデア2>大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる
(3)友だちの作品を鑑賞しよう ~アイデア吸収タイム~
子どもは、(1)と(2)の学習を終えると「もっとこうしたい」と自分なりのアイデアを思い浮かべる様子があり意欲を深めていた。そこで、(3)の鑑賞の活動を取り入れた。「すごいな」「まねしたい」とつぶやくなど、自分とは違う工夫を多く発見させることで、その後の活動ではより創造的に取り組む子どもの姿を引き出そうと考えた。
-1時間目終了-
-2時間目開始-
本時の導入時には、実際に作品を見ながら面白さを紹介したり、新しいアイデアをもっている子どもに発表させたりした。本時では、より創造的にいろいろな大きさや形のカタヌキや他の材料を組み合わせることをねらいとしていたことから、大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる<アイデア3>をさらに発展させることと、ビーズやつまようじなど、他の材料を組み合わせる<アイデア4>に焦点化することにした。
(4)作品をもっと楽しくしよう~アイデアを試す~
活動中には、「このあとどうなるの?」「全体も見てごらん」など見通しが持てるよう支援した。子どもは「このとがっている部分が屋根で、お城です」と自らの活動を説明するなど鑑賞の活動を取り入れたり、話し合ったりしながら見通しをもって取り組んでいた。また、教師も「とがっているのは屋根なんだ。面白いね。」と価値付けをしたり、「屋根は一つなの?」「屋根には他に何か付いていないの?」と尋ねたりして、子どものイメージが広がるようにかかわった。
<アイデア1>並べる・積み上げる
<アイデア2>大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる
<アイデア3>ビーズやつまようじなど、他の材料を組み合わせる
-2時間目終了-
【監修者:北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】