小学校 社会

小学校 社会

新聞とわたしたちのくらし(第5学年)
2012.10.15
小学校 社会 <No.005>
新聞とわたしたちのくらし(第5学年)
大阪府 小学校教諭

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「新聞とわたしたちのくらし」

2.目 標

 放送,新聞などのマスメディアを通して情報を提供している産業と国民生活のかかわりについて調べ,人々は放送や新聞などの産業が発信する情報を日常の生活や産業活動の多方面で活用し,様々な影響を受けていることを理解し,情報を発信する側に求められる役割や責任の大きさ,情報を受け取る側の正しい判断の必要性について考え,様々な情報に対して適切に判断し,望ましい行動をしようとする能力や態度を身に付けることができるようにする。

3.評価規準

社会的事象への関心・意欲・態度
○情報化された社会の様子に関心をもつ。
○様々な情報に対して適切に判断し,望ましい行動をしようとする能力や態度を身につけることができる。

社会的な思考・判断・表現
○情報を発信する側に求められる役割や責任の大きさ,情報を受け取る側の正しい判断の必要性について考えることができる。
○情報化した社会において人々が主体的に生きていくためには情報を有効に活用することが大切であることについて考え,自分の意見をまとめてわかりやすく表現することができる。

観察・資料活用の技能
○人々が日常の生活で必要な情報をどのように入手し活用しているのかを調査したり資料を活用して調べたりすることができる。
○放送・新聞などの産業が,多種多様な情報を収集・選択・加工して提供していることを,視聴覚教材などを使って調べることができる。

社会的事象についての知識・理解
○情報産業が様々な情報を提供し,多くの人々がそれらを多方面で活用しており,人々がそれらの情報から大きな影響を受けていることを理解することができる。

4.本単元の指導にあたって

①教材について
 新聞は多くの様々な情報を一度に手軽に入手できる優れた手段であり,情報産業についての理解を深め,子どもの情報活用能力の向上を図ることができる。また,新聞で学習したことを活用して,テレビやラジオ,インターネットにおける情報発信や,受信の様子を調べ,様々な情報産業と人びとのくらしとの関わりについて,それぞれの特徴を比較しながら共通点や相違点を学習することを通して,様々な情報手段を使って情報を収集し,状況に応じてもっとも適した情報を選択して活用する必要性について考えることができる。

②学習課程について
 学習の導入として号外新聞を取り上げ,号外新聞に掲載される情報の内容や形式,配られたタイミングや配布方法等を調べ,号外新聞の発行理由を考えることで,新聞に掲載される情報が人びとのくらしとどのように関わっているのかについて関心をもつことができるようにする。
 テレビ,ラジオ,インターネットについて学習する際には,新聞社と同様に「早さ,正確さ,わかりやすさ」という視点が他のメディアでも生かされているのかを確かめることで,メディアは違っても情報を提供する立場の人びとが心がけていることは共通していることに気づくようにする。
 学習の終末の段階では,台風情報について自分であったらどのメディアを利用して情報を得るのか,話し合う活動を行う。それぞれの特徴を比較しながら意見を深め合い,それぞれのメディアに特徴があり,くらしの中の様々な情報手段をうまく活用していくことが大切であることを理解できるようにする。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

新聞の「号外」について,記事の内容や発行されるタイミングや配り方を調べ,新聞から得られる情報やくらしと情報の関わりについて関心をもつことができるようにする。

号外新聞に興味をもちながら,新聞の号外について調べ,号外新聞が発行されたわけについて考える。

子どもの発言
「号外は,新聞の一種で,いち早くたくさんの人へ情報を知らせるために特別に配られているんだな。」

号外新聞が発行されたわけを考え,くらしと情報の関わりについて関心をもったか。

新聞社が,多種多様な情報を収集し,選択・加工して提供している様子を調べ,新聞社は新聞をつくるうえでたくさんの工夫をし,情報の発信者として役割や責任があることを考えることができるようにする。

新聞の発行部数に興味をもつことで,新聞の制作過程について調べ,新聞社の人々が情報の発信者としてどのような工夫をしているのか考える。

子どもの発言
「新聞社は発信者として新しい情報を早く・正しく・分かりやすく伝えようとしているんだな。」

新聞社の情報発信者としての工夫について考え,早さ・正確さ・分かりやすさという工夫があることを理解できたか。

新聞に掲載される内容について,どのような情報が掲載されているのかを調べ,様々な人びとがくらしの中で様々な情報を活用していることを理解することができるようにする。

新聞の記事について興味をもち,どんな情報が掲載されているのかを調べ,それぞれの情報を誰がどのように役立てているのか考える。

子どもの発言
「新聞の情報は,たくさんの立場の人のくらしや仕事で活用されているんだな。だから多くの新聞があるんだな。」

新聞記事の情報を誰がどのように役立てているのか考えたか。


新聞の他に放送・ラジオ・インターネットなどの多種多様な情報を収集し,選択・加工して提供しているメディアについてどのような特徴があるのか調べ,くらしのなかには様々な情報手段があることを理解し,それぞれのメディアの特徴を表現することができるようにする。

テレビ・ラジオ・インターネットについて,その特徴を「情報提供の方法」「正確さ」「早さ」「わかりやすさ」「短所」「長所」の観点で調べ,まとめる。

テレビ・ラジオ・インターネットについて,観点別にその特徴をまとめたか。


本時

新聞,ラジオ,テレビ,インターネットの特徴を比較し,どのような違いがあるのかを調べることで,情報化した社会においては,情報を有効に活用することが大切であることを考えることができるようにする。

台風情報を得るのに,自分だったらどうするのかを決め,その理由を考え,クラス全体で考えたことを発表し合う。

台風情報を得るための手段を考え,その理由を考え表現することができたか。

6.本時の学習

①目標
 台風情報を得る場合の新聞,テレビ,ラジオ,インターネットの特徴を比較し,どのような違いがあるのかを調べ,自分であったらどのメディアを使って台風情報を得るのかを考えることを通して,情報化した社会においては,情報には様々な入手方法があり,それらから得た情報を,よく吟味しながら有効に活用することが大切であることを考えることができるようにする。

②展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

○台風災害と情報とのかかわりについて話し合う。
・伊勢湾台風の被害
・進路や強さの台風情報

○台風災害時(伊勢湾台風等)に,事前に情報を得ることができなかったために,大きな被害が出たことを伝え,台風情報を手に入れる大切さを実感できるようにする。

・写真「伊勢湾台風」
・台風情報


○それぞれのメディアの特徴を調べる。
(新聞) 
・どこでも読める。
・だいたいの予想進路がわかる
(テレビ)
・映像でわかりやすい
(ラジオ)
・定期的に放送される
・どこでも聞ける
(インターネット)
・パソコンがあれば,リアルタイムの情報を得ることができる。

○「台風情報を得るのにあなたはどうしますか」と発問することにより,学習活動をとらえることができるようにする。
○前時の学習で作成したワークシートを振り返り,新聞・テレビ・ラジオ,インターネットの各メディアについて特徴をつかむことができるようにする。
○台風情報を得るという観点で,それぞれのメディアの特徴を調べるようにする
○台風が「接近する前」「上陸時」と時間によってのメディアの特徴についても調べることができるよう助言する。

・ワークシート

○自分であったら,台風の情報を得るときに,どのメディアを利用するのか決め,その理由を考える。
・だいたいのことがわかっておけばいいので新聞 
・見やすくわかりやすいテレビ
・いつも聞いておけるラジオ
・詳しい情報をリアルタイムで得ることができるインターネット

○新聞,テレビ,ラジオ,インターネットのうち,どれか1つを選び,利用する理由を話し合うようにする。
○ラジオの意見が出ないときは,災害時にラジオが活用されている写真を見せ,災害時のラジオの特徴を補説するようにしたい。
○どれか一つに意見が偏った場合は,教師が話し合いに入り,考えを深めることができるようにしたい。

・写真「避難所のラジオ」

○学習して,考えたことを論述する。
・情報と自分のくらしとの関わり

○話し合いの結果をもとに,自分の考えを学習してきたこととともに論述できるようにする。


【ワークシート

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