小学校 社会

小学校 社会

安全なくらしを守る「ふせごう交通事故や盗難事件」(第4学年)
2012.11.19
小学校 社会 <No.010>
安全なくらしを守る「ふせごう交通事故や盗難事件」(第4学年)
京都府 小学校教諭

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

安全なくらしを守る「ふせごう交通事故や盗難事件」

2.単元目標

(1)交通事故や犯罪から人々の安全を守るために、関係諸機関が地域の人々と協力して事故や事件の防止に努めていること、相互に連携して緊急に対処する体制をとっていることを理解できるようにする。(理解に関する目標)

(2)地域の安全は互いに協力したり、助け合ったりして守っていることや、自分も地域社会の一員として自分の安全は自分で守ることが大切であるという自覚を育てるようにする。(態度に関する目標)

(3)交通事故や盗難事件から人々の安全を守る警察署の見学をし、そこにある様々な施設・設備の観察や、そこで働く人々から聞き取り調査をして、人々の安全を守るための関係諸機関の働きとそこに従事している人々の工夫や努力を考える力、調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。(能力に関する目標)

3.単元評価基準

○社会的事象への関心・意欲・態度
 地域社会における事故から人々の安全を守る工夫に関心をもち、意欲的に調べることを通して、自分も地域社会の一員として、地域の人々の安全な生活の維持について考えようとしている。

○社会的な思考・判断・表現
 地域社会における事故から人々の安全を守る工夫について学習問題や予想、学習計画を考え、表現している。また、人々の安全を守るための関係諸機関の働きとそこに従事している人々の工夫や努力を考え、調べたことや考えたことを適切に表現している。

○観察・資料活用の技能
 関係諸機関が相互に連絡を取り合いながら緊急に対処する体制をとっていることを、警察署などの関係諸機関を見学したり、調査したりして具体的に調べ、見学・調査した過程や結果をノートや作品にまとめている。

○社会的事象についての知識・理解
 事故から人々の安全を守るために、関係諸機関が相互に連絡を取り合いながら緊急に対処する体制をとっていることをとらえている。

4.本単元の指導にあたって

 『つかむ』の過程では、自動車事故の写真や京都府内や木津警察署管内、笠置町などの交通事故や盗難事件の件数の推移等の資料をもとに、「事故や事件が減少している」ということを読み取らせる。そして、「どうして事故や事件は減少しているのに子どもや高齢者の事故が多いのだろうか。」という学習問題をつくり、そのことについて単元全体を通して解決していく中で、警察や関係諸機関の対応の仕組みや働き、人々の工夫や努力について考えさせるという流れで単元指導計画を作成した。
 『調べ・まとめる』の過程では、京都府警察本部の見学や駐在所の方に話を聞く活動、地域の安全施設について調査する活動を通して、「110番」の仕組みや、事件や事故を防ぐための取組を調べたり、地域の安全を守るために活動されている方に活動への思いや願いを聞いたりして、自分たちが様々な人たちの工夫や努力によって守られていることに気付かせたい。さらには、自分で自分の命や財産を守るためにしなければならないことを考え、日常生活での態度形成につながるようにしていきたい。さらに自分たちのことだけではなく、笠置町に多く住んでおられる高齢者のことにも考えを巡らせたい。
 『広げ・深める』過程では、地域の交通安全にかかわる安心マップづくりをすることにより、地域に潜む危険についてより具体的に理解し、自分たちの安全を自分たちで守ろうという意識を深め、安全なくらしについて地域に発信できるような取組について考えさせたい。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

○交通事故が起きた時の警察の活動について考える。

○交通事故が起きた時の警察の活動について調べる計画を立てる。
(資料活用の活動)

○交通事故が起きたときの警察の活動について考え追究している。
(関心・意欲・態度)
〈観察・発言・ノート〉



○警察署の仕事や働きを理解する。

○京都府警察広報センターに見学に行く。
(体験的活動)

○京都府警察の見学を通して警察署の仕事や働きを理解するとともにそこで働く人たちの努力や工夫をとらえている。
(観察・技能)
〈観察・発言・ワークシート〉

○交通事故が起きた時に素早く対処する通信指令のシステムについてとらえる。

○交通事故が起きた時の110番通報の仕組みをとらえる。
(資料活用の活動)

○交通事故が起きた時に素早く対処する通信指令のシステムについてとらえている。
(知識・理解)
〈観察・発言・ノート〉

○交通事故の原因をもとに交通事故を防ぐために警察がどのような取組をしているのかを考える。

○交通事故を防ぐための警察の取組を考える。
(資料活用の活動)

○交通事故の原因をもとに交通事故を防ぐために警察がどのような取組をしているのかを考えている。
(思考・判断・表現)
〈観察・発言・ノート〉

○警察による交通事故を防ぐための取組についてまとめる。

○交通事故を防ぐための警察の取組をまとめる。
(表現活動)

○警察による交通事故を防ぐための取組について分かりやすくまとめている。
(観察・技能)
〈観察・発言・ノート〉



10

○通学路の交通事故を防ぐための安全施設や地域の人々の取組について調べる。

○通学路での交通事故を防ぐ取組について調べる。
(体験的活動)

○通学路の交通事故を防ぐための安全施設や地域の人々の取組について意欲的に調べている。
(関心・意欲・態度)
〈観察・発言・ノート〉

11

○交通事故防止のための工夫や努力、自分たちにできることについて考える。

○交通事故防止のために自分たちがしなければならないことを考える。
(表現活動)

○地域の安全施設や人々の取組について調べたことをもとに交通事故防止のための工夫や努力、自分たちにできることについて考えている。
(思考・判断・表現)
〈観察・発言・ノート〉

12

○交番(駐在所)の警察官の仕事に関心をもつ。

○自転車の盗難事件について話し合い交番(駐在所)の仕事に関心をもつ。
(資料活用の活動)

○自転車の盗難事件をきっかけに交番(駐在所)の警察官の仕事に関心をもち、調べ追究している。
(関心・意欲・態度)
〈観察・発言・ノート〉

13

○警察官は人々の安全なくらしを守るために様々な仕事をしていることをとらえる。

○交番(駐在所)の警察官の仕事について調べる。
(資料活用の活動)

○警察官の1日の仕事について調べることで交番(駐在所)の警察官は人々の安全なくらしを守るために様々な仕事をしていることをとらえている。
(知識・理解)
〈観察・発言・ノート〉

14

○警察官の仕事をまとめる。

○交番(駐在所)の警察官の仕事についてまとめる。
(表現活動)

○警察官の1日の仕事について調べたことをもとに分かりやすくまとめている。
(観察・技能)
〈観察・発言・ノート〉

15
本時

○地域の安心マップを作成する。

○地域の安心マップを作り自分たちのくらしを見直す。
(表現活動)

○地域の安心できる場所や危険な箇所を書き入れた安心マップを作成し、話し合うことにより、安全なくらしについての自分の考えを深めている。
(思考・判断・表現)
〈観察・発言・ノート〉

6.本時の学習

 地域の安心できる場所や危険な箇所を書き入れた安心マップを作成し、話し合うことにより、安全なくらしについての自分の考えを深めることができるようにする。(思考・判断・表現)

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

○登校の様子を考える。

○地域の安全のために活動している人を考えることができるよう見守り隊の方のことに触れる。

○写真

○通学路で交通事故の起きやすい狭い道路や交通事故を防ぐ設備・施設について具体的に発表する。

○校区内で交通事故が起きやすい場所や交通事故を防ぐための安全設備・施設を、見学の写真をもとに思い出させる。

○写真

○子ども110番の家など安全設備カードを校区地図に貼る。

○安心マップを作って、安心な箇所、不安な箇所について確認させる。

○校区地図
○カード

○できあがったマップを見て自分が特に気をつけなければならない場所を発表する。
☆考えた事柄を、分かりやすく伝えることができるように、ノートに書く。
☆日常生活を振り返り、自分の生活と関連付けて考える。

○完成した安心マップを元に話し合い、自分たちのくらしについて見直しをさせる。



○安全なくらしについての考えを出させる。
・交通事故がない。
・だれもけがをしない。
・歩行者や自転車に乗っていても危険な場所がない。


○安全なくらしを呼びかけるために自分たちにできることを考える。
・ポスター
・地図掲示
・新聞作り
・呼びかける(防災無線)

○老人クラブの作った「交通安全宣言(無理な横断はしない)」も参考にさせる。


○本時の学習を振り返る。