高等学校 情報
高等学校 情報

1.はじめに
情報社会では,インターネットを用いたコミュニケーションが定着し,普段何気なく利用している。インターネットを用いたコミュニケーションでは,LINEやツイッターに代表される「文字」を用いたコミュニケーションが主流である。「文字」が中心のコミュニケーションでは感情などが完全に伝わらず,相手に誤解されてしまうことがある。このことで,色々なトラブルが発生し,いじめや孤立などに繋がるケースも少なくない。加えて,コミュニケーションを必要以上に難しく考えてしまい,コミュニケーションに対して苦手意識を持つ生徒が多いのも現状である。
この単元では,コミュニケーションの意味と性質を理解することで,生徒のコミュニケ-ションに対する苦手意識が緩和されることを期待している。
また,入学して間もない時期であるため,生徒間の交流を深め,今後の学校生活における円滑なコミュニケーションができるようにサポートを行う。
2.単元名
情報社会に生きるわたしたち
「情報社会とコミュニケーション」(実施学年:第1学年)
3.単元の目標
・情報社会におけるコミュニケーションについて考えさせる。
・コミュニケーションの難しさについて,実習を通して実感させる。
・より良いコミュニケーションとは何か考えさせる。
4.単元の評価規準
ア 関心・意欲・態度 |
イ 思考・判断・表現 |
ウ 技能 |
エ 知識・理解 |
---|---|---|---|
・コミュニケーションの性質について関心を持つ。 |
・コミュニケーションを取る対象を,しっかりと把握し,最善の手段でコミュニケーションを取る工夫をしている。 |
・的確に相手に情報を伝えようとしている。 |
・コミュニケーションの性質を理解している。 |
5.単元の指導と評価の計画
(ア:関心・意欲・態度/イ:思考・判断・表現/ウ:技能/エ:知識・理解)
時 |
学習内容・学習活動 |
評価の観点 |
評価の方法 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ア |
イ |
ウ |
エ |
|||
1 |
・コミュニケーション手段について理解する。 |
○ |
○ |
○ |
○ |
準拠プリントNo.3 |
2 |
・コミュニケーション手段の発達について調べる。 |
○ |
○ |
準拠プリントNo.3 |
||
3 |
・インターネットの普及とともない,コミュニケーション手段がどのように変化したのか調べる。 |
○ |
○ |
準拠プリントNo.4 |
||
4 |
・インターネットを利用した情報収集にはどのようなものがあるか調べる。 |
○ |
○ |
○ |
準拠プリントNo.7 |
6.本時の目標【1限目】
本単元は4時間で構成され今回は1限目の内容となる。今後の展開を進めるにあたって重要な時間となるため,実習を行い,コミュニケーションの難しさ,メディアに適する表現方法などを理解させるようにする。
7.本時の流れ【1限目】
時間 |
学習内容・学習活動 |
指導上の留意点 |
評価 |
---|---|---|---|
導入 |
・コミュニケーションとは何かを考える。 |
・コミュニケーションが苦手か苦手ではないかを,自分自身で考えさせる。 |
ア:行動観察 |
展開1 |
・コミュニケーションとはどのようなものか理解させる。 |
・コミュニケーションは,「相手に自分の気持ちを伝えること」であることに注意して説明する。 |
ア:行動観察 |
展開2 |
・コミュニケーションの性質について,伝達実習を通して理解する。 |
・伝達実習の意義をしっかりと理解させた上で,伝達実習に望ませる。 |
イ:行動観察 |
まとめ |
・コミュニケーションの性質について,コミュニケーションの過程をもとに,復習する。 |
・コミュニケーションが成立しない大きな障害について,生徒の意見を聴きながら確認を取る。 |
ア:行動観察 |
8.今回のまとめ
今回の授業では,コミュニケーションの過程を知ることで,コミュニケーションを取るときに障害となる事例(経験や環境など)についての授業を行うことができた。コミュニケーションを苦手としている生徒に話を聞くと,単なる「意思の疎通」と考えている生徒が大多数で,「自分の気持ちを伝える」という側面も重要であることを知らせることで,コミュニケーションに対する苦手意識が緩和されたという発言が見られた。また,言葉を用いなくてもコミュニケーションがとれるということを知り,コミュニケーションに対する考えが多少なりとも変化したという意見があった。
この伝達実習を通して,「自分の思った通りに伝わらない」「自分は正確に伝えたはずなのに」「相手が理解してくれない」などという意見があった。こうした気付きは今後の授業である「SNSでの情報伝達」「情報の信憑性」にスムーズつなぐために重要だと考える。