小学校 道徳

小学校 道徳

「青の洞門」(第6学年)
2023.11.02
小学校 道徳 <No.050>
「青の洞門」(第6学年)
東京都小学校 教諭 酒井ちふみ

1.主題名

心が心を動かす D[感動、畏敬の念]

2.教材名

青の洞門(東京書籍)

3.主題設定の理由

(1)ねらいとする価値について
 人は、相手が精一杯取り組む場面や自分の可能性に挑戦する姿を見た時に心を打たれることがある。また相手を思いやる心や優しさに触れた時、素直に感動する心をもっている。
 高学年になると、人間の力を超えるようなことに挑戦する姿勢や人の心の美しさに目を向けられるようになる。人の心や行為の素晴らしさを素直に受け止め、尊敬や畏敬の念を深めることで、自分の在り方を見つめるきっかけとなる。
 今回の学習を通して人のために尽くす心や姿に、素直に感動したり尊敬したりする心を育てたい。さらに自分の在り方を考える機会としたい。

(2)児童の実態について
 「手品師」の学習では、「どんなにうれしい話でも最初の約束を守った主人公を見て、自分も最初の約束を大切にしていきたいと思った。」と人の心がもつ誠実さに気づき、自分の生活と結び付けて考える姿が見られた。また、「主人公が男の子を優先することが優しくて、すごいと思った。」という記述が多く見られた。他の道徳の授業でも、登場人物の心の優しさや思いやりに目を向けて考える児童が多い。
 今回の学習を通して、人のために尽くす心に加えて、人の力では達成が難しいと感じる目標にも立ち向かう気持ちや最後まで諦めない心などの、人間がもっている様々な心に触れさせたい。そして、その思いが偉業を成し遂げることに繋がり、人の心を大きく動かすことがあることに気づかせたい。

(3)教材について
 菊池寛の「恩讐の彼方に」を原作とする教材である。罪を償う旅をしていた了海は、多くの人が命を落とさないように絶壁に道を通すことを目指す。そこに了海が殺した主人の息子、実之助が敵討ちに来る。しかし石工達に止められる。実之助は隙を狙って了海の命を狙うが、一心に槌ふるう了海の姿を見て完成まで敵討ちを待つ決心をする。1年以上かけて完成した時、実之助は了海の手を握りしめ、二人は感激の涙にむせびあう。
 21年の歳月を、道を通すために費やす了海の気高い心に触れ、復讐心を忘れて感激する実之助の気持ちを考えることを通して、人の心や姿に素直に感動する心を育てたい。

4.研究主題~確かな学力を培い、たくましく生きる力を育む道徳授業の創造~との関連

(1)教材を理解しやすくするための取り組み
 教材の時代背景を先に説明して登場人物の関係を理解することで、心情を考えやすくする。また、出てくる言葉の意味を確認したり、道具の実物を示したりして教材理解の一助としたい。教材提示はBGMを用いながら語り聞かせることで、教材の世界に浸れるようにする。

(2)児童の発言を生かす
 児童の発言を予想して、あらかじめ価値項目に合わせた分類を考えておく。児童の思考が深まるように補助発問を用意して、ねらいに迫れるようにする。また、板書計画に児童の発言を記録しながら整理して、児童が理解しやすい板書を目指す。

(3)自己を見つめる時間
 感動した経験を振り返りやすくするために、ワークシートの発問に登場人物の「実之助のように」という言葉を入れて、児童が今日の授業を思い出しながら、自分の経験を記入できるように工夫した。また、感動した時の心情を「心がじーんとした」という言葉でも表現することで、児童が経験した心の動きを感じられるようにした。
 【ふり返り】の4項目は毎時間同じ内容で、児童に授業の振り返りをさせている。書くことが苦手な児童もこの欄は記入することができている。さらに、授業によって児童が描く顔の表情が変わるため、教師自身が授業を振り返るときにも生かすことができている。

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※本実践は、町田市内小学校在籍時、同市の道徳教育研究会における研究をベースに取り組んだものである。

5.教材分析

場面

登場人物の心情
<考えられる発問> ・予想される児童の反応

関連する価値

①1~14行目
了海が山国川を訪れ、水死人に念仏を唱える。

村人
可哀そうだ。成仏してほしい。
了海
年に何人も亡くなる鎖渡しを何とかしたい。

D[生命の尊さ]

②15~32行目
了海が鎖渡しを通る。そして大絶壁に道を通す決心をする。

了海
鎖渡しで命を落とす人を救いたい。人の役に立ちたい。ようやく自分が追い求め続けていたものを見つけた。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

③33~35行目
了海は道を作るため寄付を求めて、村を歩き回る。

了海
道を作るために力を貸してほしい。
村人
道を作ることは不可能だ。無理な計画だ。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

④36~39行目
了海は岩壁に第一の槌を振るった。

了海
少ししか進まない。この計画は無理かもしれない。でも諦めるわけにはいかない。

A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑤40~48行目
主人殺しの大罪を犯した了海が僧となり、諸国を巡り歩く。

了海
自分が犯した罪を少しでも償いたい。世のため、人のために力を尽くしたい。自分にできることは何だろうか。そのために旅をして探し続けよう。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]

⑥49~53行目
了海は岩壁の側に小屋を建て、槌を振るい続ける。村人は寄り付かなかった。

了海
毎日少しずつでも取り組んでいくぞ。いつか道を通すことができるだろう。
村人
絶対に無理だ。関わりたくない。

D[生命の尊さ]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑦54~61行目
了海は15mほど掘り進め、村人は石工を雇った。

了海
少しずつだが進んできた。いつか道ができると信じて、続けるぞ。
村人
道ができるかもしれない。手伝おう。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑧62~64行目
石工はいなくなり、了海だけが掘り続ける。

了海
自分は諦めないぞ。人の役に立ちたい。
村人
やっぱり無理だ。手伝うのをやめよう。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑨65~74行目
18年もの間、了海は槌を振り続けて半分まで進んだ。村人は再び石工を集めた。

了海
半分までできたぞ。先は長いが頑張るぞ。
村人
一人で半分も進めた了海はすごい。この前は辞めてしまって申し訳なかった。手伝おう。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑩75~85行目
了海が殺した主人の息子、実之助がやってくる。実之助は敵討ちの旅の苦労が報われる時を迎える。

実之助
ようやく了海に会える時がきた。岩壁を掘り続けるような奴はきっと強いだろう。負けられないから、しっかり準備をしよう。

D[生命の尊さ]
C[家族愛、家庭生活の充実]

⑪85~96行目
実之助は人間とは思えない姿をしている了海に会い、張り詰めていた気持ちが怯む。しかし敵を討つ宣言をする。

実之助
このような弱々しい人を殺して良いのだろうか。しかし父を殺された悔しさは忘れられない。中川家の将来がかかっているから殺す。

<発問①>
「父のかたき、かくご!」と言った時、実之助はどのような気持ちだったのでしょう。
・ようやくこの日がきた。これで父の思いを晴らすことができる。
・よくも父を殺したな。やっと敵を討てる。
・お前のせいで、中川家がなくなったのだ。許せない。絶対に殺してやる。

D[生命の尊さ]
C[家族愛、家庭生活の充実]

⑫97~100行目
了海は殺される覚悟を決めた。

了海
道を通したかった。自分が罪を犯したから、ここで切られるのだ。仕方がない。

D[生命の尊さ]

⑬100~106行目
石工達が了海を殺すのをとめる。実之助は仕方なく引き下がる。

石工
了海に最後まで完成させてほしい。
実之助
気持ちが揺らいでしまったことが悔しい。隙をみて了海を殺すぞ。

D[生命の尊さ]
C[家族愛、家庭生活の充実]

⑭107~124行目
数日後の夜更け、実之助は敵討ちに向かう。しかし了海が振るう槌の音と念仏の声に決心が打ち砕かれる。。

了海
絶対に道を通すぞ。自分はどうなってもいい。世のため、人のために尽くすのだ。
実之助
どうしてそんなに続けられるのか。一心に槌を振るう姿がすごい。今、殺してはいけない。

<発問②>
槌を振るい続ける了海の姿を見た実之助はどのようなことを考えたのだろう。
・了海が精一杯槌を振るう姿がすごすぎる。道を通そうとする強い思いが伝わる。
・殺してはいけない気がしてきた。
・でも父の敵は討たないといけない。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑮125~131行目
実之助も石工達に交じって働き始める。了海と実之助が並んで槌を振るう。

了海
道を完成させたい。絶対に成し遂げる。
実之助
1日も早く完成させて、敵を討つぞ。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑯132~141行目
了海が槌を振るった時、小さな穴から山国川の流れが見えた。了海から泣き笑いが起こる。

了海
ようやく山国川の流れが見えた。自分の願いが叶った。何年もかかったが、成し遂げられて本当に嬉しい。諦めなくて良かった。

D[生命の尊さ]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑰142~146行目
了海は実之助に山国川の流れを見せた。二人は手を取り合って喜びの涙にむせんだ。

実之助
山国川が見える。夢みたいだ。
二人
21年間も続けてきて、本当に大変だったが、やりがいがあった。できないと思っていたことが達成できて嬉しい。

A[希望と勇気、努力と強い意志]

⑱147~151行目
了海は実之助に自分を切るように伝える。

了海
このような願いを達成できた日に死ぬなら幸せだ。敵として自分を切ってほしい。

D[生命の尊さ]

⑲152~166行目
実之助は復讐心よりも偉大な事業に対する驚きと感激で胸がいっぱいになる。再び了海の手を取り、感激の涙にむせびあう。

実之助
このようなことが、人の手で達成されたことが凄すぎる。父の敵よりも、今は道が完成した喜びを一緒に分かち合いたい。

<中心発問>
再び了海の手を取り、固く握りしめているとき、実之助はどのようなことを考えていたのだろう。
・長い時間をかけて、続けてきたことに感動した。
・了海の手でこのような大きなこと成し遂げられたことがすごい。
・父の敵を討つことよりも、一緒に取り組んで道が通った喜びを分かち合いたい。

D[生命の尊さ]
B[親切、思いやり]
A[希望と勇気、努力と強い意志]

6.本時の学習

(1)ねらい
 実之助が、了海の長い年月をかけて道を通した姿を見て、復讐する気持ちを超えて心を動かされたときの思いを考えることを通して、人の心や姿に素直に感動する心情を育てる。

(2)展開の計画

学習活動
○主な発問 ◎中心発問 ・予想される反応

◇指導上の留意点 ●評価


1 実之助の立場を説明して、教材への導入を図る。
○実之助の父が了海に殺されたことについて
○江戸時代の敵討ちについて
○青の洞門と洞門を掘るための道具について

◇登場人物の関係や時代背景を簡単に説明する。
◇青の洞門の写真と槌とのみの実物を見せる。


2 教材「青の洞門」を読み、話し合う。
○「父のかたき、かくご!」と言った時、実之助はどのような気持ちだったのでしょう。
・ようやくこの日がきた。これで父の思いを晴らすことができる。
・よくも父を殺したな。やっと敵を討てる。
・お前のせいで、中川家がなくなった。許せない。絶対に殺してやる。

◇BGMを用いた語り聞かせを行う。

○槌を振るい続ける了海の姿を見た実之助はどのようなことを考えたのだろう。
・了海が精一杯槌を振るう姿がすごすぎる。道を通そうとする強い思いが伝わる。【D感動、畏敬の念】
・殺してはいけない気がしてきた。【D生命の尊さ】
・でも父の敵は討たないといけない。【葛藤】

◇槌とのみを振るう姿を教師が動作化する。
◇了海のどのような姿に実之助の決心が揺らいだのか、また実之助の敵討ちに対する葛藤を考えられるように、必要に応じて補助発問をする。

◎再び了海の手を取り、固く握りしめているとき、実之助はどのようなことを考えていたのだろう。
・長い時間をかけて道を作り続け、成し遂げたことに感動した。【A希望と勇気、努力と強い意志】
・父の敵を討つことよりも、今は喜びを分かち合いたい。このような偉業を成し遂げた了海には生きてほしい。【D生命の尊さ】
・了海の手で、このような大きなことを成し遂げられたことがすごい。【D感動、畏敬の念】

◇隣同士で話し合う時間を設けて、自分の考えを整理する時間をとる。(3分程度)
●了海の思いや姿を見た実之助の復讐する気持ちを超えて心を動かされたときの思いについて、考えを広げたり深めたりしている学習状況を把握する。【観察、記録】

3 人の心や姿に感動した経験を振り返る。
○実之助のように人の心や姿から、心がじーんとしたり、感動したりしたことはありますか。
・テレビで、治らない病気と言われていても治そうとお医者さんや看護師さんが頑張っていて感動した。
・スポーツ選手が頑張って、成果を出している姿を見てすごいと思った。自分も諦めそうになった時に、そのことを思い出して頑張れた。

◇ワークシートを活用する。
●自分との関わりの中で、人の心や姿に素直に感動した経験について振り返り、考えを深めている学習状況を把握する。【ワークシート、記録】


4 教師の説話を聞きながら、本時の学習を振り返る。

◇教師が人の心や姿勢に感動した経験を話す。

(3)1組の児童の反応

学習活動
○主な発問 ◎中心発問 ・予想される反応

◇指導上の留意点 ●評価


1 実之助の立場を説明して、教材への導入を図る。
○実之助の父が了海に殺されたことについて
○江戸時代の敵討ちについて
○青の洞門と洞門を掘るための道具について

◇登場人物の関係や時代背景を簡単に説明する。
◇青の洞門の写真と槌とのみの実物を見せる。


2 教材「青の洞門」を読み、話し合う。
○「父のかたき、かくご!」と言った時、実之助はどのような気持ちだったのでしょう。
・やっと敵を討てる。殺してやる!
・探し続けた人にようやく会えた。
・悲しみや憎しみ、恨みの気持ちがある。

◇BGMを用いた語り聞かせを行う。(教科書は見ずに)
◇実之助の悲しみや了海に対する憎しみなどを考え、人間理解に繋げる。

○槌を振るい続ける了海の姿を見た実之助はどのようなことを考えたのだろう。
・年をとっているのに掘っていることがすごい。
・ずっと掘っているから、ごめんなさいという気持ちが伝わる。
・手伝って完成したら殺そう。

◇槌とのみを振るう姿を教師が動作化する。
◇了海のどのような姿に実之助の決心が揺らいだのか、また実之助の敵討ちに対する葛藤を考えられるように、必要に応じて補助発問をする。

◎再び喜びを分かち合いながら了海の手を取り、固く握りしめているとき、実之助はどのようなことを考えていたのだろう。
・よくやった。
・一生懸命村のためにしてきたことがすごい。
・許そう。
・二人の気持ちが打ちとけた。「道を通すぞ」という目標を達成した気持ち。

◇隣同士で話し合う時間を設けて、自分の考えを整理する時間をとる。(3分程度)
●了海の思いや姿を見た実之助の復讐する気持ちを超えて心を動かされたときの思いについて、考えを広げたり深めたりしている学習状況を把握する。【観察、記録】

3 人の心や姿に感動した経験を振り返る。
○実之助のように人の心や姿から、心がじーんとしたり、感動したりしたことはありますか。
・夢のために頑張っている人。
・人と人とのつながり。人の心の強さ。
・応援したくなるような人。

◇ワークシートを活用する。
●自分との関わりの中で、人の心や姿に素直に感動した経験について振り返り、考えを深めている学習状況を把握する。【ワークシート、記録】


4 教師の説話を聞きながら、本時の学習を振り返る。

◇教師が人の心や姿勢に感動した経験を話す。

(4)2組の児童の反応

学習活動
○主な発問 ◎中心発問 ・予想される反応

◇指導上の留意点 ●評価


1 実之助の立場を説明して、教材への導入を図る。
○実之助の父が了海に殺されたことについて
○江戸時代の敵討ちについて
○青の洞門と洞門を掘るための道具について

◇登場人物の関係や時代背景を簡単に説明する。
◇青の洞門の写真と槌とのみの実物を見せる。


2 教材「青の洞門」を読み、話し合う。
○実之助が「父のかたき、かくご!」と言った時、どのような思いが込められていたのでしょう。
・やっと敵が討てる。これで心が楽になるかも。お父さんの敵が晴らせる。
・これで中川家が復活するかもしれない。

◇BGMを用いた語り聞かせを行う。(教科書を見ながら)
◇実之助の悲しみや了海に対する憎しみなどを考え、人間理解に繋げる。

○槌を振るい続ける了海の姿を見た実之助はどのようなことを考えたのだろう。
・何でここまでやるのだろう。頑張れるのだろう。
・それは了海のためになるのだろうか。
・反省している気持ちが伝わる。
T「父のかたき、かくご!」と言った時の気持ちはなくなっている?
・忘れてはいない。でも苦労している気持ちは分かる。

◇槌とのみを振るう姿を教師が動作化する。
◇了海のどのような姿に実之助の決心が揺らいだのか、また実之助の敵討ちに対する葛藤を考えられるように、必要に応じて補助発問をする。

◎再び了海の手を取り、固く握りしめているとき、実之助はどのようなことを考えていたのだろう。
・やっとここまできた。
・21年間もの間続けてきたことがすごい。
・やったー!一緒に作ったことに対する思い。
・殺さなくてよかった。
T実之助の思いを変えたのはどんな心?
・了海の頑張り。真意。みんなのために取り組む気持ち。

◇隣同士で話し合う時間を設けて、自分の考えを整理する時間をとる。(3分程度)
●了海の思いや姿を見た実之助の復讐する気持ちを超えて心を動かされたときの思いについて、考えを広げたり深めたりしている学習状況を把握する。【観察、記録】

3 人の心や姿に感動した経験を振り返る。
○実之助のようにだれかの人の心や姿から、心が温かくなったり、「すごいな」と感動したりしたことはありますか。
・一生懸命に取り組んでいる人がすごい。
・失敗しても諦めない人がすごいと思う。自分も頑張ろうと思う。

◇ワークシートを活用する。
●自分との関わりの中で、人の心や姿に素直に感動した経験について振り返り、考えを深めている学習状況を把握する。【ワークシート、記録】


4 教師の説話を聞きながら、本時の学習を振り返る。

◇教師が人の心や姿勢に感動した経験を話す。

(5)板書計画

<参考>
○事前におさえたい内容

実之助の父が了海に殺されたことについて
主人殺しの罪

江戸時代では、親殺し以上の凶悪な犯罪であった。のこぎり引きの上、磔の刑となる。また殺された家も家事不取締(自分の家の名を汚した)として、所領が没収される。つまり家が亡くなることになる。中川家が亡くなった実之介は縁者(親戚)に育てられた。

江戸時代の敵討ちについて
敵討ち

原作は「恩讐の彼方に」という題名で、恩讐には「情けや恩と恨み」という意味がある。原作では仇討ちという表現を用いていて、親を殺した者を打ち取ることで、家の汚名を返上したことになる。敵討ちには一家再興(再構)の期待が込められている。

青の洞門と洞門を掘るための道具について
槌とのみ

人の手で成し遂げられた偉業だと感じさせるために、実物を示し、音を聞かせる。太いのみを用いると、良い音が出る。

理解が難しいと考えられる言葉
むせぶ

息を詰まらせて泣くこと。今回は喜びや感動で胸がいっぱいになって涙する。

敵討ち

人物の関係と江戸時代の背景を説明する時に伝える。