小学校 図画工作
小学校 図画工作

1.題材名
ポーズのひみつ
2.学年
第4学年
3.分野
鑑賞する
4.時間数
2時間(他題材の導入や、美術館への校外学習の事前指導としても展開可能)
5.題材設定の理由
教科書に掲載されている美術作品とアートカードによる鑑賞の題材である。子どもたちは、真似をすることが好きである。作品の登場人物の真似をしながら鑑賞することで、作品を楽しみながら見てその面白さやよさを味わわせることができるようにした。
当校では、どの教科でも日常的に「ロイロノート」という学習アプリを活用している。図画工作科でも、鑑賞活動や振り返りカードの記入などの場面でこのアプリを活用することによって、子どもの学びを蓄積し、一層学びを深めたり評価に生かしたりすることができると考えた。
6.準備物
7.目標
(1)題材の目標
美術作品のポーズを真似したり、感じたことや気付いたことを伝え合ったりしながら鑑賞し、お気に入りの作品をまとめることにより、作品のよさや面白さを味わうとともに、見方や考え方を広げることができる。
(2)観点別目標
知 描かれているものや人物のポーズに注目して、真似しながら美術作品を見たり、感じたことや気付いたことを友達と伝え合ったりすることを通して、形の感じや色の感じ、それらの組み合わせによる感じ、明るさなどが分かる。
鑑 ポーズを真似しながら見ることを通して美術作品の造形的なよさや面白さ、表したいこと、いろいろな表し方などについて感じ取ったり考えたりするとともに、友達と交流することを通して自分の見方や感じ方を広げる。
態鑑 進んで美術作品を見て、描かれているものやポーズに注目しながら作品に主体的に関わり、
作品のよさを味わう中でつくりだす喜びを味わおうとする。
8.本題材の指導にあたって
導入では、教科書に掲載されている4作品から鑑賞活動を始め、絵をじっくり見る面白さや、気付いたことや感じたことを交流しながら見る楽しさを味わえるようにしたい。その際、作品を印刷してラミネート加工したものを班ごとに用意し、ホワイトボードマーカーで書き込みながら見ることで、考えを可視化し他の班の友達とも交流しやすくする。
次に、アートカードから選んだ10作品も併せて、ポーズを真似しながら鑑賞する。図工室にある材料を小道具に使ったり、ポーズができたら記念写真を撮ったりすることで、様々な作品をじっくり見て楽しむことができるようにした。
最後に、本時で鑑賞した中から一番のお気に入り作品を選び、ロイロノートを使って振り返りカードにまとめさせる。本時で鑑賞する作品をデータ化し、ロイロノートの「資料箱」に入れておくことで、児童が自分で作品を選び、振り返りカードに貼り付けられるように工夫した。
9.授業の実際
学習活動の流れ |
◆:指導上の留意点 ◎:評価方法 |
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1.絵を見る視点や、本時の流れを確認する。 <絵を見る視点> |
◆美術作品の鑑賞が初めての児童なので、絵の見方や見る視点を伝えるとともに、本時の流れを確認する。 |
2.4枚の絵を鑑賞する。 |
◆印刷では見えづらい部分もあるため、教師用指導書付属のポスターを黒板に掲示しておく。 |
(2)他の班に、自分たちの見つけたことや感じたことを伝える。 |
◆書き込んだ絵を見せながら、伝え合わせる。伝え合う際には、どの意見も否定しないこと、違う考えも面白がることをルールにした。 |
3.作品のポーズを真似しながら鑑賞する。 |
◆体の動きだけでなく小道具も使いながら、作品のポーズを再現できるようにさせる。 |
4.お気に入りの作品を選び、振り返りカードにまとめる。 |
◆ロイロノートの資料箱から、お気に入りの作品や自分たちで撮った写真を貼り付けさせる。 |
10.実践を振り返って
○真似をしながら鑑賞することは、とても効果的であった。実際にポーズをとることで、「こんな動きをしていたのか」「どうしてこっちを向いているのかな」などと新たな気づきをもった児童も多く、美術作品を味わうことができた。
○毎題材の終了時に、振り返りカードをロイロノートで書かせてきた。紙で印刷したワークシートに書き込む方法よりも、教師・子ども共にメリットが大きいと感じている。
<特に大きなメリットを感じること>
①作品写真を撮影すること自体が、子どもの一つの表現になる。
②鉛筆で書くのは苦手な子どもも、タブレットでなら抵抗なく書ける。
③全ての題材のカードをデータで一括管理できるので、評価の材料としても子どもの学びの蓄積としても効果的である。
④提出されたカードを紙に印刷してからコメントを入れたり、教室に掲示したりすることができる。
⑤作品写真を児童自身が撮って貼り付け、タブレット上で提出するため、教師が撮影したり、名簿で提出確認したりする手間が省ける。