1.はじめに |
2003年から非常勤講師として神奈川大学で情報科教育法を担当して,今年で7年目になります。他大学でも担当することになり,情報科教員を目指す学生に講義をしてきました。講義を始めた頃は情報科教育法といっても何をどのように教えてよいかわからず,書籍や他大学で実施されている内容を参考にしながらシラバスを考えました。まさに手探り状態で始まったという点では,他の大学で担当されている先生方と同じであると言えます。情報科教育法は半期15時間で実施しており,Ⅰを履修したあとにⅡを履修します。よってⅠは,教科「情報」の目的や3科目の学習内容及び座学と実習を交えた指導法など教科教育の基本を学びます。そしてⅡでは,単元ごとの具体的な指導法やディジタル教材の作成,年間指導計画の作成,模擬授業を行います。具体的な学習内容や時間配分は毎年変わりますが,全体的な構成はこの形で実施しています。
一方,筆者は中高の教員として情報教育の授業を担当しており,高校では情報科の授業を行っています。どの学校においても情報科教員は,授業担当や担任業務など教員としての日常の業務に加え,ネットワーク管理,サーバ管理,コンピュータ教室の管理など,様々な仕事を担当することになります。他にも生徒はもちろんのこと,先生方のパソコンやネットワークに関する質問や対応にも追われる毎日です。情報科教員としての教育活動がいかなるものかを学生に伝えていきながら,一人でも多くの実践力のある教員の養成に尽力していきたいと考えています。
本稿では,著者が実施している情報科教育法の内容を紹介するとともに,情報科の教員養成の問題点を整理しながら,新科目に対応できる教員養成はどうあるべきか考えてみたいと思います。
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