ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.42 > p30〜p31

タイピング指導のツボ−1
「ホームポジションの指導」
今回のポイント
 このシリーズでは三回にわたって,タイピング指導の方法・手順について考えてみたいと思います。まず今回は,ホームポジションの指導についてです。
 近年のコンピュータ教育で新たに問題になっている指導項目のひとつに,キーボード入力の指導が挙げられます。コンピュータが世に出た当初は,フルキーのいわゆる英文タイプ式配列のキーボードによる入力は必須でした。入力結果のアウトプットはパンチカードなどからディスプレイへと変化していき,さらにディスプレイの性能も徐々に良くなっていきましたが,マウスを併用するにしても,キーボードを利用して文字を入力するという方法が一般的であることには違いありませんでした。しかし,さまざまな入力デバイスの開発と,携帯電話の爆発的な普及が相まって,コンピュータ関連機器でキーボードによる入力を必要としない利用形態が増えてきています。
 すなわち,生徒たちにしてみれば,面倒なキーボード入力などしなくとも,携帯のテンキーやマウスやその他の入力デバイスで,そこそこのスピードで文字を入力できるのに,なぜわざわざキーボード入力をマスターしなければならないのかという感覚すら少なからず持っていることになります。ひいては,キーボード入力から情報嫌いに発展しかねないという危惧すらあります。しかし,いまのところ,キーボードはビジネスユースでは最も一般的で有効な入力機器であることに違いありません。生徒たちであれば,入力のちょっとしたこつを教えて練習させることで飛躍的にスピードも正確性もアップするのです。

ホームポジション指導の展開例
項目指導内容留意点
(1)キーボード配列の説明 5分 *キーボードの文字のならびを改めてよく観察させる。 よく使われる文字は,入力しやすい人差し指や中指の担当になっていることを認識させる。
(2)ホームポジションの説明 10分 *“F”“J”のキーに人差し指を置かせてホームポジションの手の位置を認識させる。 キーボードの中で人差し指ホームポジションだけ手触りが違うことを確認させる。
*キー入力ごとにホームポジションに指を戻す練習をさせる。 まだパソコンの電源を入れずに,空打ちで練習させる。例えば,A−Zまでを順に触らせるなど。
(3)入力練習 30分 *アルファベット26文字を入力させてみる。 文字入力のできるソフトを起動する。A−Zまで入力。入力は教師の発音した文字を入力させるか,見本を用意してそれを見ながら入力させるかのいずれか。ここで,シフト,キャプスロックの説明もする。
*日本語50音を順に入力させる。 漢字変換しないモードにしておくとよい。ホームポジションを守るよう指示する。一文字入力したらホームポジションに戻る。
*ローマ字入力表を見ながら,拗音や促音なども練習させる。 入力問題集等の基本的な入力練習問題を活用すると良い。
入力の早い生徒向けに,多めに練習問題を用意しておく。
また,早い生徒には反復して入力するよう指示しておく。
(4)まとめ 5分 *もう一度全員にホームポジションを確認させる。 時間に余裕があれば,もう一度,今度はなるべくキーボードを見ないで入力する練習をさせてみると良い。
基本入力練習


(「生徒のためのコンピュータ入力問題集」2ページより引用)

1.アルファベット
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ

2.英単語
MOUSE  COW  TIGER  RABBIT  DRAGON
SNAKE  HORSE  SHEEP  MONKEY
CHICKEN  DOG  PIG

3.50音
あいうえお  かきくけこ  さしすせそ  たちつてと  なにぬねの
はひふへほ  まみむめも  やゆよ  わをん
がぎぐげご  ざじずぜぞ  だぢづでど  ばびぶべぼ  ぱぴぷぺぽ

4.拗音・促音
シャツ  チョキ  ビュー  キャンプ  チャンス  シュール
チャンネル  マシュマロ  トップ  カット  ニッチ  マックス
スリット  ショック  キャッチ  エルニーニョ
前へ   次へ
目次に戻る
上に戻る