学び!と美術
学び!と美術

コロナ禍における図画工作・美術の役割についてちゃんと向き合いたくなったので、横浜国立大学有元典文先生(※1)をお招きして考えてみました。
アートには「生存価」がある
「生存価」を自覚するインプロゲーム
HANDSON:http://www.hxon.net/pepakura/
Johan Scherft:https://jscherft.wixsite.com/website-johan-3/papercraft
図画工作・美術は修行?
A:「こんにちは」
B:「ふんっ」
Aさんの発話の意味はBさんの発話によって遡って規定されます。事件を知った後に、あの時の行動の意味を理解した、みたいなバックワードの理解はいくらでもあります。
認識や行為の参照枠を個人に設定した場合に「花子が自転車に乗れた」と記述され得る事態は、参照枠を広げ、事態が埋め込まれた状況が見渡せるようにカメラをズームアウトした場合、「花子が自転車に乗れた、という事態が観察可能(可視)になるような、補助者、仲間、人工物、課題の構造を含む状況がそこに成立している」と表現される。
※1:有元先生との出会いは、ある雑誌の論文でした。明快な論理に目が覚めるような思いをしたことがきっかけです。それ以来『初等教育資料』に原稿をいただいたり、美術科教育学会で講演していただいたり、いろいろな場で一緒にお仕事をさせていただいています。コロナ禍のもと、図画工作や美術は何を求められているのか、対談を通して、何かヒントを得たいと思い、登壇いただきました。有元典文「教育のチューリング・テスト」『現代思想6月号 特集 教育に何ができるか 状況論的アプローチ』青土社、1991、pp.157-165
※2:https://note.com/hasebehiroshi/n/naa206880e815
※3:インプロは、インプロビゼーション(Improvisation)の略。以下に詳しい。香川秀太・有元典文・茂呂雄二編「パフォーマンス心理学入門—共生と発達のアート」新曜社、2019
※4:学び!と美術<Vol.78>「ラウンド・スケッチ~人気の鑑賞アクティビティ」2019
https://www.nichibun-g.co.jp/data/web-magazine/manabito/art/art078/
※5:有元典文「論説 教育において殻を破り自分を広げるべきは誰か?―いっしょに生きる技術としての発達の最近接領域―」『女子体育vol.59-6/7』日本女子体育連盟、2017、pp.12-15
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006344914
※6:ロイス・ホルツマンはアメリカの発達心理学者。インプロの実践と分析を通して、インプロの集団のアンサンブル性にもとづいた、個体主義的能力観や二元論の批判などをおこなっている。
※7:能智正博・香川秀太・川島大輔・サトウタツヤ・その他編『質的心理学辞典』新曜社、2018
※8:水素はそれ自体が燃えるし、酸素はものの燃焼を助け、そのどちらにも消火能力は備わっていない。