学びムーヴメント! トピックス

この夏のニュースから

みんなで環境問題を考えよう

“地球温暖化”この世界的な現象も、一人一人の気持ちが肝心。

 7月は東日本から西日本の大部分で梅雨前線が停滞し、雨が続いた。大型台風もあり梅雨明けも遅くしかも平均気温も例年に比べ低かった。しかし、8月に入ると全国的に一気に猛暑。8月17日には岐阜県多治見市で40度以上を観測、埼玉県熊谷市でも35度以上など各地で国内最高気温を更新。熱中症による死亡者も出た。一時は毎日の最高気温が35度前後ということで、一昔前よりは夏の最高気温が上昇していると感じられる。世界的に気候による変化が目まぐるしいが、さらに思うことは温暖化現象なのかもしれない。その地球温暖化は加速していて、今後も砂漠化の進展や氷原・氷床の減少などの直接的な影響のほか、食糧生産、海岸の浸食、生物種の減少などにも一層深刻な影響がでてくるものと予想されている。

 ここで、この夏休み期間に報道されたニュースから環境に関するものをピックアップしてみた。2007年も後半、今一度これらニュースを振り返り環境について考えてみたいと思う。

氷ピンチ! 
北極海で面積過去最小、予測以上(産経新聞より)

 北極海の氷の面積が1978年の観測開始以来、過去最小になっていることが海洋研究開発機構などによる衛星観測で16日、分かった。地球温暖化による海水温度の上昇などが原因とみられる。氷は9月中旬まで減少が続く見通しで、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の予測より30年以上も速いペースで解けている可能性が大きい。<中略>
 北極海ではここ数年、海面水温の上昇が続いており、今夏は2000年以降で最も高い。この影響で、例年は厚い氷で覆われるカナダ沿岸部で春先から氷が薄くなり、夏から解け始めた。氷の面積が減ったことで太陽光を反射しにくくなり、水温がさらに上昇。また、シベリア沖に停滞する低気圧からの風で氷が大西洋に流出し、減少が加速したという。

温暖化で氷河消失へ、年平均気温が10年で0.3℃上昇―チベット自治区

  BBCチャイナの報道によると、チベットの温暖化が他地域よりも急速に進んでいることがわかった。10年間で年平均気温が0.3℃上昇したという。中国全体の平均気温が100年で0.4℃、全地球地表平均温度が100年で0.74℃それぞれ上昇しているデータと比べても、チベットの温暖化が急速であることが分かる。チベット地区の昨冬平均気温は平年より0.5℃から2.8℃高く、過去35年間の気温変動を見ても、2000年以降に5回も高温記録を出した。<中略>
 温暖化が進めば、氷河が溶けて縮小し、国内の主要河川の水量が減り、干ばつや砂漠化を加速させる。またガンジス川やメコン川などアジア各地の河川ともつながっており、その影響は計り知れない。

“ヤマビル”里山荒れ急増 
ハイカーらの吸血被害29府県で(毎日新聞より)

 従来は山奥にしかいなかったヤマビルが、ふもとまで生息域を拡大し、住民やハイカーが吸血される被害が全国各地に広がっている。被害情報は29府県に及び、日常生活や観光にも影響が出始めており、神奈川県では自治体などが駆除対策に乗り出す事態になった。過疎化や林業の衰退による森林や里山の荒廃が原因で、専門家は「ヒルの問題は日本の森林荒廃の象徴で、早急な対策が必要だ」と訴えている。ヤマビルはミミズの仲間で体長3~5センチ。活動期は5~10月。人や野生動物の血を吸い、吸血量は約1CCで、蚊やダニなどの5~10倍になる。雨や雨上がりの日に地面に出て待ち伏せしている。かまれてもほとんど痛みを感じず、出血が1時間以上続くケースも多い。<中略>

長野県内最大規模の風力発電を撤去
-美ケ原高原美術館(信濃毎日新聞より)

 長野県美ケ原高原美術館(上田市武石)で2003年7月から稼働していた県内最大規模の風力発電施設が8月11日までに、撤去された。美術館を運営するフジランド(東京)がデンマーク製の中古風車2基を設置していたが、修繕費が予想以上にかさんだ上、4月下旬に落雷と暴風を受け羽根の一部が落下する問題も発生。今後の安全を考慮し、撤去に踏み切った。<中略>
 地球温暖化を背景に、クリーンな自然エネルギーとして国内では海岸付近を中心に風力発電施設の設置が進んでいる。一方で、山岳地を中心に計画される県内では自然環境や景観への影響、風車の耐久性に対する懸念もあり、住民らの賛否が分かれている。デンマーク製で10年程度使用したとされる中古の風車は故障が多40センチ程度の破片が落下する問題が起きたのを機に、撤去を決断したという。現地の事業部は「開館時間前で、人身事故に至らなくて幸いだった。撤去は安全を第一に考えた」としている。

 来年の年賀はがき(日本郵政公社)では「カーボンオフセット」仕様の寄付金付きが発売されるという。 カーボンオフセットとは、日常生活での二酸化炭素(CO2)排出を、植林やクリーンエネルギー事業支援で相殺し、地球温暖化防止を進める考え方のこと。近年、欧米で急速に広がっている。

 JCCCA全国地球温暖化防止活動推進センターのWebサイトでは、身近な取り組みからでも始められるように、『私たちにできること「家庭で取り組む10項目」』というページを設けている。
 10項目の中でも「家族が同じ部屋で団らんし、暖房と照明の利用を2割減らす」では、人間関係が軽薄となった現代社会が環境問題にも影響することを示していて興味深い。これで年間約238kgのCO2の削減されるという。

少しでも、できることから始めること、これが地球を守る第一歩である。

画像:地球温暖化

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