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「広辞苑」新しくなるけれど・・・。

小学校教師100名、児童の国語力調査も注目。

画像:広辞苑 第六版 普通版(左)・机上版(右) 先月下旬、国語事典の『広辞苑』が10年ぶりに改訂すると岩波書店から発表された。朝日、毎日、読売など新聞各紙でも報道されたので、ご存知の方も多いことだろう。昭和30年に収録約20万語彙、発行部数100万部で第一版が出版されて以来、今回10年ぶりの第六版は1万語を新たに加え総収録項目は24万語と過去最大。来年1月に発売するという。

国語力「低下している」88%

この発表と共に岩波書店が、東京大阪の小学校教師100人に「児童の国語力」に関して調査した結果に注目。国語を5年以上教えていることを条件にした結果がとても興味深い。
 最近の児童の「国語力」の低下の程度について「非常に低下」15%、「やや低下」73%で9割近い数字が出ている。調査結果には、児童の日本語の使い方、漢字の使い方のエピソードも出ている。

  • 作文を書かせると「そして~しました」「そして~しました」と単純な文章が続く。
  • ケガをしたとき、体の細かい部分の名前を知らなくて、口で説明できない。
  • 数を表すのにすべて「○個」の単位でしか表現できない。
  • 「きもちい」「きもちかった」と表現することが多い。
  • 作文が「~で、~で、~で」と続き、最後まで「~。」とならず終わらない。

理由「本を読まなくなったこと」が78%に。

 また、児童の国語力が低下している原因としては、「本を読まなくなった」が78%と8割近くの人があげている。子どもの国語力を向上させるために望ましいこととして、「家族との会話が多い環境」89%、「本が家にあり、いつでも読書ができる環境」68%(複数回答)と続いている。
 活字離れが危惧されて久しいが、「声に出して読みたい」などと、大人の世界でも日本語が見直されている時期でもある。来年告知される「新学習指導要領」では、小学校の国語の時間数が見直されているようだ。子どもたちへの英語教育が求められているとは言え、母国語の大切さを再確認しなければいけないときではないだろうか。

 さて、新しく発売される『広辞苑』では、「現代語」「カタカナ語」「人文・社会」「自然・科学」「人物」「方言」など各ジャンルで多くの新語が加わることになった。特に「現代語」の中のいわゆる若者言葉が、新聞紙上でも大きく取り扱われていた。いずれも日本語として定着した、という理由から『うざい』『いけ面』『めっちゃ』などが、掲載される。

 「癒し系」な「いけ面」のあの人
 「たられば」で物事を語るな。
 ランチを「さくっと」食べて、「午後一」から打ち合わせしよう!
 「デパ地下」で「スイーツ」を買おう。

これら日頃使う会話ことばが、新しい国語辞典に掲載されることになる。

ところで最近は、電子辞書やインターネットで調べることに慣れ、書物としての辞書を活用するとなると、どれくらいの人がいるだろうか。
つい、昔は一家に一冊国語辞典であったことを思い出してしまう・・・。

<新たに収録された項目と意味>

  • ニート【NEET】
    職業に就かず、教育・職業訓練も受けていない若者。無業者。イギリスで生まれた語で、2004年ころから日本でも問題化。
  • かお-もじ【顔文字】
    パソコンなどで、文字や記号を組み合わせて様々な表情を表現したもの。「 (^-^) 」など。
  • いやし-けい【癒し系】
    心を和ませるような雰囲気や効果を持つ一連のもの。
  • ブログ【 blog 】
    (ウェブ・ログ)の略
    ウエブサイトの一種。個人や数人のグループで運営される日記形式のもので、情報提供や意見交換などのコミュニケーション機能が付加されている。
  • ぎゃく-ぎれ【逆切れ】
    (「逆に切れる」から)
    それまで叱られたり注意を受けたりしていた人が、逆に怒り出すこと。

<その他の主な新しい項目>

  • 現代語
    温度差、午後一、さくっと、自己中、食育、内部告発、ラブラブ、いけ面
  • カタカナ語
    カミングアウト、スイーツ、スキミング、着メロ、デパ地下、リベンジ、マイブーム
  • 人文社会
    個人情報保護法、独立行政法人、準教授、道の駅
  • 自然人間
    エコノミークラス症候群、性同一性障害、鳥インフルエンザ
  • 科学技術
    IP電話、青色発光ダイオード、カミオカンデ
  • 人物
    井深大、植木等、如月小春、山田風太郎、アルマーニ、ダイアナ、ローリング-ストーンズ