Yahoo!きっずの想い

 今回のトピックスは、毎月の利用者数が500万を数えるという、子ども向けインターネット・ポータルサイト「Yahoo!きっず」に注目した。

 10年前に「Yahoo! JAPAN」の社会貢献事業として開設してから、今では1日あたりのページビュー(閲覧数)が数百万にものぼり、子どもたちのアクセスはもちろん、教師や保護者、また高齢者など様々な年齢層にも親しまれているという。現在は携帯版も公開している。

 アクセスや閲覧の件数から見ても、多くの情報を配信するポリシーを知っておきたいところだ。そこで東京六本木のミッドタウンビルにある「Yahoo!きっず」のオフィスを訪ねた。

 学校では、コンピュータなどICTを活用した情報教育が叫ばれ、ネットの環境整備も進められている中で、全国の約6割の学校で「Yahoo!きっず」を利用しているという調査結果もあるそうだ。主に調べ学習などでの使用率が高いようだが、これに、家庭での利用率も合わせると、子どもたちの情報源として役立っていることがわかる。「まなびと」をご覧の多くの読者も、利用されているのではないだろうか。

「Yahoo!きっずガイド」ページ 「Yahoo!きっず」のトップページには24のきっずサービスや、特集コンテンツ、星座占い、投票などがあり、学習関連の情報から遊んで楽しい情報まで、学びと娯楽がミックスされたエデュテイメントの精神で企画構成されている。

 サイト運営における想いを企画担当の鶴岡さんは、“より安心して使えて、しかも驚き、発見があるサービスの提供” “「子どものころYahoo!きっずを使って学び遊んだ」ことを、人生の節目に思い出してもらえるようなサービスになりたい”と願う。とにかく、“正しくネットを利用して、ネットが今までに知らなかった世界を学ぶことができる便利なツールであることを知って欲しい”が、発信者にこめられた想いだ。

多く利用されているものは?

「Yahoo!きっずガイド」ページ 「きっずサービス」にある、図鑑、理科社会動画、環境といった学習系のメニューや、ゲーム、ペット、クイズなどのエンタメ系がアクセスの上位を占めている中で、最も多く利用されているのはキーワード入力をする検索機能だという。子どもたちのPCデビューは、平均的に小学校2~3年生だそうで、保護者に手伝ってもらいながら使い始めるという。マウスを使えばクリックするだけで情報が得られる他のサービス以上に、入力検索の利用頻度が高いということは、つまり、キーボードを使いこなしているということが読み取れる。しかも、ローマ字入力が多いという調査も出ているそうだ。
 また、不定期ではあるが、子ども、教師、保護者など対象を変えてアンケートをとり、各サービスで反映させている。その調査からも、子どものPC操作に対する飲み込みは早く、現代の子どもにとって、パソコンやインターネットはとても身近なものになっていることがわかる。

ネットマナーを重視
正しい使い方を知って欲しいという想い

 その身近さゆえに、子どもがネットがらみで危険に巻き込まれるという不安もある。実際に、ネットや携帯電話を悪用した有害な情報も氾濫している。「Yahoo!きっず」へも、教師や保護者から寄せられる今最も増えている要望の一つが、ネットマナーについての情報提示や、関連セミナーの開催などについてだ。
 「Yahoo!きっず」は、いったんトップページに入ったら、その他の「Yahoo! JAPAN」ページへはリンクされていない。多種多様な大人のサイトへは進めないようになっている。「Yahoo!きっず」の世界を安全に保つために、登録サイトの安全性にはいつも目を光らせているとのこと。スタッフの中に、“サーファー”という職務のスタッフが存在し、登録サイトが安全であるかを細かくチェックしている。この作業は、いかにネット社会とは言え、チェックシステムと共に、一つひとつを人間の判断で確認することで、安全性を高めているという。

「Yahoo!きっずガイド」ページ ネチケット(ネット利用におけるエチケット)対策はというと、「きっずガイド」を設けて、マナーや、用語集など豊富な情報を提供している。子ども向けの「ネットのマナーABC」では、クイズ形式でアニメーションが展開してネットのマナーを学べたり、インターネットの活用ルールをプリントすることもできる。大人向けには、子どもたちにどのように指導すればよいのかという不安に対応した、豊富な解説資料が用意されている。これらは、Yahoo!きっずで作成したオリジナルだという。
 ネットの使い方を間違えれば、危険性も大きくなるが、そこはどんな物でも使い方次第だ。子ども、大人、それぞれに対応した正しい使い方を知るための情報が各種用意されている。これらは、ネットで育つ現代社会の中で、ますます重宝がられるコンテンツになるだろう。サイト運営における安全性への配慮を強く感じた。

 ネット社会は、とかくデジタルという無機質な感じさえするが、きっずサービスには、印刷してペーパークラフトやポップアップカードをつくるサービスなどという、情報を入手して、その後は、手を使って、頭で考えて楽しむコンテンツもある。けっしてモニターとにらめっこというだけではない。

 6月には、トップページがリニューアルする予定でさらに使いやすくなるようだ。15名ほどのスタッフが、ネットの向こう側にいる子どもたちを想いながら運営している。

 この「まなびと」読者のみなさん、今後は、サイト運営に込められた想いを知って活用するのもいかがでしょうか。

「Yahoo!きっずガイド」ページ
Copyright (C) 2008 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.