先輩からのアドバイス vol.10
【マンガ】アイデアスケッチに描くものは?

 iPhoneアプリ「中学美術先生のためのABC」の一部コンテンツをWeb版として収録した本コーナー。指導や授業で、つまづきがちな悩みや疑問をとりあげ、ベテラン教師から読者と同じ目線で問題解決へのアドバイスを提案します。

ここがポイント


アイデアスケッチの役割

 子どもたちが発想や構想を練るとき、頭の中にあるアイデアが、最初からはっきりとしたイメージとして存在しているわけではありません。美術の授業の中で新しい題材と出会い、授業の魅力と出会います。その魅力が大きく感じられたとき「やってみたい」という創造への動機が芽生えるわけです。しかし、いざ自分の手で生み出そうとしても、そうたやすいことではないと気づくはずです。自らの主題を生み出すまでに一苦労、主題を形づくっていくために、また悩む。その時に役立つのが、アイデアスケッチです。

アイデアスケッチから見取ること

 アイデアスケッチを授業の中で描いていると、自然と会話が生まれます。頭の中にあったものを一度描いてみることで、子どもたちは自分の作品を客観的に見つめ出します。そこに友達の意見がストレートに入ってくることで、追い求めていた主題とは何か、それをどう、つくるかを考えます。授業を組み立てるときには、これらの生まれてくる自然な会話を学び合う姿に変えていくことが大切なポイントです。またアイデアスケッチのよい面と再考の必要な部分を見つめるように指導し、授業では主題を共有する時間と個人の中でアイデアを再構築し深める時間のバランスをとることも必要です。再考が重ねられたアイデアスケッチには何本もの線が描かれることでしょう。それは決して表現の出来や提出物として整理されていることを評価するものではなく、子どもたちの追究の姿であり、試行錯誤の末に勝ち取る学びの軌跡を見取るものなのです。

シナリオ・監修、文:川合 克彦