先輩からのアドバイス vol.03
【マンガ】授業のねらいが大切なのはなぜ?

 iPhoneアプリ「中学美術先生のためのABC」の一部コンテンツをWeb版として収録した本コーナー。指導や授業で、つまづきがちな悩みや疑問をとりあげ、ベテラン教師から読者と同じ目線で問題解決へのアドバイスを提案します。

ここがポイント


授業のねらいの大切さ

 美術の授業では、表現と鑑賞の活動を行います。そうした活動が授業時間に行われていれば一見、「美術の授業」であるように思われがちです。しかし、美術の授業は活動を行うだけではなく、その活動を通して子どもたちの心の中に何を育むのか、というねらいが必要なのです。子どもたちの心の中に育つもの(資質・能力)は、なかなか現象として捉えづらく、評価しにくい場面があります。しかしねらいがあって初めて、本来の評価・指導ができるのです。子どもたちが集中して楽しそうに造形活動を行っていたとしても、それによってどのような学習ができ、その結果、なにが子どもたちを支えていく力となるのかを理解していないと、せっかく育とうと芽を吹いた子どもたちの学びを育てないまま枯らしてしまうことにもなりかねません。

何を「ねらい」とするか

 また、ねらいはあってもその視点が、ずれてしまうことにも注意が必要です。「こんな作品をつくらせたいな。」と教師が作品の完成イメージを強く持つあまり、子どもたちをそのレールに無理やり乗せてしまうことがあります。いくら活発に活動しているように見えても、子どもたちの主体性を前提とした自由な発想がなければ、それは美術の学習ではなく、教師のイメージしたものをつくるための単なる作業になってしまうのです。
美術という教科、そして造形活動によりどんな素敵な力を育むことができるのか見定め、それを授業のねらいとして学習の中心に据える必要があるのです。

(シナリオ・監修、文 川合 克彦)