幼児期のESD 〜ドイツ・ハンブルクの取り組み〜

ハンブルクの教育計画

 5月の学び!とESD<Vol.29>では、持続可能な社会の実現に向けたドイツ・ハンブルク(*1)の取り組みについて紹介しました。今回は、このハンブルク州の教育計画やESDの手引きについて紹介します。なかでも、学びのスタートである幼児期に焦点を当てて見ていきたいと思います。

図1.ハンブルク州の教育計画表紙(出典:Behörde für Arbeit, Soziales, Familie und Integration(2012))

 ハンブルク州の教育計画では、2012年に改訂版が出されていますが、「持続可能性」に関して詳しく記述されています。なお、この教育計画は0歳から6歳の幼児が対象となっていて、ハンブルク州のすべての保育施設に対して法的な拘束力を持った文書です(*2)
 この教育計画の中では、「持続可能な社会とは何か」についての説明、ESDの制度的な背景や目的、幼児期のESDの理念と実践について、詳しく説明されています。以下に、その一部を紹介します。

 特に園では、ESDの理念における価値教育を通して、子どもが現在と未来の生活の中心的な問題について、持続可能な発展の価値を学び、その意味を考える機会を与えられる。アセスメント・コンピテンシー(Bewertungskompetenz)とは、さまざまな文脈の中での知識、共感、違いを認識する能力であり、それは具体的な試みを通して育成される。
 子どもは、自分の意見を真剣に受け止められ、園生活を形成するプロセスに参加することを通して、アセスメント・コンピテンシーを伸ばす。日常生活の中で持続可能な価値観を志向するとき、他者から伝えられるのではなく、価値とはそもそも何を意味し得るのか、そして何を意味しているのかを体験することを通して、子どもがこうした価値観に意識的に取り組む機会を持つべきである。子どもは、この世界で生きることや人と共存することの価値、意味、働きについて熟考できなくてはならない。その意味で、園の設備や園生活を持続可能な発展の原則に従って設計することが基本となる。食料、エネルギー、水の責任ある使用、他の人々との交流、自分を尊重する体験は、良い生活モデルとなり得る。

 このように教育計画の中では、持続可能な発展の価値について体験を通じて学んでいくことや、ESDに取り組む中で育まれるコンピテンシーについても言及されています。さらに、持続可能性の理念だけでなく、日常生活の中で体験を通して実践していくことが目指されています。そこで重要になるのが「ホールスクール・アプローチ(ホール・インスティテューション・アプローチ)」です。園全体で持続可能な生活を営んでいくことが求められているという意味が、このアプローチには込められています。他にも、この教育計画には、具体的な保育内容と関連させた記述が多く見られます。

ESDの手引き

 それでは、実際にどのような実践が行われているのでしょうか。次に、ハンブルク政府が中心となって作成した保育施設向けのESDの手引きからその一部をご紹介します(*3)。そこでは、ハンブルクの園で実際に行われた保育事例が紹介され、実際の子どもや保護者の声も取り上げられています。

図2.ESDの手引き表紙(出典:Save Our Future–Umweltstiftung; Behörde für Arbeit, Soziales, Familie und Integration (2019))

 まず事例としては、以下の、3つの園での取り組みが紹介されています。

実践例1:「Tシャツの旅」(ドイツ・中国幼稚園)
実践例2:「知識と意志を行動に移す」(ヴィーベン・ペーター通りこども園)
実践例3:「少ないことは、多いこと」(シャッツキンダーこども園)(*4)

 ここでは、その中から「実践例3」を紹介してみたいと思います。
 シャッツキンダーこども園では、長年にわたって持続可能性というテーマに取り組んでおり、園全体としてESDの理念を実践しています。「少ないことは、多いこと」というモットーのもと、資源を大切にした経営や調達など数々の取り組みが行われています。園の中で何が必要となり、どのように取り揃えるのかについては、可能な限り子どもたちの意見も取り入れられてきました。そうすることで、ESDの理念に向けた長期的な変化を数多く実現することができるようになります。
 例えば、動物性食品と植物性食品を「持続可能性のメガネ(Nachhaltigkeitsbrille)」で見ることによって、卵、牛乳、既製品がどこで作られたものなのかが見えてきます。その結果、ベジタリアンやビーガンの食事の提供が多くなり、卵はほとんど避けられ、牛乳の代わりに植物性の代替品も提供されるようになりました。この施設では、全粒粉製品を中心に、有機栽培の地域食材や旬の食材を購入しています。また提供される飲料は、水道水とガラス瓶に入った水です。園の畑では、子どもたちがハーブを育て、鳥の巣箱やミツバチや蝶の家もあります。畑で過ごす子どもの声も次のように紹介されています。
 「私たちの畑で、ちょうちょうやミツバチがどのように働いているのかを観察しました」(4歳エリーザ)
 ほかにも、ゴミ問題に取り組むことで、包装されていないものを購入することが増えているようです。園では、子どもたちとノンパッケージ・ショップに出かけたり、自分たちでパンを焼いたり、夏にはジャムを作ったりします。夏には手作りジャム、秋には手作りリンゴソースなど、季節に合わせていろいろなものを作りますが、これは包装の節約にもなります。また、包装物が出た場合には、子どもの製作物に使われます。パーティーがあるときは、保護者が食器を持参します。園内のプラスチック製のおもちゃは、少しずつ木のおもちゃに置き換わっています。他にも、ペーパータオルの代わりにタオルを使用し、ハンドソープと洗浄液がマイクロプラスチックフリーの製品になりました。紙とトイレットペーパーは再生紙のみを使用しています。園のリフォームの際も環境に配慮した塗料のみを使用しています。エネルギーとサステナビリティを重視し、すべての電化製品にスイッチ式の電源タップが装備され、全館で省エネタイプの電球のみを使用しています。
 このように、シャッツキンダーこども園は、園生活に関わるさまざまな点で環境に配慮した取り組みを実践しています。
 さらに、保育者と子どもだけで取り組むのではなく、保護者を巻き込んだ活動が行われているという点も重要でしょう。ESDの手引きには、保護者との関係性について次のように書かれています。

 こども園は、子どもたちやそこで働くスタッフにとってだけでなく、家庭や全ての人にとって学びの場となりますので、 誰もがここに参加できることが理想です。定期的で信頼に満ちた交流を通じて、保護者が園生活に参加することによって、保護者自身が真剣に、ロールモデル、専門家、学習者として自分を認識するようになります。
 保護者会やお手紙、掲示板やプロジェクトのドキュメンテーション、家庭訪問、また、遠足や活動、お祝い会への保護者の参加など、どの園でも保護者の関わりが重要な役割を担っているので、保護者による協力の基本的な柱はすでに確立されていることが多いのです。保護者同士が交流し、保護者自身が興味や能力を発揮することができれば、保護者も含めた形で、全体的かつ持続可能な発展という視点から教育が実現されるようになります。
 例えば、ある父親は次のように言っています。
 「KITA21(*5)をきっかけに、私生活でも持続可能性について積極的に取り組むようになりました。園の遠足に同行でき、子どもたちを自分の職場に招待しました。みんなにとって大変勉強になり、保護者同士の連絡も密になりました。(3歳児レニーの父オーレ)」

写真3.持続可能性の学びの場であるこども園(出典:Save Our Future–Umweltstiftung; Behörde für Arbeit, Soziales, Familie und Integration (2019))

 ハンブルクの事例からは、家庭や地域とつながりながら、子どもの活動が社会とリンクしていく姿を見て取ることができます。実際の子どもたちの園や家庭での生活が、持続可能性の視点から具体的に見直され、さらに園や家庭といった子どもにとっての社会が変容している点は重要なポイントでしょう。
 教育計画や手引きの中には、単に持続可能性について抽象的にその理念が記載されているのではなく、幼児期の子どもたちと実際の園生活の中でどのように持続可能なライフスタイルを実践していくか、既存の保育内容と持続可能性がどのように関連づくのかについて、詳しく説明が加えられています。また、ハンブルクに限らずドイツでは、保育者向けの学びの機会をさまざまな形で保障する仕組みが構築されています。
 今回紹介したハンブルクの園の取り組みのいくつかについては、すでに日本の園でも実践されているものもあるでしょう。また、日本にもさまざまな地域で、ESDの取り組みが広がっています。しかし、まだ現場を支える仕組みづくりが追いついていないようにも思われます。このままでは、持続不可能な社会に追従するような教育を続けていくことにもなりかねません。持続可能な社会を子どもたちとともにみんなで作っていく、そのような教育を幼児期から始めていくことができるはずです。教育が社会を変えていく、教育から持続可能な社会を創造していく、そのような仕組みの構築が幼児期から目指され、きめ細やかなガイドラインや実践の手引きが存在するドイツの取り組みから学ぶ点は少なからずあるのではないでしょうか。

*1:ハンブルクは、ドイツ北部の港湾都市で「自由ハンザ都市ハンブルク」と呼ばれています。行政区画上単独で州(都市州)となっています。ドイツは16の州から構成される連邦制国家であり、各州に大きな権限が委ねられています。そのため、州ごとに、文部科学省や厚生労働省に相当する省があり、それぞれの州が独自の教育計画や手引きを出しています。
*2:Behörde für Arbeit, Soziales, Familie und Integration(2012). Hamburger Bildungsempfehlungen für die Bildung und Erziehung von Kindern in Tageseinrichtungen.
 このハンブルク州の教育計画については、下記拙稿にその詳細が記されています。
木戸啓絵(2023)「持続可能な社会への変容と行動を促す保育―ドイツ・ハンブルク州の教育計画分析―」日本保育学会『保育学研究』第61巻(2022年10月9日受理、2023年発行予定)
*3:日本の文部科学省、厚生労働省にそれぞれ相当する省庁の手引きが刊行されていますが、ここでは後者の手引きの方を取り上げ見ていきたいと思います。

  • 文部科学省に相当する省庁の刊行した手引き:
    Behörde für Schule und Berufsbildung (2020) KLEINE KINDER –Bildungsprogramm für Vorschulklassen in Hamburg. Lehmann Offsetdruck und Verlag GmbH.
  • 厚生労働省に相当する省庁の刊行した手引き:
    Save Our Future–Umweltstiftung; Behörde für Arbeit, Soziales, Familie und Integration (2019). Kitas auf dem Weg in die Zukunft–Bildung für eine nachhaltige Entwicklung in Kindertageseinrichtungen gestalten.PerCom Druck- und Vertriebsgesellschaft mbH.

*4:シャッツキンダー(Schatzkinder)とは宝物の子どもたちという意味。
*5:KITA21とは、北ドイツを中心に広がる持続可能性をテーマにしたプロジェクト。

Webマガジンまなびと:「学び!とESD」Vol.34

Webマガジン:「学び!とESD」Vol.34 “幼児期のESD 〜ドイツ・ハンブルクの取り組み〜”を追加しました。

「今に伝わる室町文化と人々のくらし」(第6学年)

1.単元名

「今に伝わる室町文化と人々のくらし」(第6学年)

2.目標

 我が国の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、文化財や地図、年表などの資料で調べる。この調査活動によって、時代・文化の特色を考え、表現することを通して、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、年中行事等を手掛かりに、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解できるようにする。これらの学習から、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度や、学習してきたことを基に我が国の伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりを考えようとする態度を醸成する。

3.評価規準

知識・技能
世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などについて、必要な情報を集め、読み取り、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、年中行事等について把握し、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解している。

思考・判断・表現
世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、問いを見出し、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、行事の様子を関連付けることによって、この時代の文化の特色を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度
京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして学習問題を追究する中で、長い歴史を経て築かれてきた我が国の伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりについて考えようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元の指導にあたって、「文化の価値」にスポットを当てた指導を行いたい。その「文化の価値」は本単元における「小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編」内容・内容の取扱いを鑑みた上で、初等社会科においては、「運用的価値」と「継承的価値」にあると本授業実践における指導上の仮説を立てた。
 「運用的価値」とは、学習指導要領に示される「今日の生活文化につながる室町文化」との融和性が高い。すなわち、室町文化が具体として今日の生活様式や事物に直接的につながっているという価値である。ここでの価値の具体は、和室・たたみ・障子・ふすま・違い棚・床の間・生け花・すみ絵(書画)・茶・うどん・とうふ・こんにゃく・納豆・しょうゆ・砂糖の一般的使用などを取り上げる。これら「運用的価値」の概念化については、単元の前半に集約して指導を行う。
 続いて「継承的価値」とは、本単元内で取扱う教材である「壬生の花田植」をはじめとした農耕儀礼などに見られる一定期時限的な室町文化が継承されていることに価値を求めたものである。つまり、ここで示す文化とは、受け継がれていること自体に価値を見出したものである。これについては、単元の後半と発展的な学習の位置付けのもと指導を行う。
 要旨を示すならば、「運用的価値」は人々のくらしの中で必然的に継承された室町文化であり、「継承的価値」は、今日においては意図的に受け継がれた室町文化であるといえる。
 本単元で取扱う2つの文化的価値を通して、歴史の中における「文化の価値」を児童に改めて認識できるようにすると共に、「今日の生活文化につながる室町文化」をキーフレーズとして、児童自身が歴史という人々の文化的営みの上に、今という時代を生きているということを実感できるように指導する。

5.単元の指導計画

 本単元は、「小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編」の第6学年の内容の以下の事項を踏まえて設定したものである。

(2)ア(オ)京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画を手掛かりに、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解すること。
(シ)遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べ、まとめること。
イ(ア)世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、我が国の歴史上の主な事象を捉え、我が国の歴史の展開を考えるとともに、歴史を学ぶ意味を考え、表現すること。

 児童は、これまで我が国の歴史上の主な事象についての学習領域において、奈良時代の学習内容で大陸文化の摂取(天平文化)、平安時代の学習内容で日本風の文化(国風文化)を取扱う中で、大まかな文化という概念を獲得してきた。本単元においては、文化内価値の比較からの批判的思考力の育成を鑑みた上で、「今日の生活文化につながる文化」という新たな概念的知識の獲得を目指して単元での学びを展開していきたい。尚、文化内価値の比較については、後述する単元の指導において明示する。

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

2

今に伝わる室町文化を体感することで、自分たちの生活との関わりから文化自体に対する関心を高め、所感をワークシートにまとめることができる。

・室町に生まれた文化である墨絵や枯山水を直接的に体感することで室町文化の特色について知る。
・墨絵やトレー枯山水づくりから、室町文化の体験知を得る。

3

2つの文化の価値判断を行う中で、単元を見通す問いをつくり、室町文化と自分たちの生活を関連付けながら、文化に対する自分なりの考えをノートにまとめることができる。

・北山文化と東山文化について比較する中で、児童個々の価値判断を伴った協働的な学習を行い、単元を見通す問いを設定する。

4

今に伝わる室町文化について必要な情報を集め、読み取り、水墨画や茶の湯、能や狂言など室町文化の特色について理解することができる。

・今に伝わる室町文化の事物について調べる中で、今日の生活文化につながる室町文化が自分たちの身近にもあることについて知る。

5

学習したことをもとに、室町時代に生まれた文化や習慣が継承されている価値について、多角的に考えることができる。

・「なぜ今に至るまで約600年もの間、室町文化が継承され続けているのか」について、その価値を児童同士の協働的な学びの場の中で多角的な視点から再判断する。【本時】

6.本時の学習

①目標

室町文化における学習を通して、「今に残る生活習慣・事物に関連する文化」と「伝統的風習の継承に関連する文化」それぞれの文化的価値について多角的に捉えることから自分自身の考えをもち、これからの伝統文化の在り方について自分なりに表現することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

○資料・●評価

1.「今に伝わる室町文化」について、これまでの学びを想起する。
○今に伝わる室町文化について具体的な生活習慣・事物を挙げて振り返る。
「今でいう和室(たたみ・ふすま・障子)が使われるようになりました」
「一日3食の習慣ができました」
「うどんや豆腐、納豆が人々の生活に広まりました」

・レディネスから本時の学びと関連する概念的知識を挙げていくために、これまでの室町文化に関する学習におけるGoogle Classroomへの配信資料やノートも確認させながらレディネスの想起を促す。

○「壬生の花田植」に関連する写真・動画、Google Classroomへの配信とプレゼンテーション資料の提示

2.学習問題を設定する。
○「壬生の花田植」に関する写真・動画資料から、認知的不協和を生み、本時の学習問題をつくる。
「生活に密着した文化が室町文化だったけど……」
「花田植は年に一回の行事なのに、生活に密着した文化なのかな」

・児童の言葉を紡ぎながら、レディネスで獲得している生活に密着した事物に関する室町文化と、そうではない室町文化である「壬生の花田植」を比較させることで認知の不協和(~なのに、なぜ~なのだろう)を生じさせ、児童の言葉で問題を設定する。

○ユネスコ無形文化遺産に関連する文化遺産データベース資料

【学習問題】「壬生の花田植」は生活に密着した室町文化ではないのに、なぜ600年もの間、その文化が受け継がれてきたのだろう?

3.自分の予想をもつ。
○レディネスを基に予想をもつ。

4.協働的な学びの場で自分の予想を発信したり、資料から新たな思考について共有したりする。
○自分の予想をノートに書き、発信する中で友達の予想との共通点や相違点について気付く。これらの予想と資料を基に、学習問題に対する追究を行う。
「お祭りの一つとして考えると、私たちの時代まで伝わってきていること自体がすごいと思う」
「生活で使われ続けて伝わった室町文化と、そうでない室町文化もあるということがわかる」

・児童の予想をペアや黒板を共有の場としながら発信させ、その予想の内容のカテゴライズを促す。カテゴライズされた児童の予想と、新たな資料を基に学習問題について追究できるようにする。

・出された予想のカテゴライズを行うことで、追究する内容の視点を絞り、調べ学習を行うポイントをスポット化できるようにする。

○広島県北広島町でのフィールドワークで授業者自身が直接収集した資料
・「ユネスコ無形文化遺産 壬生の花田植 見どころ&フォトポイント満載! リーフレット」(広島県北広島町)
・北広島町ドライブガイド「きたひろDRIVE」(北広島観光プロモーション実行委員会)

5.本時のまとめをする。
○学習のまとめをノートに書く。
「室町文化には、生活に密着した文化と、地域の中で伝え続けられた文化がある。どちらも大切な室町文化である」

・広島県に伝わる室町文化の継承的価値について、自らの考えをノートにまとめるよう促す。

6.本時の振り返りをする。
○学習の振り返りをノートに書き、さらに児童自ら意見を要約したものを Google Classroomへアップロードする。
「これまでの室町文化の学習では、生活に密着し、使われ続けてきたものが室町文化のすごさや素晴らしさだと思っていたけれど、今日の授業で、地域で600年もの間、伝え続けられてきた口承伝統は、(生活には密着してはいないけれど)それだけでも地域で大切にされ続けてきたことがわかるので、どちらも大切な室町文化の一つだと感じました」

キーワード
①今に伝わる室町文化
②ユネスコ無形文化遺産
③農耕儀礼(意識的に継承される文化)

・これまでの単元における学習を振り返り、室町文化における事物を通した「運用的価値」と「壬生の花田植」をはじめとした農耕儀礼などに見られる「継承的価値」、双方の文化的価値をふまえた振り返り記述を促す。

●【思考・判断・表現】
(ノートへ記述された振り返りの分析・発言)

7.実際の授業における板書(本時:5/5時間)

8.単元構成・授業づくりにおける参考文献

  • 江口勇治他[監・編](2018)「21世紀の教育に求められる「社会的な見方・考え方」」帝国書院
  • 新谷尚紀[監]、広島県北広島町[編](2014)『ユネスコ無形文化遺産 壬生の花田植: 歴史・民俗・未来』吉川弘文館
  • 永田忠道(2019)『社会科教育』No.717、「現代的な諸課題につながる「単元の基軸となる問い」の作り方/時空間を往来しながら歴史の探究へ誘う問いを求めて」明治図書出版、pp.26-29
  • 七海ゆみ子(2012)『無形文化遺産とは何か: ユネスコの無形文化遺産を新たな視点で解説する本』彩流社
  • 日本教科教育学会(2020)『教科とその本質』教育出版
  • 文部科学省(2018)『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省(2018)『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター(2020)『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』【小学校 社会】