世界の絵画を楽しもう!(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.基礎データ

題材・単元名

世界の絵画を楽しもう!
1次:二つの作品から
2次:○○さんに紹介したい一枚

時間数

3時間

題材・単元の
特徴

デジタル画像を使用することにより、クラス全員が同じ作品に触れ、自分の感じたことや思ったことを話したり友達の考えを聞いたりしながら鑑賞活動を広げ深めていくことができる。

授業環境 

活動環境

ランチルーム、1クラス分が座って集まれる広さの教室。
書くなどの活動ができる机がある環境

人数

児童35人 指導者1名

教材や用具

ワークカード、キーワードカード、鑑賞カード、画用紙(マップ用)、カラーマーカー

コンピュータ
動作環境

使用デジタル教材

提示型デジタル教材『みる美術』
日本美術 名品コレクション編
西洋美術 フランス国立美術館連合編

OSバージョン

Windows XP

使用周辺機器

パソコン、大型モニター

2.活用事例及び展開

①ねらい
 世界の美術作品を身近に感じ、よさや面白さ、作家の意図などについて友達と感じたことや思ったことを話し合いながら楽しく作品を見る。

②提示型デジタル教材『みる美術』の利用の意図
 世界の名作がデジタル画像になっていることにより、クラス全員で同じものを見て話し合うことができる(美術館と同様な隊形がとれる)ことや拡大縮小が容易にできて、見たいところにフォーカスしやすい。また、鑑賞する作品を自由に組合わせることができたり、子ども自身でセレクトしたりすることができる点などから使用を考えた。

③評価について
◆美術への関心・意欲・態度
・いろいろな視点から作品や作家のよさや面白さを感じて、友達と話したり意見を発表したりしながら、楽しく見ようとしている。
◆鑑賞の能力
・作品のよさや面白さ、作家のこと、作品のテーマなどについて、友達と話し合いながら楽しく鑑賞している。

④指導計画

学習活動の流れ

指導上の留意点 ◇評価方法

第1次
日本と世界の二つの作品を見て、それぞれのよさや文化などを感じながら鑑賞する。

・子どもたちの実態から、興味をもちそうな作品、よさなどの共通点があり、また、それぞれの特徴の違いがあるような作品を予め教師側でセレクトとしておき、教師側でファシリテーションしながら、鑑賞を広げ深めていく。
◇発言や児童の鑑賞の様子
ワークカード

第2次
自分の気になる作品などから、友達と一つの作品を選び鑑賞し、そのよさや面白さ、自分の意見などを身近な人に伝える。

・児童が自由に作品をセレクトできるように、パソコンや大型モニター、プリント資料などを準備しておく。
◇発言、グループ活動の様子、メッセージを伝えるためのキーワードカード

一次、二次は5年生、6年生の2回に分けた授業展開、一次、二次の順番を変えて取り組むことも可能。

3.本時の展開<1次>

『二つの作品から』

①目標
 二つの作品(日本とヨーロッパ)を鑑賞し、そのよさや違いなどを話しながら楽しく鑑賞する。

②提示型デジタル教材『みる美術』を活用した授業の展開

主な学習活動・内容

教師の指導 ◇評価

導入

・今までの鑑賞の様子を先生の話や友達の話から、振り返り、本時の活動のめあてを知る。

・いろいろな鑑賞活動のうち、本時はデジタル画像を使っての鑑賞であること、日本とヨーロッパの作品を見ることなどを伝える。

展開1

日本の作品を鑑賞しよう。
『金魚づくし百ものがたり』
歌川國芳
まず、描かれているものについて話してもらう。
「なにが」だけでなく「どんな風に」について、話す。
作品のおもしろさや滑稽さ、よさ、不思議さなどについて、友達と話す。
「吹き出しをつけるとしたら…」
「どんな物語があるのだろう?」など、考えたことをみんなに話す。

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・作家名とその時代のみ、基礎知識として伝える。
・発言者だけの意見にしないように、全体に向けて「どうですか?」の問いかけをしたり、「なるほど」などの共感をもってそれぞれの意見を受け止めたりする。

◇発言(その内容)、共感の様子、鑑賞の様子

展開2

ヨーロッパの作品を鑑賞しよう。
「蛇つかいの女」または「戦争:駆け抜ける不和の女神」アンリ・ルソー
「なにが」「どのように」
・どんなことを感じましたか
・どんな状況なのだろう

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両者の作品が同時に見られるように、場の設定をするが、はじめはルソーの作品のみに焦点をあてて、鑑賞活動を展開する。
・自分と違うとらえ方についても、話し合い、イメージを広げさせる。

二つの作品をみて、気がついたこと考えたことなどを話す。
「なにか、不思議」
「変だけどなにか気になる」

気になる作品の前に集まり、自由に友達と話す。

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・「具体的にはどんなところから、そのように思ったのですか?」など問いかけをしたり、キーになる言葉から、他の子ども達にも新たな視点を提示したりしながら鑑賞を展開する。
◇二つの共通なこと、イメージやテーマ、作者の伝えたいことなどを友達と話している内容と様子

まとめ

鑑賞カードに自分の印象や考えたこと、友達と話したことなどをまとめる。

・同じ作家の他の作品などを見せながら、本時のまとめをする。

③指導のポイント
・日本とヨーロッパの二つの作品をそれぞれ鑑賞し、その後に両者を結びつけたりしながら、作家の意図などにも触れ、鑑賞を深めること、
・大型モニターなどを2台準備する。
・子どもの興味を惹く作品をセレクトすること。

3.本時の展開<2次>

『○○さんに紹介したい一枚』

①目標
 自分の知っている作家の作品、興味を惹かれた作品などを、マップにまとめ、自分の感じたよさや面白さを身近な人に紹介する。

②提示型デジタル教材『みる美術』を活用した授業の展開

主な学習活動・内容

教師の指導 ◇評価

導入

・今までの鑑賞の様子を先生の話や友達の話から、振り返り、本時の活動のめあてを知る。

・いろいろな鑑賞活動のうち、本時はデジタル画像を使っての鑑賞であること、自分のお気に入りの作品をセレクトして、身近な人に紹介することなどを伝える。

展開1

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・みんながよく知っている作品をみんなで見てみよう。
知っている作家、作品について話してもらう。
「レオナルド」「ゴッホ」「ムンク」そのうちの一枚を選んで、全員で鑑賞する。
まず、描かれているものについて話す。

さらに、「なにが」だけでなく「どんな風に」について、話す。
作品の特徴、面白さや滑稽さ、よさ、不思議さ、作家についてなど、出された意見をクラス全体でマップにまとめる。

・作家名を出してもらいながら、提示型デジタル教材『みる美術』の操作方法も伝える。
・発言者だけの意見にしないように、全体に向けて「どうですか?」の問いかけをしたり、「なるほど」などの共感をもってそれぞれの意見を受け止めたりする。
◇発言(その内容)、共感の様子、鑑賞の様子

・子どもたちから出された意見をマップにまとめながら鑑賞を展開する。
◇発言(その内容)、友達との話している様子、作品を見ている様子
<例>
二人の人―男女―話している、
ぐるぐるの空―青と濃い青―空ではないみたい

展開2

班ごとに、提示型デジタル教材『みる美術』を操作しながら、○○さんに紹介したい一枚を相談して、選び出す。
・選び出す過程で、キーワードをマップにためていく。
・出された意見をつなげて、具体的な相手を想像しながら、紹介メッセージを作成する。

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・グループで操作できるようにパソコンを準備する。
・よい視点や発言、グループのみんなが共感した発言、だれも気がつかなかった発言などをフォローしながら、グループを巡る。

◇話し合いの様子、マップメモ、作品を見ている様子

まとめ

・グループで自分たちの選んだ作品を①または②の方法で紹介する。
① 作品を見ずに、マップを見せながらクイズ形式で紹介し、実際の作品を見る。

なぜ、自分たちがこの作品を選んだのか、紹介したい人がこの作品を見たときの様子なども話す。

② マップをよりどころに、実際の作品を見せながら作品のよさを紹介する。
いくつかのグループが発表し、自分の感想なども発表する。

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・発表の仕方だけの感想にならないように、作品のよさなどについて、話し合いを展開する。

③指導のポイント
・キーワードをつなげて、マップをつくることにより、より深い鑑賞活動を導き出すことができる。
・グループで鑑賞をすることにより、友達のいろいろな見方や感じ方、考え方を知ることができる。
・デジタル画像のズーム機能を活用して、みんなが同じところを見ながら話を進めることができる。
・身近な人への作品の紹介を想定することで、自分の(自分たち)の感じたこと、考えたことを無理なく、整理まとめることができる。

4.感想

 美術館へ行ったり、作家を招いたり、実際の作品や鑑賞の対象を教室に持ち込んだりといろいろな鑑賞活動のひとつとして、本時の活動がある。つまり、小学校の鑑賞活動のすべてをこのデジタル画像で行うのではなく、デジタルの利点を生かした授業として、本時を構成することが大切である。
 また、1次2次については、特に順番があるわけではなく、高学年カリキュラム2年間の中で実施するとよいと考える。
 1次の比較鑑賞については、表面的な『描かれているものが同じ』作品という視点より、よさや面白さ、不思議さなどに共通感があるという視点からセレクションしたほうが、子どもたちの鑑賞の深まりや広がりが生まれやすいように感じている。
 また、2次の活動のように自分の(自分たちの)意見や思いを身近な周りの人に発信していくことも、「なんとなくいい」から一歩深めた鑑賞に展開することが、無理なくできると活動になる。このように、他者に自分の見たこと、感じたこと、考えたことを積極的に伝えることも意味があると考えている。

「どんな動きをするのかな ~カムの仕組みを使って~」(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「どんな動きをするのかな ~カムの仕組みを使って~」

2.目 標

○カムの仕組みを使って楽しく動くおもちゃをつくろうとする。
○アイデアに合わせて材料を選び,動く仕組みを生かして形や色を工夫してつくる。

3.準備(材料・用具)

教師:色画用紙,両面色中厚紙,化学接着剤,工作マット,竹ひご,きり,ペンチ,ラジオペンチ,サークルカッター,ハトメパンチ,ハトメ
児童:空き箱,牛乳パック,はさみ,のり,コンパス,色紙
共通:身辺材,カッターナイフ,サインペン,セロハンテープ,ペットボトルのキャップ

4.評価規準

○造形への関心・意欲・態度
 カムの動きに関心をもち,楽しい作品をつくることに取り組もうとしている。 

○発想や構想の能力
 動きからつくりたいものを思い浮かべ,形や色,材料を考えている。

○創造的な技能
 アイデアを基に仕組みの動きを試しながら,形や色,材料の組み合わせを工夫してつくっている。

○鑑賞の能力
 作品を動かして遊び,表現のよさや工夫を感じ取っている。

5.本題材の指導にあたって

【題材について】
 カムの仕組みの面白さは,ハンドルを回す動きが上下や回転・半回転の動きを生み出すところにある。いくつかの仕組みを使って,実際にハンドルをくるくる回す活動を通して,子どもたちはその動きの面白さにひきつけられるだろう。また,それらの動きから「○○が回るとおもしろいな。」や,「○○が回っている姿に見える。」など,自分なりのイメージをふくらませるだろう。イメージをスケッチに表し,色や形・奥行きなどを具体化することで,制作意欲はさらに高まることが予想される。テーマをあえてしぼりこまず,「回るもの」もしくは「回したいもの」を自由に発想できるようにすることで,【共通事項】に挙げられている「児童が自らの感覚や活動を通して形や色などをとらえること」が実現でき,本来のカムの仕組みが持つ動きの面白さを充分生かしたおもちゃづくりができると考えた。
 カムの仕組みづくりでは,スムーズな動きになるように,黄ボール紙をサークルカッターで切ったり,ペットボトルのふたを一緒に接着したりするなど工夫させたい。また,全員の仕組みが確実にそしてスムーズに動くことが,子どもたちの関心や意欲の持続に最も大切なことである。そこで,仕組みをつくる際に,見本やヒントカードを参考にしながら,班で協力し合って製作する方法を取りたい。アドバイスし合い,手を貸し合う。それでもうまくいかなければ,指導者がその班に入り,相談する。それをもとに,班で考える。そうすることで,全員が確実に仕組みをつくりあげることができ,自信を持って次のステップへと進むことができるだろう。
 そして,出来上がったカムの仕組みを使って,つくりたいものを楽しみながらつくる。その際,動きのさまたげにならないように大きさや重さ・重なりに注意してつくることや,つくりながら動かして,動きを確かめるようにするなど様々な工夫を重ねさせることで,確実に動くおもちゃをつくりあげ,表現への成就感を味わえるようにしたい。
 また,出来上がった作品を見たり動かしたりして楽しむ活動を通して,お互いの作品のよさに気付くだろう。そして気付いたことを伝え合うことにより,日々の生活の中でもお互いを尊重し合う態度につなげていきたいと考える。

【児童について】
 図画工作科では,これまでの学習を通して多くの題材と出会い,自分の思いにより近い表現ができるようになり,表現する喜びはさらにふくらんでいる。そのため,図画工作科の学習を楽しみにしている児童が多く,毎回どんな題材に取り組むのかと期待感を持っている様子が見られる。
 また,題材への期待感とは別に,自分の表現の広がりや可能性に大きな期待を持っている児童もいる。その要因として,学習の基礎基本の欠如が考えられる。6年生になって初めての図画工作科の取り組みである「修学旅行の思い出」では,それぞれの児童が思いを膨らませ,自分なりの表現方法で絵に表した。その際,もう一度絵に表す上での基礎基本を確認しながら,学習を進めた。そうすることにより,児童は新しい発想の仕方や表現の仕方に気づき,さらに思いが膨らんだ。また,友達の作品を鑑賞する活動においても,見る視点や伝え方など,基本を大切にしながら活動を進めた結果,お互いの表現に自信を持つことができた。
 このように,題材への期待と表現の広がりや可能性への期待が,図画工作科においては,大きく膨らんでいる。今回の題材でも,カムの魅力を思う存分味わうとともに,工作に表す上での基礎基本をしっかり確認しながら学習を進めることで,期待が喜びへとつながっていくことを期待したい。

【活動の様子】

ヒントカード(PDFが開きます)

部品のつくり方(PDF:513KB)

アイデアスケッチ(PDFファイルが開きます)

アイデアスケッチ(PDF:163KB)

活動の様子

友達の活動が見本になる。道具の使い方や仕組みの手順,思いを実現するための工夫など。

活動の様子

ヒントカードをもとに,話し合いながら活動する。「まず土台からつくるべきかな。」

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アイデアスケッチをもとに,話し合う。「この動きなら,クランクの方が適しているよ。」

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図工室の机には,きりを使うための穴があります。

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アイデアスケッチには,絵と言葉で思いを描く。活動計画や,振り返り,必要なものなども確認。

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ヒントカードを見ながら,思考錯誤を繰り返す。「次は何をつくればいいのだろうか…。」

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見本を参考して活動する。「ヒントカードでは,細かい所がよくわからないから見本を参考にしよう。」 

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友達と協力しながら安全に活動を進める。

6.題材の指導計画

学習活動

・留意点(・)と共通事項に
関する指導のポイント(*)

評価の視点(評価方法)
【評価の重点】



○カムの仕組みを理解し,楽しい作品づくりに興味をもつ。
・カムの仕組みを使ったおもちゃを見て,仕組みについて理解する。

・教科書の作品を見たり,参考作品を実際に動かしてみたりする中で,仕組みやその動きについて理解を深められるようにする。

・動きの面白さに気付き楽しい作品をつくることに取り組もうとしている。(活動・発言)
【関】

○簡単な仕組みをつくって十分に遊び,つくりたいものを発想する。
・動きからイメージしたものをアイデアスケッチにかく。

・サークルカッターの正しい扱い方を確かめ,仕組みがスムーズに動くようにつくる方法を知るようにする。
・つくりたいものをアイデアスケッチにして,仕上がりまでの見通しがもてるようにする。

・カムの仕組みから,つくりたいものを発想している。(活動・アイデアスケッチ)
【発】





○全体の仕上がりまでの見通しをもち,動きの面白さを生かして表現する。
・円の大きさや形などを工夫して仕組みをつくる。
・仕組みがスムーズに動くか試してみる。

・教科書のつくり方を参考にしながら確実に仕組みをつくることができるようにする。
・カッターナイフやきり・サークルカッターを使う場合は,正しい扱い方を確かめ,安全面に配慮する。
・仕組みやその動きをいろいろな方向や角度から見て,自分らしい思いの表れたものを考えるようにする。
・スムーズな動きが出るように,円の形や竹ひごを通す位置などを正確につくるように助言する(教科書P.13参照)。

・材料や用具を適切に扱い,仕組みが確実に動くようにつくっている。(活動・作品)
【創】

・自分が考えたアイデアを基にして装飾する。

・動きの妨げにならないように,大きさや重さや重なりに注意してつくるようにする。

・仕組みを基に,形や色,材料を生かすような工夫をしている。(活動・作品)
【創】

*動く仕組みが生きるように,形や色,奥行きを大切にしながらつくるようにする。

・材料に合わせた接着方法を用いるようにする。
・表現の過程の中で互いの作品を見合う場を設けることにより,友達の表現のよさを自分の表現に生かすようにする。

○作品を動かして遊び,表現のよさや工夫したところについて話し合う。
・グループの中で題名と工夫したところについて発表する。
・互いの表現のよさや工夫を見付けて話し合う。

・できあがった作品を動かしながらいろいろな方向から見るようにする。
・互いに紹介し合い,面白い動きや工夫したところについて気付くようにする。

・互いの表現について話し合い,よさや工夫を感じ取っている。(発言・鑑賞カード)
【鑑】

7.本時の学習

(ア)目標
材料や用具を適切に扱い,仕組みが確実に動くようにつくる。

(イ)学習展開

学習活動(○)と
予想される反応(・)

指導の留意点(○)と
その支援(◆)

具体的な評価規準(方法)

○前時までの学習を振り返り,本時学習のめあてを確認する。

○ラフスケッチを見て,前時までの活動を思い出させる。

用具と材料を正しくあつかい,仕組みが確実に動くようにつくろう。

○黄ボール紙の切り方や接着の仕方を工夫して,仕組みをつくる。

○リーダーを中心に,グループごとに取り組むようにする。
○つくる順序や方法を間違えないように,サンプルやヒントカードを机の中央において,何度も確認できるようにする。
◆机間巡視しながら工夫しているところを賞賛したりつまずきに応じて助言したりする。
○動きの速さや回り方などを確かめながらつくるようにする。
◆サークルカッターがうまく扱えない児童には,友達と協力するよう助言する。
○接着剤を使用したときは,洗たくばさみなどではさんでおくとつきやすいことを知らせる。
○動きがよく分かるように,先端に飾りをつけて動かすようにする。

【創造的な技能】
〈おおむね満足できる状況〉
・用具と材料を適切に扱い,仕組みが確実に動くようにつくる。
〈活動の様子・作品〉


〈十分満足できる状況〉
・用具と材料を適切に扱い,仕組みが確実にスムーズに動くようにつくる。
〈活動の様子・作品〉

カムのつくり方
①円やペットボトルのふたを接着する
②牛乳パックで土台をつくる
③ハトメパンチで土台に穴をあける
④千枚通しで円に穴をあける
⑤竹ひごをペンチで切る
⑥組み立てる

○友達の作品を見たり動かしたりして,よさや自分の作品とのちがいに気付く。

○活動の振り返り

「南田辺小キッズゲルニカ 自分にとって平和とは~僕たち私たちの平和~」(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「南田辺小キッズゲルニカ 自分にとって平和とは~僕たち私たちの平和~」

2.目標

ア. 自分の持つ平和のイメージを話し合ったり、進んで絵に表そうとしたりする。
イ. 平和のイメージを絵に表し、友人のイメージと組み合わせて構想する。
ウ. 表したいことに合わせて材料や用具を自分で選び、組み合わせを考え、思いついたことを試しながら、表し方を工夫する。
エ. 感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりするなどして、表現のよさや特徴などが分かる。

3.準備

教師:キャンバス(約3.5m×7.8m)、白ケント紙、ポスターカラー、ローラー、刷毛、筆、ブルーシート、新聞紙
児童:絵筆、筆洗バケツ、パレット

4.評価規準

ア.造形への関心・意欲・態度

イ.発想や構想の能力

ウ.創造的な技能

エ.鑑賞の能力







・自分の持つ平和のイメージを話し合ったり、進んで絵や文に表そうとしたりする。

・平和のイメージを絵に表し、友人のイメージと組み合わせて構想する。

・表したいことに合わせて材料や用具を自分で選び、組み合わせを考え、思いついたことを試しながら、表し方を工夫する。

・感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりするなどして、表現のよさや特徴などが分かる。















①自分なりの平和のイメージをかくことに意欲を持つ。
②自分の平和のイメージを友人と話し合いながら進んで絵や文にかき表そうとする。

①平和のイメージを思いを持ってかくことができる。
②友人のイメージと組み合わせて、形や色、構成の美しさなどの感じを考えながら表し方を構想する。

①表したいことに合わせて材料や用具を自分で選び、組み合わせを考える。
②思いついたことを試しながら、表し方を工夫する。

①自分の感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりするなどして、表し方の変化、表現の意図や特徴などをとらえる。

5.本題材の指導にあたって

①児童観
 本学級の子ども達は、学年で「世界の中の日本」というテーマで総合学習に取り組んでいることもあり、世界の国々、人々に対する興味・関心が高い。世界の国々の様子を調べたり、週に一回の英語活動をしたりすることに意欲的に取り組んでいる。
 また、1年を通じていろいろな教科にわたって平和学習に取り組んでいる。国語科では「平和のとりでを築く」という単元で広島の原爆ドームが世界遺産になるまでを学習したり、「自分の考えを発信しよう」という単元で、「平和」を主題とした意見文を書く学習をしたりしている。総合学習では、世界で現在も起こっている紛争や難民問題を本やインターネットで調べて話し合った。他にも、広島や長崎に原爆が投下される前に、同じ大きさの火薬爆弾「模擬原爆」が投下され、多数の死傷者が出た田辺地域の歴史について体験者から話を聞いたりもした。
 しかし、子どもたちは、「戦争は二度と繰り返してはいけない。」「悲しい出来事だ。」という感想を持つものの、どこか他人事であり、現在も同じくらいの年齢の子ども達がその「悲しい出来事」に遭っていることまでは考えが及んでいなかった。
 これまでの造形活動は、A表現(2)の題材が多い。「不思議なつぼ」の絵では、パスを使っていろいろな色でぬり広げをしながら、つぼの中から出てくる不思議なものを表現した。ぼかしや型塗りこみを使いながら、パスの表現を楽しむことができていた。「水墨画~雪舟に学ぼう~」では、初めて水墨画に挑戦し、いろいろな濃さの墨を用意し、竹を表現した。また、出来上がった作品の良さを認め合うカードを交換したり、話し合ったりと鑑賞活動を楽しんだ。「お誕生日カレンダー」では、自分の誕生月からイメージする絵を考えたり、月や日付、曜日の文字をレタリングしたりして構成にもこだわって仕上げることができていた。「葦ペンで秋を描く」では、初めて触る葦の感触を楽しみながら、線にこだわって思い思いの秋のモチーフをしっかりと見ながら仕上げることができた。
 図画工作科の学習に興味・関心を持ち、楽しみにしている児童が多く、ほとんどの児童は楽しそうな表情で表現活動に取り組んでいる。特に、新しい表現方法や、興味のある題材に対しては意欲的に取り組むことができる。しかし、どのように描けば良いか思いつかず、活動が止まってしまう児童もみられる。

②指導観
 指導にあたって、第一次ではまず、ピカソの「ゲルニカ」を学年で鑑賞する活動から始める。一つの絵にじっくりと向き合うことは、ほとんどの児童が初めての経験であるので、十分に時間をとりたい。
 初めは、作品名だけを伝え、絵を目の前にして感じた印象を意見交流する。次に、「ゲルニカ」が描かれた時期や時代背景を伝える。背景を知った上で再び絵と向き合うと、違った見方、感じ方ができると考える。絵に自分の気付きを書き込めるワークシートも用意しておき、自分の見方や感じ方の変化を感じられるようにしたい。また、話し合い活動を十分にとり、多様な意見を認めていくことで、互いの見方や感じ方を深められるようにしたい。
 そして、次にピカソの「生きる喜び」の作品を提示する。「ゲルニカ」と比較し鑑賞することで、同じ画家の作品でも「平和」の表現が多様であることにも気付くことができるようにしたい。
 このような鑑賞活動を通して、「キッズゲルニカプロジェクト」への参加を意欲的に考えていくことができるきっかけになるようにしたい。
 子ども達にとっては、初めて行う共同制作である。133名一人一人が、主体的に取り組むことができるように計画していく。また、話し合い活動を通して自分にとっての「平和」とは何かについて自分なりの認識が深まるようにしたい。
 次に第二次では、まず「平和」という言葉から考える自分のイメージを確認し、一人一人の考えが違うことに気付く活動を行う。「文章で書く」「ウェッブ図」「絵で表現する」の3種類のワークシートを用意し、自分の表しやすいものを選んで、「平和」というテーマを表現する。表現したものを班で持ち寄り、共通点や相違点を話し合う。
 子ども達は、学級で話し合い活動を重ねていく中で、様々な意見があり、イメージをまとめるのは困難であることに気付くだろう。そこで、学級代表2名を募り、キッズゲルニカ実行委員会を立ち上げる。そうして、学級の意見を持ち寄り、学年の意見として一つにまとめ、共同作品にいかしていくことにする。実行委員会で決まったことや、話し合った内容は「南田辺小キッズゲルニカ通信」を発行し、制作状況を共通理解していくようにする。
 各学級である程度イメージがまとまったら、それを持ち寄り、学年としてのテーマを決める。それをもとに、今度はテーマに沿ってイメージを再構築し、自分のかきたいものを絵にかいていく。そしてかきたいものが似ている人同士で学級を越えてチームをつくる。
 種類によってはチームの人数にばらつきが出ることが予想されるが、自分のかきたいものを表現することを大切にしたい。チームが決定したら、今度はその中でチームリーダーを決め、形や色などをどう表現していくかを話し合い、プランニングシートにかいていく。一人一人のかきたいものをどうしたら組み合わせることができるのか、リーダーを中心に相談しながら意見をまとめていけるようにしたい。
 チームの意見がまとまったら、各チームリーダーと実行委員会メンバーで集まり、キャンバスのどの位置に何をかくか、構成を話し合う時間を設定する。全体のバランスを考えながら、学年の一つの絵としてまとまることができるように助言していきたい。
 構成が決定したら、グループで集まり、担当を決定する。プランニングシートに詳しくかくことで、チームの意見を共通理解できるようにしたい。そして必ず一人一人が責任を持って取り組むことができるように、プランニングシートを元に自分の担当のモチーフをどのようにかくのかを考えておくようにワークシートも用意しておく。
 かく内容、場所が決定したチームから、キャンバスに下絵をかいていく。離れて見たときに見えない大きさではないか、常に全体を確認しながらかいていけるように助言したい。
 着色にあたっては、ローラーや刷毛を使用し、大きいキャンバスにかくのが初めての経験であるのでスムーズにいくように、彩色の方法をまとめたものを掲示し、授業の最初に必ず確認するようにしたい。
 また、チームでプランニングシートを最初に確認する時間を設けて、その時間の活動に見通しを持って取り組めるようにしたい。他にも、大きなキャンバスに戸惑い、活動が止まってしまいがちな子どもに対しては、試し紙を用意し、作った色を試すことができるようにしたり、個別に声をかけていくようにしたりしていきたい。
 制作の途中でも、絵を見る視点を変えて、全体を捉えることができるように、ギャラリーから絵を鑑賞することを認めるなど、場の設定も工夫していきたい。授業の中でも、何人かの児童の工夫している表現を紹介したり認めたりする鑑賞の時間を設定する。こうすることによって、友だちの作品のよさに気付くことができ、新たな発想の手がかりになると考える。
 授業の終わりには、色、形、構成の美しさを意識して鑑賞できるようにしたい。さらに、チームで集まり進行状況を確認して、次の目標を設定する時間も大切にしたい。こうすることで、一人一人の思いが少しでも作品に活かすことができると考える。

③題材観
 本題材は、パブロ・ピカソの「ゲルニカ」(1937年)と同じ大きさのキャンバス(約3.5m×7.8m)に、平和の絵画を描くというものである。第二次世界大戦から50年たった1995年にアートジャパン・ネットワークによって「キッズゲルニカ 国際子ども平和壁画プロジェクト」として始められ、世界各地で100以上の作品が完成している。
 現在も紛争により、同世代の子どもたちが悲しい思いをしている。しかしその現実にまで、考えが及ばない子ども達にとって、本題材は現状を知るきっかけになると考える。   
 プロジェクトに参加している国の中には、目の当たりにした戦争の様子を描いた子どもたちもいる。それらの作品を鑑賞することによって、絵の持つメッセージ性についても考えることができるだろう。
 さらに、1年間を通して「平和」について考えてきたことの総まとめとして、自分たちの思いを表現することに適した題材だと言える。漠然と持っていた「平和」のイメージが、話し合い活動を繰り返す中で、自分にとっての「平和」とは何か、自分自身を見つめ直すことへとつながっていく。そして、イメージを絵にあらわすことによって、それはより具体的になり、自分の「平和」に対する考え方をしっかりと持つことができるだろう。
 キッズゲルニカは共同制作である。友人と共に一つのテーマで語り合い、共同して表現する活動を通して、様々な発想やアイデア、表し方などのあることに気付き、自分の表現や鑑賞に生かすことができると考える。一人一人の想いを大切にしながら、様々な意見を一つの作品にまとめていくことの難しさも感じながら、協力して大きな絵を完成させる喜びも感じることができるだろう。

6.指導計画(全20時間)

学習活動と支援
(■指導者の支援)

予想される
児童の意識のながれ

評価の観点







ピカソのゲルニカを鑑賞し、キッズゲルニカへの参加意欲を持つ。

1.ピカソのゲルニカや他の作品を鑑賞し、学習課題を持つ。
■「ゲルニカ」の描かれた時代背景を知らせる。

ピカソのゲルニカの鑑賞

・暗い感じがするな。
・馬や牛がかいてあるよ。
・町の名前だったんだ。

・自分の感じたことや想像したことを話し合ったり、進んで絵や文に表そうとしたりしている。

■「生きる喜び」の題名を考えたり、「ゲルニカ」と比べて鑑賞できるようにする。
■自分の気付きをまとめられるようにワークシートを用意する。
■「キッズゲルニカ」を知り、考えたことを話し合い、参加の意欲を持つ。

・同じ画家の作品でも、絵の感じが全然違うな。
・参加してはやくかいてみたいな。

・友人の見方や感じ方に共感したり、違いを感じたりしている。
・学習課題を持つことができる。
ア―①、エ―① 
(ワークシート、会話)







下絵の発想、構想を持つ。

1.平和のイメージを一人一人が絵や言葉で表し、話し合う。
■3種類のワークシートを用意し、自分にあったものを選べる
ようにする。

A 言葉や文章で表す

・ウェッブ図で表そうかな。
・平和とは、笑顔で暮らせることだと思う。
・温かい色だと思うな。

B ウェッブ図で表す

・自分の平和のイメージを進んで絵や文にかき表そうとする。
ア―②、イ―①
(ワークシート、会話、振り返りカード)
・平和のイメージを持ち、話し合いに進んで参加する。
ア―①、②
(会話)

C 絵で表す

2.ワークシートを元に、意見を交流し、学年の作品のテーマを決定する。
■班→学級→学年
■実行委員会を立ち上げて、学級の意見を持ち寄りまとめる。

・緑や木や山を思いうかべた友だちが多いな。
・共通のイメージは自然・夢・未来だった。

・自分の平和のイメージを進んで絵や文にかき表そうとする。
ア―②、イ―①
(ワークシート、振り返りカード)

3.イメージを共有し、描きたいものを絵に表す。
■学年のテーマに沿ってイメージするものをワークシートに表現する。

・「自然」だから山と海と花をかきたいな。

・友人のイメージと組み合わせて、形や色、構成の美しさなどの感じを考えながら表し方を構想する。
イ―①、ア―①、②
(ワークシート、会話)

4.似たようなものを描きたい人同士で学級の枠を越えてチームをつくり、どのように描いていくか話し合う。
■プランニングシートをつくり、完成図や制作過程を共通理解できるようにする。
■チームごとにリーダーをたてておくようにする。
■資料を集めておくようにする。

・海班は魚を10匹かこう。
・くらげや船もこの位置にしよう。

5.実行委員会と各チームのリーダーで集まり、パーツの配置、構成を話し合い、下絵を決定する。

・中央に何を置いたらいいかな。

南田辺章キッズゲルニカ





12






/
12

思いをこめて線描と着色をする。

1.下絵をもとにキャンバスに線描する。
■大きさを決めて、しるしをつけよう。
■わかりやすいように、線が決まったらペンでかこう。

・バランスを考えながら描くよ。
・重なりがあってもいいね。
・鉛筆でかいた線と変更しよう。

・平和のイメージを思いを持ってかくことができる。
・友人のイメージと組み合わせて、形や色、構成の美しさなどの感じを考えながら表し方を構想する。
イ―①、②
(作品、振り返りカード)

2.着色する。
■ローラーや刷毛を用意し、ポスターカラーを試すことができるように試し紙を用意する。
■チームで集まり、制作状況を確認したり、意見を話し合ったりする。

・大きい面だから、刷毛を使おうかな。
・もう少し暗い色を使ったら迫力が出るかな。
・となりの絵と色が重なっているので、変更しようかな。

・表したいことに合わせて材料や用具を自分で選び、組み合わせを考える。
・思いついたことを試しながら、表し方を工夫する。
ウ―①、②
(作品、振り返りカード)

下絵 着色








南田辺小キッズゲルニカを鑑賞する。

1.作品を鑑賞し、作品に込めた思いを文章で表す。
■ワークシートを用意する。

・世界中の子ども達がずっと幸せでいられますように願いをこめて描いたよ。
・戦争の建物チームの原爆ドームはすごく細かくかかれていて、迫力があるな。

・自分の感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりするなどして、表し方の変化、表現の意図や特徴などをとらえる。
エ―①
(会話・カード)

鑑賞1 鑑賞2

7.本時の学習

①目標
キッズゲルニカに思いをこめて着色しよう。

②学習展開

学習の流れと指導者の役割
(○学習活動 ■指導者の支援)

予想される
児童の意識のながれ

評価の観点

1.学習のめあてをつかむ。
○学習のめあてを確認する。

・○○から着色しよう。

・本時のめあてをもつことができたか。

南田辺キッズゲルニカに思いをこめて着色しよう!

2.造形活動を楽しむ。
○ローラーの使い方、刷毛の使い方を紹介する。
○着色する。
■必要に応じて、励ましたり相談にのったりする。
■活動がさらにひろがるように工夫している表現を紹介する。

・ローラーを使おうかな。
・自分の顔をぬろう。
・○○さんのように笑っている顔にしよう。

・説明を聞いて、使い方を理解しているか。
・描く過程で、新たな表し方などを見つけ、形を工夫することができたか。
・友だちの表し方を見たり、話を聞いたりしているか。

3.本時の活動を振り返る。
○描いたものについて話したり、友だちの気持ちを聞いたりして楽しく見る。

・○○さんのぬった木は幹が太くて迫力があるな。
・○○さんの花はいろいろな色が工夫してあってふしぎな感じがするな。

・自分が描いたものについて話したり、友だちの表し方を見たり、話を聞いたりして共に楽しんでいるか。

4.次時の予告をする。
○振り返りカードに記入する。

・今度の時間は葉っぱを仕上げたいな。

キッズゲルニカ

○○なシーサーをつくる。(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.基礎データ

題材・単元名

○○なシーサーをつくる。
シーサーは守り神である。○○から自分を守ってくれるなど主題を決めてつくる。

時間数

5時間

題材・単元の
特徴

・主題をもつことによって、自分や身近な人のことを考える。
・「シーサー」や「狛犬」といった古来から日本各地にある身近な立体を鑑賞することによって自分の見方を広げる。
・粘土の可塑性を活用して、手でつくるよさを味わい、立体を工夫して表す。

授業環境

活動環境

美術室

教材や用具

粘土

コンピュータ
動作環境

使用デジタル教材

『みる美術』
日本美術 名品コレクション 編

OSバージョン

Windows XP

使用周辺機器

プロジェクタ

その他

できれば、電子黒板やデジタルテレビの方が望ましい。

2.活用事例及び展開

①ねらい
 手の感覚を十分働かせて粘土による立体をつくる。今回は、材料から発想するのではなく、「○○なシーサーをつくる」といった主題を決め、シーサーに限定することでそれに向かってどのように試行錯誤をすることができるかをねらいとする。

②本デジタル教材利用の意図
 導入の段階で児童の発想が生まれてくるように、写真による鑑賞をして興味をもたせる。
 なお、鑑賞するために使う写真であるが、自分が撮りためているコレクションを活用する。
 また、美術にかかわりのある者は、日頃から一般的にはゴミになりそうなものでも授業に役に立つかもしれないと集めたり、興味があるものについて写真をとっておいたり、新しい素材を試してみたりと収集癖が少なからずある。しかし、ためておいた写真等は、的を絞り込んで扱わないと焦点がぼけてしまい有効に活用できないことが多い。
 そこで、今回は『みる美術』の「マイコレクション機能」を活用して授業を組み立ててみた。

③評価について
◆造形への関心・意欲・態度
身近な場所に立体作品があることを知り、自分らしい見方や感じ方で味わおうとしている。○○から守ってくれるといった主題を考え、自分の考えたイメージを粘土で形にすることを楽しもうとしている。
◆発想や構想の能力
自分の表したいことを、粘土でどのような形にするかを考えている。
◆創造的な技能
粘土の特徴を捉え、つくる順番を考えながら工夫してつくっている。
◆鑑賞の能力
感じたことを話すなどよさや面白さなどを感じ取っている。

④指導計画

学習活動の流れ

指導上の留意点、評価方法※

<鑑賞> 30分

日本の建造物には、災いから建物を守るために獅子や狛犬などが置かれている。
多くは、木や石が材料になっている。一方、沖縄でたくさん見られるシーサーは粘土でつくられているものが多い。ルーツは同じであることから、獅子や狛犬やシーサーなどを味わいながら、自分のシーサーの発想する。

まず、先生が興味をもち、日頃からアンテナを広げておくことが必要。
ただし、先生の興味の一方的な押し売りではなく、児童が「見つける」ための授業展開にする。
※対話をしている中での観察。

<構想をねるためのスケッチ> 60分

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自分の主題を決める。
「○○にしてくれるシーサー」
「○○から守ってくれるシーサー」など。

立体であるため、見通しをもってつくれるように構想を練る。

※スケッチの中で、様々な表し方のよさを見る。

<粘土で工夫しながらつくる> 90分

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焼成しない粘土であるため、土粘土のような手応えでないのが残念。特に接着については、「どべ」で細かい部分を接着するだけでは弱いため、粘土をなじませせるような技術面についてアドバイスをする。

※大まかなパーツをつくっておいてからはりあわせたり、胴体が長くなりすぎて、短く切ってつなげたり、先のとがったもので毛並のような筋をつけたりしている工夫の過程を見る。

<教室前の廊下に展示する。>

3.本時の展開

①目標
 児童が形のイメージを広げられるようにするため、様々なことを見つけられるようにする。

②本デジタル教材を活用した授業の展開

主な学習活動・内容
(●教師 ○児童)

指導の工夫や
教師の支援・評価の留意点

mirubi_001_03

準備
「みる美術」のマイコレクションに作品を入れ、必要なものにブックマークを付けておく。

導入
●今日は「見つける」ことがねらいです。
●まず先生の写真コレクションから見ましょう。これは、愛知県の日間島で撮った狛犬です。狛犬ってみんな見たことあるかな。

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○近くの熊野神社にもあるよ。
●そうだね。神社で見るよね。

写真を撮ったときの、季節や場所の光、風の感じなどを交えて紹介する。

●なにか見つけたことがあったら教えて。

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○なにか頭の毛がカールしている。
●毛に注目したんだね。拡大して毛を見てみよう。 

児童は、自分の思考の回路に写真をつなぎ、自分の経験の中から「○○で見た」などの事実や「○○のように見える」などの見立てをしながらイメージをふくらませていく。

mirubi_kuraberuを押し、右側にも同じ写真を出す。左側には、写真の全体像を出しておき、右側は、mirubi_kakudaiを使って拡大し、見たい場所には、mirubi_idoを使って移動させる。

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○カールの形が波みたい。
●どうして、波みたいって思ったの?

全体像の写真が左側にあるために、児童が見つけた箇所がどこなのか、児童全員と「もうちょっと右」などと言いながら具体的に共有することができる。

自分が感じたイメージの発言が見られたら、そこから「どうしてそう思ったか?」などと対話を深めていく。

mirubi_modoruを押して、次の写真をだす。

●次を見ましょう。実は、狛犬はもう一頭いて、向かい合って建っているのね。さあ、似ているけど、ちょっと違うところを見つけられるかな。

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一対の写真を比べることにより、今度は違いを見つける。

○左側は口を開けていて、右側は口を閉じている。
●口に注目したんだね。両方の口を見てみよう。

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※左右の両方にmirubi_kakudaiのアイコンがついているので、両方いっぺんに拡大し、くらべることができる。

●何で口を開けているのと閉じているのがあるのでしょう。
○片方が話して、片方が聞いているんじゃないかな。
○なんか、叫んでいる感じがして、右側は我慢している感じがする。

具体的に「なんて言っているのか。」を聞くと、「あー」じゃないかと言葉がでるので、場合には阿吽の話などを取り混ぜる。

●次に口を両方開けているのを見てね。これは、東京大学の東洋文庫の前で見つけたものです。

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○鼻が豚みたい。
○ライオンみたいなたてがみがある。
○吠えている感じがする。
○ドラえもんみたいな鈴がある。
○筋肉がある感じで強そう。
○玉みたいなのを押さえている。

●次は、出雲で見つけたものです。

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○耳がたれているからかわいい。
○鼻が豚みたいなのは同じに見える。
○おしりを上げている。
○しっぽが大きくてかっこいい。

●次は、沖縄の首里城の入り口で見つけたものです。

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※沖縄では、シーサーと呼ばれている。
○ベロを出している
○牙がある。
○眉毛が濃い感じがする。
○体の横が平らになっている。

●最後に沖縄の博物館・美術館で見つけたものです。

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※沖縄の一番古いシーサーで「シーシ」という。風化してぼろぼろだが、大切に博物館の庭に保存されていることも伝えたい。

※日本各地にある狛犬やシーサーについて、いろいろな形があること知ってほしい。

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mirubi_sizeのアイコンを使って、大きさをくらべる。

※大きさをくらべたいときは、おおよその実物の大きさを「高さ(比較用)」に入れておくとくらべることができる。

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●いろいろ見つけられましたね。日本中にあるのも分かったよね。それでは、何のためにあるのでしょう。
○霊とか悪いものから守ってくれるんじゃないかな。
○門とかにあるから、番犬みたいな感じ。

●そこで、これから、自分のシーサーを粘土でつくります。
●アイデアを練りましょう。

<評価>
・自分らしい見方や感じ方で味わおうとしている。【関】
・感じたことを話しながら,よさや面白さなどを感じ取っている。【鑑】

※対話をしている中で、参加していればおおむね満足と捉える。大事なことは、児童の関心を引き出し意欲をもたせられたかどうかという教師側の問題。見せる作品等の選び方や、間合い、順番はどうだったか反省する。

③指導のポイント
 「シーサーをつくりましょう」といっても、見たことがない子もいる。たいてい教師は過去の作品をもってきたり、教師が沖縄でシーサーつくりの体験をし、そのスキルを児童に教えたりして、出来映えを重視してしまうことが多い。ここで大事なのは、児童の関心をどう引き出すかであると考える。日頃、教師自身が収集したコレクションは、片寄った見方を押しつけるのではないかと思われそうだが、様々な視点から足を運んで集めたものは魅力的なものであるとも言える。児童の発想を膨らまし引き出すためには、教師の柔軟なものの見方や考え方が必要である。また、児童の日常にも面白い立体がたくさんあることを知り、自分の見方を通して感じることの大切さを育てたい。

4.感想

 『みる美術』の「マイコレクション機能」は、操作がシンプルなだけに使いやすい。今回のように有名な作家の作品ではなく、日頃見つけたコレクションを生かしたり、児童の作品をコレクションして鑑賞できるようにしたりするのも有効であると考える。

《札幌発信シリーズ》 光のたから箱【A表現(1)造形遊び】

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

図画工作・札幌発信シリーズ<9>

指  導  計  画

題材名

光のたから箱【A表現(1)造形遊び】

学年

総時数

主な学習内容

z_vol18_01 大きな箱に入って中から穴をあけ、穴を通して見える「光の宝物」を集め、素敵な「光の宝箱」をつくることを目指す。
 穴をあけるためのボールペンと段ボールカッターで、光の宝物の数や形に着目したところから活動を始め、次第に様々な材料を試しながら、色や模様の工夫へと活動の幅を広げていった。
 箱の中と外、隣の面どうし、他のグループと、友だちとかかわり合いながらどんどん発想を広げていった。

題材の目標

<造形への関心・意欲・態度>
光の形や色などを感じながら、光の宝物をつくり出そうとしている。

<発想や構想の能力>
箱に穴をあけながら、表したい光の宝物の形と色を思い付いたり、考えたりしている。

<創造的な技能>
光の宝物の大きさや形、色、飾り方など、表し方を工夫している。

<鑑賞の能力>
箱の中に入って、自分や友達の光の宝物を見ながら、形や色の美しさや楽しさなどを感じている。

材料・用具

  • 板段ボール(90cm×90cm 1グループに5枚)
  • 段ボールカッター
  • 布粘着テープ
  • 使わなくなったボールペン
  • 光を通す材料(セロハン・ポリテープ・気泡シートなど)
  • セロハンテープ
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〈授業の流れ〉

<1時間目 箱の中を光の宝物でいっぱいにしよう!>

 箱の中に入ってみよう!

光の美しさをより感じることができるよう、真っ暗な箱の中に入るところから活動を始める。

光の美しさをより感じることができるよう、真っ暗な箱の中に入るところから活動を始める。

「真っ暗だ~!」

「真っ暗だ~!」

 箱に穴をあけたら、どんなふうに見えるかな?

「とってもきれい!」

「とってもきれい!」

「光ってる!」

「光ってる!」

 1つだけ穴をあけることで、光をより際立たせる。

 まずは1つだけ、光の宝物をつくってみよう!

「どこにつくろうかなぁ。」

「どこにつくろうかなぁ。」

「もっとたくさんつくりたい!!」

「もっとたくさんつくりたい!!」

 

 光の宝物で、箱の中をいっぱいにしよう!

「外からおさえているね。」

「外からおさえているね。」

「順番につくろうよ。」

「順番につくろうよ。」

 1つ→たくさんと段階をふむことで「もっとやりたい!」という気持ちが生まれるように。

「たくさん集めたよ。」

「たくさん集めたよ。」

「宝物をつなげてハートの形に!」

「宝物をつなげてハートの形に!」

「段ボールカッターでハートの形に!」

 「光の宝物でいっぱいにしよう!」と投げかけて活動を始めると、はじめは慎重に1つずつ穴をあけていたが、次第に「もっとたくさん!」と、穴をあけていった。面ごとに担当を決めたり、1つの面ごとにどうやって穴をあけるかグループで相談したりしていた。また、友だちが形をつくったのを見て参考にするなど、子ども同士のかかわり方も多様であった。
 光の宝物の美しさに着目していて、全体を通して「大きくあけすぎるときれいに見えない」という思いが生まれ、1つ1つの宝物を丁寧につくる姿が印象的であった。
 活動の中で、形からイメージを広げ、色を付けたいという思いが生まれてきた。そこで、どんな材料があったら宝物をより素敵にできるかみんなで意見を出し合い、発想を広げていった。

<2・3時間目 光の宝物をステキにしよう!>

 集めた様々な材料を試しながら、色や模様、形を工夫しながら、素敵な光の宝物をつくっていった。

■色に着目して

「セロハンで、いろんな色を集めよう!」

「セロハンで、いろんな色を集めよう!」

「たくさんの色を組み合わせてみたよ。」

「たくさんの色を組み合わせてみたよ。」

■模様に着目して

「セロハンに模様を描いたらどうなるかな?」

「セロハンに模様を描いたらどうなるかな?」

「気泡シートを使ったらこんな模様に!」

「気泡シートを使ったらこんな模様に!」

■いろいろな材料で

「マヨネーズのチューブの中に、モールを入れてみよう。」

「マヨネーズのチューブの中に、モールを入れてみよう。」

「中から見たら、とってもステキだよ!」

「中から見たら、とってもステキだよ!」

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 宝物の形に合わせて色を選んだり、材料から形をつくりなおしたり、子どもたちは思考を行ったり来たりさせながら、活動を進めていった。
 また、子ども同士が自然とかかわり合っている様子がたくさん見られた。2人で1つの宝物をつくったり、1人が外から材料を試して、もう1人が中から見てみたり、友だちのアイデアを見て自分でも試してみたり。かかわり合いを通して、どの子もどんどん、発想を広げていくことができた。

<4時間目 いろいろな場所で光の宝物を見てみよう!>

 「光の宝物が一番きれいに見える、お気に入りの場所をさがしてみよう」と投げかけて、活動を始めた。

「どこへ持って行ったらきれいかな?」

「どこへ持って行ったらきれいかな?」

「光が雪に映ってとてもきれい!!」

「光が雪に映ってとてもきれい!!」

「箱の下から光が入ってこないように、周りを雪で埋めよう。」

「箱の下から光が入ってこないように、周りを雪で埋めよう。」

「山の頂上に置いたら、きれいだよ!」

「山の頂上に置いたら、きれいだよ!」

 スキー山の頂上やグラウンドの真ん中など、“たくさん光が集まりそうな場所”を探して、宝箱の置き場所を探していた。
 屋内よりも強い光に照らされて、美しく光る宝物に感動しながら、お互いに他のグループの箱の中に入って鑑賞し、自分や友だちの宝物の素敵なところを見つけていった。

学習を終えて…

 本題材は、箱の“中同士”“外同士”“中と外”、他のグループ同士…という様々なかかわりが、自然と生まれる題材であった。子どもたちはお互いにかかわり合う中で、1人では思いつくことのできなかったアイデアを見つけ、発想を広げ、思いをもって取り組むことができた。
 また、導入時に1つずつ条件を絞って提示することで、子どもたちは光の美しさにより注目し、“もっと美しくしたい”という思いをもつことができたと考える。
 そうした子どもたちの思いを、さらに広げ、高めていけるような交流の場を、意図的に設定していくことの必要性を改めて感じることができた。

「光の宝物でいっぱいにしよう!」

「光の宝物でいっぱいにしよう!」

allow04 2時間目「光の宝物をステキにしよう!」 allow04
3時間目「光の宝物をもっとステキにしよう!」

3時間目「光の宝物をもっとステキにしよう!」

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 素敵な光の宝物がたくさんできました!

【監修者:北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】

《札幌発信シリーズ》 ここには、きっといるよ【A表現(1)・B鑑賞】

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

図画工作・札幌発信シリーズ<8>

指  導  計  画

題材名

ここには、きっといるよ【A表現(1)・B鑑賞】

学年

総時数

題材概要

 身近な場所の雰囲気から、そこにいそうな想像上の生き物(○○)をつくり、その○○が住んでいる様子を写真にとってお互いに見合い、面白さを感じ取る活動である。題材を構成するにあたって、場所を校庭に限定し、材料はよりその場所になじむようにと考え、その場にある身辺材を使うことにした。校庭には、彼らがこれまで理科や生活科の授業の時間、休み時間などで関わってきたアジサイやミニトマト、桜の木など自然が豊富にある。それらの形や色、においなどを感じながら、「そこに実際いるんじゃないかな?」「いたらいいな。」「きっといるよ。」というように、「場所」からイメージを膨らませていくことができると考えたからである。

題材のねらい

 場所の雰囲気から想像上の生き物を発想し、場所と○○を組み合わせてつくる。『きっといるよ図鑑』を作成するために、住んでいる様子を写真に撮って見合い、面白さを感じ取る。

主な評価の観点

造形への関心・意欲・態度
学校にいる想像上の生き物を考えて身辺材などで形に表し、場所との組み合わせを楽しもうとしている。

発想や構想の能力
身近な場所の雰囲気からそこにいるものが、どのような形や色をしているか考えている。

創造的な技能
材料の特徴を生かして、形や色、接合の仕方を工夫している。

鑑賞の能力
場所の雰囲気から、どんな形のものを思いついたのかを話し合い、よさや面白さを感じ取っている。

材料・用具

どんぐりなどの木の実、果実や野菜の種、石、コルク、木の枝、くぎ、針金、プリンカップ、ストローなど身辺材、かなづち、きり、ホットボンド、ニッパー、ラジオペンチなど

指導計画

題材との出会い(1時間)
「みんなで何かいそうなところを探しに行こう!」

造形活動(2時間)
「“ここ”にいる○○をつくろう!」

鑑賞(2時間)
「きっといるよ図鑑をつくろう!」

〈授業の流れ〉

1.材料集め

 「次の図工の時間に、こんなものを使うんだけど…。」と子どもに投げかけ、木の枝やどんぐりなどの材料を子どもと集めた。持ってきた材料を入れる箱を用意すると、集まった材料を休み時間に友だちと一緒に触ってみたり、違うもの同士を組み合わせて「魚みたい」と見立て遊びをしたりしていた。これによって、活動前に子どもたちはたくさん材料とふれ合うことができた。

2.「みんなで何かいそうなところを探しに行こう!」

 テレビのモニターに学校の前庭の写真を映し、「ここに何かいたんだよね。写真撮ってみたんだけど、写っているかな?」と話した。子どもたちは画面を食い入るように見つめ、「先生が見つけた何かはきっと小さいだろうから、少し画面を拡大してみようよ。」と言われ拡大したが、写真の解像度を低く設定していたため、余計見えなくなっていった。画面の中では探すことが出来ず、「実際に見に行こうよ!」と子どもから声があがり、外へ移動することにした。何か(○○)がいそうな場所を探して、「ここだ!」と思うところに旗をさした。アジサイの下にさして「ジメジメしていて暗くて隠れやすいから。」と話す子や、竹馬置場にさし「くもの巣と竹馬と落ち葉があって、そこで○○は一緒に遊んでいる気がする。」と話す子もいた。いろいろな場所を見て、一度選んだけど、やっぱりこっちじゃないかなと場所を変える子もいた。そのとき感じた気持ちや場所の様子、選んだ理由をワークシートに書いていった。

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3.「“ここ”にいる○○をつくろう!」

 活動に入ると、「場所に草がボーボー生えていたから体の色も同じ緑色にするんだよ。」「敵から身を守るために、大きな角を持っているんだ。」「木に似ているから体を木のようなコルクにしたよ。」など、場所のイメージをしっかりと捉え、材料のイメージを組み合わせて自分の○○のイメージを思い浮かべながらつくっていた。一生懸命つくりながらも友だちのつくっている○○にも興味を示していた。「これは足??」と聞いて、「そういう使い方もあるかぁ。」と友だちの工夫に驚いたり、「これどうやってくっつけたの?」と接着方法を聞いて、参考にしたりしていた。このような友だちとの自然な交流から、自分○○のイメージをさらに膨らませ、もっともっとつくりたいという想いをもつことができた。

4.「○○を場所にもどして写真をとろう!」

 選んだ場所が近くの友だちと相談して、いろいろな角度からレンズを覗いて考えていた。「~くんの○○、その場所で獲物を狙ってそうだね。」と友だちに言われ、よりその雰囲気が伝わるようにカメラを近づけて撮り方を工夫していた。

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 初めは同じ向きに2つ並べていたが、「仲良しの友だちだから楽しそうに写す方法はないかな?」と考え、友だちとの対話を通して向かい合わせになるように並べ方を変えた子がいた。そして置き方を少し変えるだけで、作品を見え方が違うということに気がついた。この活動で場所からイメージして○○をつくったということを改めて感じていた。

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 また、どの子も自分の作品だけでなく、「その置き方いいね~!」など友だちの作品のよさも味わいながら、写真に写すことができた。

5.「きっといるよ図鑑をつくろう!」

 最後に作品に名前やプロフィールを書き込んで図鑑をつくった。○○の名前をつけるとき、「たくさん候補があって選べない!」「こいつにピッタリの名前をつけてあげたいんだ。」などと話し、じっくり考えていた子がたくさんいた。このことから、この子たちが自分の作品に対して、これまでたくさんの想いを注いできたことがわかった。
 ここでは「きっといるよ図鑑」の中から、「小人のトマトン」(左の写真)と「アフリカむらさきガラフ」(右の写真)の2作品を紹介します。

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ミニトマト畑からトマトが大好きな「トマトン」が生まれたんだね。上からトマトを狙っている表情がとても真剣で、今にも飛びかかりそうだね!(先生からの言葉)

暗い場所で獲物がいないか目を光らせてそうな○○だね!赤と青のセロハンで作った体の色が、暗い軒下のイメージとマッチしているね。(先生からの言葉)

6.「きっといるよ図鑑の発表会をしよう!」

 作品の発表会では、友だちの説明を聞いて「だからかー!」「なるほどー!」と使われている材料と場所の関連について、納得を示していた。発表も後半になると、説明を聞く前から材料と場所のイメージを結びつけて頷いている子がたくさんいた。
「ミニトマトが大好物」ということから、体の特徴を捉えていることに気がついた。手の数を増やしたり、食べ物の近くに置いたりすることで、食いしん坊のイメージを明確にしていた。このことから、子どもたちは作品の出来栄えではなく、場所のイメージと材料の組み合わせに目を向けて作品を見ていることや、つくっていたことがわかった。また「すごーい!」「どうやったの?」と感動を声に出す子もいて、教室が温かい雰囲気に包まれた。

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【授業を終えて】

 造形活動を行う際、それぞれの材料に合う接着方法の提示や接着剤の用意などの手立てを考えておくべきであった。材料の接着に苦しんで、自分のイメージした○○から離れてしまった子がいた。せっかく「こうしたい!」「こんな姿なんだ!」という想いがあるにもかかわらず、私自身うまくアドバイスできず彼らの想いを膨らませることができなかった。改めて教材研究の大切さを痛感した。
 しかし子どもたちは友だちとかかわり合いながら、自分の作品に対する想いを伝え合いながら活動することができた。そのような姿をたくさん見ることのできたすてきな5時間であった。
その後の図工では、それまで作品をつくることを一番の楽しみにしていた子が、「早くみんなの作品も見たい!」と話すようになった。また、「作品を展示する際、「この向きがいいな。」「ここから見てほしいな。」など置き方を工夫しようとする子が増えた。今後も作品の出来栄えでなく、(今回で言えば)イメージと作品がどのように結びついているのかといった作品に込められた想いを読みとる力を子どもたちに一層身につけさせていきたい。

【監修者:北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】

《札幌発信シリーズ》 スノーワンダーランド【A表現(1)造形遊び】

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

図画工作・札幌発信シリーズ<7>

指  導  計  画

題材名

スノーワンダーランド【A表現(1)造形遊び】

学年

総時数

題材のねらい

  • 自分の思いの形に変えて固めることができる雪の性質を理解し、カタヌキをしたり、丸めたりするなど様々な形の雪をつくる
  • カタヌキはその硬さから積み上げることができることや、同じ形のものを並べてできる様子の面白さに気付き、活動を工夫する
  • 大きさの違うカタヌキを重ねて置いたり、ビーズやつまようじなどの材料と組み合わせたりするなど、雪や場所からイメージを広げ、思い付いた活動をする

材料

バケツ、プリンカップ(カタヌキをつくるのに使用)、シャベル、ビーズ、つまようじ、カラーセロハン、ポリテープ、モール、カラーポリ袋

評価基準

造形への関心・意欲・態度
雪に関心をもち、思い付いた活動を楽しんで取り組もうとしている。

発想や構想の力
雪の感触や特徴、形や色、他の材料との組合せなどから思い付いたことを考えている。

創造的な技能
雪や組み合せる材料の特徴を生かしながら並べ方や重ね方、組合せ方を工夫して活動している。

鑑賞の能力
友だちと互いの活動や作品を見合い、よさや面白さを感じ取っている。

学習内容

  1. カタヌキづくりに挑戦 ~雪の特徴をつかむ~
  2. カタヌキを使って、何ができるかな? ~雪の特徴を生かす~
  3. 友だちの作品を鑑賞しよう ~アイデア吸収タイム~
  4. 作品をもっと楽しくしよう ~アイデアを試す~

学習展開

-1時間目開始-

 同じ時期には、社会科「昔の人々が受けつぐ行事」の学習で「さっぽろ雪まつり」について調べていた。大きく、本物そっくりの雪像を見ている経験や、材料の面白さが子どもの意欲を引き出しているように感じた。

(1)カタヌキづくりに挑戦 ~雪の特徴をつかむ~

 題材の導入時には、次の1~5について説明した。

  1. 題材名から
    ・雪を使って自分たちの楽しい世界をつくろうとめあてをもった
  2. 活動のねらい
    ・バケツに雪を入れてつくったカタヌキを使って活動することを確認した
  3. 注意すること
    ・スコップの使い方
    ・カタヌキを高く積み上げると倒れる危険性も(3段目まで)
    ・カタヌキのつくり方
  4. 子どもからの質問
    ・地面を掘って穴をつくってもいいか
    ・校庭にある木や彫刻、遊具などを使ってもいいか
  5. カタヌキづくり
    ・学校で用意した清掃用のバケツを使用
    ・自分でバケツを用意した子どももいた

 話を聞いている子どもたちは、「早くやってみたい」と、わくわくしているようだった。説明が終わってから活動場所へ移動した。まず、自分たちの場所を決めてから活動を開始させた。

<活動初めのころ>

カタヌキづくりでは、「できた!やった!」と、夢中になって活動に取り組んでいた。

カタヌキづくりでは、「できた!やった!」と、夢中になって活動に取り組んでいた。

「もっとたくさんつくろう」と、一人でいくつものカタヌキをつくる子もいた。

「もっとたくさんつくろう」と、一人でいくつものカタヌキをつくる子もいた。

 スコップで雪をバケツに入れ、固めたあと、ひっくり返すカタヌキの行為は大変楽しく、20分間で3~4個つくる子もいた。そして次第に、つくることから置き方に楽しさを感じる子どもが増えてきた。

はじめは、ただカタヌキを置いていた子も積み上げられることにも気付き始めた。

はじめは、ただカタヌキを置いていた子も積み上げられることにも気付き始めた。

カタヌキで滑り台の周りを囲んでいた。「滑り台のある秘密基地みたいにしたい」と、活動に取り組んでいた。

カタヌキで滑り台の周りを囲んでいた。「滑り台のある秘密基地みたいにしたい」と、活動に取り組んでいた。

「ピラミットみたいにしたい」と、積み上げる工夫が見られた。

「ピラミットみたいにしたい」と、積み上げる工夫が見られた。

自分のもってきたバケツでカタヌキをつくる子もいた。「バケツの形がきちんとでる」と、雪の特徴を理解して活動していた。

自分のもってきたバケツでカタヌキをつくる子もいた。「バケツの形がきちんとでる」と、雪の特徴を理解して活動していた。

(2)カタヌキを使って何ができるかな?~雪の特徴を生かす~

 始めからカタヌキの置き方を考えて並べたり、積み重ねたりする子どもだけでなく、何気なく置いていた子もいた。「どうしてこう置くの?」「何に見える?」と聞いてみることで、「家の壁みたい」と自分の活動の面白さに改めて気付いたり、今後の活動に見通しをもちさらに工夫したりする様子が見られた。カタヌキの置き方を整理してみると、大きく二つに分けられると考えた。

<アイデア1>並べる・積み上げる

モニュメントを囲むようにしてカタヌキを並べていた。

モニュメントを囲むようにしてカタヌキを並べていた。

決めた場所を囲むようにしてカタヌキを並べていた。「ケーキ屋さんなの」と教えてくれました。

決めた場所を囲むようにしてカタヌキを並べていた。「ケーキ屋さんなの」と教えてくれました。

「家の壁にしたい」と、円を描くようにカタヌキを並べる工夫が見られた。

「家の壁にしたい」と、円を描くようにカタヌキを並べる工夫が見られた。

<アイデア2>大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる

「動物の耳みたい」と、雪玉にしてカタヌキに載せていた。

「動物の耳みたい」と、雪玉にしてカタヌキに載せていた。

「高くなったよ」「同じものをいくつもつくれそう」と、新しい発見を活動に生かす姿も見られた。

「高くなったよ」「同じものをいくつもつくれそう」と、新しい発見を活動に生かす姿も見られた。

(3)友だちの作品を鑑賞しよう ~アイデア吸収タイム~

 子どもは、(1)と(2)の学習を終えると「もっとこうしたい」と自分なりのアイデアを思い浮かべる様子があり意欲を深めていた。そこで、(3)の鑑賞の活動を取り入れた。「すごいな」「まねしたい」とつぶやくなど、自分とは違う工夫を多く発見させることで、その後の活動ではより創造的に取り組む子どもの姿を引き出そうと考えた。

-1時間目終了-

-2時間目開始-

 本時の導入時には、実際に作品を見ながら面白さを紹介したり、新しいアイデアをもっている子どもに発表させたりした。本時では、より創造的にいろいろな大きさや形のカタヌキや他の材料を組み合わせることをねらいとしていたことから、大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる<アイデア3>をさらに発展させることと、ビーズやつまようじなど、他の材料を組み合わせる<アイデア4>に焦点化することにした。

(4)作品をもっと楽しくしよう~アイデアを試す~

 活動中には、「このあとどうなるの?」「全体も見てごらん」など見通しが持てるよう支援した。子どもは「このとがっている部分が屋根で、お城です」と自らの活動を説明するなど鑑賞の活動を取り入れたり、話し合ったりしながら見通しをもって取り組んでいた。また、教師も「とがっているのは屋根なんだ。面白いね。」と価値付けをしたり、「屋根は一つなの?」「屋根には他に何か付いていないの?」と尋ねたりして、子どものイメージが広がるようにかかわった。

<アイデア1>並べる・積み上げる

カタヌキで囲んだ真ん中には、穴を掘り座れるようにした家

カタヌキで囲んだ真ん中には、穴を掘り座れるようにした家

小さなバケツで作ったカタヌキを積み上げた。左端の高い塔で門を表した。

小さなバケツで作ったカタヌキを積み上げた。左端の高い塔で門を表した。

<アイデア2>大きさや形の違うカタヌキを組み合わせる

カタヌキで囲んだ中にはイスを置き、お店を表した。たこやきのようなカタヌキをつくって「これを食べられるお店なの」と教えてくれた。

カタヌキで囲んだ中にはイスを置き、お店を表した。たこやきのようなカタヌキをつくって「これを食べられるお店なの」と教えてくれた。

体育で使うコーンでカタヌキをした。「とがったカタヌキはお城の屋根だよ」と、形からイメージを広げて行く姿が見られた。

体育で使うコーンでカタヌキをした。「とがったカタヌキはお城の屋根だよ」と、形からイメージを広げて行く姿が見られた。

いろいろな形のカタヌキを組み合わせた。中心のカタヌキに顔をつくった美しい作品。

いろいろな形のカタヌキを組み合わせた。中心のカタヌキに顔をつくった美しい作品。

カタヌキだけでなく、雪で仕切ったり、ビーズを置いたりして部屋を表した。

カタヌキだけでなく、雪で仕切ったり、ビーズを置いたりして部屋を表した。

<アイデア3>ビーズやつまようじなど、他の材料を組み合わせる

カタヌキの中にビー玉を入れ目玉にした。いつも三匹いっしょの動物を表した。

カタヌキの中にビー玉を入れ目玉にした。いつも三匹いっしょの動物を表した。

コーンで作った3つのカタヌキはモンスター。奥にある積み上がったカタヌキにビー玉を入れ、きらきら光る宝物を表した。「モンスターが宝物を狙っているんだ」と話してくれた。

コーンで作った3つのカタヌキはモンスター。奥にある積み上がったカタヌキにビー玉を入れ、きらきら光る宝物を表した。「モンスターが宝物を狙っているんだ」と話してくれた。

-2時間目終了-

【監修者:北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】

「アーティストになろう」

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

指  導  計  画

題材名

「アーティストになろう」

学年

総時数

ねらい

 季節が秋に変わり、11月に入ると、色づいている木々が学校の近くの神社で見られるようになってきた。また、正門から校舎までには桜並木があり、紅葉をはじめた木も多くある。そこで、子どもたちに季節を感じてもらいたいという願いと、様々な発想で表現させてみたいという思いから、場所や材料の形などの特徴を生かして、落ち葉を使って校地内(屋外)を飾りつける活動に取り組むことにした。見たり触ったり、形のおもしろさ、色の美しさに感動したりするなど、感覚に働きかけるような活動を行うことで、新たな感動から発想を広げられるようにしたい。

評価内容

造形への関心・意欲・態度
材料の形や色を見たり手にとったりして感じたことを、表現活動に生かそうとしている。

発想や構想の能力
自分の発想を大切にして、のびのびと表現することができる。

創造的な技能
場所や材料の形・色などの特徴を生かして、重ねたり組み合わせたりするなどして表現することができる。

鑑賞の能力
お互いの作品を見合いながら、感じたことや思ったことを発表し、表現方法や感じ方に違いがあることに気づく。

〔共通事項〕との関連

材料の形や色、場所の特徴を基に、自分のイメージをもつこと。

材料・用具

落ち葉、枝、ヤツデなどの葉、花、ナンテンなどの実、ガムテープ、ビニールテープ、イメージメモ

指導計画・流れ
(全6時間)

第1次
飾りつけを行いたい校地内を散策する。どのような飾りつけを行うか、グループで計画を練り、イメージメモをつくる。(2)

第2次
飾りつけをする。(3)

第3次
お互いの作品を鑑賞し、考えを発表し合う。(1)

1.みんなで秋のアーティストになろう!

 「思いっきり図工を楽しんでもらいたい」と、4月から思い続けて活動に取り組んできた。これまでの積み重ねのおかげか、子どもたちは表現するということを楽しむことができるようになってきたと感じた。
 そこで、「言葉では言い表せないけど、心にジーンとくる作品をつくるアーティストになって、校地内を秋で飾ろう!」となげかけた。

イメージメモ

イメージメモ

 まず、校地内をグループで散策する。その後、どの場所または用具をどんなふうに飾りつけたいかを話し合い、イメージメモに描いた。落ち葉の色の美しさを生かすということを条件として示した。子どもたちがあげた飾りつけたい場所・用具として、壁、三角コーン、掲示板の枠、雨どい、水飲み場わきの花壇があった。どこも子どもたちや先生、学校に来るお客さんからよく見える場所で、自分たちの作品を多くの人に見てもらいたいという願いがふくらんでいるようだった。

2.はりきって飾りつけ!

 材料は、子どもたちが近くの神社や公園などに行って拾ったり、隣の小学校のイチョウの葉をもらいに行ったりして集めた。協力して集めたたくさんの落ち葉などを見て、「わー、すごい!たくさん使えるね。」と、とてもわくわくしている様子がうかがえた。
 イメージメモを譜面台に貼りつけ、それをもとに活動に移れるようにした。実際に飾りつけてみると、考えていた以上にアイディアが浮かんできたようで、イメージメモと変わってきたグループもあった。途中、ほかのグループの見学に行き、お互いにいいところや参考になるところを伝え合った。「すごい、かっこいい!」などと歓声が上がり、「僕らもこれしよう!」と急いで自分のグループに戻り、作品づくりに取り組んだ。

落ち葉でグラデーションをつくったよ。

落ち葉でグラデーションをつくったよ。

途中経過の記録写真

途中経過の記録写真

下から見て…。どこにつけ足そうかな?

下から見て…。どこにつけ足そうかな?

3.作品紹介

掲示板の周りを飾りつけました。イチョウで色をそろえたり、下の支柱は秋の山をイメージして、曲線をつけたりして落ち葉を貼りました。

掲示板の周りを飾りつけました。イチョウで色をそろえたり、下の支柱は秋の山をイメージして、曲線をつけたりして落ち葉を貼りました。

三角コーンとセーフティバーを組み合わせました。最初は直線につないでいましたが、途中で三角に結び、地面も同じ三角形に敷き詰めると美しさが引き立つと感じている様子でした。落ち葉がきれいな面になるように注意していました。

三角コーンとセーフティバーを組み合わせました。最初は直線につないでいましたが、途中で三角に結び、地面も同じ三角形に敷き詰めると美しさが引き立つと感じている様子でした。落ち葉がきれいな面になるように注意していました。

木をイメージしてできた作品です。ほかのグループが落ち葉を敷き詰めているのを見て、同じようにしてみたいという思いをもちました。敷き詰めたものは根になりました。

木をイメージしてできた作品です。ほかのグループが落ち葉を敷き詰めているのを見て、同じようにしてみたいという思いをもちました。敷き詰めたものは根になりました。

最初はイチョウをたくさん使ってライオンにしたいと言っていましたが、口をつけるとひよこに見える、ヤツデをつけると天狗みたい、ということで、「ひよ天」と命名です。

最初はイチョウをたくさん使ってライオンにしたいと言っていましたが、口をつけるとひよこに見える、ヤツデをつけると天狗みたい、ということで、「ひよ天」と命名です。

4.作品鑑賞会

webjirei_vol015_09 子どもたちは、いいなと思うところを指さしながら話をしていた。どの子も、「自分の班が1番!」と言わんばかりに、誇らしげに作品の紹介をすることができた。色をそろえたところ、グラデーションにしたところ、見立てをしたところなどを、自信をもって発表することができ、秋で飾りつけをする活動を本当に楽しんで取り組むことができたのだと感じた。
 3日ほど展示していたが、その間にたくさんの先生から「すごいね、きれいだね。」という言葉をもらったり、学級の保護者の方も、足を止めて見ていたりしたので、そのことを子どもたちに伝えると、ニンマリ、嬉しそうにしていた。

5.活動を終えて…

 感覚に働きかける活動を通して、自分のもったイメージをふくらませたり、楽しんで表現活動に取り組んだりすることができた。自信もついたようだ。
 また、友だちの作品をすなおに「すてきだな」「きれいだな」と感じることができ、そこから自分たちの作品をより良くしようという思いをもって、造形活動に生かすことができた。
 今回の活動だけでなく、1年を通してイメージメモを使って、イメージをふくらませてきた。友だちとの意見交換を通して、子どもたちは安心してのびのびと造形活動に取り組むことができるようになった。また、「それいいね。」と言ってもらい、認めてもらうということも大きな自信にもつながっているようだった。
 今回の活動「アーティストになろう」では、時間がかかることもあり、活動をしながらイメージがどんどん変化していくので、メモを簡略化したり、使用せずに活動に入ったりするなど、使用方法を選定することも考慮しなければならないと考える。

グラグラ ゆらゆら

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

指  導  計  画

題材名

グラグラ ゆらゆら

学年

総時数

領域

A表現(2)

題材の価値とねらい

 近年では、「動き」を取り入れたアートが注目されている。例えば、英国のロンドンでは、2009年に動くアートの展覧会「キネティカ・アート・フェア(Kinetica Art Fair)」が開幕した1)。また、テレビ番組でも何度か放送された「ビーチアニマル」は、大きいものでは体長12メートルにも及ぶ。プラスチックチューブやペットボトル、木材などで構成され、風を受けるとまるで生き物のように動き出す。そんな人工生命体のような作品を通して、生命の本質や未来の生命の可能性を考えるのが動くアートである。
 このように、動くアートは、「形・色」と、「動き」からの発想や構想に着目した点が特徴的である。幼児や低学年の子どもの場合、箱でつくった車を手で押したり、引いたりしている姿を見かけることがある。子どもは、止まっているものの面白さよりも、動いているものの楽しさの方を好むからである。
 本題材の価値は、お椀やデザート容器など、コップ型や円筒型の身近な材料を二つまたは、三つ合わせて色々な転がり方を見付けさせ、それぞれの転がり方の面白さに気付かせることができることである。
 子どもに家庭から転がりそうな材料を集めさせる。そして、「この材料同士を使ったら、どうなるだろうか」、「大きさや形を変えたら、どうなるだろうか」など、材料やつくり方によって、色々な動きをすることを理解させる。

題材の観点別評価内容

  1. 関心・意欲・態度
    転がり方を変える面白さに気付き、進んで身の周りから材料を集めたり、転がるおもちゃをつくることを楽しんだりすることができる。
  2. 発想や構想の能力
    転がり方を変えながらイメージを膨らませて、つくりたい作品に仕上げる工夫を考えることができる。
  3. 創造的な技能
    色や形、大きさなどを考えて、自分の思いを表現できる身辺材料を効果的に使って作品をつくることができる。
  4. 鑑賞の能力
    転がして遊ぶ活動を通して、転がり方を生かした面白さやよさを分かることができる。

用具・材料

教師:紙コップ(小・大)、絶縁テープ、粘土、梱包用ビニール紐、ビニールテープ(赤・橙・青・黄・桃・黒・茶・灰)、マーカーペン
児童:コップ型の材料(アイスカップ,プリンカップなど、はさみで切り込みを入れることのできる材料)、円筒型の材料(トイレットペーパーの芯や、お菓子の入った円筒など)、粘土のように動きを変えるための小物(石やブロック、キャップなど)

学習の流れ

<導入時の工夫>

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コロコロ(左) ゴロゴロ(右)

 導入時には、「転がり方を変えると面白いな!」と子どもに思わせることが必要である。最初に、教師が簡単な仕組みを提示し、その仕組みを使って自由に遊ばせる。簡単な仕組みとは、紙コップの底の部分を合わせたものである。大小の紙コップでつくったものを事前に用意しておく。簡単な仕組みを転がす活動を通じて、「コロコロ(小さな紙コップでつくった仕組み)」、「ゴロゴロ(大きな紙コップでつくった仕組み)」というように、子どもと「見立て言葉(擬態語または、擬音語)」のネーミングを付けておく。
 T:先生がつくった見立て言葉、コロコロ・ゴロゴロの外に、どんなメニューができそうか、みんなもやってみましょう。はさみや粘土を使ってもいいです。
 C:はさみで切ったらどうなるかな。
 C:粘土を付けたら、おもしろい見立て言葉が見付かるかもしれないぞ。
 T:見立て言葉が見付かったら、一つ一つにネームペンで書いておきましょう。
 「見立て言葉」を考えさせることで、子どもは色々な転がる様子に着目し、自分だけの見立て言葉を考えようとする。複数の見立て言葉を見付けた子どもは、「転がり方を変えると面白いね。紙コップ以外の材料でも、違う見立て言葉を見付けてみたいな。」という状態になる。

切ってみよう

切ってみよう

メニューを思い付いたよ

メニューを思い付いたよ

<活動の広がり>

 紙コップ以外の材料に興味を持った子どもに、複数の材料を集めさせておく。
 C:ペットボトルとプリンカップを合わせたら、グラグラしたよ。
 C:トイレットペーパーの芯と紙のお皿をくっつけて転がしたら、ゆらゆらゆれたよ。
 C:お母さんからもらった化粧品とアイスのカップを付けたら、みんなと違って、ゴロンゴロンになったよ。
 C:私は、お家から持ってきたアクセサリーをカップの中に入れて転がしたら、シャラシャラという音がでたよ。

どんな転がり方をするかな?

どんな転がり方をするかな?

 子どもは、自分が持ってきた材料を組み合わせながら、面白い見立て言葉を考えていく。複数の見立て言葉を見付けた子どもに、さらにイメージを膨らませるために、次のように働き掛けを行う。
 T:みんなが見付けた見立て言葉にトッピング(~が・・・しているみたい)してみよう。
 C:グラグラだから、おばけがグラグラしているみたい。
 C:ゆらゆらしているから、ゆらゆらする観覧車にしたいな。
 C:カエルが山からゴロンゴロンと落ちてきたよ。
 C:おもしろいね。私は、たぬきがゴロンゴロンと転がっているみたいに見えるよ。
 子どもが考えた見立て言葉にトッピングを加えさせることで、子どもは、つくりたいイメージを膨らませて、つくりたい作品をつくることができた。

ジェットコースターがシャコシャコと音を鳴らして走っている

ジェットコースターがシャコシャコと音を鳴らして走っている

ゴロゴロと走るゴーカート

ゴロゴロと走るゴーカート

<評価>

 学習過程の児童のつぶやきや様子などを踏まえて、一人ひとりのつくりたい思いを継続させる評価を心がける。

  • 転がり方を変えることに関心をもち、意欲的に材料を集める。
  • 材料の組み合わせを変えて、色々な転がり方をするおもちゃを考える。
  • つくりたいものを表現する。
  • 友だちのつくった転がるおもちゃのよさや工夫に気付く。


参考文献
1)奇想天外!ロンドンで動くアートの展覧会

【磯部 征尊】

《札幌発信シリーズ》 鑑賞(1) 絵の中の「遊び」、教えます!

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

図画工作・札幌発信シリーズ<6>

指  導  計  画

題材名

絵の中の「遊び」、教えます!~ブリューゲル作「子供の遊戯」より~

学年

総時数

準備

ブリューゲル作「子供の遊戯」掲示用拡大版、児童配布用縮小版、ワークシート、感想カード、のり、はさみ、筆記用具

学習目標

 作品の中に描かれている様々な遊びの様子から発見したことや想像したことを「遊びの説明書」の形で記述する。
 「説明書」の内容を互いに交流し合うことで、多視点的な見方や考え方、感じ方に気づき、より深く作品を味わう。

「絵の中の遊びを教えて!」

 児童はこれまでに絵の鑑賞活動を通して見つけたことや想像したことを、記述したり話し合ったりしてきた。その過程で友達の意見に刺激を受けたり、全体交流の中で新たな見方や驚きが生まれたりし、学習を楽しむ様子が見られた。
z_vol13_01 鑑賞教材との出会いは、いつも静かに行わせている。他の情報を耳に入れずに、まずは自分と作品が1対1で向き合うためである。今回の「子供の遊戯」も同様に提示した後、
 T「さあ、今日の絵には何が描かれているかな。」
 C「たくさんの人がいる」
 C「変わった仮面をかぶった人もいるよ。」
 T「え、どこにいるの?」
 C「この建物の中だよ」(前に出てきて絵を指さす)
 C「子どもが遊んでいるみたい」
等のやりとりを行った。数名の児童から考えを聞いたところで、
「実はこの絵は、いま数名が話してくれたとおり「子どもの遊び」を描いたものなんだ。少し見ただけでも、おもしろそうな遊びがたくさんあるよね。今日はこれからみんなに「自分が注目した遊び」の「解説者」になってもらいます。そして、絵の中でどんな遊びが行われているのか、友達と教え合ってみよう。」と投げかけた。

「絵をじっくり見て、遊び方を想像しよう!」

z_vol13_02 児童には絵(A4版程度)と、遊びの説明を記述するワークシートを配布し、絵と向き合う時間をたっぷりと保障した。そうすることで、児童は絵から得られる情報を最大限に引き出し、気づいたこととイメージしたことを頭の中で混ぜ合わせることができていったようだった。
 考えがまとまっていった児童は「遊びの名前」や「必要なもの」、「遊びの簡単な説明」「遊びのおもしろさ」などの項目をワークシートに記述していった。教師は児童が考えた遊びの内容を価値づけたり、共感的に理解したり、あるいは「ここにある○○は何をするもの?」とゆさぶったりしながら観察していった。書き終えた児童は、違う遊びに着目し、「遊びの説明書」を増やしていった。

「遊びの説明会を開こう!」

 交流は、教室内で自由に歩き回って交流する「フリー説明会」と、学級全体で思いや考えを共有する「全体説明会」の2つの場を用意した。

z_vol13_03 z_vol13_04 z_vol13_05

 フリー説明会の狙いは「全体の場で発言することが苦手な児童にも声を出す機会を与えること」と「自分と同じ(あるいは違う)遊びに着目した友達の説明を事前に知ること」である。
 この1対1で行う交流を通して、児童は「自分と似た考えの人がいるんだな。」と共感することから安心感や満足感を得たり、「そんな遊びもあるかもしれないな。」と刺激を受けたり、自身のアイディアをふりかえったりし、自分の考えをより明確にしていった。
 全体説明会では、
 C「(絵を指さしながら)この遊びは「ひっぱれひっぱれエッサッサーゲーム」と言います。必要な道具はひもです。ルールは、人が人をおんぶして、おんぶされた人同士がひもをひっぱります。ひもを取るか、相手を落とすと勝ちです。この遊びのおもしろさは、仲間とのチームワークが大切ということと、勝つぞという気合いが入るところです。」
 T「なるほど。おもしろそうだね。同じ遊びに注目して説明書を作った人はいないかな。」
 C「私は「わっかつな引き」という名前にしました。ルールはほとんど同じだけど、ひもを取るのではなくて、手をはなしたり、背中から落ちたりすると負け、というふうにしました。」
 C「僕は「うま引き」という名前。おもしろさは、バランス感覚を養えるところと、友情を深められるというところだと思う。」
 T「同じ遊びでも、名前はみんなちがうね。共通していることは、3人一組で行い、ひもをひっぱる、という遊び方だね。友達との協力が大事、ということも言えそうだね。」

z_vol13_06 z_vol13_07

などというように、「他の遊び方は?」と考えの多様化を図ることや、「似ているところ、違うところは…」「共通点は…」と意見を整理することに重点を置きながら、交流をすすめていった。
 また、児童から出た遊びを、掲示用の絵の中にふきだしとして貼り付け、増やしていくことによって「視野が広がっていく実感」を感じられるように意識した。

「児童の感想から」

「この遊びを実際にやってみたくなりました。」
「同じ遊びに注目していても、見方が変わればルールもちがうのが楽しかったです。」
「他の人の意見は、自分で考えつかなかった遊びがあって、いろいろなことが考えられました。」

「感想カードより」

  • いつもはあまり書くことは得意じゃないけど、今日はたくさん書けた。
  • この世界に入ってもっと詳しく知りたい。

 児童の声や感想カードからは、児童の多くがこの授業に関心をもって取り組めたことがわかる。
 また、「友達の交流を通して考え方や見方が広がった」と感じたり、授業の始めと終わりで「自分と絵との距離が縮まった」と感じたりすることができた、と記述した児童もいた。

「授業を終えて」

 鑑賞の授業では、児童に絵の題名を伝えないこともある。しかし、この教材ではあえて絵の題名を告げてスタートすることで、「遊びの絵って言うけれど、どんな遊びが描かれているんだろう。」という視点から児童に興味を持たせ、絵の世界に引き込もうと考えた。
 今回鑑賞したブリューゲルの「子供の遊戯」は、児童にとって身近なものである「遊びの絵」であったことから、自身の知識を生かしたり、経験と重ねたりするなど、イメージを膨らませやすかったようであった。
 また、「説明書」を作るという行為を行わせることにより、自然と絵をじっくりと観察する必要性を生みだそうと考えた。説明書の記述は、単なる想像で終わるのではなく、「ここにこう描かれていて、これが実は…」などと言うような、きちんと対象と向き合って得られる「説明の根拠」を加えることが大切であると考え、児童とのやりとりの中で意識的に引き出した。
 全体交流では、それぞれの目のつけどころが違う点や、同じ箇所を選んでいても、遊びの説明が異なる点に面白さを感じることができたようであった。
 絵の「全体」から「遊び」を選ぶ事は、絵を細分化して鑑賞することにつながるが、後の全体交流を通して、「そんなところにこんな遊びがあったのか。」と一人では気づかなかった視点に気づいたり、遊びの説明の話し合いを重ねていくことで、「ひとつの遊び」から「絵の全体像」へ少しずつ視野が広がったりするなど、作品の世界により入り込めたようであった。

「授業改善すると」

 今回の授業をふりかえると、以下の改善点が挙げられる。
 ①「色や形へのこだわりの追求」…全体的な絵の色彩や、描かれているものの形に着目し、そこからイメージを膨らませていく展開。
 ②「作者の思いへの追求」…たくさんの遊びを見つけたところから、この作品に込められた作者の思いや作品の意図を探り、新たな気づきを生む展開。
 「色」「形」「作者の思い」など、授業の軸になるものを指導者側がしっかりと打ち立てておく必要がある。そうすることで「子どものアイディアや気づき」をより造形的な方向へ進めることができると考える。

【監修者 北海道教育大学岩見沢校 准教授 阿部宏行】