先輩からのアドバイス vol.24
【マンガ】同僚っていいもんだ!

指導や授業で、つまづきがちな悩みや疑問をとりあげ、ベテラン教師から読者と同じ目線で問題解決へのアドバイスを提案します。

ここがポイント

チームとしての学校
 組織で動く職場では多くの場合、いろいろな専門分野に分かれて仕事をします。仕事をする人はそれぞれの勤めに責任を持ち、その結果仕事上の能力が向上したり、自分の仕事にプライドが持てたりします。しかし企業としての業績や合理性、効率のみがクローズアップされると各自が発揮していた能力はシステムとして組み込まれ、既成の基準となってしまいます。大切にされるべき職場で培った能力をベースとした各自のプライドは、「当然の結果」として無色透明なものになってしまいかねません。数値化された成果至上主義の負の側面と言えるでしょう。教師の職場ではどうでしょうか。平成27年に中央教育審議会から「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」の答申が出されました。外部の専門スタッフの力を取り入れるとともに、教師一人一人が、各々の専門性を発揮することが大切であるとともに、学校のマネジメント機能の強化や充実を図ることが重要であるといわれています。

共有化の重要性
 教師は一人で問題を抱え込むことなく、学校が抱えた課題としてチームで解決に向かう姿勢が大切になります。校長をはじめ全職員が地域の特性や子どもたちの実状に配慮した取り組みを実行することが望まれます。美しい抽象的な校内目標ではなく、具体的な教育の方向性を全員で話し合い、共通に理解されることが大切です。しかし、そのような職場づくりの障害となるものの一つに、個人の力量をプライドとして自分の世界を構築してしまうきらいが教師にあるという点です。うまくいかないことは恥ずべきことといった考え方です。生徒との信頼関係もうまくいっているという自信がプライドとなります。これは失敗をしてしまったときに逆に表に出さず隠ぺいしようとしてしまう空気を生む危険性も包含します。本当は誰しも最初から完璧な教師などいませんし、失敗してしまうものです。悩みを共有し、コミュニケーションがなされて初めて風通しのよい職場であり、未来のある教育がつくられるのです。大いに同僚同士の会話を持ちましょう。これが仕事のしやすい職場への近道になるのです。

(シナリオ・監修、文 川合 克彦)