デジタル教科書・教材サポートサイト:小・中教科別の商品情報を新規追加

デジタル教科書・教材サポートサイト:令和2年度版小学校、令和3年度版中学校の教科別の商品情報を新規に追加しました。

機関誌・教育情報:「どうする?とくだ先生!2」第1回

機関誌・教育情報:新シーズンがスタート!「どうする?とくだ先生!2―マンガで考える道徳教育」第1回 “小学校と中学校の違いってなんだろう?” を追加しました。

小学校と中学校の違いってなんだろう?

大人気「どうとくマンガ」の新シーズンがスタート!
「道徳教育」についてよく抱かれる疑問を取り上げ、マンガでわかりやすく解説します!

第1回のテーマは、これまでのおさらいと、「小・中学校それぞれでの学び」です。

【登場人物】

徳田 一道(とくだ かずみち))

徳田 一道
(とくだ かずみち)

主人公。中学校にて約10年のキャリアを積み、堂戸区小学校へ転勤となった。

正木 真理(まさき まり)

正木 真理
(まさき まり)

一道と同じ小学校に赴任した新任教師。

久慈 善人(くじ よしひと)

久慈 善人
(くじ よしひと)

一道の同僚となった教師。前作第11回で、一道がいた中学校との合同授業をしている。

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謎の妖精(?)

中国におけるESDの動向

 ユネスコは1990年代半ばに「人間開発のための環境・人口教育と情報に関するプロジェクト」(Project on environment and population education and information for human development)を立ち上げました。これを受けて「中国ユネスコ国内委員会」は北京教育科学研究院に協力を依頼し、1998年からEPDプロジェクト(Project on Education for Environment Population and Sustainable Development in China)を開始しました。2003年までに北京、上海、広東、内モンゴルなどにおける約1,000校以上がこのプロジェクトに参加しています。
 そして2005年12月にはユネスコによる「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」(2005−2014)に呼応する形で中国ユネスコ国内委員会は「中国EPDプロジェクト」を「中国ESDプロジェクト」(Project on Education for Sustainable Development in China)に改称しました。中国のESDは、「人口」という課題が中心であったEPDプロジェクトをより豊かに発展させる形で継承してきたという側面があります。
北京のESD実践校(写真:永田佳之) 「中国ESD項目全国工作委員会」によると、ESDの中国語の解釈では、「国の『科学的発展観』(*1)政策を体現しつつ、持続可能な発展のニーズに基づき実施される教育であり、持続可能な発展を志向する価値観の育成を中核とし、発展の過程で直面する問題の解決を目的とする。また、持続可能な発展に資する科学技術、価値観、生活習慣、生活様式の定着を支援することで、社会・環境・経済の持続可能な発展を促す教育である。」と定義されています(*2)。「科学的発展観」が国の主な発展方針となった現在、「持続可能な発展」を目指すことは中国においても現代教育(*3)の最優先課題であると言えるでしょう。
ESD実践校の作業室(写真:永田佳之) 中国におけるESDの領域の一つに環境と資源に関する教育があり、それに関連して「緑色学校(グリーンスクール)」での活動が全国で行われています。グリーンスクールには、以下の4つの指標を満たすことが求められます。

  1. 学生がすべての科目の教材を通して環境保護に関する内容をしっかりと把握すること
  2. 教師と生徒が高い環境意識を持つこと
  3. 広く社会に向けて、教師と生徒が環境教育の啓発活動に積極的に参加すること
  4. 学校の緑化、美化と衛生管理

 数年の努力を経て、中国のESDは大きな発展を遂げました。以下に2校の事例を紹介します。
 中国人民大学附属中学第二分校では、2004年に北京植物園をESDの実践拠点に指定し、「校本課程開発」(School-Based Curriculum Development)(*4)として多数の実践活動を行いました。現在ESDプロジェクトのカリキュラムは歴史・生物・語文(日本の国語科目に相当する)・物理の4科目のみで実施され、学校教育における必修科目の重要な構成部分となっています。毎年、中学1年生と高校1・2年生は科学技術館あるいは植物園に行き、プロジェクトに参加する機会があります。(*5)
 また広州市協和中学はユネスコ中国ESDのモデル校であり、広東省における緑色学校(グリーンスクール)でもあります。この学校は2003年から「生態学校」(ecological school)(*6)の研究と創設に取り組んできました。建築・園芸・管理・省エネに一貫してエコロジカルな理念が反映されています。例えば、学校の生活用水(雨、エアコンや洗面台などの排水、過剰な飲み水)を溜めて、木と芝生への水やりや、噴水・池などの水景物に利用していること等が挙げられます。(*7)
 経済の発展は、大気・土壌・水などの汚染を引き起こしました。それらはすべて私たちと次世代の暮らしに関わってきます。ESDに関する実践例の研究は、環境だけでなく、経済・社会の分野における取り組みも無視できません。例えば農村あるいは少数民族地域に導入し、さらに「素質教育」(*8)の展開とも組み合わせることで、「都市と農村部」或いは「東部沿海地域と西部少数民族地域」の教育格差を是正し、教育そのものの「持続可能な発展」の実現が期待できます。また、初等中等教育のみならず、高等教育、職業教育にもESDは導入されるべきです。そうした観点から見ると、中国におけるESDの研究はまだまだ長い道のりを歩んでいかなくてはならないと、筆者は思っています。

*1:「科学的発展観」とは中国の現代化を導く理念であり、「人を基本」とし、経済・社会・政治・文化など幅広く、なおかつそれらを調和させた「持続可能な発展」観です。
*2http://www.sdginchina.cn/esdzj/2020-05-12/979.html
*3:現代教育は現代社会の形成に伴い、人類の歴史上生みだされる新しい教育の形で人間社会と教育が一定の歴史段階に発展してきたものです。今までの教育の発展段階の最高です。中国の現代教育は19世紀の後半から始まりました。
*4:中国における2001年からの基礎教育改革は全国統一の教育課程を国家課程、地方課程と校本課程の三段階教育課程に移行しました。校本課程は学生のニーズと学校の特性に応じて開発するカリキュラムです。
*5http://www.hjjyzz.com/cydz/xy/2226.html
*6:生態学校は生態学の基本原理と方法で計画・設計・建設・管理・運営する学校です。人と自然を調和させ、全体の配置が合理的で、自然環境がよく、能率的に物質、情報を利用すると同時に環境に優しい特徴があります。
*7http://www.hjjyzz.com/cydz/xy/2464.html
*8:中国の素質教育は素質向上を目指し、学生の道徳・思想、能力の育成、個性、身体・心理の健全を大切にする教育です。

Webマガジンまなびと:「学び!とESD」Vol.11

Webマガジン:「学び!とESD」Vol.11 “中国におけるESDの動向”を追加しました。