かたちあそび〔遊園地のエントランスをつくろう~よりよいデザインの探究~〕(第1学年)

1.単元名

かたちあそび〔遊園地のエントランスをつくろう~よりよいデザインの探究~〕(第1学年)

2.単元の目標

 安定かつ不安定なエントランスを創る活動を通して、8種類のブロックの形の機能的な特徴を理解し、その特徴や形の関係に着目して、よりよいデザインになるよう試行錯誤し、粘り強く創り続ける。

3.評価規準

【知識・技能】

エントランスづくりに用いる、8種類のブロックの形や形の組み合わせ方の機能的特徴を理解し、エントランスのデザインに生かすことができる。

【思考・判断・表現】

安定かつ不安定なエントランスを創る活動を通して、形や形の組み合わせ方の機能的特徴に着目して、目的に応じたエントランスのデザインになるように、ブロックを使い分ける。

【主体的に学習に取り組む態度】

自身の問いに正対し、エントランスづくりに向かい、他者との交流を通して共有したことを活用しな がら、よりよいエントランスのデザインになるよう試行錯誤し、粘り強くデザインを創り続ける。

4.本単元の指導にあたって

①教育観
 『本校では、長年に渡り、「子どもにとって本当に必要な学びとはなにか」を模索し続けてきた。子どもは自ら学ぶ力をもち、前向きに追究していく能動的な存在である。』(2019年 横浜国立大学教育学部附属横浜小学校紀要)という前提に立ち、単元の構想や環境づくりに取り組んでいる。特に、子どもの学びの文脈を大切にし、子どもの姿を見とり、支援を講じている。

②子どもの学びの文脈と本単元
 本学級の子どもは、生活科で「遊園地」を創るプロジェクトを立ち上げた。ドキドキ・ワクワクする気持ちを高めるために、「遊園地」にエントランスを創る計画があがった。授業者は、このエントランスづくりに図画工作科・算数科としての価値があると考え、教科横断の単元の可能性を見出した。図画工作科として、理想のエントランスのデザインを表現する。算数科として、形の機能的特徴を見出し、分析をする。2つの教科の学びを往還することによって、生活科のプロジェクトとして目指している、よりよいエントランスを構築することができる。教科が関連することで、各教科の価値が子どもの必要感をもって意味づけられると考え、単元を構想した。

③座席表による支援
 子どもの見とりのため、以下の座席表を用いた。子どもの振り返りの記述や授業者のコメントを載せて、子どもに配布した。お互いの考えに目を通し、共に学びを創り上げることのできる環境を調えた。

5.単元の指導計画

※計画は、子どもの学ぶ姿の見とりから、幾度と変更した。以下のものは、単元の実際である。

学習のねらい

おもな学習内容

休み
時間

日常生活の文脈の中から、学習の道具であるブロックを子どもが発見し、関心を高める。

・クリスマス会で使う、クリスマスツリーを創りたいと決めた子どもと道具を探す。
・ブロックと出合い、色・材質・形に着目しながら、ツリーを創る。

0

ブロックを用いた造形遊びをする活動を通して、ブロックの材質や形・色にはたらきかけ、思いつくことや感覚や気持ちを生かしながら、どのように活動するか考える。(図工:造形あそび)

・積み上げてタワーを創る、ピタゴラをつくり創る、友達とつなげる、オリジナルな建物を創るなど、形や色に着目して、自分の思いに沿ったデザインを考え、形づくる。
・ブロックでできることの想像を広げる。

1

ブロックに触った感じや、色・形から、エントランスに表したいことを見つけ、好きな形を選んだり、いろいろなデザインを考えたりしながら、どのように表すかについて考える。(図工:立体)

・生活科の内容(6)自然や物を使った遊びの単元から始まった、「遊園地づくり」の計画の「エントランスづくり」と関連し、目的意識を明確にもつ。
・「エントランスの柱は安全を考慮された安定性が大事であるが、不安定な要素が含まれることで、お客さんがドキドキワクワクできるようにする。」という、共同制作の方針を共有する。

2

3

子どもがブロックから感じたこと、想像したことなどのイメージから、柱という立体に表す活動を通して、表したい柱のデザインを見つけ、ブロックを積み重ねながら試行錯誤し、表す工夫について考えている。(図工:立体)

・「どのようなデザインにするとドキドキワクワクなエントランスになるか、ためにしにつくってみよう。」というテーマのもと、ブロックを自由に使って、6人グループで1つの柱のデザインを考える。
・高く積み上げることに失敗したり、柱ではなくエントランス全体を創ってしまったりしているような捉え違いに対しても許容し、理想まで近づくことができない問題を発見し、どのように工夫すれば、よりよいデザインにできるか考えて創る。

4

9種類あるブロックの形に名前を付ける活動を通して、色や用途を捨象して、形に着目したり、日常生活の中で触れている形を想起したりして、ブロックを名付けた根拠を言語化することができる。(算数:第1時)

・子どものふりかえりにあった「人によってブロックに違う名前を付けているから、困る。」という問題を全体化し、「スポンジブロックの形に、だれでもわかるように、なまえをつけよう。」というテーマを設定する。
・名づける活動を通して、色や材質を捨象して、形に着目し、言語化する。

5

ブロックを積み重ねる過程で、倒れてしまった画像を見て、なぜ倒れてしまったのかを考え交流する活動を通して、倒れたときのブロック同士の関係に着目して、倒れないブロックの積み重ね方について予想したことを共有することができる。(算数:第2時)

・「どうやったら、たおれないようにできるか、かんがえよう。」というテーマのもと、倒れてしまった画像から倒れた理由を考える。
・考えた理由をもとに、ブロックを実際に積み重ね。理由の正当性を確かめる。

6

7

前時に共有した倒れにくいブロックの積み重ね方をもとに、グループのイメージをもちながら、自分たちの柱や、デザインの面白さ、楽しさについて感じとったり、考えたりし、自分の柱のデザインの見方や感じ方を広げる。(図工:鑑賞)

・「どうやったら、たおれないようにできるかんがえ、あんていしたはしらをつくってみよう。」というテーマのもと、共有した倒れにくいブロックの積み重ね方を生かしながら、柱を創る。
・他のグループがつくった柱のデザインを観察する。
・自他のグループの見方や感じ方の違いをふり返ることで、各グループの柱の価値を言語化し、分析する。

8

友達のふりかえりを読む活動を通して、「ちいさん(直角二等辺三角柱)」が組み合わせる向きを変えることで、「つみあがる」という機能的特徴をもつことを理解する。(算数:第3時)

・「ちいさん(直角二等辺三角柱)」を2つ組み合わせて「サイコロ(立方体)」にしたときに、面の向きを下にするか、横にするかで、安定性が変わるという気づきを交流する。
・試してみて、正当性を確認する。

9

10

柱全体のデザインの形や色をもとに、自分のイメージをもちながら、安定と不安定というキーワードとブロックの置き方や組み合わせ方を関連付け、どのように表すかについて考えている。(図工:工作)

・「ドキドキワクワク(不安定)と安定をキーワードにしてかつどうをしよう。」というテーマのもと、今まで創り上げてきたはしらのデザインをキーワードに合うように創り変える。

11

他のグループが創ったエントランスのデザインの良さを分析する活動を通して、よいと感じるのは、どこの形や形の組み合わせからなのかに着目し、理由を述べることができる。(算数:第4時)

・6グループがつくった柱のデザインを観察し、どの柱のデザインが良いか比較しながら、意見を理由と共に書く。

12
本時

遊園地のエントランスの柱のデザインを決める活動を通して、各グループがデザインした柱の形と、キーワードである「安定」・「不安定(ドキドキワクワク)」を関連付け、形の機能的な特徴を捉えなおすことができる。(算数:第5時)

・「みんなのはしらのアイディアから、ゆうえんちのエントランスのはしらをきめよう。」というテーマのもと、前時で考えた意見を交流し、2本の柱のデザインを決める。
・安定と不安定の両方を実現している「かまぼこばしら」グループのデザインに焦点化し、安定した形と、形同士の組み合わせについて、考える。

13

各グループのデザインを混ぜるアイディアを共有し、手や体を働かせ、2本の柱を創ることができる。(図工:工作)

・「はしらのデザインをかんせいさせよう。」というテーマのもと、6グループ全てのデザインを組み合わせて創るアイディアに焦点化し、組み合わせ方について構想し、創る。

14

エントランスの屋根のデザイを考え、創る活動を通して、これまで学んできた機能的特徴を活用して、屋根を形づくることができる。(算数:第6時)

・屋根のデザインをクラス全体で構想する。
・そのデザインになるように、色や形に着目しながらブロックを重ねていく。

6.本時の学習

①ねらい
 遊園地のエントランスの柱のデザインを決める活動を通して、各グループがデザインした柱の形と、キーワードである「安定」・「ドキドキワクワク」を関連付け、形の機能的な特徴を捉え直すことができる。

②指導の実際
 6グループが考えた柱のデザインを2本にまとめていくために、どの柱のデザインがよいか検討した。

 お互いに気に入っている柱を示し、その理由を述べていった。しかし、「かまぼこばしら」という柱のデザインだけ、「不安定でもあり、安定だから。」と、反対の意味の言葉が両方理由に述べられており、捉え方が曖昧であった。

 その曖昧な点を子どもに問い返すと、Aさんは、「なんで、不安定かというとこの上の形が丸いから、上にレンガをおいても、ふらふらしてしまうし、丸いところを下においてもふらふらしちゃう。」と「かまぼこ(半円柱)」の形の曲面や平面がどのように構成されているのか話した。さらに、Bさんは、「たしかに、そうしちゃうと、不安定なんだけど、安定する方法もある。2つならべて置いて、その後に、2つ向きをかえて置くと、安定する。」と、「かまぼこ(半円柱)」の形同士の組み合わせの関係をジェンガのように交互にすることで、柱が安定するという、形と形の向きによる関係性を話した。このように、それまでは半円柱は不安定になる要素の多い形と多くの子は捉えていたが、どの面を下に向けるか、また、どの向きで組み合わせていくかで、安定性も生まれてくるという特徴が言語化され、共有することができた。
 また、Cさんは、「さっきのといっしょだ!どちらも向きを変えると安定している。」と、「レンガ(直方体)」も「かまぼこ(半円柱)」も、向きを交互に組むことによって安定することに気がつき話した。クラス全体で、まだ意味が分かっていない子がいる様子が見られたので、授業者は「どういうこと?」とCさんに問い返し、話した意味をクラスで共有できるように支援した。

 子どもの姿から、本時における成果と課題を整理する。
 成果は、子どもが学んだことを活用することができたことである。本時で、ブロックを交互に組み合わせていくことで、安定させながら積み重ねることができることに、Dさんは気づくことができた。次時の活動においてDさんは、これまで無造作に積み重ねていた部分を、交わるように、積み重ねるようになった。このような変容が見られた要因は、目的ある学びが保障されていたからだろう。単元が始まる以前から、生活科の中で目的を明確にもっている。その目的を達成するために、形の特徴を学んでいく。故に、子どもが学んだことを意味づけることができる。教科を横断した単元構想をすると、目的ある活動の中に、学習を位置付けることができることが見えてきた。
 一方で、課題は、学習対象にある多様な価値の扱いである。「エントランスづくり」という1つの活動の中に、図画工作科として、算数科として価値が多様にある。授業者は事前にそれらの価値を整理して、子どもと出合わせる必要があった。本時において、形への分析に重きを置く子どもがいる中に、「その話もいいけど、そろそろ別の意見をいってもいい?」と意思決定に重きを置く子もいた。大事にしたい話題が違う姿が表れたのは、子どもが見出すであろう価値を踏まえたテーマづくりができなかったからである。教科を横断した単元構想をする場合、授業者が価値の整理をし、その価値を見出すであろうテーマの設定を見通す必要があることが見えてきた。

7.指導を終えて

 単元を通して、本人も周りの友達からも、成長を感じられたのはDさんであった。Dさんが、なぜ成長を実感することができたのか考えていく。Dさんの、第2・3時、第6・7時、第11時の振り返りの記述は以下のとおりである。

「第2・3時の振り返り」「第6・7時の振り返り」「第11時の振り返り」

「1回目の制作」「2回目の制作(前半)」「2回目の制作(後半)」

「3回目の制作」「最後の制作」「完成図」

 第6・7時の記述は、直角三角柱の機能的な特徴を見出し、疑問と仮説を立てることができている。仮説の内容は、第5時で学んだ安定させる「支え」で出された話題を受けて、実際に積み上げる活動を通して見出している。Dさんの学習材、友達へのかかわりが深まるという変容はなぜ起きたのか。それは、自身が原因で、周りが変化したからだと考える。
 最初の周りの変化は、第5時のテーマ設定である。第3時で記述した振り返りの「どうやって大きくできるのか?」という問いが、テーマの設定に影響を与えている。「どうやったら、たおれないようにできるか、かんがえよう。」という第5時のテーマは、座席表の記述から設定された。自身が振り返り、立てた問いが、クラスの学びを創ることにつながったとDさんは実感することができた。
 次の周りの変化は、学習材の反応である。友達とかかわったことで知った、倒れにくくなる積み上げ方の情報を、エントランスづくりの活動で試した。すると、前に比べて倒れにくくなるという事実とDさんは出合った。エントランスという学習材が倒れにくくなるという反応を示したことで、友達とかかわる重要性をDさんは実感することができた。
 以上のように、①自身の振り返り→テーマが決まる。②他者の情報→学習材の反応が変化する。と、自身のかかわりが原因で、周りが変化したことを実感したので、学習材へも、他者へもかかわりを強めることができるようになったと考えられる。
 本単元を通して、自身が原因で、周りが変化すると、子どもが成長を実感する要因となる可能性が見えてきた。今後も実践の中に見られる、子どもの姿を見とり、その可能性をさらに探究していきたい。

直方体と立方体(第4学年)

1.単元名

「直方体と立方体」(第4学年)

2.単元の目標

 直方体、立方体の意味や性質、平面上や空間にあるものの位置の表し方を理解し、立体図形の構成要素や位置関係に着目して、直方体や立方体の特徴や性質をとらえるとともに、考えた過程を振り返り、学習したことを生活や今後の学習に活用しようとする態度を養う。

3.評価規準

【知識・技能】
 直方体、立方体の意味や性質を理解し、直方体や立方体の見取図や展開図をかいたり、平面や空間の位置を表したりすることができる。

【思考・判断・表現】
 構成要素や位置関係に着目して、直方体や立方体の特徴や性質を考えている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 直方体や立方体がどのような性質を活用しているかを考え、そのよさに気づいている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元は、まず、5種類の色板から箱を作るという、箱作りの体験から始める。できた箱を2つのグループに分け、なぜそのように分けたかを理由づけながら、直方体・立方体の意味を明確にしていく。そして、構成要素である頂点、辺、面の数や形を考察することや、縦、横、高さの3つの辺に長さで大きさが決まることを体験しながら思考するようにしたい。具体物で意味を明確にした後、デジタル教材やプリントを用いて、2次元でも理解できるよう進めていく。
 次に、直方体や立方体の見取図と展開図をかいたり、構成したり、構成した箱を切り開いたりする活動につないでいる。また、直方体や立方体の展開図は、何種類もあることに気づかせるようにしている。
 そして、直方体を構成する辺や面に着目させ、垂直・平行といった空間における位置関係を考察するとともに、教室などの身の回りのものの位置関係にも目を向けるような活動も取り上げ、算数と子どもたちの生活をつなぐようにしている。これらの一連の学習によって直方体、立方体の意味理解が深められる。
 さらに、平面上の位置の表し方を発展させて、空間にあるものの位置の表し方をとらえていくようにしている。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1

なかま分けを通して面の形に着目させ、直方体や立方体の意味を理解する。

・色板を使って、箱づくりをする。
・箱の形について調べ、なかま分けをする。
・直方体、立方体の意味を知る。

具体物
デジタル教材

2

直方体や立方体の頂点や辺、面の数や形に着目して、それぞれの特徴や性質を理解する。

・直方体、立方体の頂点、辺、面の数や形について調べる。
・平面の意味を知る。

具体物
デジタル教材

3

見取り図の意味を理解し、直方体や立方体の性質に着目して、いろいろな見取り図をかけるようになる。

・直方体、立方体の見取図をかく。

デジタル教材

4

直方体の性質に着目していろいろな展開図を考える。

・直方体の展開図をかき、それらの箱を作る。

5

立方体の性質に着目していろいろな展開図を考える。

・立方体の展開図をかき、それらの箱を作る。

6

三角定規を使い、面について垂直の関係や平行の関係を調べ、直方体の面の垂直や平行の関係について理解する。

・直方体の面と面の垂直・平行の関係を調べる。

デジタル教材

7

三角定規を使い、辺について垂直の関係や平行の関係を調べ、直方体の辺の垂直や平行の関係について理解する。

・直方体の辺と辺の垂直・平行の関係を調べる。

デジタル教材

8

これまで学習した面と面、辺と辺の関係をもとに、面と辺の垂直、平行の関係を調べ、直方体の面と辺の垂直や平行の関係について理解する。

・直方体の面と辺の垂直・平行の関係を調べる。
・教室の中で、垂直と平行の関係になっている辺や面を探す。

デジタル教材

9
本時

平面における位置を決める要素(基準点、方向、距離)に着目し、その位置を数を用いて表現できるようにする。

・絵地図に示された建物の位置の表し方を考える。

デジタル教材

10

空間における位置を決める要素(基準点、方向、距離)に着目し、その位置を数を用いて表現できるようにする。

・絵地図に示された展望台の位置の表し方を考える。

デジタル教材

11

たしかめポイント

6.本時の学習

①ねらい
 平面における位置を決める要素(基準点、方向、距離)に着目し、その位置を数を用いて表現できるようにする。

②指導の実際
(1)導入(課題把握・解決の見通し)

 子どもたちが楽しみながら、必要感をもって表し方を考えられるように、導入では、AクラスとBクラスに分かれて行う。

問題
 下の図は、ある町の絵地図です。しかし、建物の名前がかいてあるところと、かいていないところがあります。AクラスとBクラスで協力してこの地図を完成させましょう。
Aクラスには、学校の位置が記されています。
Bクラスには、テレビとうの位置が記されています。
 駅の位置をもとにすると、どのように表せばよいですか。できるたけわかりやすく簡単に表しましょう。

(A)(B)

めあて 平面上にあるものの位置の表し方を考えよう。

Bクラスでの実践例

(課題把握・見通しの段階)
以下の4つのポイントをおさえられるよう、話し合いを進めていく。

駅の位置…もとになる位置
東西南北を使う
1マスが100m
できるだけわかりやすく、簡単に

(実際の様子)

T:この問題で聞かれていることは何ですか。
C:駅の位置をもとにすると、テレビとうの位置はどのように表せばよいですかです。
T:どうやって表せばいいですか。絵地図の中に使えそうなものはありますか。
C:1マス100mは使えそうです。
C:左右を使えばいいと思います。
C:方角がかいてあるから使えそうです。
C:東西南北を使えばいいかもね。
C:でも、どこの場所からスタートするかによって変わるけど、どうしたらいいかな。
C:駅の位置をもとにするとってかいてあるから、駅からスタートすればいいと思います。
T:では、実際に駅の位置をもとにした、テレビとうの位置を表してみましょう。できるだけわかりやすく簡単にを意識して解決しましょう。

(2)解決の段階
 見通しの話し合いの後、一人で解決をする。

(3)練り上げの段階
 解決したものを発表し、できるだけわかりやすく伝えるためには何がいいのかを考え、答えをしぼっていく。

(解決①)
東に6歩進んで、北に4歩進む。

(解決②)
まず、北に400m進みます。向きを変えて東に600m進みます。

(解決③)
北400m、東に600m

(解決④)
東600m、北に400m

C:どれも位置は、わかりやすいと思います。
C:でも、解決①の6歩と4歩は、距離がかかれていないからわかりにくいし、人によって歩幅が違うから、mの方がいいと思います。
C:できるだけわかりやすく表すと、解決③か④が短くてわかりやすいと思います。
C:じゃあ、③か④ですね。
C:北の方が先にかいている人が多いから、解決③でいこう。

(4)発表
 1つの教室に集まり、練り上げた答えを言って、もう1チームの子がデジタル教材の人形を動かす。(両チーム)

C:今からBクラスの考えを発表します。
C:言います。テレビ塔の位置は、(北400m、東600m)です。
C:おぉ~、人形動いてる!すごいわかりやすい!!(Aクラス)
C:テレビ塔の位置がわかった!!

C:今からAクラスの考えを発表します。
C:学校の位置は、(東200m、北500m)です。
C:北と東が入れ替わってるけど、わかりやすい。
C:どっちが前でもいいんかな。

 ここで、位置を表す時は、Xの方向(東の方向)から表す決まりがあることを確認した。

(5)まとめ
 平面における位置を決める時は、もとになる位置から(方向と距離)を使うと表現できる。

(6)ためす
 一人の子が前に出て、デジタル教材の人形を動かし、人形の位置をどのように表すのかを考えた。

(7)指導を終えて
 本時の学習では、実際に位置がわかっていないもう一つのクラスに対し、どのように伝えたらいいのかという必要感を持って学習に臨むことができた。子どもたちは、意欲的に考え、自分たちでわかりやすく簡単に伝えるには、できるだけ短く表すことが大切であるということを導きだすことができた。
 また、デジタル教材の人形を使う時は、ゲームのような画面が出てきたので、子どもたちの目がキラキラと輝いていた。実際に人形が動くことによって、位置を決める要素(基準点、方向、距離)をより簡単に理解することができていた。一度だけだともったいないので、(6)のためすでもデジタル教材を使うことにした。人形が動くので、ためすの問題も子どもたちの方から「何問もやりたい」といい、楽しんで学習することができた。普段はなかなか手を挙げられない児童も、デジタル教材を活用することによって意欲的に取り組めていたのが、よかったでのはないかと思う。
 学習指導が終了した後の休み時間も、自分たちで電子黒板を触りながら問題を出し合っている姿がほほえましく感じた。

割合〔比べ方を考えよう〕(第5学年)

1.単元名

割合「比べ方を考えよう」(第5学年)

2.単元の目標

ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があることを捉え、百分率を用いて表したり、割合などを求めたりすることができる。(知識及び技能)
日常の事象における数量の関係に着目し、図や式などを用いて、ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察し、それを日常生活に生かすことができる。(思考力、判断力、表現力等)
割合を用いた比べ方のよさを感じて、学習や生活に生かそうとしているとともに、考察の方法や結果を批判的に振り返り、よりよく問題を解決しようとしている。(学びに向かう力、人間性等)

3.評価規準

【知識・技能】

ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があることを理解している。
百分率を用いた表し方を理解し、割合などを求めることができる。

【思考力・判断力・表現】

日常の事象における数量の関係に着目し、図や式などを用いて、ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察し、それを日常生活に生かしている。

【主体的に学習に取り組む態度】

二つの数量の関係について、数学的に表現・処理したことを振り返り、多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考えたり、数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとしたりしている。

4.本単元の指導にあたって

<子どもの実態について>
 子どもは、第4学年において、簡単な場合について割合を用いる経験をしてきている。そこでは、二つの数量の関係に着目し、図や式を用いて、二つの数量の関係どうしの比べ方を考察してきた。このような子どもが、割合が小数で表される場合に考察の対象を広げれば、百分率を用いた表し方を捉え、値下げ率や打率などの割合を求めることができるようになるだろう。

<教材について>
 本単元は、割合が小数で表される場合においても、二つの数量の関係に着目し、図や式を用いて、二つの数量の関係どうしの比べ方を考察し、日常生活に生かす力をのばすことをねらいとしている。割合の意味の指導においては、日常生活で二つ以上の事象の大きさを比べる場面で、量で比べる場合と割合で比べる場合があることを捉えさせ、場面に応じて適切に判断できるようにすることが大切である。そこで、輪投げの記録を使って「一番うまく投げられた班」を探る活動を設定する。子どもは、輪投げをした回数が異なる場合は、入った数で比べるのではなく、「(入った数)÷(投げた数)」という割合で比べる方が適切であると判断していくだろう。その際、下のような図1を用いて、量で比べる場合と割合で比べる場合の違いを明らかにすることが大切である。

輪投げで16回中10回入った場合と12回中9回入った場合を比べる(図1)

 そうすることで、割合が小数で表される場合においても、比べる対象を明確にし、比べるために必要となる二つの数量の関係を、比例関係を前提に、割合でみてよいかを判断する力を養うことができると考える。

<デジタル教科書・ICT機器(タブレット等)の効果的な利用について>
 図1において、(量で比べる図)から(割合で比べる図)へと変化していく様子を、子どもに視覚的に訴えることができれば、その二つの違いをより明らかにすることができると考える。そこで、プレゼンテーションアプリに、データの画像(画像1)を挿入し、長方形の図形で加工したスライド(画像2)を一人一台タブレットに配付し使用させる。子どもは、各々の操作で長方形の図形を横方向に拡大することにより大きさをそろえるだろう(画像3)。そうすることで、(量で比べる図)から(割合で比べる図)へと変化していく様子を体感し、その二つの違いをより鮮明に捉えることができると考える。

(画像1):データの画像

(画像2):量で比べる図

(画像3):割合で比べる図

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1
本時

輪投げ大会で一番うまく投げられた班を探る活動を通して、割合で比べる方法を見いだすことができる。

・同種の2量の大きさの比べ方

デジタル教科書
タブレット

2

4年で学んだ割合と比較する活動を通して、割合が小数の場合でも使えることを見いだすことができる。

・小数で表す割合の意味の拡張

デジタル教科書
タブレット

3

2本数直線図を用いて割合を求める活動を通して、割合の求め方をことばの式としてまとめることができる。

・割合の求め方の公式化

デジタル教科書
タブレット

4

日常から割合の便利な表現を探る活動を通して、百分率の意味を捉え、割合を百分率で表すことができる。

・百分率の意味と表し方

デジタル教科書
タブレット

5

日常から割合の便利な表現を探る活動を通して、歩合の意味を捉え、割合を歩合で表すことができる。

・歩合の意味と表し方

デジタル教科書
タブレット

6

2本数直線図を用いて比べる量を求める活動を通して、比べる量の求め方をことばの式としてまとめることができる。

・比較量の求め方の公式化

デジタル教科書

7

2本数直線図を用いてもとにする量を求める活動を通して、もとにする量の求め方をことばの式としてまとめることができる。

・基準量の求め方の公式化

デジタル教科書

8

割引された代金の求め方を探る活動を通して、割引の意味について説明することができる。

・定価、割合、代金の関係

デジタル教科書

9

お得な店はどちらかを探る活動を通して、2割引きと30円引きの計算の仕方の違いを捉えることができる。

・様々な割引表記

デジタル教科書

6.本時の学習

①ねらい
 輪投げ大会で一番うまく投げられた班を探る活動を通して、割合で比べる方法を見いだすことができる。

②指導の実際
導入の場面

 本時のめあてを「輪投げのうまさを比べる方法を見つけよう」と提示する。問題把握に必要なデータだけを厳選して提示した。特に、輪投げの記録は、いきなり全部を見せるのではなく、画像4のように一投ずつの結果を見せていった。

(画像4)

 そうすることで、子どもは問題場面に興味を抱いて集中し、短時間で本時のポイントとなる「投げた回数が揃っていないこと」に着目し、そのまま自力解決に入ることができた。

展開の場面
 自力解決では、導入場面と同じデータを挿入したプレゼンテーションアプリを子どもに配付し、ノートと併用して自由に使ってよいことを指示した。

(画像5):7人と7人で割合が一緒だと気付き始めている。

(画像6):入った数の中に入らなかった数を重ねることで、関係性を捉えようとしている。

 そうすることで、ほとんどの子どもがタブレット上に書き込みを行い、画像5や画像6のように、自分の考えを形成するための試行錯誤を、繰り返し行うことができた。子どもは、行き詰まるとリセットしてすぐにやり直したり、スライドをコピーして増やして別解を導こうとしたりする姿が見られた。色を変えながら書き込み、思考を整理しようとする姿も見られた。

 以下は自力解決後の学び合いの様子である。(T:教師、C:子ども)

T:どの班が一番うまかったのだろう?

入った数

投げた数

1ぱん

10

16

2はん

7

14

3はん

9

12

4はん

9

16

C:入った数は2班が一番少ないので、2班がうまいとは言えないと思います。
C:単純に考えたら、そう言えるかもしれないけど、投げた数がそろってないから、それじゃあ比べられないと思います。
C:僕は、この前(の単元の学習)の単位量あたりで1㎡に何人いるかでそろえたと思うんですけど、また、そろえたらできると思います。
C:僕も、そろえてみようと思ってやってみたんだけど、難しかった。
T:何をそろえたいんだろう?
C:投げた数をそろえればよいのではないでしょうか?
C:入った数もいると思う。
C:なら、分数にして通分すればよいと思う。
C:分数にしても、もとにする量が違うからできないのでは?あっ、でも通分すればできるね。
T:どんな分数になるのかな?
C:1班は10/16、2班は7/14、3班は9/12、4班は9/16となります。
T:これらの分数の意味を教えてほしい。
C:分母は投げた数で、分子が入った数です。
T:でも、これじゃあ、まだ比べられないね。
C:この前習ったことを活かして小数にすればよい。
C:1班は10/16=10÷16=0.625、2班は7/14=7÷14=0.5、3班は9/12=9÷12=0.75、4班は9/16=9÷16=0.5625
C:この中で数値が一番大きいのは0.75だから、一番投げるのが上手いのは3班だと思います。
T:通分して比べていた人もいたね。教えてください。
C:1班が210/336、2班が168/336、3班が252/336、4班が189/336
T:336回で252回入った3班が、一番上手いことがわかるね。
C:僕は約分して更に通分しました。すると、1班が10/16、2班が8/16、3班が12/16、4班が9/16となり、3班が一番上手なことがわかりました。

(画像7)

 この後は、めあてに立ち戻り、上手さを比べるには、「もとにする量をそろえれば比べることができる。」とまとまった。

終末の場面
 子どもたちに、「図に戻ってみよう。今のことが、図から見えないかな?」と、問いかける。そこで、画像8のようにタブレットを操作させ、画像9の状態を作らせた。

(画像8)

(画像9)

 画像9を使って、1班が10/16、2班が8/16、3班が12/16、4班が9/16となっていることを確認すると、子どもたちから感嘆の声がもれる。

T:この図からも3班であることがわかりますね。数値もですが、図とも重ね合わせながら、これからの学習を進めていきましょうね。

7.指導を終えて

 自力解決の際、子どもには数値を見せず、図だけを見せている。そうすることで、子どもは数値をむやみに足したり引いたりすることがなくなった。また、図と関連させながら数値に着目する姿も見られた。問題場面についてのイメージを膨らませながら、問題解決を行おうとしているからだろう。このような指導を積み重ねていけば、子どもは計算から出した答えの意味を自ら捉えるようになっていくと考えている。

 同種の量の割合の指導では、次のような学習過程を踏んでいく。

一方の数量をそろえて他方で比較する。
・公倍数の考え ・平均の考え
一方を単位量として他方で数値化する。
・等分除的解釈 ・単位量あたりの考え
一方(全体)を1とみて他方を測定して数値化する。
・包含除的解釈 ・測定の考え

 本時では、子どもから①、②までの数学的アイデアが出てきたので、十分におさえることができた。しかし、③へのステップが不十分であった。本時の終末の場面において、子どもが導いた10/16や8/16などの分数と画像9を結び付けたことに満足せずに、小数の答え方にも触れて画像3へとつなげておけばよかった。せめて、基準量の1には触れておくべきだった。そうすれば、第2時において、1班:0.625や2班:0.5などの数値の意味を確認し、全体を1とみた割合の考えであることを捉える際に、子どもは単位量あたりで比べる場合と割合で比べる場合の違いを、より明らかにすることができたであろう。指導者としても、画像3と画像9の意味の違いを明らかにしておくことの大切さを学んだ実践であった。

【参考資料】

  • 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編
  • 「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料
  • 平成29年度全国学力・学習状況調査報告書

「なんじ なんぷん」(第1学年)

1.単元名

「なんじ なんぷん」(第1学年)

2.単元の目標

 時計の短針と長針の位置をもとに、それぞれの針が示す数と時刻を表す数との対応を理解し、日常生活と結びつけて時刻を読むことができること。
 時刻を表す単位に着目し、短針や長針の役割(何時、何分)について考察し、時刻を読んだり、時刻と日常生活を関連付けたりすること。

3.評価規準

【知識・技能】
 短針は「何時」、長針は「何分」を表していることを理解し、時計を読んだり、時計で時刻を表したりすることができる。

【思考・判断・表現】
 時刻を表す「時」と「分」の単位に着目し、時計の目盛りと長針、短針の位置関係をもとに、時刻の読み方を考えている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 生活の行動を決めたり、時間割を守ったりすることができるといった時刻を用いるよさに気付き、日常生活の中で時刻を用いようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本学級の子どもたちは、これまでに、何時や、何時半といった短針が2つの数字の真ん中にある場合は、最後に通過した数字を読むこと、長針が12の場合は読まず、6の場合は「半」と読むことを捉えている。そこで、20より大きい数を読むことができるようになるこの期に本単元を取り上げる。そして、子どもの日常生活場面と時刻とを関連させながら、時刻を読むことができるようにする。
 また、本単元の指導にあたっては、時刻を表す単位に着目し、短針や長針の役割(何時、何分)について時刻と関連付けて捉えることができるようにする。そのために、児童の日常生活での様々な場面の時刻について調べる中で、時刻を表す単位の「時」と「分」に着目して、短針と長針が指す数字と時刻の関係を調べていく教材を取り上げる。
 そして、デジタルコンテンツの効果的な活用場面としては、短針と長針の位置と時刻の「時」を単位とする数値と「分」を単位とする数値とを視覚的に対応させることで、短針と長針の表す数値の意味を捉える場面で活用する。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1
本時

短針と長針が指す数字をもとに日常の生活と関連付けて時刻の読み方を捉える。

短針と長針が示す目盛りとデジタル時計の表す数字の対応について調べる。

デジタルコンテンツ
デジタル教科書

2

短針と長針が指す数字をもとに日常の生活と関連付けて時刻の効率的な読み方を捉える。

素早く時刻を表したり、読んだりする方法について調べる。

デジタルコンテンツ
デジタル教科書

6.本時の学習

①ねらい
 時刻は、短針が最後に通過した数の0~12の「時」を単位とした数と、長針が指す目盛りの0~59の「分」を単位とした数をもとにして読み取るとよいことを捉えることができるようにする。
日常生活の活動を始める時刻を説明する場面で、時刻の単位に着目し、アナログ時計の短針と長針の位置とデジタル時計の数値をつなぐ活動を通して、時刻の読み方を説明することができるようにする。

②指導の実際
(1)導入段階

 この段階では、今までの「何時」や「何時半」で読むことができない時刻を調べたいというめあてを持たせることをねらいとした。
 そのために、まず、以下のすべての日常場面とそのときの時刻を表す時計を提示した。そして、❶の既習の時計の読み方を振り返り、7時半が7時30分と表されていることに気付く活動を位置づけた。

(画像1)アナログ時計とデジタル時計の比較 ここでは、デジタルコンテンツを活用して、アナログ時計の7時半とデジタル時計の「7:30」を並べて比較する場を設定した(画像1)。
 子どもたちは、「7時半が7時30分になっていて、7時は同じだが、『半』を数字で表している違いがあること」、「何を数えると、30分になるのか」といった今までとの違いから問いを持ち、本時問題を捉えることができた。

(2)展開段階
 まず、展開前段では、長針が「分」を単位とした時計の目盛りの数字を示していることを捉えさせることをねらいとした。
 そのために、「30分」は何を数えると「30」となるのかを調べたり、❷の長針が数字上にある時刻を調べたりする活動を位置づけた。
 ここでは、デジタルコンテンツを活用して、時計の短針と長針が示す目盛りとデジタル時計が表す数字を見比べながら操作し、長針の位置がアナログ時計の「分」を単位とする目盛りの数を表していることに気付かせることができるようにした。
 子どもたちは、画像2のようにアナログ時計の目盛りとデジタル時計の数値を交互に指し示しながら、「長い針を動かすと『分』の数字が変わるよ」や「長い針は、小さい目盛りの数を表しているんだ」と、「アナログ時計とデジタル時計を見比べる」活動を通して長針が示す数の意味を理解することができた。

(画像2)目盛りと数値を関連付ける子ども

 次に、展開後段では、長針の位置がアナログ時計の目盛りの数を表していることの捉えを確かにすることをねらいとした。
 そのために、❷の長針が数字上にある教科書の問題を取り上げ、画像3のように「8時2分」と誤答を提示し、間違いについて話し合わせる活動を位置づけた。

(画像3)誤答を長針の数値をもとに説明する子ども

 ここでは8時10分の正しさを説明させた後に、時刻の正しさの根拠としてデジタルコンテンツの操作をもとに確認ができるようにした。
 子どもたちは、短針については今までのように「7時半のときと同じように、短針が通った数字をもとに『何時』を表していること」を説明することができた。長針は、「目盛りの数をもとに『何分』を表していること」を説明することができ、長針が示す数の意味の捉えを確かにすることができた。

(3)終末段階

 この段階では、展開段階で捉えた短針と長針の意味を用いて、日常生活の場面と時刻を関連付けながら様々な時刻を読むことをねらいとした。
 そのために、本時の2つ目の主な活動として、教科書に掲載されている❸のアナログ時計の数字上に長針がない時刻を読む活動から、自分の日常生活の時間を友達にクイズとして出し合う活動を位置づけた。
 ここでは、デジタルコンテンツを活用して、アナログ時計の時刻を読み取るときの答えの根拠として、デジタル時計の数値を示すようにした。
 子どもたちは、日常の生活場面と関連付けながら、時刻を読むときには、短針と長針が示す数を区別しながら捉えることができた。

(画像4)お互い問題を出し合う子ども

7.指導を終えて

【デジタルコンテンツの活用について】
 本単元に関するデジタルコンテンツの活用について、効果的な活用場面を2つ見いだすことができた。
 1つは、時刻の読み方における短針と長針の位置が示す数の違いの捉えが容易になることである。短針と長針の示す数の指導は、教師が教えることが多い。しかし、アナログ時計の針がデジタル時計の数値に連動しているデジタルコンテンツを提示することで、既習の一対一対応をもとに、「デジタル時計の数はアナログ時計の何に対応しているのか」を探そうとする子どもの姿が見られた。これは、動的な針の動きとデジタル時計の時刻の数値の変化を関連付けることができ、子どもが短針と長針の示す数の違いを捉える上で効果的であった。また、デジタル時計を「けす」をクリックすることで隠すことができるので、子ども同士で時計の問題を出し合う場面においても、デジタル時計を根拠に答え合わせをすることができ、自分たちで時計の問題を進める上でも効果的であった。
 もう1つは、長針と短針の関係である。長針を回すとデジタル時計の「分」の数値が増えていき、一回転するときに「時」の数値が1つ上がるといった「時」と「分」の単位の関係を視覚的に捉える上で効果的であった。これは、第2学年の「時間の単位」の学習につながっていく。

【デジタル教科書の活用について】
 画像5のように、デジタル教科書の時計の画像をICTの提示機能で子どもたちと共有することで、子どもたちはアナログ時計の目盛りを読みやすいように拡大させて、目盛りを書きながら考えることができた。拡大できることで、数え間違えるといった誤答を大幅に減らすことができた。

(画像5)アナログ時計を拡大してみる子ども

単位量あたりの大きさ〔こみぐあいなどの比べ方を考えよう〕(第5学年)

1.単元名

単位量あたりの大きさ(第5学年)

2.単元の目標

 こみぐあいや人口密度、速さといった単位量あたりの大きさの意味や、異種の二つの量の割合として捉えられる数量は、単位量あたりの大きさを用いることで比べたり表したりできることを理解すること。
 異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着目し、目的に応じて大きさを比べたり表現したりする方法を考察し、単位量あたりの大きさを求めたり、日常生活に生かしたりすること。

3.評価規準

【知識・技能】
 こみぐあいや人口密度、速さといった単位量あたりの大きさの意味及び表し方について理解し、単位量あたりの大きさを求めることができる。

【思考・判断・表現】
 異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着目し、目的に応じて大きさを比べたり表現したりする方法を考察し、それらを日常生活に生かしている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 異種の二つの量の割合として捉えられる数量について、数直線図や式を用いて数学的に表現・処理したことを振り返り、多面的に捉え、検討してよりよいものを求めて粘り強く考えたり、数学のよさに気づき学習したことを生活や学習に活用したりしている。

4.本単元の指導にあたって

 (主に「速さ」の内容に関して)
 本学級の子どもたちは、これまでに50m走や持久走の練習においてかかった時間と道のりから速さを認識することができるようになっている。そこで、時間や道のりを基準として速さを比較することができるようになるこの期に本単元を取り上げる。そして、異種の二つの量の組み合わせとして捉えることができる速さを、時間と道のりといった二つの量の関係から単位量あたりの大きさで比較することができるようにする。
 また、本単元の指導にあたっては、異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着目し、目的に応じて大きさを比べたり表現したりすることができるようにする。そのために、身の回りの速さの仕組みや速さを用いて道のりや時間を求める方法について調べていく中で、分かっている量を数直線に整理してそれらの関係に着目して調べていく教材を取り上げる。
 そして、デジタル教材の効果的な活用場面としては、時間と道のりの関係で速さが決まることを、視覚的に捉えさせる場面で活用する。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1

2

二つの量の大きさが揃っていないときには、一方の大きさに揃えると比べることができることを捉える。

シートの数と子どもの人数の関係を数直線図に表し、シート□枚あたりの人数や、□人あたりのシートの数でこみぐあいを比べる。

3

1㎢あたりの人口を人口密度といい、人口密度でこみぐあいを表すことができることを捉える。

1㎢あたりにおよそ何人の人が住んでいるのかを、概数で表す。

4

異種の二つの量の割合として捉えられる数量は、単位量あたりの大きさに表すと簡単に比べることができることを捉える。

ある畑でとれたいもの重さと面積の関係を数直線図に表し、1㎡あたりの重さで、いものとれ高を比べる。

5

単位量あたりの大きさを用いて、問題解決の仕方を考えることができる。

針金1mあたりの重さを用いて、□mの重さや、△gの長さを求める。

6
本時

速さは、単位時間あたりに進む道のりや、単位道のりあたりにかかる時間に揃えると比べることができることを捉える。

道のりと時間の関係を数直線図に表し、1分あたりの道のりや、1mあたりの時間で速さを比べる。

指導者用デジタル教材活用

7

速さは、単位時間あたりに進む道のりで表すことができることを捉える。

道のりと時間の関係を数直線図に表し、1時間あたりの道のりや、1kmあたりの時間で速さを表す。

指導者用デジタル教材活用

8

道のりは、速さに時間をかけることで求めることができることを捉える。

速さ(1時間あたりに進む道のり)と、かかった時間の関係を数直線図に表し、道のりの求め方を式に表す。

9

時間は、道のりを速さで割ることで求めることができることを捉える。

速さ(1分あたりに進む道のり)と進んだ道のりの関係を数直線図に表し、時間の求め方を式に表す。

10

仕事の速さは、仕事の量を時間で割ることで求めることができることを捉える。

仕事の量と時間の関係を数直線図に表し、単位時間あたりの仕事の量で仕事の速さを比べる。

11

時間と道のりや、時間と仕事の量の関係に着目し、身の回りのものの速さを求めることができる。

身の回りのいろいろなものの速さを調べ、レポートにまとめる。

6.本時の学習

①ねらい
 速さは、単位時間あたりに進む道のりや単位道のりあたりにかかる時間に揃えると比べることができることを捉えることができるようにする。

②指導の実際
(1)導入段階

 この段階では、時間も道のりも揃っていないときの速さの比べ方を調べたいというめあてを持たせることをねらいとした。
 そのために、まず、ななみさんのソーラーカー(48m進むのに2分間かかる)とえいたさんのソーラーカー(48m進むのに3分間かかる)速さを比べたり(画像1)、えいたさんのソーラーカー(48m進むのに3分間かかる)とひろとさんのソーラーカー(60m進むのに3分間かかる)の速さを比べたり(画像2)する活動を位置づけた。

(画像1)ななみさんとえいたさんの比較(画像2)えいたさんとひろとさんの比較

 ここでは、デジタル教材のコンテンツを活用して、実際にソーラーカーが動く様子を視覚的に捉えさせ、速さを実感させることができるようにした。
 子どもたちは、「道のりが揃っているときには、かかる時間が短い方が速い」、「時間が揃っているときには、進む道のりが長い方が速い」ことを捉えることができた。
 次に、ななみさんのソーラーカー(48m進むのに2分間かかる)とひろとさんのソーラーカー(60m進むのに3分間かかる)の速さを比べる(画像3)活動を位置づけた。ここでも、デジタル教材のコンテンツを活用して、実際にソーラーカーが動く様子を視覚的に捉えさせ、道のりと時間が揃っていない場合は、視覚的にもどちらが速いか判断できないことに気づかせることができるようにした。
 子どもたちは、「ななみさんとえいたさんの速さ比べ」や「えいたさんとひろとさんの速さく比べ」と、「ななみさんとひろとさんの速さ比べ」の活動を通して、「道のりや時間が揃っているときは速さが比べることができた」ことと、「速さと時間が揃っていないときには速さが比べられなかった」ことから、「時間も道のりも揃っていないときの速さの比べ方を調べたい」(画像4)というめあてを持つことができた。

(画像3)ななみさんとひろとさんの比較(画像4)めあてを持った子どものノート

(2)展開段階
 この段階では、時間も道のりも揃っていないときの速さの比べ方を明らかにすることをねらいとした。
 そのために、まず、既習の「とれ高を比べる」学習の「単位量あたりの大きさで比べた」問題場面から類推して立てた着目点や解決方法の見通しをもとに(画像5)、本時問題の見通しを立てて(画像6)、速さを比べる活動を位置づけた。

(画像5)保存していた既習の板書の画像(画像6)見通しを立て

 ここでは、子どもがICT機器を活用することで、保存していた前時までの板書や自他のノートを見直して類推的思考を働かせたり、友だちの解決方法を参考にして自分の考えを付加・修正・強化したりすることができるようにした。
 子どもは、既習のとれ高を比べる問題場面から類推して、「時間」と「道のり」の二つの量に着目し、「数直線」「1分間か1mに揃える」といった方法の見通しを持って問題を解決することができた(画像7)。

(画像7)問題を解決した子どものノート

 次に、全体で、共通点を観点に、「1分間あたりの道のりで比べる方法」と「1mあたりの時間で比べる方法」を比較し、速さの比べ方を見いだす活動を位置づけた。
 子どもは、前時までの「単位量あたりの大きさで比べる方法」を根拠に、速さを比べるときには「時間や道のりを単位量あたりの大きさで揃えると比べることができる」ことを見いだすことができた。

(3)終末段階
 この段階では、時間も道のりも揃っていないときの速さを比べるときには、単位時間あたりに進む道のりや、単位道のりあたりにかかる時間を求めると比べることができることを確かめることをねらいとした。
 そのために、みおさんのソーラーカー(3分間で69m進む)の速さを求めて、ほかの3人のソーラーカーの速さと比べる「ためしてみよう」を解決し、本時の学習内容をまとめる活動を位置づけた。
 子どもは、速さを比べるときには、単位時間あたりに進む道のりや単位道のりあたりにかかる時間に揃えることで比べることができることを捉えることができた。

7.指導を終えて

【デジタル教材の活用について】
 本単元に関するデジタル教材の活用については、単元を通して効果的な活用場面が2つあった。
 1つは、本時「速さを視覚的に捉える場面」である。異種の二つの量の割合として捉えられる数量の中でも、こみぐあいや人口密度、とれ高に比べて、速さは視覚的に捉えにくい。そこで、デジタル教材の中にある、速さを視覚的に捉えることができるコンテンツを活用した。これは、子どもが速さを視覚的に捉えることができ、子どもの速さの概念を確かにする上で効果的であった。また、道のりや時間の一方が揃っている場合には比べることができ、揃っていないときには比べにくいことを実感させる上でも効果的であった。
 もう1つは、次時「問題場面を数直線上に表す場面」である。ここでは、デジタル教材の中にある、問題場面の数値が数直線上に移動する様子を動的に表しているコンテンツを活用した。これは、数直線上にある数値が、問題場面のどの数値と対応しているのかを理解する上で効果的であった。また、時速□kmという数値には、「1時間あたりに□m進む」という意味があり、数直線上に表す場合は、2つの数値になることを捉えさせる上でも効果的であった。

【ICT機器の活用について】
 本時学習におけるICT機器の活用としては、ICT機器の「保存機能」と「共有機能」を活用した。
 保存機能に関しては、既習の板書や自他のノートを写真としてタブレット端末に保存していたことで、子どもが見通しを立てる際に、既習の問題場面から類推して考えることができた。このことは、これまでの、既習の図を用いて振り返りをさせたり、ノートを見返したりすることに比べて、効率的に活動を進めることができた。
 共有機能に関しては、自他の解決方法を写真に撮って学級で共有したことで、子どもは、友だちの解決方法を参考にして自分のつくった解決方法を見直し、自分の解決方法を付加・修正・強化することができた。このことは、これまでの、ペアで解決方法を説明し合ったり、自分の解決方法とは違う解決方法の友だちを見つけて紹介し合ったりすることに比べて、効率的に活動を進めることができた。

【子どもの振り返りについて】
 本時学習の振り返りとして、子どもは、「1分あたりに進む道のり」や「1mあたりにかかる時間」で速さを比べることができることを捉えることができていた(画像8)。
 また、本時で新たに着目した点として、「道のり」と「時間」の2つを挙げていた。
 これは、デジタル教材のコンテンツを活用して、速さを視覚的に捉えることができたことの効果があったと考える。
 さらに、既習との共通点としては、やはり数直線を活用することの有効性を実感することができていた。

(画像8)子どもの振り返り

場合の数〔ならび方や組み合わせ方を調べよう〕(第6学年)

1.単元名

場合の数〔ならび方や組み合わせ方を調べよう〕(第6学年)

2.単元の目標

 順列や組み合わせについて、起こりうる場合を落ちや重なりがないように調べる方法を理解し、事象の特徴に着目し、落ちや重なりがないように順序よく筋道立てて考えるとともに、多面的に検討した過程を振り返り、学習したことを生活や今後の学習に活用しようとする態度を養う。

3.評価規準

【知識・技能】
 順列や組み合わせについて、起こりうる場合を調べるには、ある観点に着目したり、図や表などに表したりすればよいことを理解し、落ちや重なりがないように、起こりうる場合を順序よく調べることができる。

【思考力・判断力・表現力】
 起こりうる場合を調べるのに、事象の特徴に着目し、図や表などを用いたり、項目を記号に表したりして、順序よく筋道立てて考えている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 起こりうる場合について、落ちや重なりがないように、図や表などを用いて順序よく調べたことを振り返り、学習や生活に活用しようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元では、日常の事象について、起こり得る全ての場合を適切な観点から図や表などを用いたり、記号に表したりして分類整理し、落ちや重なりがないように調べることができるようにすることをねらいとしている。順序よく筋道を立てて調べる際には、項目を記号に表すことのよさを実感させながら、調べたことを振り返り、学習や生活に活用しようとする態度を育成することも大切であり、中学校の確率での学習にもつながっていくため、意識しながら展開していきたい。
 起こり得る場合を順序よく整理して調べる際に、事象をノートに書き記しながら調べていくことが予想されるが、ノートに児童が思いつくままに列挙していくときの課題として、落ちや重なりが生じやすく課題解決に時間がかかってしまうことが考えられる。ノート上で試行錯誤しながら考えることはもちろん必要であるが、記号に表すことができ、さらにその表された記号を画面上でタップすると、移動させて表や樹形図にしやすく設定された指導者用デジタル教科書(教材)機能を活用し、児童が操作することで、落ちや重なりが生じることなく事象を効率よく整理して調べることができると考えた。分類整理していく過程で、図や表などを用いたり、項目を記号などに表したりするよさに児童自身が気付き、規則を見つけて正しく並べたり、整理して見やすくしたりして、誤りなく全ての場合を明らかにしていくことが必要であり、そのような資質・能力を育成することを目的として指導に当たった。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1

2

ならび方を、落ちや重なりがないように順序よく考え説明することができる。

・4人で写真を撮るとき、1人を左はしの位置にした場合のならび方を考える。
・ならび方を調べる方法をまとめる。

デジタル教科書
1人1台端末

3

ならび方を、落ちや重なりがないように、順序よく調べることができる。

・10円玉を3回投げたときの、表と裏の出方の起こりうる場合を、図を用いて調べる。

デジタル教科書

4

条件に合った場合を、順序よく筋道立てて考え、説明することができる。

・条件に合った体育館への行き方を調べる。

デジタル教科書

5

組み合わせ方を、落ちや重なりがないように順序よく考え説明することができる。

・4つの組でバスケットボールの試合をするとき、試合数の組み合わせ方を考える。
・組み合わせ方を調べる方法をまとめる。

デジタル教科書
1人1台端末

6
本時

組み合わせを、落ちや重なりがないように、順序よく調べることができる。

・5種類のケーキから、3種類を選んで買う場合の買い方を調べる。
・4枚のカードから3枚選んだ場合のならび方を調べる。

デジタル教科書
1人1台端末

7

学習内容の理解を確認し、より確かなものにする。

・「わかっているかな?」「まちがいやすい問題」「たしかめポイント」に取り組み、学習内容をより確かなものにする。

デジタル教科書

6.本時の学習

①ねらい
 ならび方や組み合わせ方を調べる際、落ちや重なりなく調べるために観点を決め、図や表を用いたり、名前を記号化して端的に表したりして、順序よく整理して考えている。

②指導の実際
【課題発見~めあてをつくる】

 授業の導入では、教科書教材である買い物の場面で、5つのケーキの中から3つのケーキを選んで買う場面を想定して提示した。授業の最初には、「昨日までとちがうところ」と板書した。児童には、まず、本時の学習で着目するべきところはどこかを意識・発見させる。
 本時は、単元「場合の数」の最後の時間であり、児童は毎時間、様々な見方・考え方を働かせながら学んでいる。前時は、与えられたものすべてについての組み合わせを考えたが、本時では、与えられたものの中から、必要なものを選んで組み合わせる場合について、落ちや重なりがないように順序よく考えていく。
 児童が、「すべての中から“選んで”組み合わせる方法」を考えていくことに気付いたところで、めあてを「落ちや重なりがないようにケーキの買い方を考えよう」と設定し、展開していった。めあてについては、①既習と比べてちがうところはどこか? ②新しく着目したいところはどこなのか? を発見させ、児童自ら課題を設定できるように意識して進めた。

T:今日の問題で着目したいところはどこ?
C:落ちや重なりがないように調べないといけないから……。
C:昨日の方法でできると思うけど何かちがうね。
C:買わないケーキもあるね?
T:選ばないということ?
C:めっちゃあるんやけどどうしたらいいのかな?
C:5種類の中から3種類を選ぶ!

【見通す】
 児童から「5種類の中から3種類を選ぶ」という意見が出たところで、自力解決に入っていった。ここでは、デジタル教科書内のケーキの絵や記号を動かすことができる機能を用いて進めていった。解決の途中では、児童から「樹形図で考える」や「表を作ってもいいですか?」という発言があったため、黒板の見通しのところに記載し、共有していった。

C:9通りありそう?
C:10通りくらいあるんじゃない?
C:いや、もっとありそう。
C:うん、もっとある! もっとある!
C:図で考えてみてもいいですか?

【問題を解決する】→ デジタル教科書(児童による操作)

(画像1)デジタル教科書の機能を使って考えを伝え合う様子

 児童は、考えたことをつぶやきながら、しばらく一人で考えていった。ペアで考え、一人がケーキの名前を読み上げて、もう一人がデジタル教科書にその組み合わせで並べるという方法をとっている児童もいた。(画像1)
 デジタル教科書の中には、ケーキの絵を動かしながら、図や表に整理していける機能がある。また、このケーキの絵を記号に変換できる機能もあり、本時の目標である「落ちや重なりなく調べるために観点を決め、図や表を用いたり、名前を記号化して端的に表したりして、順序よく整理して考える」ための手段として、児童が自分に合ったタイミングで活用できるようになっている。自力解決の時間で、1つ1つのケーキの絵や図をノートに書いていくとかなり時間がかかり、本当に考えたいところで時間がなくなってしまいがちになるが、デジタル教科書を用いると、タブレットの画面上に絵や記号を自分で動かしながら、樹形図などの図や表を作成することができるので、本当に考えたいところや議論に時間をとることができる。ICT機器を用いることによって、自力解決の時間を効率的に使うことができた。

C:3つ一緒やけど順番が入れ替わってるのは?
C:それは一緒、一緒。
T:何かわかったなと思ったら、ノートに書いていきましょう。

~中略~

―― C(A)との会話 ――
C:先生、10通りできた。
T:10通り? じゃあ、ノートにも記録してみよう。
C:考えを先にノートに写しとくわ。
―― ノートに書いている間に、Aのタブレット上の考え方を画面に映す。 ――
C:えっ? 9通りしかない! あと1つどれやろう?
T:Aさんの考え方を画面に映しますね。どう?
C:あれ? 8しかない?

(画像2~6)デジタル教科書の機能を活用して整理する様子

(画像2)

(画像3)

(画像4)

(画像5)

(画像6)

 デジタル教科書の機能を活用することによって、(画像2)から(画像5)へと考えが整理されていっている。特に、(画像4)から(画像5)への変化は、選び方が10通りである、と答えを求めたが、落ちや重ないかをもう一度確かめるため、いちばん左のケーキを固定して整理し直し、確かめている様子である。一度考えたものをもう一度始めから並び替える際には、デジタル教科書の機能を使うと瞬時に消したり、同じ絵や図をコピーしたりすることができるのでノートに書き直すよりも効率的である。一度考えた絵や図は、スクリーンショットなどで画像として保存しておくと再度考えを共有することができる。また、絵を記号化する機能を用いて考える児童もいた。(画像6)

【考えを共有する】→ デジタル教科書(大型モニタに映す)
―― 児童の考えを画面に映して説明させる。 ――
C:シを固定するといい。
C:それをどんどん変えていく!
C:それだとバラバラで順番がわからなくなるから。
C:順序よくってやった。
C:樹形図!!
T:重なっている選び方がないかも見てね。
C:シ‐ロ‐チ と シ‐チ‐ロ は一緒!
C:もっと見やすい並べ方があるよ。
T:3つ選ぶ方法を考えるということは、2つを選ばないという考え方もできるね。
C:あ、ほんとだ。

(画像7)

【学習を振り返る】
 全員で解決方法について話し合い、考えを共有した際に、落ちや重なりなく、順序よく調べていく際には、いずれかのケーキを固定して考えること、さらには、5つのうち3つのケーキを選ぶということは、2つのケーキを選ばないということと同じ考えで求められることに児童らは気づき、本時のめあてを達成することができた。
 2問目は、教科書の問題を活用し、4つのカードから3枚のカードを選んで3けたの整数をつくる問題とした。1問目の問題の考え方からの違いに着目させ、数字の組み合わせだけでなく、組み合わせた後に、ならび方を考える必要があるということに着目させたかったためである。この問題についても、児童はデジタル教科書の機能を使って、考えていった。1問目と同じく、タブレット端末上では数字のカードを実際に操作できるため、ノート上で書いて考えるよりも、落ちや重なりなく調べていくには効率的に進められた。今まで、ノート上で考える際のデメリットとして、何度も消して書いてという作業に時間がかかることがあったが、タブレット端末には、カードの移動、削除などがスムーズにできるよさがあった。また、カードそのものをコピーすることができることもメリットである。

7.指導を終えて

【本時の学習について】
 落ちや重なりなく場合の数を調べ上げる際に、デジタル教科書の絵や図を動かすことができる機能、絵や図を記号化して動かすことができる機能を活用するため、本時では、指導者用デジタル教科書(教材)を用い、手元で操作させたり、大型テレビに考えを映して発表させたりした。
 自力解決の段階で、初めはノート上で起こり得る場合の組み合わせを考えさせた。ノートで考えるときには重なって同じものを数えてしまっているなど「重なり」がわからなくなりそうなときでも、デジタル教科書では、一度数えた事象は、視覚的に確認できるため気付くことができる。また、数えたかどうか見落としている「落ち」についても、デジタル教科書の機能を使うと視覚的に確認することができ、本時のめあてにせまることができた。

【デジタル教科書、ICT機器とノートの関係】

(画像8)タブレット端末で考え、ノートに記録を残す様子(本時)

(画像9)タブレット端末とノートを併用して考える様子(第1時)

(図10)本時の板書

 デジタル教科書やICTの機能を用いた学習で指導者自身が悩む課題として2つある。1つ目は、タブレット端末上での操作だけで授業が終わってしまうことがあるということ、2つ目は、タブレット端末上に自分の考えを書き込むと、授業後に手元にいつでも見られるものとして残らないということである。この課題を改善するための方法として、自力解決や発表の際には、デジタル端末上で表現をしたとしても、自分の考えや授業の振り返りはノートにしっかり書くということを併用していきたい。こうすることによって、児童はノートを見ていつでも既習事項を振り返ることができ、次の学習につなげることができると考え、本時でも実践した。今後、ICT機器を活用した授業が普及しつつある中でも、ICT機器の使用は目的ではなく、有効な活用法の1つとして意識し、以前からのノート指導も大切にして、いつでも既習事項の振り返りができるようにしておくことを大切に指導したい。(画像8、9)普段から、紙媒体の教科書とデジタル教科書をうまく併用しながら学習することで、ICT機器が考えるための目的ではなく手段の1つとして日常的に算数の学習に定着していくことを願いたい。

九九の ひょう〔かけ算の きまりを 見つけよう〕(第2学年)

1.単元名

「九九の ひょう〔かけ算の きまりを 見つけよう〕」(第2学年)

2.単元目標

 乗法に関して成り立つ性質について理解し、数量の関係や既習の乗法に着目して簡単な場合の2位数と1位数との乗法の計算の仕方を考え説明するとともに、九九の表の考察を振り返り、身の回りから乗法の場面を見つけ用いようとする態度を養う。

3.評価規準

【知識・技能】

乗法について成り立つ性質(乗数が1増えると、積は被乗数の分だけ増えること、交換法則、分配法則)を理解し、簡単な場合の2位数と1位数のかけ算の計算の仕方を知っている。

【思考力・判断力・表現力】

乗数、被乗数、積の数量の関係に着目して乗法の性質を考え説明したり、既習の乗法やその構成の仕方をもとに、簡単な場合の2位数と1位数との乗法の計算の仕方を考えたりするとともに、乗法を活用して日常生活などの場面の問題を解決している。

【主体的に学習に取り組む態度】

九九の表をもとに乗法の性質について考えた過程を振り返り、簡単な場合の2位数と1位数との乗法の計算の仕方を発展的に考えようとするとともに、身の回りから乗法の場面を見つけ用いようとしている。

4.本単元の指導にあたって

九九といえば、暗唱することに重点をおかれてしまいがちであるが、習熟させるだけでなく、九九を自分で構成していくことも大切に学習を進めたいと考える。この単元は九九の習熟を図るとともに、「乗法に関して成り立つ性質」の理解を一層深めたり、数の見方を深めたりすることを目標としている。そして、ここでの学習をもとに、3年では乗法の交換法則や結合法則、筆算形式による計算の仕方を学習する。

本単元でも、前単元で見つけたかけ算のきまりや性質に加え、同じ数をかけた九九はそれぞれの段に1つずつあることも発見すると考える。また、基準量(かたまり)が違えば式が違うこと、2位数×1位数(12×5)も今まで学習したことをもとに考えることができること、一つの数を2つの数の積としてみることなどを、さし絵やアレイ図、式、言葉と結びつけながら練り上げていく。このような活動を通して、総合的な考え方、豊かな見方・考え方ができる児童に育ってほしいと思う。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1
本時

・九九の表の考察を通して、乗数、被乗数、積の関係に着目し、乗法の性質について考え、理解する。

・九九の表を調べ、分かったことを発表し合う。
・乗数、被乗数、積の関係を調べる。

2

・乗法の交換法則を理解する。

・乗法の交換性を調べる。

3

・簡単な場合の2位数と1位数のかけ算の計算の仕方を考える。

・12程度の2位数と1位数のかけ算の仕方を考える。

4

・ものの数をさまざまなまとまりに着目し、乗法を用いて考えを説明することができる。

・乗法を使って、いすの総数を求める。
・どの数のまとまりに着目して考えたのか発表する。

5

・ものの数を、乗法が適応できるように工夫し、乗法を活用した多様な方法で考えを説明することができる。

・L字型に並んだボールの数を、乗法を使った多様な考え方で求める。

6

・「たしかめポイント」に取り組み、学習内容の理解を確認する。

・「たしかめポイント」に取り組み、学習内容の理解を確認する。

6.本時の学習

①ねらい
 九九の表の考察を通して、乗数、被乗数、積の関係に着目し、乗法の性質について考え、理解する。

②指導の実際
ア 「導入」の場面(5分)

 まず、デジタル教科書のデジタルコンテンツである九九の表を使用し、各段の九九を唱えながら画面をタップしてかけ算の習熟の時間とする。タップすると、答えが表示されるため、児童は下がり九九を言ったり、バラバラ九九を言ったりして、自分の習熟度に合う九九の暗唱を楽しみながら取り組むことができた。取り組みの最中に児童は、「こことここの場所の数字同じや。」と発言し、今日の本時のめあてである「九九のヒミツ」に迫っている児童もいた。(写真1)

(写真1)

 次に九九の表を見せ、教師は「この九九の表に、実はヒミツが隠れています。今日はそれをみんなで探しましょう。」と本時のめあてを伝えた。児童の中には、「もう知ってるよ。」と発言したり、「いくつもあるよ。」と複数あることに気づいていたりした。

イ 「展開」の場面(25分)
≪展開前半部分≫
 授業支援ソフトを使用し、九九の表が貼り付けられているカードをクラス全員に配布し、気づいたヒミツを書くようにした。児童には、どこを見たのかが分かるように表に印を書き込むことと、説明も記述することを伝えた。この場面では、じっくりと一人で考える時間とする。留意点として、タブレットでの表現が苦手な児童もいるため、紙に印刷した九九の表も用意して、どちらかを自分で選んで学習できるように学習の個別化を図るようにした。児童は、タブレット上で何度も消したり、付け足したりして様々なヒミツを見つけていた。(写真2、写真3)

(写真2)(写真3)

 一人で考える時間を取った後、考えたカードを全て共有した。(写真4)

(写真4)

≪展開後半部分≫
 次に、自分の見つけたヒミツを友達に伝える時間とした。見つけたことを友達に伝えられる人や考えが分からないから友達に聞きたい人は立って意見を聞くように伝えた。ただし、まだ、じっくり一人で考えたい児童はそのまま席で考えてもよいことも合わせて伝えた。
 児童は、自分の考えを友達に伝えながら頭の中を整理することができた。友達に考えを言いながらカードにくわしく付け加えたり、友達から考え方のアドバイスをもらったりする児童もいた。また、友達の意見を聞いて、自分では思いつかなかった視点での考えに出会うことができた。友達から教えてもらったヒミツは自分のカードにも書いておくようにした。その際に友達から聞いた考えだと分かるようにカードの色を変えるようにした。(写真5~10)

(写真5)(写真6)

(写真7)(写真8)

(写真9)(写真10)

ウ 「まとめ」の場面(15分)
 代表的な考えを発表し、全体で練り上げを行った。

3の段は3ずつふえる(写真11)

かけられる数とかける数を入れ替えても答えは同じ(写真12)

分配法則:4の段と5の段を足すと9の段になる(写真13)

九九の表のななめに同じ数字がある(写真14)

(写真11)(写真12)

(写真13)(写真14)

 1人が前に出て、考えを発表する。大型モニターで児童の考えを映し、また発表を聞いている児童のタブレットにも画面共有をして、手元でも見られるようにした。(写真15、16)

(写真15)(写真16)

 クラス全体がその発表に意識が向き、考えを共有できるように、聞いている児童は発表者に質問をする。例えば①の「3の段は3つずつ増えています。」と発表した後、「ほかの段でも3ずつふえるの?」や、「どうして3つずつ増えるってわかったの?」と質問が出た。発表者や同じ考えをしていた児童が「3の段は全部+3になっています。3+3=6、6+3=9……」「4の段は4ずつ増えていて、8の段は8ずつ増えているよ。」と答えることで、どのように考えてヒミツを見つけたのかを教室全体で考え、深く知ることができた。
 児童は発表を聞きながら、それぞれの考えの違いや似ているところを探しながら聞くこともできていた。「○○さんは3の段で考えたけど、私は8の段で考えて同じヒミツを思いつきました。」と自分の考えと比べながら発言することもできていた。④のななめに同じ数字があると発表した後には、「7×5=35と5×7=35の考えは、②の入れ替えても同じのヒミツと同じや。」という発言が出て、考えが似ていることに気づき、グループ化することができた。

 最後に、今日の学習のまとめとして授業支援ソフトで、タブレットを使って解く宿題を出した(写真17)。机にミカンが並んでいて、2通りの考えとそれに合う式をカードに記入し、提出ボックスへ出すことを伝えて授業は終了した。

(写真17)

7.指導を終えて

 デジタル教科書には、図形を自分で動かしたり、カードをめくったりすることができるコンテンツがある。児童のペースに合わせて学習を進めることができ、児童の意欲にもつながっている。今回は、九九の表の全てのマスが埋まるように友達と競いながら早く言い合っていたり、苦手な段を集中的に唱えて覚えようとしていたりと自分に合うやり方でかけ算に向き合う気持ちを高めていた。また、2の段と5の段だけの答えを出していた児童が「これ、足したら7の段になるよな」とかけ算表の性質に気づき始めていた。今までは紙の全ての答えが出ているカードを使用していて気づきにくかったことが、デジタル教科書のコンテンツを利用することで児童の気づきが変わったように感じた。
 タブレット端末を使用することで、消したり色を変えたりすることが容易なため、その作業にかかる時間が短縮され、じっくり考える時間を確保することができた。また、全員が自分の考えを持っている状態で友達と交流することができた。やり直しが簡単にできるため、児童は思いついた考えをどんどん書き込んでいく姿が見られた。カードの枚数を増やしたりカードの色を変えたりの操作を自由自在に扱っていた。タブレット端末があることで子どもたちの思考を止めない活動につながった。
 自分の考えを友達に伝えることを意識させてカードを書き込ませたことで、マーカーの色を分けたり必要ではない部分の数字を消したりして見やすいように工夫していた。協働学習を取り入れ、クラスの友達に自分の考えを伝えに行く。どう考えていいかわからない児童にとって、友達からのヒントは大切な手がかりになるため、子どもたちは、この時間をとても楽しみにしていて、「今から考えを伝え合います」と言うと、すぐに席から立ち上がりタブレットを持って友達に考えを伝えに行っていた。自分の考えを伝えて、友達がわかってくれる喜びを感じているようだった。協働学習の最大の良さは新しい視点との出会いである。九九の表でななめに同じ答えがあるという考えはクラスでも3人ほどしか気づいていなかったが、教え合いの時間の後のカードを見ると、15人以上にその考えが広まっていた。友達と関わることで見つけた新しい考え方に出会い、自分の視野を広げることができたと思う。

円と球「まるい形を調べよう」(第3学年)

1.単元名

円と球「まるい形を調べよう」(第3学年)

2.単元の目標

  • 円について中心・半径・直径について知り、円に関連して、球についても直径・半径などを知ることができる。(知識・技能)
  • コンパスを使って正確に指定された大きさの円を作図することや指定された線分の長さなどを正しく図り取ることができる。(知識・技能)
  • 円や球の中心・半径・直径など、円や球の構成の仕方を考えるとともに、円や球の性質を見いだすことができる。(思考・判断・表現)
  • 円や球の性質が日常生活でどのように役立てられているかを考察しようとする。(主体的に学習に取り組む態度)

3.評価規準

知識・技能

  • 円や球について、中心・半径・直径などの構成を正しく理解している。
  • コンパスを安全に正しく使うことができる。

思考力・判断力・表現

  • 円を構成する要素に着目し、学習を通して、円や球の性質を見いだすことができる。

主体的に学習に取り組む態度

  • 円や球の性質を日常生活で積極的にいかそうとしている。

4.本単元の指導にあたって

 児童は2年生で定規を使って直線を決められた長さでかく作業を学習している。3年生では、円という図形を学習する。コンパスなどの用具を使って正しく決められた半径(または直径)の円をかくことができるようにさせることが本単元での主なねらいとなる。また、円を正しくかく過程の中で円を構成する要素である中心・半径・直径などの言葉の意味や性質も正しく理解させておきたい。学習を重ねるにつれ、円や球は日常生活の中で様々な形でその性質が利用されていることを知り、自ら進んで円や球の性質を利用しようとする態度も併せて養っていきたい。
 児童はコンパスを利用するのは初めてである。最近では左利きの児童も一定数おり、左利きの児童がコンパスを利用することにも留意して学習を進めていく必要があると考える。また、生活経験が不足している児童がここ最近全国的に増えてきている。コンパスには針などがありけがなども予想されるため、安全に留意して指導を進めていく必要もある。また、本教材では、基礎基本の徹底を図っていくとともに、本年度本校に導入された大型モニターやクロームブックも積極的に利用して、視覚的にも円およびその性質についての学習を深めていき、本校のめざす「学び合い学習」につなげていきたいと考えている。

※円の定義について
 円の定義は「平面上にある任意の定点Aから等しい距離にある点の集合」である。児童の発達段階を考えた時これをそのまま児童に伝えてしまうと混乱を招く恐れがある。よって、「右のような形を円といいます。」というような例示的な定義を示し、児童に円の学習を進めてもらいたいと考える。小学校算数では「円の定義」のように曖昧なものとして「①線分・半直線・直線をすべて直線とよんでいる。」「②三角形は内部をふくむときと、辺だけをさすときがある。」などがある。

5.単元の指導計画

学習のねらい

主な学習内容

1

日常生活の中で円が使われていることを知ることができる。

実際に4グループに分かれて玉入れを行い、感想などを発表する。

運動場
玉入れかご・玉

2

円の概念と円の半径・中心について理解することができる。

定点(円の中心)から5cm離れた点をたくさんかく。
点をたくさんかけばかくほど点を結んだ形が円に近づくことを視覚的に理解する。
円の中心と半径についてまとめる。

大型モニター
クロームブック

3

円の直径や直径の性質を理解することができる。

円に形に切った折り紙を2つに折って折り目が円の直径であり、その円を折ってできる一番長い折り目であることを理解する。
2回折り目を作ってできた交点について考える(円の中心)。

大型モニター
折り紙

4
本時

コンパスの使い方を正しく理解し、正確に指定された大きさの円をかいたり距離を図り取ったりすることができる。

コンパスの安全な使い方を知る。
コンパスを使って円をかいたり、距離を図り取ったりする。

コンパス
大型モニター

5

こまを作ることにより、円のもつ性質や美しさに気がつくことができる。

円の形のコマを回し、円の性質について視覚的に考える。
楕円形や三角形などのコマ(教師側で用意)を回した時の違いを考える。

段ボール

6

コンパスの性質を利用して、条件に合った点を見つけることができる。

コンパスの性質を使い、問題を解く。

7

球の中心・半径・直径を正しく理解することができる。

球の切り口の教材から、球はどこで切断しても切り口が円であることを理解する。
球の中心・半径・直径を理解する。

円の切り口の教材

8

身の回りのものから円や球を探すことによって、円や球の性質を使ったものが日常生活の中にたくさんあることを実感することができる。

学校内にある円や球を、クロームブックを使って撮影し、発表する。(図1)

クロームブック
大型モニター

9

学習内容の定着を確認し、理解を深める。

ノートの使い方にも気をつけながら問題を解いていく。

(図1)
校舎内にある円の形をしたものをクロームブックのカメラを使って児童が撮影しました。

6.本時の学習

①ねらい
コンパスの使い方を正しく理解し、正確に指定された大きさの円をかいたり距離を図り取ったりすることができる。(知識・技能)

②本時案(指導の実際)

学習内容

学習活動および児童への支援

備考

1 コンパスの使い方を知る。

コンパスの使い方を知る

・針を人に向けないなどの安全な使い方を知る。

2 コンパスで円をかく。

・針をしっかりと固定して半径の長さが変わらないように気をつけながら円をかくようにする。

○ノートにたくさんの円をかく
・円の線が途中で切れたり、コンパスの針が途中で動いたりしないことに留意して円をできるだけたくさんかく。(図2)

・ノートにかいた円の絵をロイロノートを使い提出する。(図3)

運動場で「円」をかいている動画を見る(図4)

・半径などは気にせず好きな大きさの円をかかせる。

・コンパスと同じところはどこか、ペアで話し合い発表する。
→中心が固定されているところ
→中心と線をかくところの距離が一定であるところ

・円やコンパスの性質が日常生活にも使われていることに気づかせる。

3 コンパスで距離を図り取る。

教科書P124-4の問題を映像を見ながら一緒に解いていく。(図5)
・コンパスの針が動かないようにすることと、半径が変わらないようにすることに気をつけて、円弧をかいていく。

・円をかき切るのではなく、直線と交差する部分だけをかけばいいことに気づかせる。

4 まとめ

今日学習したことのまとめをする。
・コンパスでできること
 ・円をかく。
 ・距離を図り取る。
・コンパスを使うときに注意すること
 ・安全に気をつける。
 ・中心を動かさない。
 ・コンパスのねじが緩まりすぎていないか確認する。

(図2)
コンパスを使ってクマの絵をかきました。他にも同心円を書いている児童や、アニメキャラクターをコンパスでかいている児童もいました。

(図3)
クロームブックの「カメラ」を使って自分がノートにかいた円を「ロイロノート」アプリを使って「提出」しているところです。

(図4)
実際に休み時間を使って運動場に半径3mの円を児童がかきました。中心がずれたり、巻き尺を踏んだりの失敗が何度かありましたが、無事にかき切ることができました。

(図5)
パワーポイントのアニメーション機能を使って提示しました。

7.指導を終えて

 コンパスを使う今回の学習では、本単元の開始前から「先生、コンパスいつ使うの? 早く使いたい。」といった声もよく聞かれ、関心の高さがうかがえた。今回の単元に入ることを伝えたときは、コンパスを使うことができる喜びからなのか歓声が上がった。今回の学習ではコンパスだけではなく、校内にある様々な教育器具を使うことを意識した。特に本年度1学期末に本格導入されたクロームブックを今回は積極的に使うようにした。本授業ではノートにコンパスを使ってかいた円の絵を、クロームブックを使って先生機に提出し、出来上がった絵を大型モニターでみんなで確認する学習を行ったが、児童の中には1作品だけではなくいくつもコンパスを使った絵をかいて提出していた子どももいた。運動場でかいた円では、本来であれば児童全員に体験してもらいたかったが、時間の都合上5人にしてもらい、休み時間を使って撮影した。授業の中でその様子を映像で全員で共有した。撮影は何回も失敗を繰り返しながらようやくできたものであるが、撮影を終えた児童は、「いつ授業で使うん?」と何回も聞いてくるなど、授業で使うことをとても楽しみにしていた様子であった。
 本単元ではコンパスだけでなく様々な教育機器を使ったが、児童の関心および意欲は確実に高まったことがわかった。特に本年度から本格導入されたクロームブックを使った学習ではそれが顕著に表れた。これらの器具をどのように活用すれば、より子どもたちの学習意欲向上につながるかを考えることが、これからの教育課題であると私自身強く感じることができた。

【参考文献】
算数教育指導用語辞典第4版(日本数学教育学会出版部)

体積「直方体や立方体のかさを表そう」(第5学年)

1.単元名

体積「直方体や立方体のかさを表そう」(第5学年)

2.単元の目標

 体積、容積の意味やその計算による求め方を理解し、単位となる大きさに着目して、その求め方を考えるとともに、考えた過程を振り返り、学習したことを生活や今後の学習に活用しようとする態度を養う。

3.評価規準

【知識・技能】
 体積や容積の意味と単位やその相互関係を理解するとともに、求積公式を利用して、体積や容積、複雑な形の体積を求めることができる。

【思考・判断・表現】
 体積も面積と同様に単位のいくつ分で数値化できると考えたり、簡単な直方体に分ける体積の求め方を考えたりしている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 単位となる大きさのいくつ分として数値化できるというよさに気づき、学習したことを生活や学習に活用しようとしている。

4.本単元の指導にあたって

①教材について・学習過程について
 体積の概念は1年「どちらがおおい どちらがひろい」、2年「水のかさ」、4年「面積」等の学習を通して、順次形成されてきている。その中で「面積」の学習では単位と測定の意味を理解し、長方形や正方形の面積の公式を学習してきた。本単元ではまず実際に展開図から直方体や立方体を組み立て、「高さ」の概念を確認する。次にかさを直接比較するなかで、普遍単位によるかさの表し方の必要性や有用性に気づかせる。そして面積の学習時に「1cm²のいくつ分」で考えたのと同様に、「1cm³のいくつ分」として数値化できることから体積の求積公式を導き、適用を図っていく。
 また公式を利用して、複合立体の体積の求め方を考え説明する学習や、大きな体積の単位とそれらの相互関係を理解するとともに、身の回りにあるものの体積や容積を実際に測定することなどで体積の量感を養い、必要に応じて単位を使い分けることができるようにする。

②指導と評価について
 指導は主に①「体積の概念、単位」といった知識・技能、②「体積の求め方のくふう」といった思考・判断・表現に分けられる。①では具体物なども使うなかで実感しながら習得できるようにする。②では4年時の「複合面積の求め方」などの既習学習も応用しながら体積の求め方を工夫し、発表などで表現するようにする。
 評価は①では体積の意味、単位のよみ方、かき方、相互の関係や公式を利用した体積の求め方を理解し、体積や容積、複雑な形の体積を求めているか。②では公式などを使って効率的に体積を求め、その求め方を分かりやすく説明できているか、で行う。

③デジタル教科書の効果的な利用について
 デジタル教科書には図に自在にかき込むことができるというよさがある。本単元は立体の図をもとに学習を進めていくことになる。今回はデジタル教科書のよさをいかし、実際に図にかき込むことで考えを広げたり、工夫したりできるようにする。また説明する際にもデジタル教科書を使うことで、説明する児童だけでなく聞く児童にも分かりやすく提示できるので、そのよさを十分活用したい。

④児童の実態について
 算数の授業は、単元(学習内容)に応じてTT、単純二分割、習熟度別といった授業形態で行っている。授業では単元の導入などで図やイラストを見て考えたことを発表できることが多い。5年生なので既習事項をふまえて見通しを立てることもできる。ただ、学習時に理解できてもそれを応用して問題を解くこと、また問題を解いてもそれを算数の用語を使って端的に説明することには課題がある。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1

・単元アプローチ

・ア、イ、ウの直方体や立方体のかさを比べる。
・ア、イ、ウのかさの大きさの比べ方を考える。
・イとウのかさの大きさの比べ方を考える。

2

・直方体や立方体の体積を比べる方法を考える。
・直方体や立方体のかさの表し方を考える。
・体積の意味、体積の単位「cm³」を知る。

・1cm³の立方体を使って立体をつくり、個数を数える。
・体積の用語と1cm³の単位、その意味を知る。立方体いくつ分から体積を求める。

3

・直方体、立方体の体積を計算で求める方法を考える。
・直方体、立方体の体積を求める公式をまとめる。

・前時から計算で求める方法を考える。
・1cm³の立方体の個数=たて、横、高さに気づき、公式にまとめる。

4

・複合図形の体積の求め方を考え、説明する。

5
本時

・複合図形の体積の求め方を考え、説明する。
※デジタル教科書

6

・大きな直方体の体積を求める。
・体積の単位「m³」を知る。

・体積を表す大きな単位があることに気づく。
・既習学習からm³を知る。

7

・「m³」と「cm³」の単位の相互関係を調べる。
【Hello!Math】
・1m³の大きさを感じとる活動に取り組む。

・1m³を1cm³で表す。(具体物)
・単位換算の問題を解く。
・1m³の実物を体感する。

8

・入れものにはいるかさの求め方を調べる。
・内のり、容積の意味を知る。

・いくつかの入れものをみて体積と容積の違いを知る。(入れものの厚み)
・内のりを知り、入れものの容積を求める。

9

・水のかさの体積の関係を調べる。
・体積の単位とその関係をまとめる。

・かさと体積の間に関係があることを知る。
・Lとcm³、cm³とmL、1m³とLの関係を調べる。
・図をつかってかさと体積の相互関係をまとめる。

10

【Hello!Math】
・身の回りのものの体積や容積を調べる。
・1Lのかさの入れものをつくる。

・ロッカー、筆箱、立体など身の回りのものの体積・容積を調べる。
・体積か容積か・見積もり・実測して計算する。

11

【Hello!Math】
・身の回りのものの体積や容積を調べる。
・1Lのかさの入れものをつくる。

・厚紙で容積が1Lの入れものをつくる。
・展開図

12

たしかめポイント
・学習内容についての理解を確かなものにする。

6.本時の学習

①ねらい
 本時は4年生で学習した「面積」の既習内容を活用して、複合図形の体積を求めることをねらいとする。「2つの直方体に分けて考える」「大きな直方体ととらえて、欠けた部分を引く」などの方法は面積の求積時の工夫とほぼ同じである。複合図形の中に工夫して直方体や立方体を見いだし、前時までの求積公式も使って求めるようにする。どのように図形を分けるか、どのように求めたのか、など、解決までのプロセスを式や言葉、図などを使って説明することで思考力・判断力・表現力を育てたい。

②指導の実際(4、5時)
<導入>
①前時の復習…
 直方体、立方体の体積の求め方(公式)の復習。
②めあてと問題を確認…
 ここで立体の形を確認。
 前時と違い形が入り組んでいること。
 4年の「面積」でよく似た形の面積を求めたこと。
③今日のポイントを整理…
 公式を使うこと。
 立体の形を変えて求めてもよいこと。
④見通しを立てる…
 ここでペア学習。
 見通しを立てられなかった子は友だちの意見を書いてもよい。
 〔子どもたちの反応〕
 面積の時と同じように公式を使って求められる。
 全体からないところをひく。
 2つの直方体に分けてあとでたす。
 体積は求められる。
⑤自力解決…
 まずはデジタル教科書の画面に、どのような工夫をして体積を求めるかかき込む。

 次に、その画面を見ながら、ノートに言葉や式で求める過程を書く。

 それから、画面やノートを使って、「どのように求めたか」を伝え合う。

 最後に「体積の求め方」を全体で共有し、振り返りを書く(まとめ)。

7.指導を終えて

 デジタル教科書は、普段の授業でも使っているので、子どもたちにはなじみのあるツールである。だから、それがタブレットでも使えることを伝えると「おぉっ」と、それだけで子どもたちの興味を引き付けたようである。普段教師が映して使用しているので、見慣れているのか、立ち上げや操作も案外スムーズであった。
 今回は図形なので、デジタル教科書の「いろいろとかき込める」特性をいかすことができた。ノートにかく時に色分けをするとなると、何本も色鉛筆を用意して使わなければならない。それがデジタル教科書だと、画面のなかで操作が完了するので、子どもたちはどんどんかき込むなど、意欲につながっていた。自力解決の場面では、画面を見ながらかき進めていた。
 ペア学習では、「すぐにかいたり消したりできる」特性がいかされていた。自力解決の時は簡略してかき込んでいても、それでは友だちには伝わりにくいと感じるとすぐに消して丁寧にかき込むようなこともあった。また画面にかきながら「ここが3cmだから……」と説明している子どももいた。学力が高い子どもより低い子ども、よく発言する子どもより発言の苦手な子ども(ほとんど手を上げない子ども)がいきいきと説明している姿が印象的だった。
 今回初めて子どもたちがデジタル教科書を使ったが、意外に操作できていたことと意欲的に取り組めていたことがとてもよかった。普段の授業でも教科書の図やそれを印刷してノートにはるなどして考えるようにしているが、苦手な子どもは取り組みにくいようだった。デジタル教科書は画質もよく、かき込みなども簡単なので、単元やねらいに応じて使うとよいと感じた。

「角と角度」(第4学年)

1.単元名

「角と角度」(第4学年)

2.単元の目標

 角の大きさを回転の大きさとして捉え、角の大きさの単位と測定の意味について理解する。加えて、図形としての角の大きさを柔軟に表現したり、考えた過程を振り返ったりして、学習したことを生活や今後の学習に活用しようとする態度も養う。

3.評価規準

【知識・技能】
 角の単位「度(°)」を理解し、分度器を用いて角の大きさをはかったり、角をかいたりすることができる。

【思考力・判断力・表現力等】
 図形の角の大きさに着目して、角の大きさを柔軟に表現したり、図形を考察したりすることができる。

【主体的に学習に取り組む態度】
 身の回りにある角を見つけ出し、角の大きさを調べたり、比較したりしようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 角とは、1つの点から伸びた2つの異なる半直線によってできる図形のことであり、そこにできる広がり具合のことを角度という。角度は、どの点に着目してその大きさを考えるのか、測定するのかが難しいため、児童にとって捉えにくい量である。また、1回転が360°となり、直角が90°、水平状態が180°であることも、児童にとっては今までにない感覚であり、新たな数値の規則を学ぶ難しさがある。そこで、デジタル教科書やICT機器を活用し、大型ディスプレイに書き込み等をしてわかりやすく説明する。また、1人1台端末を使って、振り返ることができるようにしたり、児童自身がICT機器を活用して自分の考えを発表できるようにしたりする。
 角度の導入では、まず角には大きさの大小があり、それは角を構成する2つの辺の長さに依存せず、2つの辺の間の開き具合によって決まることに着目させる。そして、角には2つの角度(角a°と角360°-a°)が存在することを意識させ、180°以上の角度が存在することに気づかせる。同時に一回転が360°であること、その一部分として、180°や90°があるという認識をもたせ、角度の本質的な理解に十分な時間をかけるようにしたい。また、角度の加法性、交換性、連続性、位置に対する不変性についても具体的な活動を通して理解させるようにしたい。
 加えて、指導と評価の一体化の工夫として、山梨大学の堀哲夫先生のOPPAの理論を活用し、毎時間OPPシートに振り返りを記入するようにする。

5.単元の指導計画

学習のねらい

おもな学習内容

1

任意の角を単位として角の大きさを考えることを通して、回転量としての角の概念を理解する。

・円と正方形を重ねて、色々な大きさの角をつくる。
・半直線が回転してできる角の大きさについて考える。
・角の大きさを、直角を単位として表す。

デジタル教科書

2
本時
3

角度を表す単位(°)を知り、分度器の構造と目盛りのよみ方を理解するとともに、分度器を用いて角度をはかることができる。

・分度器の構造を調べる。
・角度を表す単位(°)を知る。
・分度器を用いた角のはかり方をまとめる。

デジタル教科書
1人1台端末

4

180°より大きい角度をはかったり、対頂角の大きさや求め方を理解したりする。

・180°より大きい角度のはかり方を考える。
・対頂角の大きさを比べる。

デジタル教科書
1人1台端末

5

三角定規の角の大きさについて理解するとともに、三角定規を組み合わせて色々な角度をつくることができる。

・三角定規のそれぞれの角の大きさを調べる。
・三角定規を組み合わせて、色々な角度をつくる。

デジタル教科書
1人1台端末

6

身の回りの色々なところから角を見つけて、角の大きさをはかろうとする。

・身の回りの色々な角度をはかる。

7

分度器を用いて、角をかくことができる。

・分度器を用いて角をかく。
・角のかき方をまとめる。

デジタル教科書

8

1つの辺の長さと、その両端の角の大きさがわかっている三角形をかくことができる。

・角の大きさがわかっている三角形を作図する。
・分度器を使った三角形のかき方をまとめる。

デジタル教科書

9

学習内容の定着を確認し、理解を深める。

・学習内容についての理解を確かなものにする。

6.本時の学習

①ねらい
 角度を表す単位(°)を知り、分度器の構造と目盛りのよみ方を理解するとともに、分度器を用いて角度をはかることができる。

②指導の実際
ア.「導入」の場面
 まず、2つの角を見せる。(画像1)

【画像1】

 角の大きさを回転する量として捉えることができているか確かめるために㋐、㋑のどこが角の大きさにあたるのか児童自身が動作化したり、デジタル教科書に書き込みをしたりして確かめる。(画像2)

【画像2】デジタル教科書書き込み例

 そして、角の大きさはどの点に着目すればよいのかを確認した上で、「㋐、㋑の角の大きさはどちらが大きいですか」と問いかけ、子どもたちに、見た目ではどちらが大きいかわからないので正確にはからなければいけないという、角の大きさを数で表す必要性を持たせる。そして、角の大きさをはかるためには、分度器を使うことを教える。

イ.「展開」の場面
 実際に、分度器をさわりながら、分度器の目盛りがどのようについているのか調べさせる。さらに、分度器について気づいたことを1人1台端末に入っているプレゼンテーションソフト等を活用して、印をつける等して発表させる。(画像3、4)

【画像3】分度器で気づいたこと(1目盛りが1)

【画像4】分度器で気づいたこと(1つの目盛りに2通りの数がある)

 分度器の目盛りがどのようについているかをしっかりとペアやグループ、全体で発表した後、分度器について、そのしくみや目盛りのよみ方、単位についてデジタル教科書を活用して確認していく。
 次に、㋐の角度のはかり方について、デジタル教科書に搭載されたデジタルコンテンツ、動画(赤印)を活用して、提示し説明していく。(画像5)

【画像5】デジタルコンテンツ、動画の利用

 子どもたちが特につまずきやすいのが、どちらの目盛りをよめばいいのかわからなくなることである。そのため、説明する際に、デジタル教科書やICT機器等を活用して、「0°の線にあわせた方の目盛りをよむ。」ということをしっかりとおさえる。(画像6)

【画像6】

 そして、実際に㋐の角度と㋑の角度のどちらが大きいのかはからせる。この際にも、内側の目盛りをよむのか、外側の目盛りをよむのか、1人1台端末にあるプレゼンテーションソフト等を活用して、根拠をきちんと説明させるようにする。(画像7)

【画像7】

ウ.「まとめ」の場面
 角の大きさをくらべるためには、分度器を使って角度をはかればいいこと、さらに、分度器の目盛りのよみ方やはかり方を振り返る。そして、子どもたちは、前時の振り返り等も参考にしながら、本時の振り返りをOPPシートにかき、全体で共有する。(画像8)

【画像8】振り返りのOPPシート

 最後に、分度器の目盛りのよみ方の復習として、特に児童がつまずきやすい、内側の目盛りをよむのか、外側の目盛りをよむのかに焦点を当てたフラッシュカードを、プレゼンテーションソフト等を活用して作成し、2択問題として出題し、習熟を図る。(画像9、画像10)

【画像9】【画像10】

7.指導を終えて

 角の大きさについては、子どもたちに何度も動作化させたり、大型ディスプレイに視覚的に示したりしたことで、角の大きさは辺の長さに関係なく、辺の開き具合できまるということをおさえることができた。実際に、次の時間に、角度は、どの点に着目してその大きさを考えるのかを子どもたちは、すぐに示すことができた。(画像11)

【画像11】

 角度のはかり方については、子どもたちが実際に角度をはかっている間も大型ディスプレイに角度のはかり方の動画を流し続けるよう工夫した。(画像12)

【画像12】

 そのおかげで子どもたちは、その動画を見ながら手順を確認して、はかることができた。それでも、やはり内側の目盛りと外側の目盛りのどちらをよめばよいのかわからない児童もいた。そこで、手元に「角度のはかり方チェックリスト」(画像13)を用意して、さらに手順を確認しやすいようにしてもよいのではないかと思った。

【画像13】

 「まとめ」の場面で、内側をよむのか、外側をよむのかに絞ったフラッシュカードを活用したことで、分度器の操作が難しい子どもでも、目盛りのよみ方に焦点を当てて、考えることができたことがよかった。
 加えて、振り返りをOPPシートにかいたことにより、毎回の授業を子どもも教師も評価し、どこまで理解していて、どこが理解不十分なのか明確にわかり、それを次の授業に生かすことができたのもよかった(画像14、画像15、画像16)。今後、OPPシートをデジタル化していくことに挑戦していきたい。

【画像14】OPPシート①

【画像15】OPPシート②

【画像16】OPPシート③