速さ「速さを表そう」(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

速さ「速さを表そう」

2.本時の位置づけ

5/8時間

3.本時のねらい

 本時は、速さ(1時間あたりに進む道のり)と道のりがわかっていて、時間を求める問題場面を解決することを通して、速さも単位量あたりの大きさの考えで表したり比べたりできるという見方・考え方をより深めていくことをねらいとする。そこで大切となってくるのが数直線である。数直線に表現することで、問題場面の速さ、道のり、時間の関係を視覚的、構造的に明確にとらえさせたり、表現した数直線をもとにしながら、これまでとの共通点(速さ×時間=道のりなど、3つの数量の関係)や差異点(3つの数量の何が未知なのか、未知□の求め方)を考えさせたりしたい。また、本時の学び(速さと道のりをもとに、時間を求める)だけでなく、前時の学び(速さと時間をもとに道のりを求める)を含んだ2段階処理を必要とする問題にも挑戦させることを通して、学びの活用を図り、思考力・判断力を高めていきたい。

4.本時の評価基準

○数学的な考え方
 速さ、道のり、時間の関係を数直線で表すとともに、3つの数量の関係は、速さ×時間=道のりになっていることに着目したり、未知の時間の求め方を説明したりすることができる。
○知識・理解
 速さと道のりをもとに、時間の求め方をとらえることができる。

5.単元指導計画

学習活動及び内容

こみ具合等、数直線を用いながら単位量あたりの大きさで比べるという既習の学びをふり返る。

進んだ道のりとかかった時間をもとに、数直線を用いながら1分間あたりに進む道のりでソーラーカーの速さを比べ、速さも単位量辺りの大きさで比べられることをとらえる。

数直線を用いながら新幹線やキリンの速さを求め、時速や秒速、分速についてとらえる。

自動車の速さとかかった時間をもとに、数直線を用いながら進んだ道のりの求め方を考え、速さと時間、道のりの関係の見方を深める。


本時

自転車の速さと進んだ道のりをもとに、数直線を用いながらかかった時間の求め方を考え、速さと時間、道のりの関係の見方を深める。

数直線を使いながら速さ、道のり、時間を求める3つの問題を解決し、速さ=道のり÷時間、道のり=速さ×時間、時間=道のり÷速さの公式をつくりだす。

仕事の早さを数直線を用いながら求め、これまでの速さと同様に、単位量あたりの大きさで比べられることをとらえる。

これまでの学びを生かし、単位換算を必要とする速さの問題を数直線を用いながら解決する。

教科書の「たしかめぽいんと」や「じっくりチェック」「ぐっとチャレンジ」を通して、学習のまとめをする。

6.実践紹介

(1)導入(課題把握・解決の見通しの段階)
 まず、導入(課題把握・解決の見通し)の段階である。本時の問題場面①(時間を求める問題)を提示し、前の問題場面と変わったところを話し合わせた。 

【前時の問題場面】
 ある自動車がA地点を出発して、時速60㎞で走ります。2時間後にB地点、3時間後にC地点に到着しました。A地点からそれぞれの地点までの道のりを求めましょう。

san012_05

【本時の問題場面①】
 自転車に乗ってA地点を出発して、分速200mで走ります。A地点からB地点までは800m、C地点までは1500m、D地点までは1600mの道のりがあります。それぞれの地点まで何分かかりますか。

 すると、子どもたちは、「前の問題は、速さと時間がわかっていて道のりを求める問題だったけど、今日の問題は、速さと道のりがわかっていて時間を求める問題に変わっている。」というように、速さ、時間、道のりの3つの数量に着目し、問題の変化を取り出していった。また、問題の変化に伴って、求めるための数直線も、□の位置を変える必要があると予想することができた。これは、これまで、数直線の□の位置を意識させながら解決することを積み上げてきたことが有効に働いたものと考える。そこで、本時のめあてを設定した。

めあて
速さと道のりをもとに、到着までにかかる時間を数直線を使って求めよう。

(2)解決の実行の段階
 次に、展開(解決の実行)の段階である。子どもたちは、まず、問題①に対して自分の見通しをもとに数直線で3つの数量の関係を表現しながら自力解決を行った。ここでは資料1のように、それぞれの地点を1つ1つ数直線で表現し解決する姿と、資料2のように、3つの地点を1つの数直線にまとめて表現し解決する姿が見られた。

【資料1】それぞれの地点を別々に表現した数直線

【資料1】それぞれの地点を別々に表現した数直線

【資料2】3つの地点をまとめて表現した数直線

【資料2】3つの地点をまとめて表現した数直線

 自力解決の後、2人組で自分の解決の過程を説明し合わせた。2人組で行ったのは、一人一人に確実に説明する場を設定し自分の考えを自覚させるためである。そして、全体の場で確認し合い、解決の過程の共有化を図った。その際、1つにまとめた数直線を示し、「なぜこのように1つの数直線にまとめられるのですか。」と子どもたちを揺さぶった。そうすることで、1分間に対する道のりが全て同じであることを確認し、それらを1つにまとめるよさをとらえさせたのである。
 その後、子どもたちに、問題を解決してみて気づいたことを話し合わせた。子どもたちは、「これまでと同じように、数直線で求められた。」「速さが同じだから1つの数直線でまとめて表すことができた。」「数直線でもわかるように、全て200(速さ)×□(時間)=道のりの関係になっている。」「□(時間)を求める式はわり算になっている。」など、数直線と結びつけながら3つの数量の関係に着目し、時間の求め方を一般化していった。このように一般化することができたのは、A地点まで、B地点まで、C地点までと時間を求める処理過程が3つ含まれた問題を提示したことが有効に働いたと考える。
 更に、追加事象として下の問題場面②を提示した。

【本時の問題場面②】
時速72㎞で走る自動車で、5時間かかる道のりがあります。その道のりを時速90㎞で走る電車では、何時間かかりますか。

 これは、単なる時間を求める問題ではなく、本時問題①のように時間を求める前に、前時の道のりを求める処理が必要となってくる2段階処理の問題である。つまり、前時と本時に獲得した見方・考え方を発揮させるものである。

【図1】問題②の関係を表現した数直線

【図1】問題②の関係を表現した数直線

 自力解決をする前に、全体を数直線に表現すると、図1のように、未知の□が2つになることを確認した。子どもたちは、はじめ、□が2つあることに戸惑っている様子だった。そこで、「どちらかの□は先に求められませんか。」と尋ねると、子どもたちは、順番に求めればよいことに気づき、それぞれ自力解決をしていった。

【資料3】問題②を解決した数直線

【資料3】問題②を解決した数直線

 右は、子どもが解決したものである。
 まず、上の数直線のように、自動車の速さとかかった時間をもとにして道のりの□を求めた。次に、下の数直線のように、求めた道のりと電車の速さをもとにしてかかった時間の□を求めた。このように、前時と本時に獲得した考えを使いこなしながら、2段階処理を必要とする問題を解決することができた。ただし、これは、時間の関係もあり、全員が解決するまでには至らなかった。

(3)解決の整理の段階
 最後に終末(解決の整理)の段階である。ここでは、今日の学習を通した気づきを自分なりに整理させ、それらを出し合わせることで、本時の学習を以下のようにまとめていった。

まとめ
・時間を求める問題でも、これまでと同じように数直線を使って考えると速さや道のり、時間の関係がはっきりし、求めることができた。
・速さが同じであれば、道のりがいろいろあっても1つの数直線でまとめて表すことができた。
・いろいろな道のりにかかる時間を求める問題では、どれも速さの□倍が道のりという関係になっている。だから、時間の□はわり算で求めるようになった。

計算のきまりを調べよう「式と計算」(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「計算のきまりを調べよう『式と計算』」

2.本時の位置づけ

9/9時間

3.本時のねらい

 本時は,20このクッキーの代金を1種類,2種類,3種類のねだんの違うクッキーの組み合わせで考えて,答えが4000円になる1つの式にする方法を調べる。この学習では、子ども達が自分なりの見通しと根拠をもって活動することを目指す。そのために、モデルの図と条件を確認しながら自分の考えをつくっていく。具体的には①縦に5こ横に4このクッキーがはいっている箱②1列に入るクッキーの種類は,同じもの③20こ入りのクッキーの値段は、3000円④値段の違うクッキーを2種類入れる。という4つの条件を確認しながら、商品を考えていくことである。このとき子ども達は「クッキーを2種類にし10個ずつ同じクッキーにしたらよい。1つのクッキーの値段は,もし300円のものにしたら,代金は10こで3000円になるから,残り1000円を10個でわるのだから,代金は,100円になる。だから式は,100×10+300×10になる」などの根拠をもって活動することができるようになると考える。

4.本時の評価規準

観点

学習活動及び内容

数学的な考え方

 1つの式にしたときの計算回数の違いについて気付き,問題場面にある課題を簡潔・明瞭・的確の観点から考えることができる。

技能

 四則混合の計算式の計算回数に目を向け,図と式を結び付けて説明することができる。

5.本単元の指導計画

学習活動及び内容

具体的な買い物場面から問題をつくる。

2段階構造の問題[加減]を1つの式に表す方法を考える。
例 500-(150+80) ※( )のある式の計算順序をまとめる。

2段階構造の問題[加減乗除]を1つの式に表す方法を考える。
例 120×(5+3)

加減と乗除の2段階構造の問題を1つの式に表し,計算順序を考える。
例 500-(120×3),85+(600÷2)

四則混合の3段階構造の式の計算順序を考える。  
例 8×6-4÷2

整数の加減,乗法について分配法則・交換法則・結合法則が成り立つことを確かめる。

小数についても加法の交換法則・結合法則が成り立つことを確かめる。

加減,乗除の相互関係を考える。

整数の結合法則、分配法則を活用して条件にあったお菓子の詰め合わせを考える。

6.実践紹介

 条件に合ったお菓子の詰め合わせ商品を,個数,お菓子の種類と配列そしてそれぞれの値段に気を付けて開発することをねらいとしている。そのために,菓子折の観察,お菓子の配列の確認,菓子折づくりの場の設定を行った。具体的には、3種類のお菓子で4000円になる詰め合わせを、お菓子の値段や個数などの条件に気を付けて,1つの式に表して簡単に調べることができる方法を見付けていくことである。

【導入段階】
san011_011 まず導入段階では,20こで4000円になるクッキーの組み合わせを調べた。4000円でどのようなお菓子をどのモデルの形で詰め合わせるかを考え、一箱に入っているクッキーの数が20個であることを確認した。子ども達は、クッキー1個の値段が3000÷20で1個150円になることを確認した。そして条件が、一箱の値段が4000円に変わったとき,クッキーの値段は1種類のときには,200円になることを確認した。これを根拠として2種類,3種類の詰め合わせを考えるという見通しをもたせた。ここでの条件は、1列には、同じ商品が入らないといけないことであった。

【展開段階前半】
san011_021 次に展開段階では自分なりの見通しと根拠をもって活動した。A児は、「たてに5このクッキーが入っていて横に4このまんじゅうが入っている。列に入るクッキーの種類は,同じものなのでクッキーを2種類にし10個ずつ同じまんじゅうにしたらよいのではと考えながら、図に数値を入れながら、どのような詰め合わせがあるかを考えていった。A児が考えたのは、上に示した3つの考えである。もし300円のものにしたら,代金は10こで3000円になるから,残り1000円になるとして、2種類の商品の考えをつくっていっていることが分かる。これを基に、3種類の詰め合わせを考えている。また、何度も消しながら自分の考えをつくり直していることも分かる。条件に合うものを探すために、1つ1つに数を入れながら考えをつくっていった結果であると考える。

【展開段階後半】
san011_031 ここでは、どのようにしてお菓子の詰め合わせを考えたかを、図と式を結び付けて考えていった。まずどの考えも4000円になるお菓子の詰め合わせであることを確認し、出し合った考えを仲間分けしていった。仲間分けするときには、図を基にして縦に考えていったのか、横に考えていったのか確かめていった。その後,横の組み合わせを考えていく方が、縦に入れて考える方法よりも簡単ということを話し合いで見付けていった。これは、交流の時に,図をもとに早くできるものを考え直し,「B君が行ったように、よこの組み合わせを考えれば、縦に5個入っているのだから5倍すればいい。だから、横の組み合わせが、800円になるように考えれば簡単」という言葉に表れている。図でその箇所を示しながら自分の考えを柔軟に変えている姿に表れている。

【終末段階前半
san011_041 終末段階では、縦に入れて考えた方が簡単なのか、それとも横に入れた方が簡単なのかを追事象を基に考えるようにした。これが右に示すものである。
 A児は、縦に詰めて考えるものを2つ、横に詰めて考えるものを1つつくった。このように繰り返し、自分で考えるうちに、縦で考えるよりも横で考える方が簡単であることに気付いていったと考える。それは、一番最後に横の考えで行っていることや後ほど示す資料でのA児の発言から伺える。

【終末段階後半】
 下に示すのは、B児が発表した後のC児そしてA児の応答である。

san011_051 4種類のお菓子が入っていますね。さて縦に詰めたのと横に詰めた考えでは、どっちが簡単に早く商品を作り出すことができますか?
B児 横の見方が早いと思います。×10とかしなくても5000÷5とかをして,1000円の組み合わせを考えればできるから。
C児 B君が言ったように5000÷5をしたら,この列が1000円だから,1000円になる商品の組み合わせを考えれば早くできると思います。(横の列を示しながら説明している)
A児 自分も縦に入れる方法と横に入れる方法で考えたけど、どんな種類を入れればいいか考えるのが簡単なのは、横に入れていくものでした。横の列に入れることに納得しました。

 子ども達は、考えられる商品をすべて作り出すことができた。子ども達がつくり出したのは、「5000円の商品の種類」は,「(150+150+300+400)×5=5000」「(100+200+350+350)×5=5000」の式になる3種類のお菓子からなるものと「(100+200+300+400)×5=5000」となる4種類からなる商品である。これはただ単に当てはめて考えていく縦に詰める方法ではなく、まず1000円になる組み合わせを考えてから横に詰めていく方法を検討したから早く何度も書き直すことなく簡単につくり出した姿であると考える。
 以上のようにして、子ども達は、( )を使って計算していくことのよさを図と結び付けながら考えていった。

筆算のしかたをさらに考えよう(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

筆算のしかたをさらに考えよう(2年上P.87~105)

2.目 標

(1)十進位取り記数法のしくみをもとに,加法や減法の計算や筆算の仕方を考えることができる。
(2)(2,3位数)+(1,2位数)=(3位数),(3位数)-(1,2位数)=(2,3位数)の計算ができる。

3.評価規準

「関心・意欲・態度」
身の回りの生活から加法や減法の用いられる場面を見つけ,活用とする。

「数学的な考え方」
既習の加法・減法の考え方を生かし,(2,3位数)+(1,2位数)=(3位数),(3位数)-(1,2位数)=(2,3位数)の計算の仕方を考えることができる。

「技能」
(2,3位数)±(2位数)=(3位数)の計算や筆算の仕方を絵図で表し,正しく処理することができる。

「知識・理解」
(2,3位数)±(2位数)=(3位数)の計算や筆算の仕方も,同じ位同士で考えることや繰り上がり・繰り下がりがあることを理解することができる。

4.本単元の指導にあたって

①教材について
 算数科は,学習の系統性が特に強い。そのため,学習指導を1つの単元や1単位時間だけで仕組んでも内容の系統性を捉えにくく,よりよい理解にならないと考える。本単元は,百の位に繰り上がるたし算と百の位から繰り下がるひき算の学習である。そこで,これまでのたし算・ひき算の学習とつなぐことを大切にする。

②学習過程について
 1単位時間に「数量の関係などを的確にとらえ,場面の変化をつかむ把握の場」「これまでの処理を生かし,変化した場面を処理する解決の場」「これまでの変化をまとめる整理の場」の3つの場を設定する。そして,それぞれの場に「テープ図や位取り表で表す絵図化の活動」と「気づいたことを交流し,まとめる活動」を位置づける。

③児童の実態
 絵図化・言葉化の実態調査や1学期に学習した十の位から一の位に繰り下がるひき算の学習ノートを分析した。子どもたちは「絵図化」や「言葉化」することのよさを感じていることが分かった。子どもたちは本時の気付きを理解することはできるが,学習のつながりをとらえていないことが分かった。

5.単元の指導計画

学習活動及び内容

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

(2位数)±(2位数)の計算に興味を持ち,問題をつくることができる。

挿絵をみて,既習の(2位数)±(2位数)の計算をふり返る。

・(2位数)±(2位数)の計算に興味を持ち,問題づくりに取り組んでいる。【関】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して十の位が繰り上がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

十の位が繰り上がる(2位数)+(2位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,十の位が繰り上がる(2位数)+(2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して一・十の位が繰り上がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

一の位も十の位も繰り上がる(2位数)+(2位数)=(3位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,一の位と十の位が繰り上がる(2位数)+(2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百の位に波及的に繰り上がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

十の位に繰り上がることで,百の位に波及的に繰り上がる(2位数)+(1,2位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,百の位に波及的に繰り上がる(2位数)+(1,2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百の位が繰り下がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

百の位が繰り下がる(3位数)-(2位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに百の位が繰り下がる(3位数)-(2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】


本時

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百・十の位が繰り下がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

百の位と十の位が繰り下がる(3位数)-(2位数)=(2位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,十の位と百の位が繰り下がる(3位数)-(2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百の位が波及的に繰り下がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

十の位が繰り下がることで,百の位が波及的に繰り下がる(3位数)-(2位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,百の位が波及的に繰り下がる(3位数)-(2位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百の位が波及的に繰り下がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

十の位が繰り下がることで百の位が波及的に繰り下がる(3位数)-(1位数)の計算や筆算の仕方を筆算図で考える。

・既習をもとに,百の位が波及的に繰り下がる(3位数)-(1位数)の計算や筆算の仕方を考えている。【考】

(3位数)±(1,2位数)の筆算による仕方を考え,正しく処理できるようにする。

(3位数)±(1,2位数)の筆算による仕方を考える。

・(3位数)±(1,2位数)の計算が筆算でできる。【技】

10

(3位数)±(1,2位数)の適用問題を正しく処理できるようにする。

(3位数)±(1,2位数)の適用問題を解決する。

・(3位数)±(1,2位数)の適用問題を解決することができる。【考】

6.本時の学習(第6時/全10時)

①目標
 筆算図を使いながら,位の大きさに着目して百・十の位が繰り下がる計算や筆算の仕方を考え,これまでとの変化を説明することができる。

②学習展開

 

主な学習活動

指導の工夫と教師の支援

資料




問題場面を提示し,本時の学習で必要な図について話し合う。

問題場面の状況が変化したことをとらえさせ,テープ図が必要ないことを理解できるようにする。






もんだい
142-58のひっ算のしかたを考えましょう。

T :(問題を提示した後)これまでと変わったことは何ですか。
C1:今までは「のこりは何個ですか」という問題だったけど,今日は「筆算の仕方を考えましょう」という問題になっています。
T :そうですね。今日はテープ図が必要ですか。
C2:今まではひき算かどうか調べるためにテープ図が必要だったけど,今日は筆算の仕方を考えるから,テープ図はいらないね。
C3:今日は筆算図が必要だね。
C4:今日は始めから百の位があるから,今日も百の位まである筆算図がいるね。
T :(百の位まである筆算図を配付し,筆算図で場面を表した後)これまでと計算の仕方が変わりそうだけど,分かるかな。
C5:(筆算図を指し示し)一の位も繰り下がりそう。
C6:(筆算図を指し示し)繰り下がりが2回ありそう。

めあて
ひっ算図をつかって,これまでとかわったところを見つけよう。




142-58の計算の仕方を筆算図で絵図化し,考えをつくる。

142-58の筆算の仕方を百の位がある筆算図で表現させ,2回ある繰り下がりをとらえることができるようにする。

本時の筆算図
san010_01

san010_04

前時までの筆算図
十の位が繰り下がる
san010_02

百の位が繰り下がる
san010_03

筆算図で考えをつくった後,これまでとの計算の仕方から変化した点について,話し合う。


T :これまでの計算の仕方と変わったことは 何ですか。隣の人と話し合いましょう。
C7:(筆算図を指し示し)今までは,十の位だけや百の位だけたりなくてひけなかったけど,今日は,十の位も百の位もたりなくてひけないね。
C8:今までは繰り下がりが1回だけだったけど,今日は繰り下がりが2回あるね。




子どもが本時の活動や学習してきたことで生まれた気づきをもとに自分の言葉で学習をまとめる。

本時までのたし算やひき算についてふり返らせ,これまでのことをもとにまとめることができるようにする。


まとめ
・今までのはくり下がり1回しかなかったけど,今日はくり下がりが2回ある。
・たし算でもひき算でも,くり下がりやくり上がりが2つあるけい算もある。
・百の位からも十の位からもくり下がった。

10より おおきい かず(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「10より おおきい かず」

2.目 標

○10をまとまりにして数えるよさを知り、身の回りの事象の個数を進んでとらえようとする。
○ブロック操作から図表現への活動を通して、20までの数を「10といくつ」という数の見方ができる。
○20までの数の構成(合成・分解)について理解し、数をよんだり、かいたりすることができる。
○20までの数を数の線上に表す活動を通して、大小、順序、系列を理解するとともに、そのよさを感じることができる。

3.評価規準

「関心・意欲・態度」
・身のまわりのものを10のまとまりと端数で数えたり、数を用いて表したりしようとしている。

「数学的な考え方」
・20までの数を「10といくつ」という数の見方でとらえている。

「技能」
・20までの個数を正しく数えたり、数字で表したりすることができる。
・繰り上がりのない(2位数)+(1位数)や繰り下がりのない(2位数)-(1位数)の計算ができる。

「知識・理解」
・20までの数のよみ方、かき方、大小、順序、系列を理解している。

4.本単元の指導にあたって

①教材について
 本単元では、10までの数についての理解に基づいて、20までの数の概念を形成することをねらっている。そして、「10といくつ」といった加法的な構成を加味して、数範囲を100まで拡張するための橋渡しとしている。

②学習過程について
 本単元の指導は、数を10のまとまりと10に満たない端数がいくつととらえる活動を通して、十進位取り記数法の素地的な扱いを、具体物(場面事象・挿絵)→半具体物(ブロック)→数図(○図)→数詞・数字と段階を追って理解するようにしている。数の構成(合成・分解)においても、「10といくつ」の見方を定着させることに重きを置き、ブロックによる算数的活動を中心に行うようにする。また、数の線を使って、数の大小、順序及び数の大きさをとらえさせ、数の概念の理解を深めていく。

③児童の実態
 子どもたちは,これまで「10までの かず」の構成を、具体物(ブロック・おはじき・数え棒など)と数詞を対応させ、意欲的に学習してきている。特に、授業の中で算数的活動を取り入れ、ブロックやおはじきなどの半具体物を用いながら,数える体験を繰り返し積み上げてきた。また、数にかかわる活動を通して、ものの個数・相等・多少などについて理解を深めてきた。

5.単元の指導計画

学習活動及び内容

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

20までのものの個数を既習の操作を生かして10のまとまりをつくり、10といくつという見方で考えて、16や12などの数のよみ方がわかる。

○挿絵にブロックを1対1対応させて数を調べる。
○10のまとまりを線で囲んだりブロックを並べ替えたりする。
○16、12のよみ方を知り、数字をかく。

・身のまわりのものを10のまとまりを線囲みやブロックでつくって数えようとしている。【関】

前時の10といくつのブロック操作を生かして、20までのものの個数を順序よく並べ、端数が1つずつ増えることに気づき、その数のよみ方とかき方がわかる。

○前時を想起して挿絵にブロックを置いて10といくつで表す。 
○10といくつをブロックから○図に置き換えてノートに表す。
○10から20までの数を順番によみながら、数字をかく。

・20までの数をすべてブロックや○図に表し、10といくつという見方でとらえている。【考】


本時

2や5のまとまりの挿絵から、その個数を2ずつ、5ずつにまとめて数えることができて、正しくよんだり、かいたりできる。

○挿絵から10のまとまりをつくったり、生かしたりして数える。
○2や5のまとまりを使って、2とびや5とびで数える。
○20まで順序よく数えて数の線をつくり2や5とびでも数える。

・2ずつ、5ずつにまとめて数えることができ、「じゅういくつ」と表現することができる。【技】

前時までのブロック操作を想起して、「10といくつ」という見方で合成・分解ができる。

○数カードの数だけブロックを10といくつで並べる。
○数カードで10といくつの合成と分解を表し、ノートにかく。

・20までの数を、10のまとまりと端数に分け2数の和で理解している。【知】

20までの数カードや数の線を使って、順序よく並べたり数の線をかいたりし、系列の中の位置が分かる。

○数カードを小さい順に並べたり数の線をつくったりする。
○大小の順や2・5とびに並んだ数の間の数を数の線で考える。

・数の順序や数系列をもとに、抜けている数の見つけ方を数直線で考えている。【考】

20までの数カードの大小の判断を、ブロックや数の線に置き換えて大小の理由を説明することできる。

○数カードを使って、大小の判断をブロックを使って考える。
○数の大きさ比べのカードゲームをして、結果をノートにかく。

・端数の大小で比べる方法を、ブロックや数カードで考えている。【考】

ブロックや○図を使って数の構成に着目して、10といくつの加法や減法の計算の仕方を考える。

○加法や減法の計算の仕方を合成・分解のブロック操作で考える。
○ブロック操作・10と6で16の言葉・式の可逆的に活動する。

・数の合成・分解に着目して10といくつの加法や減法の計算を考えている。【考】

繰り上がりや繰り下がりののない(2位数)±(1位数)の計算ができる。

○場面を既習のブロック操作におきかえ、たし算とひき算の判断をして、式へとつないで計算する。

・(2位数)±(1位数)の計算の仕方を理解している。【知】

6.本時の学習(第3時/全8時)

①目標
○2や5のまとまりの挿絵から、その個数を2ずつ、5ずつにまとめて数えることができて、正しくよんだり、かいたりできる。
○数直線をかいたりよんだりして、数直線上の数の系列(大きい順と小さい順、1ずつ・2ずつ・5ずつ増える)がわかる。

②学習展開

【導 入】
1.既習の10のまとまりといくつを生かし、挿絵の具体物を数え、数字に表す。

san009_01

【資料1】導入の子どものノート

(1)10のまとまりのちがいを意識して数える。
 子ども達は、10のまとまりがない挿絵と10のまとまりができている挿絵を数え、○図に表した。
<数えて数字に表す活動の内容>…【資料1】
 10のまとまりがないときは、線で囲んで10のまとまりをつくって数え、○図に表した。
 10のまとまりができているときは、10と端数だけを数え、○図に10のまとまりをわかるようにして表した。
 10のまとまりがない事象とできている事象を比べ、数えるときの10のまとまりのよさについて話し合った。
<ペア・全体の話し合いでの子どもの反応>
 キャンディーは、10のまとまりをつくって数えた。でも、折り紙やクレヨンは、10のまとまりがあったので、ばらだけを数えればよかった。
 10のまとまりがあると、早く簡単に数えられた。(わかりやすい。見ただけでわかる。他)

【写真1】2ずつ・5ずつの挿絵の提示

【写真1】2ずつ・5ずつの挿絵の提示

(2)2ずつ・5ずつのまとまりの場面の挿絵を提示し、めあてをつくる。
 ケーキやおにぎりの2ずつのまとまりになっている挿絵と子どもやりんごの5ずつのまとまりになっている挿絵を提示した。そして、これまで数えた場面とのちがいを考えさせ、めあてをつくった。

めあて
2ずつや5ずつでかぞえて、10のまとまりといくつでかんがえよう。

【展 開】
2.2とびや5とびの数え方を知る。

san009_03

【写真2】2・5ずつで数え表した様子

(1)2とびや5とびの数え方を話し合い、挿絵の具体物を2とびや5とびで数える。
<数え方についての子どもの反応>
 ケーキは2こずつ入っていて、おにぎりは2こずつお皿にのっているから「2、4、6、8、10」で数えられる。
 子ども達は5人ずつ手をつないで、りんごは5こずつかごにのっているから「5、10、15」と数えられる。

san009_04

【資料2】2ずつ数えてノート

san009_05

【資料3】5ずつ数えたノート

 そこで、子ども達は、挿絵に「2、4、6、8、10」と数をかいて、10のまとまりをつくり○図に置き換えて表した。
 子どもの中には、「2、4、6、8、10」を繰り返す子どもが多かった。数名は、「2、4、6、8、10、12、16、18、20」と数える子どもも見られた。そこで、2ずつや5ずつで20まで数えるための【資料4】の挿絵を提示した。

(2)20までの数の線を使って、2ずつや5ずつで繰り返し数えて数の系列を考える。
 まず、ブロック等の動く具体物を使って、指で動かしながら2ずつ数える活動を行った。【写真3】
 次に、【資料4】の数の線の挿絵を提示し、□にあてはまる数字をかいた。2とびや5とびの数字に○で囲んだり、「2とび」や「2ずつ」の言葉を書き込んでいった。

san009_06

【写真3】数の線で数える様子

san009_07

【資料4】

【終 末】
3.2ずつや5ずつで数えられる場を教室の中で考えさせてまとめる。

san009_08

【写真4】2ずつや5ずつの事象を示す様子

 子ども達は、【写真4】のように、開示物を縦に2ずつや横に5ずつで見て数えることを発表できた。

まとめ
・2ずつや5ずつのまとまりをつかえば、わかりやすく、はやくかぞえられる。
・2とびや5とびのかぞえかたは、20までつづけてかぞえるとべんり。

6.実践のまとめ

 具体物(場面事象・挿絵)→半具体 物(ブロック)→数図(○図)→数詞・数字をつなぐ活動が、2とびや5とびの数え方や20までの系列を理解を深めた。
 子ども達の挿絵やブロック操作からの気づきを意識させるために、ペアや全体で自分の言葉で表現したことや各自がノートに書き込ませたことは、自分なりの納得した分かり方につながった。

「重なる形と図形の角を調べよう」 図形の角と合同(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「重なる形と図形の角を調べよう」 図形の角と合同

2.本時の位置づけ

第11時(全15時間)

3.本時のねらい

 本時は、どんな四角形も一つの頂点から向かい合う頂点に向かってのばした直線(対角線)で2つの三角形に分けることができ、180°×2で、四角形の内角の和が360°になることが理解できるようにすることをねらう。図形を三角形に分割してみる見方はその後の多角形の角の大きさの和を求める学習で活用される見方であり、全員の子どもに、確実に身につけさせたい。そこで、本時のしる、わかる段階はスモールステップで指導を行いエラーレスで学習を展開し、使いこなす段階で全員が交流に参加しながら考えさせ、知識を確実なものにしていく習得の授業スタイルで展開する。まず「しる段階」では、4つの角の大きさがわかっている長方形や正方形を提示し、内角の和が90×4で360°である事を確認した後、不定形の四角形を提示することで、課題意識を持たせ、めあてをつかませる。「わかる段階」では、4つの角を色分けし、切る、動かすという操作が可能な図形カードを用いて教師と一緒に四角形の内角の和の求める方法を話し合い、2つの三角形に分けて考える方法で三角形の内角の和が求められ、提示された四角形の角の大きさの和が360°といえる事を確認し、見通しを持たせる。さらに、別の四角形を提示し、どんな四角形でも2つの三角形に分割して考える方法で内角の和が360°であることを説明できるか問いかけ、多様な四角形の内角の和を、2つの三角形に分割する方法で求めさせる。「つかいこなす段階」では、どんな四角形でも内角の和が360°になることを確認した後、4つの三角形に分割した四角形を追事象として提示し、内角の和は180°×4で720°になる。この分け方では三角形の角の大きさの和は求められないのかという視点で交流させ、四角形の内角の和として必要な部分と必要ない部分をより明確にし、四角形の内角の和が360度であるという知識理解を強化できるようにする。

4.本時の評価規準

○知識・理解
 どんな四角形も、対角線で2つの三角形に分けることができ、三角形の内角の和が180°であることを使って、180°×2で四角形の内角の和が360°であると求められることを理解している。

5.単元の指導計画

主な学習内容と活動(※主な算数的活動)

スタイル

○パズルで形を構成する活動や薄い紙に写して重ねる活動、身のまわりの合同な図形を見つける活動。

習得

○合同な図形で対応する頂点、辺、角を見つけ、合同な図形では対応する辺の長さや対応する角の大きさが等しいことを理解する。
※薄い紙に写して重ねる活動。

習得

○台形、長方形、ひし形、平行四辺形を分割してできた三角形について合同の考え方を適応して調べ、合同な三角形を見つける。
※図形を薄い紙に写し取り、対角線で切り、重ねて、合同であることを重ねて確かめ、説明する活動。

習得


○合同な三角形のかき方を理解し、作図し、作図の仕方を説明することができる。
※底辺をきめ、頂点Aをきめるためにどの辺の長さやどの角の大きさが分かればいいかを話し合う活動。できた三角形が合同な三角形であることを、重ねて確認する活動。

習得


○合同な四角形の作図をする。
※対角線を引いて三角形をつくり、他の頂点の決め方を説明する活動。

習得・活用

○三角形や四角形が敷き詰められた模様を観察したり、三角形を敷き詰めたりする活動。

習得

○三角形の内角の和が180°であることを理解する。
※合同な図形を敷き詰めたもようを観察したり、3つの角を集めたりする活動。

習得

10

○三角形の内角の和が180°であることを使って未知の角の大きさを求める事ができる。
※三角形の内角の和が180°であることを根拠に未知の角の大きさの求め方を説明する活動。

習得

11
本時

○四角形の内角の和が360°であることを理解する。
※四角形の内角の和の求め方を三角形の内角の和の求め方を根拠にして説明する活動。

習得

12

○多角形の用語、意味を理解し、多角形を三角形に分割して内角の和を求める。   
※三角形の内角の和が180°であることを根拠にして、多角形の内角の和の求め方を説明する活動。

活用

13

○三角形や四角形の角の大きさの和を使って未知の角の大きさを求める問題を解く。

活用

14

○いろいろな平面図形を敷き詰めて模様づくりをする。

活用

15

○練習問題をして,学習の定着を図る。


6.実践紹介

(1) 本時展開【習得の授業スタイル】


学習活動

具体的な手立て


1.長方形や正方形と不定形の四角形Aを比較して話し合い、めあてをつかむ。

san008_01

・正方形は4つの角が90°。90°×4で360°
・どんな四角形も360°じゃないかな。
・四角形を三角形に分けて考えるとできそう。

○事実として4つの角度が分かっている四角形と角度が分からない四角形Aを提示し、どんな四角形も内角の和が360°であるといえるか問いかける。

四角形の4つの角の大きさの和が何度になるか調べて説明できるようになろう。



2.四角形の内角の和を調べる。
○1本の対角線で分け、角の大きさの和を求める方法を話し合う。

san008_02

○2分割された四角形と分割前の四角形を並べて提示し、三角形の内角の和が180度であることを確認した後,これを使って四角形の内角の和が何度か求められないか問いかける。子どもと対話しながら四角形の角の大きさの和が2つの三角形の角の大きさの和と同じになることを図形カードを使っておさえ、代表児の説明を板書することで説明のモデルをつくる。

san008_03○360°になっていることを4つの角を移動させ確認する。

○掲示用のカードを分割し、角を寄せて提示し、360°になることを視覚的に確認する。

○自分で作った四角形を1本の対角線で分け角の大きさの和を調べる。
・どの四角形でも角の大きさの和が360°であることが説明できるかな。

san008_04

○どんな四角形でも角の大きさの和が360度であると説明できるか問いかけ、自分で四角形を作り、角の大きさの和を求めるよう指示する。






3.いろいろな四角形の角の大きさの和の求め方を話し合う。
○自分が調べた四角形の角の大きさの和が何度になったかを説明する。(確認)
・どんな四角形でも、2つの三角形に分けられ、角の大きさの和は180×2で360°になる。

san008_05

○グループで自分が調べた四角形を使って説明し合うよう指示し、グループで説明しあった後、代表児1名の四角形の説明をもとに、どんな四角形の内角の和も360°である事を押さえる。

○4つの三角形に分けた四角形でも角の大きさの和が360°であることが説明できないか話し合う。(強化)

san008_06

・真ん中のいらないところがあるから、720°から360°をひかないといけない。720-360=360
・この方法でも四角形の4つの角の大きさの和が360°と求められる。
san008_07・3つの三角形に分けた四角形の角の大きさの和も説明できそう。

○2本の直線で4分割された四角形や3つの三角形に分割された四角形を追事象として提示し、この分け方では四角形の内角の和の認め方が説明できないか問いかける。




4.本時学習を振り返り、まとめる。

○四角形の内角の和が何度といえるか、それは何を使って説明できたかを振り返る。

四角形の角の大きさの和は360°である。四角形を三角形に分けて考え、三角形の角の大きさの和が180°である事を使って説明できる。

(2) 指導の実際(わかる段階・つかいこなす段階を中心に)

①わかる段階

【ステップ1】…見通しをもつ
 教師が提示した図形カードを用いて教師と子どもで対話しながら三角形に分け、2つの三角形がそれぞれ180度であることまで確認し、三角形の角の大きさの和と四角形の角の大きさを結びつける所に絞って子どもたちに考えさせた。はじめは見通しがもてなかった子どもたちも、友達の説明と三角形のカード操作を通して、2つの三角形を合わせると四角形の角の大きさと同じになることをとらえることができた。

san008_08

【ステップ2】…適用する
 ステップ2は、どの四角形でも、角の大きさが360度になることを説明できるかという課題を与えた。子どもたちは2つの三角形に分割して考える方法を使うといいという見通しを持ち課題解決に取り組んだ。解決の見通しがもてず戸惑っている子どもには、ステップ1の代表児の説明を板書したモデル文を見るよう助言すると、すぐに課題解決を始めることができた。モデル文は子どもの自力解決の支援として有効に働いたと考える。

san008_09

【ステップ3】…習熟する
 自分でつくったオリジナルの四角形の内角の和を求めるよう指示をしたことで、子ども達は様々な形の四角形に2つの三角形に分割して内角の和を求める見方を適用して課題解決を行っていった。この段階で、全員の子どもがモデル文なしで課題解決を進めることができていた。

san008_10

②使いこなす段階

san008_11

san008_12

san008_13

 使いこなす段階では、まずステップ1でグループでの発表や代表児童の説明をする場を設定し、どんな四角形でも内角の和が360°になる事を確認した。つぎにステップ2として追事象の四角形を4つの三角形に分けた図形カードを提示した。この分け方では4つの三角形の角の大きさの和が180°×4=720°になる。本時では「どこがおかしいのか」という課題の与え方をしたが、「これも三角形に分けているが、この分け方では四角形の角の大きさの和は求められないか」という視点で交流させた方が良かったのではないかと考える。
 子どもたちは図形カードを指しながら、四角形の角の大きさと関係がない角の大きさが含まれていることを見つけ、交流を進める中で、720°から、四角形の角には含まれない余分な角の大きさを取りのぞくことで、四角形の角の大きさの和が見つけられることを見出していった。さらに、3つの三角形に分割した四角形も、32名中29名が助言なしで自力で正しく説明をすることができていた。また、次の時間の12/15時の多角形の角の大きさの和を求める際も、全員の子供が戸惑うことなく三角形に分割して多角形の角の大きさの和を効率よく求めることができ、1単位時間内にn角形の角の大きさの和が(n-2)×180で求められるという規則性まで導き出すことができた。これらのことから、本時の習得の授業スタイルでの展開で、子どもたちは本時の学習内容を確実に理解し習得することができたと考える。

(3) 子どもの学習ノート

①11/15本時の学習ノート

san008_141

②12/15時の学習ノート

san008_15

図形の面積:面積の求め方を考えよう(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「図形の面積:面積の求め方を考えよう」

2.本時の位置づけ

本時 第10時/全14時間

3.本時のねらい

 本単元は、図形を分解したり合成したりする具体的な操作(等積変形や倍積変形)を通して,平行四辺形、三角形、台形、ひし形の面積の求め方を考え、それらの公式をつくるとともに、その公式を用いて面積を求めることができるようにすることがねらいである。
 台形の面積を求める時間としては、前時と本時の2時間を使う。前時では、台形を等積変形や倍積変形して平行四辺形や三角形に帰着させ、面積を求めていく。本時では、前時の中から平行四辺形を用いた倍積変形の考え方をもとにして、どの部分の長さが必要なのかを明確にしながら公式を導くことが大切である。
 この2時間では、既習の考えや経験をもとに台形の面積の求め方を考えたり,公式をつくったりする過程を重視したりすることで、自らの力で新しい公式を導き出せるんだということを体験させたい。このことを通して、その後に学習するひし形や一般四角形、不定形の面積、また、円の面積など、新しい図形に出会っても既習の図形の求積方法を基にして自分の力で解決できるのではないかという意欲につながると考えられる。

4.本時の評価規準

○数学的な考え方
平行四辺形を用いた倍積台形をもとにして、面積を求めるために必要な長さはどこになるのかを考え、公式をつくる。
○知識・理解
台形の求積公式の意味が分かる。

5.単元の指導計画

主な学習内容

○花壇など身の回りのいろいろな形の面積が求められるかを考える。

○平行四辺形の面積の求め方を考える。

○平行四辺形の面積を求める公式をつくる。

○高さが外側にある平行四辺形の面積を求める。
○平行四辺形の面積と,底辺と高さの関係について考える。

○三角形の面積の求め方を考える。

○三角形の面積を求める公式をつくる。

○高さが外側にある三角形の面積を求める。

○三角形の面積と,底辺と高さの関係について考える。

○台形の面積の求め方を考える。

10
本時

○平行四辺形を用いた倍積変形の方法をもとに、台形の面積を求める公式をつくる。

11

○ひし形の面積の求め方を考える。
○ひし形の面積を求める公式をつくる。

12

○一般四角形の面積の求め方を考える。

13

○方眼を使って不定形の面積を求める。

14

○練習問題や発展問題をして、学習の定着をはかる。

6.実践紹介

(1) 前時の指導
 前時は、図のような問題場面から、台形の面積の求め方を図や式を使って説明できることがねらいとなる。このとき、1つの式でまとめて記述するという視点が必要である。これは、本時に公式へと導く際に重要な指導である。すべての考え方の式を1つにできなくても、特に、下図「イ」の平行四辺形を用いた倍積変形の考え方の式は、必ず1つの式で表すようにしておきたい。

san007_01

(2) 本時の指導

学習活動

指導のポイント

1.台形の面積を求める公式を考えるという学習課題に気づく

(1)本時の学習課題を気づく。

・前時の終末に児童に伝えたように、本時は「台形の面積を求める公式を考えよう」という学習課題であることを確認する。

(2)前時の考えのうち、平行四辺形を用いた倍積変形の方法を利用することを知る。

・前時に考えた方法すべてから公式を導けないことはないが、方法によっては式を変形しなければならないこともある。式の変形は児童によっては困難な課題であり、混乱を招くことが考えられる。そこで、前時に考えた方法の中から、平行四辺形を用いた倍積変形の方法をもとにして考えていくことを知らせることで学習課題を焦点化し、公式へと導きやすいようにする。

san007_02

2.台形の面積を求める公式をつくる見通しをもつ

(1)台形の面積を求める公式をつくる見通しをもち、必要と思われる部分の長さに記号をつける。

・平行四辺形や三角形の公式をつくった経験と台形の面積を求めた経験をもとにして、公式にはどの部分の長さが必要かを考えさせる。このとき、上底と下底にあたる部分の長さが必要であることは、前時の学習から推測するであろう。「高さ」についても必要になることに気づくであろう。また、高さについては、前時の学習でも平行四辺形に倍積変形し、そこで「高さ」という用語が発表の中で出されることになる。そこで、「高さ」の用語は、用いてよいことにする。斜めの辺の長さについての発表についても取り上げるが、必要か必要でないかは、解決後に話し合うようにする。

san007_03

3.見通しにしたがって公式を考える

(1)台形の面積を求める公式を考える。

・前時の図や式をもとにしながら、公式を考えさせる。このとき、前時に1つの式にまとめた方法があったことを、必要に応じて助言する。

(2)考えた公式を発表し話し合う。

・(①+③)×高さ÷2になっていることを確認する。
・(①+③)や(③+①)とは、どちらも変形した平行四辺形の底辺の長さにあたることを確認する。
・高さは、平行な2辺の間の垂線の長さであることを確認する。
・②や④の長さは必要なかったことを確認する。

(3)「上底」「下底」の用語を知り、公式にまとめる。

・①,③にあたる部分の名前を、「上底」「下底」ということを知らせると共に、長さの長短ではなく、どちらか一方を上底、どちらか一方を下底ということを確認する。

台形では、平行な2つの辺のいっぽうを「上底」、もういっぽうを「下底」といいます。また、上底と下底の間の垂直な直線の長さを「高さ」といいます。

・台形の面積を求める公式として「(上底+下底)×高さ÷2」にまとめられることをおさえる。

4.チャレンジ問題を解決し、学習内容を活かす

(1)別の台形でも、公式が適用できるかどうかを確かめながら、チャレンジ問題をする。

・1辺が高さになっている場合や不安定な位置におかれている場合や高さが図の外側にある場合の問題をすることで、公式の定着や活用を図る。

san007_04

(2)次時の課題を知る。

・ひし形の面積の求め方や公式を考えるという課題をつかませる。

体積・直方体と立方体のかさを表そう(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「体積・直方体と立方体のかさを表そう」

2.本時の位置づけ

5/11

3.ねらい

考えさせたいこと

工夫や手だて

●複合立体の体積を、多様な方法で求める。

●体積の多様な求め方の中から、一番適した方法を選ぶ。

【教具】
 分割・変形・倍積など、複合立体の体積を求める方法を見取り図という2次元の中で想像するのではなく、上質紙で作成した具体物を用いた3次元的にイメージしやすいようにする。その際、みんなで話し合いができるような掲示用と、児童が手にとった時、量感がわかるような実寸大の立体を用意する。

【必要な長さを押さえる】
 求積方法の見通しがたち、実際に式を立てる際、中には提示されていない長さに戸惑う児童もいる。わからない長さは、提示されている長さの和や差で求められることができることに気づかせる。このようなゆさぶりや、話し合いを通して大切なことを押さえるようにする。

【アニメーションを有効利用する】
 本時での問題場面では、提示する体積の各辺の数値を工夫しているので、多種多様な解決方法で求積することができる。しかし、最終的には、分割・変形・倍積の中から「適した方法を選ぶ力」を身につけさせたい。したがって、児童が考え出した求積の方法を振り返る際に、アニメーションを用いてさらに考えを確かめさせる。そして、活かす段階では、問題場面とは異なった種類の複合図形を提示し、「簡潔・明瞭・的確」にできる方法を、本時に考え出した様々な解決方法から選べるようにしたい。

身につけさせたい力

工夫や手だて

●自分の考えを伝える力

【ノート指導から】
 自分の考えをわかってもらおうと思ったら、まず、自分自身が考えを整理できなければならない。そのための大きな手だてがノートである。必ず段階をふむようにし、言葉は少なく、式や図ですっきりとまとめるように指導する。
 本時の場合、①解決方法②式を立てるために必要な数値③式と答えである。必要であれば、吹き出しを入れるなど、児童それぞれに工夫したノート作りができるように指導する。

【わかりやすく伝える】
 本時のような、多様な考えを子どもたち自身で共有し、深めるためには、自分の考えをわかりやすく伝える力が必要である。発表ボードには2色使いで図と式をわかりやすくかくようにし、ノートの①②③に沿った順序立てた説明をさせる。そして、説明の途中で数値を書き込んだり、指差したりするタイミングなど、児童一人一人に自分なりの発表の工夫をさせる。学び合いの場を設定することで、疑問点や類似点、相違点などを子どもたち同士が練り上げるような支援が必要である。

4.本時の評価規準

○数学的な考え方
複合した立体を、2つの直方体の和や差ととらえたり、変形して既習の形になおしたり、体積を2倍ととらえたりしようとしている。
○技能
複合した立体の体積を求めることができる。

5.単元指導計画(全11時間)


学習内容

学習活動


○かさの大きさ比べをする。 

・直接比較や間接比較、任意単位で比較し、かさの大きさを比べる方法を考える。 










○どちらがどれだけ大きいかを考える。(直方体と立方体を比べる)
○体積の意味、体積の単位「cm3」を知る。

・体積も単位となる体積をもとに数値化できることを考える。
・体積の意味と単位「cm3」を理解する。

○直方体、立方体の体積を計算で求める方法を考える。

・体積の求め方を考える。
・直方体や立方体の求積公式の意味を理解する。

○体積の求積公式を適用する。
○直方体の高さと体積の関係を調べる。

・単位のちがう長さの体積を、求積公式を使って求める。
・直方体の高さと体積の関係を説明する。


本時

○複合図形の体積の求め方を考える。

・複合した立体の体積の求め方を考える。
・複合した立体を、2つの直方体の和や差ととらえる。








○体積の単位「m3」を知る。
○m3とcm3の単位の相互関係を調べる。
○1m3の大きさを感じとる。

・1m3の大きさを理解している。(知)
・m3とcm3の単位の相互関係を理解する。
・1m3の立方体の大きさを体感して、その量感を理解する。

○辺の長さが小数で表された直方体の体積を求める。

・辺の長さが小数で表された直方体の体積を求めることができ、理解する。








○入れものに入るかさを求める。
○内のり、容積の意味を知る。

・内のり、容積の意味や容積の求め方を理解する。

○水のかさの単位と体積の単位との関係を調べる。
○1Lのかさの入れものをつくる。

・体積の単位の相互関係を理解する。
・いろいろな1Lのかさの入れものをつくる。


10

○身の回りのものの体積や容積を調べる。

・身の回りのものの体積や容積を調べる。
・身の回りのものの縦、横、高さをはかり、公式を使って体積を求める。



11

○学習内容の理解を深める。

・学習内容の定着を図る。

6.実践紹介

 

学習活動

指導上の留意点



1.複合した立体の体積を求めるという問題に出会う

①前時を振り返る。

san006_01

・「たて×横×高さ」「一辺×一辺×一辺」という式の意味を振り返った後に、複合立体に出会わせる。
・複合した立体でも、体積を求められることを辺の長さを順に提示することで意識づけるようにする。

san006_021



2.既習事項を用いて問題を解決していくことに気づく

①本時のめあてを確認する。

・直方体や立方体に帰着することで、問題を解決できることに気づかせる。



3.複合した立体の体積の求め方を考える

①見通しをもつ。

②自分で考える。

・何とかして直方体や立方体に変形できないかという観点から、解決の見通しを持たせるようにする。
・見通しに沿って、自分の考えを図や式を使ってノートにまとめる。

san006_04




4.図や式を用いて、考え方を発表し、本時の学習を振り返る

①発表しあう。

san006_051

②まとめる。

・発表ボードにかき込む図や式、色使いなどを工夫し、みんなにわかりやすく伝わるような説明の仕方を考えさせる。
・立体の体積を、直方体や立方体をもとにして、工夫して求めることができたことを振り返る。
・求め方はいろいろあるが、答えは全て同じであることを押さえる。



5.本時での学習事項を活かし、立体の体積を求める

①本時の学習を活かして、工夫して求めることができないか、考える。

san006_06

②電子黒板に、様々な立体を提示し、イメージ化を図ることにより、本時の学習を活かして求める方法を考える。

・表に問題、裏に答えをプリントしておき、1つの問題が解決できたら次の問題へ主体的に進むように、教室の前の机にプリントを順に配置しておく。

san006_07

・素早く解決するには、どんな方法が適しているかを考え、話し合わせるようにする。

図形の拡大と縮小(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「図形の拡大と縮小」

2.本時の位置づけ(1/11)

学習指導要領における本単元のねらいは下記である。

C 図形
(1)図形についての観察や構成などの活動を通して、平面図形についての理解を深める。
 ア.縮図や拡大図について理解すること。

 本単元では、縮図や拡大図について学習し、相似の理解の基礎となる経験を豊かにし、それらを目的に応じて適切にかいたり、読んだりできるようにすることをねらいとしている。
 第5学年では、合同について学習し、「形も大きさも同じであるかどうか」という観点から図形を考察してきている。第6学年の縮図と拡大図では、大きさを問題にしないで、「形が同じであるかどうか」という観点から図形を考察していく。また、縮図や拡大図の関係にある図形については、対応している角の大きさは全て等しく、対応している辺の長さの比はどこも一定であるということも学習していく。
 こうした新しい観点で図形を考察することによって、これまで学習してきた平面図形についての理解をより深め、図形に対する感覚を豊かにしていく。
 本時は、本単元の第1時であるので、縮図・拡大図の意味を確実におさえる。
 「形が同じ図形は、辺の長さの比が一定であることや、角の大きさが全て等しい」ということについては必ず本時でおさえなければならないというのではなく、第2時でも詳しく調べていく予定である。

3.本時のねらい

算数の学習は楽しいですか?  ※算数アンケート 一部抜粋(対象者35名)

①とても楽しい(11人) ②楽しい(8人)
≪主な理由≫
・分からないことを考えて、分かったとき
・難しい問題がとけたとき
・みんなで発表し合うとき
・友だちと意見が同じだったとき
・友だちが分かってくれたとき
・友だちにきいてわかったとき

③どちらでもない(9人)
≪主な理由≫
・分かったときは楽しい
・難しくて分からなかったときは嫌

④苦手(5人) ⑤とても苦手(2人)
≪主な理由≫
・文章問題のとき
・難しい問題のとき

(1)主体的に学習を探求する力を身につけさせる
 「算数を学習することが楽しい」、「算数が好きだ」といえる子になってほしいというのが、私の大きな願いである。「算数が嫌い」な子が、「次はどうなるだろう?」と主体的に学習を探求していくはずがないからである。難しくて分からなかったとき、算数に対して苦手意識を持つ子が多い。このため、子どもたちが「できた。」、「分かった。」という実感をよりもてるようにし、算数の苦手意識をなくすことが主体的に探求する学習への第1歩目だと考える。そのために、デジタル・コンテンツを学習のまとめの段階で再度活用し、拡大と縮小の意味を確実におさえていく。

(2)根拠を明確にして、伝え合う力を身につけさせる
 伝え合う力を身につけさせるためには、「自分の考えを話したい!」「友だちの考えを聴きたい!」という学習意欲が必要である。本時では、まず「考えたい、伝え合いたい!」という学習意欲を育めるように、「形は同じでも、大きさがちがう図形を全て見つけよう!」という課題で学習を進める。辺の長さをマス目を使って数えて比べたり、角度を比べたりするなど、多様な考えが生まれる課題である。練り上げの場面では、拡大図・縮図ではない図形に対しても「なぜ同じ形と言えないのか」ということについて説明させる。元の形の拡大図・縮図とは違う理由を説明することで、拡大図・縮図についての理解がより確かになっていくからである。

4.本時の評価規準

 対応する辺の長さの比や、対応する角の大きさをもとに、拡大図、縮図を見つけることができる。【関心・意欲・態度】
 縮図や拡大図についての意味について理解することができる。【知識・理解】

5.単元の指導内容

学習活動及び内容


本時

◇図形の拡大、縮小の関係
方眼にかかれた元の図と他の図との辺の長さの関係や角度などを調べ、形は同じだが、大きさを変えた図を見つける。

◇拡大図、縮図の意味と性質
元の図と縮図や拡大図との対応する角の大きさや対応する辺の長さの比について調べる。

◇方眼紙を使った拡大図、縮図のかき方
方眼を使って、縮図や拡大図をかく。

◇三角形の拡大図、縮図のかき方
辺の長さや角の大きさを使って、三角形の縮図や拡大図をかく。

◇四角形の拡大図、縮図のかき方
辺の長さや角の大きさを使って、四角形の縮図や拡大図をかく。

◇内部の点を中心にした拡大図、縮図のかき方
図形内部の1つの点を中心にして、縮図や拡大図をかく。

◇外部の点を中心にした拡大図、縮図のかき方
図形外部の1つの点を中心にして、縮図や拡大図をかく。

◇縮図を利用した測定の工夫
学校の敷地の縮図から実際の長さを求める方法を考える。

◇縮図を利用して校舎の高さを求める
縮図を使って、実際には測定できない校舎の高さを求める方法を考える。

10

◇適用問題
縮図や拡大図について学習の内容をふり返り、算数レポートにまとめる。

11

◇グラウンドに大きな拡大図を描こう
設計図を基に、グラウンドに大きな絵をかく方法を考えかく。

6.実践紹介

①課題をつかむ

 学習意欲が高まるように、子どもの集合写真をデジタル・コンテンツで提示した。

san005_01T:「同じ写真だけれど何がちがうだろう?」
C:「右上の写真は、太い。」
C:「左下の写真は、体が細いし、長い。」
C:「左下の写真は、何か変。」
T:「大きさが違うけれど、形は同じように見えるのは?」
C:「左上と、右下。」
T:「実は、左上の写真と右下の写真は、形は同じだけれど、大きさが違う写真だよ。」
T:「身の回りの中に、形は同じだけれど、大きさは違うものはないかな?」
C:「宿題のプリントとか、ノートとかの紙がある。教室に掲示している、プリントだって全部形が一緒。」

 「形は同じでも、大きさは違う」というイメージを持たせた上で、本時の課題に入った。

形が同じでも、大きさはちがう図形を全てみつけよう!

san005_02T:「赤と緑の家と、形は同じでも、大きさは違う図形はないかな?」

②見通しを持つ

 まず、結果の見通しをたてた。

T:「まずは直観で。元の形と形は同じだけれど、大きさが違うのはどれだろう?」
C:「ウとカかな。」
C:「イは合同。」
san005_03T:「どうして?」
C:「対応する辺の長さが等しいし、対応する角の大きさも等しい。」「ぴったり、重なる。」
C:「アとエは明らかに違う。」
C:「アは、横に2倍になっている。」
C:「エは、下の形が長方形になっていて、形が違う。」
C:「ウとカは多分、形は同じでも、大きさは違う。」
C:「オはどっちかよく分からない。」

san005_04 次に、解決方法の見通しをたてた。

T:「どうやって、同じかどうか確かめたらいいだろう?」
C:「辺の長さを比べたらできそう。」
C:「形を比べるために、面積を考える。」
C:「形を変形して、同じになるか試してみる。」

③自力解決をする

san005_05T:「ウ、オ、カについて、どうして形が同じと言えるのか、同じと言えないのかを他の人に説明ができるように、考え方を書いてみよう!」

 必要な子どもには、形が切り抜いてある図を渡し、図形を重ねて角度が同じであることを確認しやすいようにさせた。

④考えを発表し、練り上げる

 ペアで自分の考えを発表させた後、全体で考えを発表した。
 まず、「ウは、形が同じでも大きさはちがうのか」について考えた。

C:「元の形の屋根も形も、下の形も4つに等分して重ねたら、ウになるから形は同じ。」
C:「面積を調べたら、きっちり元の形の1/4倍になっている。」
C:「元の形も、ウも、屋根を変形させたら、正方形が全部で2つできるから同じ。」
C:「角度を比べてみたら、全部同じになった。だから、ウは形が同じでも大きさは違う。」

 次に、「カは、形が同じでも大きさはちがうのか」について考えた。

C:「形が全く同じ。下が正方形になっていて、屋根が二等辺三角形になっている。」
C:「面積を調べてみたら、きっちり元の形の4倍になっている。」
C:「辺の長さが2倍になっているから、形が同じでも大きさは違う。」

 面積で考えるという方法はいつでも使える有効な方法なのか子どもの中で質問が出てきた。

C:「質問! 面積で倍になっていたらいいっていうけど。エだって、面積がきっちり元の形の2倍になっている。」
C:「だって、エは形が既にちがう。」
C:「あ、そうか…。」

 面積で比べるだけでは、形が同じでも大きさは違うということが調べられないというするどい質問であったが、意見が続かなくなってしまったことが悔やまれる。多様な方法で、調べられていたが、「わかりやすくて、かんたんで、いつでも使える方法か?」という検証までできていなかったことが反省である。

san005_06 最後に、「オは、形が同じでも大きさは違うのか」、それとも「形も大きさも違うのか」について考えた。

C:「オは、屋根の形の角度が違うから、形が違う。重ねてみたら分かる。」
C:「面積が、16.5cm2になって、元の形と面積がきっちり倍にならないから形も大きさも違う。」
C:「下は正方形で形は、一緒だけれど、屋根の形が違う。」
C:「質問。屋根は二等辺三角形で、同じだよ。」
C:「もし、オが同じ形になるんだったら、屋根の下の長さがもう少し長くなる。」(辺の比の考え方を使って、図示して説明していた。)
C:「だから、答えはウとカだけだ。」

⑤学習をまとめる

 拡大図、縮図の意味や用語を知らせた。

T:「今日、みんなが考えた新しいことだよ。」

ある図形を形を変えないで、大きくすることを拡大する、小さくすることを縮小するという。拡大した図を拡大図、縮小した図を縮図という。

 デジタル・コンテンツを使い、拡大図・縮図の意味を再確認した。

san005_07

 最後に、さんま(算数まとめ)を書き、学習のまとめとした。

T:「『形は同じでも、大きさがちがう図形は      』の続きを自分の言葉で書こう。」

形は同じでも、大きさがちがう図形は対応する辺の長さの比を比べたり、角の大きさを比べたりすると、見つけられる。

san005_08

《学習を終えて》

【本時の学習についての子どもたちのアンケート(一部抜粋)】

・辺の比を使って考える方法をきいて「あ~、なるほどな。」と思った。もし、五角形などでも今日の考えは使えるのかな? 
・「例えば~。」「ここまで分かる?」などの言い方をして、ゆっくり説明してくれたので友だちの意見がとても分かりやすくて「なるほど!」と思った。
・自分だけの意見じゃなく、友だちの考えをきくことで、いろいろな考えが増えた。自分の意見よりも、分かりやすくて、簡単な方法がでてきて、問題がよく分かった。

 授業を終えた後の休み時間、子どもたちが5、6人黒板の前に集まって説明を始めだした。

C:「先生、あのね、面積で考える方法だけれど…。」
C:「カは確かに、面積が32cm2だからきっちり4倍だけれど、アだって、エだって面積が16cm2になっているから、きっちり2倍。」
C:「イだって、きっちり1倍。」
T:「ということは、どういうことなの?」
C:「面積で考える方法では、考えられる時と考えられないときがある!」

 面積で図形の拡大・縮小を考える方法について、子どもたちは疑問を感じていたようであるが、授業の中で取り上げてあげることができていなかった。
 確かに、子どもたちは「どうやって調べたらいいだろう? 考えたい!」「自分の考えを伝えたい!」と学習意欲を持って、多様な方法を考えノートに表現し、全体で伝え合っていくことはできた。
 しかし、どの方法が有効で効果的なのか?ということまで高めることができなかった。やはり、「わかりやすくて、かんたんで、いつでも使える方法か?」という検証ができていなかったことが一番の反省である。
 言語活動を充実させることで、思考力・判断力・表現力を育むことが大切であるといわれている。子どもが説明を分かりやすくすれば言語活動が充実されていて、思考力・判断力・表現力が育まれるというのではない。思考力・判断力・表現力が深まっていないと感じたならば、教師の出番であり、子どもの考えを関係付けて考えさせることが必要であるということを改めて実感した。
 次時に、「面積で考える方法に対する質問」から学習をはじめ、「面積で考える方法だけでは、拡大図・縮図を見つけられないことがある。」ことをおさえた。

重なる形と図形の角を調べよう(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

重なる形と図形の角を調べよう

2.本時の位置づけ

本時12/15

3.本時のねらい

 本時は,三角形や四角形の角の和を生かして,計算を使って多角形の角の和を求めることが主な学習である。特に,この多角形の角の和は,計算で鮮やかに答えが出るので,子どもたちはそのことに感動することが多い。私も自分が小学生の時,この学習では計算で答えが出ることがわかり,とても嬉しかったことをよく覚えている。
 図のように三角形や四角形で分けると,多角形の角の和を簡単に求めることができる。そして,多角形の角の和は辺の数が一つ増えるに従って,180°ずつ増えていく。

san004_01

 ここでつまずきやすい子どもは,図形を分割する対角線の引き方が分からないことが多い。何本引けばよいのか,どのように引けばよいかが分からない。一つの頂点から引いて,また,別の頂点からも対角線を引いてしまう。結局,下図のようになってしまうのである。そのため,授業中に「どこがよくないのか」検討する時間を設けたい。
 また教科書の進行であれば,五角形をすっきり分けて,その後,六角形,七角形と学習を広げていくという計画になっている。
san004_02 しかし,ここでさらにすっきりさを求めて,別の課題を組み合わせて入れることにした。それは,求めた五角形の角の和を利用して,正多角形の一つの角を求めさせるのである。
  子どもたちにとって正三角形の一つの角が60°になる理由は,これまでは偶然の測定の結果でしかなかった。しかし,三角形の角の和が180°であることが確定すれば,180÷3でその60°という角の大きさに理由付けがなされる。そのため,子どもはなるほどという思いを持ちやすい。この正三角形のすっきりさを生かして,正五角形の角の大きさを測定することなく計算で求めさせて,子どもたちがどれだけすっきり感を感じるのか試してみることにした。

※5年上教科書P17

※5年上教科書P17

※5年下教科書P100

※5年下教科書P100

4.本時の評価基準

正五角形の一つの角の大きさを角の和を等分して求めることができる。(数学的な考え方)
五角形の角の和の求め方を理解することができる。(知識・理解)。

5.単元の指導内容

学習活動及び内容

ぴったり重なる形を見つける。(合同の意味)

三角形の対応する頂点,対応する辺,対応する角を調べる。

対応する辺の長さや角の大きさを調べ,考える。

四角形を対角線で分けた三角形の合同を調べる。

合同な三角形をかく。①

合同な三角形をかく。②

三角形のかきかたを利用して,合同な四角形をかく。

三角形のかきかたを利用して,合同な四角形をかく。

三角形の3つの角の和を考え,調べる。

10

三角形の角の和が180°であることを利用して問題を解く。

11

四角形の内角の和を考える。

12

多角形の内角の和を調べる。

13

タングラムで様々な合同な形をつくる。

14

練習問題で復習する。

15

練習問題に挑戦する。

6.実践紹介

①課題把握

 あいさつがすむと,少し教室はざわついている。授業をビデオで記録すると告げたから少し動揺したのであった。それでも,プリントを配布すると子どもたちは自然と集中していった。
 教室が学習する雰囲気になったとき,私は先に新しい「多角形」という言葉を板書して教えた。

※教科書をコピーしたプリント

※教科書をコピーしたプリント

T 多角形とは,三角形,四角形,五角形のように,直線だけでかこまれた図形のことをいいます。
T みんな覚えてね。
C 多角形。
T 直線だけで囲まれた図形,曲がった線はあかんで。

 子どもたちの多くは,自分のノートにメモした。
 続いて,本時の課題へと移る。

T それでは問題です。今日は五角形の角の和を求めます。五角形の角の和ってわかるかな?
C (何人かがうなずく)
T 今日は,分度器で測るのではありません。計算で求めます。それができても終わらないで,別の方法で考えてみましょう。3つのやり方を見つけることができたら,とても素晴らしい。
T 何か分からないという人いますか?
C1 一つできた。
C2 できた。
T もうできたの,すごいね。みんなにわかるように説明できるようにしておくといいよ。

②自力解決

san004_06 子どもたちが,プリントに向かうと,すぐに「できたー」という声が上がった。四角形の角の和を求める時に同じような学習をしているから考えやすかったようだ。しかし,子どもたちの作業を見て回ると,とんでもない線の引き方をして答えを出している子も見受けられた。自分で間違いを発見できる子になって欲しいので,「それで本当にいいか見直してみよう」と,間違いであるとは伝えない。また,何も手がつけられない子もいるが,その子ができることを信じて,何も声はかけなかった。
 このクラスでは,まだまだ自分の力で何とかしようという態度が出来上がっていない。そのため,少しできると「先生,これでいい」と聞いてくる子どもが何人もいる。自信がないのである。子どもたちにできた,わかったという実感を伴った学習を経験させる必要がある。そして,自分でこれでいいと判断できるようにしたい。

※黒板にかく

※黒板にかく

 多くの子どもが何らかの答えを書いたのを見届け,黒板を使った発表に移った。私は,直接,黒板に書かせることが多いが,プロジェクターや卓上カメラを使用してノートやプリントを写す方法もある。

③集団検討

 5人の子どもを指名して,黒板に書かせた。机間指導の間に,発表者を決めておく方法もあるが,このクラスは人数が36人と多く,集団で学習できる雰囲気作りを育てているところなので,発表したい子どもを指名した。

san004_08C3 三角形は180°で四角形は360°です。三角形の180°と四角形の360°を合わせると540°です。(右図)
T なるほど,一本の対角線で分けるのか。今のKさんと同じように考えた人いますか。(20人ぐらいが挙手をした。)
C4  こことここに線を引くと,三角形が3つできます。それで,180×3で540°になります。
san004_09T なるほど,三角形に分けたんだね。これと同じように考えた人?(15人が手を挙げる。)二人の発表してくれた人に質問やつけたしはありますか?

 二人の発表に反応が乏しかったので,授業中に困っていた人の例を教師が演じることにした。

san004_10T 先生から質問。今,Nさんは,2本の対角線で分けましたね。でも,もっと対角線はひける。ここに2本引いてみよう。(右図点線)あれー,わけがわからなくなったよ。何がよくなかったのかなー。誰か教えてよ。

 本当は子どもに自分で質問して欲しい。しかし,間違いや失敗の例はなかなか出せないものである。ここでそういう声を伝えておかないと,できない子や分からない子が授業で置き去りにされてしまうかもしれない。そのため教師が代弁したのである。

C5  それは線の引きすぎです。分けられているのに,それ以上,線をかかなくてもいい。
C6 線が交わっているのがいけないのとちがう。                                  
T たくさん引きすぎたらかえって難しくなるんだね。
T ところで,別の方法を見つけた人はいますか?
san004_11C7  (黒板に出てきて右図のようにかいた。)
T ちょっとSさんストップ。みんなSさんの考えていることわかるかな?ノートに式や考えを書いてごらん。
C8 三角形が5つなので180×5-360です。それで540°になる。
T 聞こえにくかったのでもう1回言ってよ。  
C9 180×5から360をとる。
C10 どうして360をとるんですか?
T 今,Hさんから質問が出て,どうして360をとるんですか,というのがあったね。
C11 真ん中のところは五角形の角とは関係ないから360とります。
T でも,360というのはどこから出てきたの。
C12 真ん中のところは1回転しているから360°とります。1回転が360°です。
C13  ぐるっとまわると360°です。それが五角形の角とは違うので,引きます。
T 上手に説明してくれましたね。この方法でも求められるけど,最初の二つが簡単ですね。結局,答えは540°です。では,次の問題に移るよ。

④発展問題に取り組む

 五角形の角の和が540°と求まっても学習はこれで終わりではない。新しい問いで連続的に追究させていきたい。この問いは子どもたちが自ら発見できれば素晴らしいが,そうならないときは教師が代わりに問いかけて,学習の仕方を教えていくとよい。ここでは,六角形や七角形の角の和を求めさせたり,正多角形の一つの角の大きさを求めることが考えられる。本時は,後者を選んだ。

T これまでの学習を生かして,正五角形の一つの角は何度か求められますか。よし挑戦してみよう。

 プリントには正三角形,正方形とならべて,ヒントを暗示しておいたので,自然と気がつく子どもが出てくると予想した。
 (しばらくたって)できた人は?

※540÷5で108°になる

※540÷5で108°になる

C14 540÷5=108 答え108°です。
C15 五角形の角の和が540°なので,5で割って108°です。
T でも,どうして5で割ることができるの。
C16 五角形には角が5つあって,一つの角の大きさを知りたいのだから,5で割ることができます。
C17  正五角形の角は全部同じ大きさだから,5で割ったらいい。
T 100,80,75……と角の大きさが違うってことないんですか?
C18 正五角形なので,全部同じ角度。
C19 正三角形は180÷3で60°になるのと同じで,正五角形も540÷5で108。
T うーん計算で出せるなんてすごいね。もう一度確認しますよ。正三角形は180÷3で60°なの,では正方形はどうなるの?
C20 360÷4で90°になる。
T なるほど,すごいすごい。それで,正五角形も同じように計算できるんだ。それなら正六角形はどうなるんだろうね。まず六角形の角の和は求められる。
C21 六角形は三角形4つに分けられるので720°になります。(黒板に図示して)6で割って120°です。
T あっという間に計算できたね。これは素晴らしい。

※感想を発表する

※感想を発表する

 子どもたちの努力と教材のよさに教師も感心して誉める。こうすることで,今日の学習の意味づけが確実になる。
 最後に,今度は子どもの口から感想を発表させ,大事なことを復唱させる。これは昔からよく使われる共感を生かした方法である。

C22 正五角形の角が簡単に計算で求められたのがおもしろかったです。
C23 正三角形や正方形,正五角形ではみんな角が同じ大きさだとわかりました。
C24 五角形や六角形を分けて,角の和が計算で求められたのがよかった。

 発表したのは三人だけであったが,その他にも子どもたちは次のような感想をプリントに書いていた。

・五角形の角の和も対角線をひけば,計算でできることがわかった。
・正がつく角は角度がすべて等しいことがわかった。
・九角形も調べてみたい。
・辺の数が多くなるにつれて角の大きさの和が180°ずつ多くなっていることがわかりました。
・多角形は三角や四角がわかっていればかんたんにわかることがわかった。
・五角形の角の和の求め方はいろいろとあることがわかった。
・角の和はすごく大きな数でも,計算で求められることがわかった。
・正三角形,正方形とかの角の角度は同じことがわかった。
・五角形の角を調べるときに,線を引きすぎるとできないことがわかりました。
・正五角形の一つの角の大きさを計算で求めれることがわかりました。

7.授業後の反省と考察

san004_14 子どもたちは,集中して授業に参加し,様々なことを発見することができたと思う。こちらの予想以上に子どもたちの感想の言葉は豊かであった。また,左図のようにかいていた子どもは,無駄な点線を消して,三角形と四角形に分けていた。教師が線をひきすぎてわからなくなっている人の例を出したことで,自分の線の引き方を吟味したのであろう。
 一方,反省点としては,①六角形まで授業で取り扱ったが,七角形や八角形はどうなるのか次の課題として意識させるともっとよかった。
 さらに,②子どもの口から,「もう一回説明して」や「そこがわからない」など学習を深めていく発言を引き出したかった。わかる子どももわからない子どももともに授業中に積極的に学ぶことが理想である。しかし,まだわからないことが言語化できていないのであろう。これは今後の課題である。そうして,子ども同士が対話して,できる限り教師の出番が減るようにしていきたい。
 ③子どもたちの感想の最後の言葉はほとんどが「わかった」や「わかりました」であった。感想の内容の豊かさに比べると,その表現が乏しいように思われる。おもしろかった,楽しかったをはじめとして多様な感想が出てくるように,感想を書かせる場面を多くして,その表現についても工夫させていきたい。
 なお,この授業の成果としていえることは,①五角形の角の和を利用して正五角形の一つの角を求めさせることが自然に行えたことである。②また,その活動を通して子どもがすっきり感を感じていることである。そういう意味では,教科書では上と下に分かれている内容であるが,併せて指導する単元構成には可能性があるといえる。
 最後に,③本時の展開では,「計算ですっきり答えが出る」教材のよさに教師自ら感心し,さらにまとめのところで子どもに実感した感想を語らせ,そのよさを何度も強調している。算数科の授業では,このように教材のよさをみんなで確認し合う場面は少ないように思うが,改めてこの繰り返しが大切であることを実感した。この実践記録を読んでいただいた先生方にも参考にして欲しいことである。
 今後も楽しくてわかりやすい算数科の授業を創造し続けたい。

垂直・平行と四角形(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

垂直・平行と四角形

2.単元目標

 直線の位置関係や四角形について観察や構成などの活動を通して、直線の垂直や平行の関係、台形、平行四辺形、ひし形について理解し、図形についての見方や感覚を豊かにする。

○関心・意欲・態度
 身の回りから垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形などを見つけ、それらが使われている場面について考えようとしている。

○数学的な考え方
 辺の位置関係や構成要素を基に、各四角形の性質を見出し表現したり、各四角形の対角線の性質を統合的にとらえたりすることができる。

○技能
 垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形をかくことができる。

○知識・理解
 垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形の意味や性質について理解し、図形についての豊かな感覚をもつ。

3.単元について

 本単元で扱う垂直・平行と四角形は、学習指導要領には、以下のように位置づけられている。

第4学年 C図形
(1)図形についての観察や構成などの活動を通して、図形の構成要素及びそれらの位置関係に着目し、図形の理解を深める。
 ア 直線の平行や垂直の関係について理解すること。
 イ 平行四辺形、ひし形、台形について知ること。

 図形については、第2学年で「長方形と正方形、直角三角形」、第3学年では「二等辺三角形と正三角形」を学習してきている。これまでの学習は、図形をとらえる視点として、「辺や頂点の数」、「辺の長さ」、「角の大きさ」に着目している。ここでは、「垂直」「平行」「対角線の交わり方や長さ」という新たな視点が加わる。

【図形の定義と性質】
 図形教材の解説には、「定義」「性質」という言葉が登場する。

例)長方形の性質
 ・向かい合う2組の辺が平行である。
 ・向かい合う辺の長さが等しい。
 ・すべての角が直角である。
 ・対角線の長さが等しい。   など

 定義とは、数学用語の意味を規定する文章のことをいう。図形を定めるときに必要十分な性質をとり上げればよい。小学校では、児童にとって分かりやすく、使いやすいものであるかどうかを配慮する必要がある。
 例にあげている長方形では「4つの角がみんな直角になっている四角形」と定義しているのはこのためで、性質としては「向かい合った辺の長さが同じで、4つの角がどれも直角になっている四角形」という表現になるだろう。

san003_01

【垂直・平行】
 導入では、右図のようなワークシートを使い、点と点をつないで4本の直線を引きいろいろな四角形をつくらせる。児童が作った四角形を素材に、四角形を仲間分けする。分け方の観点は角に着目させ、直角を持つものとそうでないもの分けさせる。直角に着目させる活動を通して垂直を定義する。また、直線の並び方の違いに気づく活動を通して平行を定義させていきたい。そして、水平や鉛直に置かれた典型的な図形をイメージで受けとる児童が少なくないと考えられるので傾いている場合や交わらない場合も見逃さず理解させていきたい。

【台形・平行四辺形・ひし形】
 導入で使った四角形を素材に四角形の辺の平行に着目させていく。辺の平行を観察する活動を通して、台形・平行四辺形・ひし形の定義をしていく。また、定義や性質を再確認させながらそれらをいろいろな方法で作図できるよう指導していく。

【対角線】
 初めてとり上げる内容である。やや抽象的な要素なのでいろいろな四角形に対角線をかき入れたりして対角線の持つおもしろさや不思議さを感じとらせて進めていきたい。

4.指導計画(全16時間) 

小単元

時数

主な学習活動

直線の交わり方


(本時)

・いろいろな四角形をつくり、四角形に関心をもつ。
・2本の直線の交わり方を調べる。

・垂直な直線のひき方を考える。
・垂直な直線をひく。

直線のならび方

・紙を折って、平行をつくる。

・平行な直線と、それと交わる直線でできる角度を調べる。

・2枚の三角定規を使った平行な直線のひき方を考える。

・方眼を手がかりに、垂直や平行な直線の見つけ方を考える。

いろいろな
四角形

・四角形の仲間分けをし、台形・平行四辺形をかく。
・2枚の平行四辺形を使って平行四辺形の特徴を調べる。

・平行四辺形のかきかたを考え、かく。

・ひし形の性質を考え、かく。

・いろいろな四角形の対角線の特徴をまとめる。

・長方形や平行四辺形の1本の対角線で切り、できた2つの三角形を調べる。

まとめ

・平行四辺形のしきつめにとり組む。

・「しあげのもんだい」にとり組む。

5.本時の目標(1/16)

 2本の直線の交わり方を調べる活動を通して、垂直の意味を知り、その弁別ができる。

6.本時の展開

学習活動
★(予想される考え・反応)

指導上の留意点
☆(主な発問)

評価

 四角形をつくってみよう

・四角形を思い出す。
★「4本の直線で囲まれてできた図形です。」

・四角形の定義を確認させる。
☆「四角形とはどんな図形をいうのでしたか。」(2年生で既習済み)


・配付されたカードで、自由に四角形をかく。

・点と点をつないで直線を4本かき、四角形を自由につくらせる。(16個の点がかかれているカードを配付)
・最初は、例で教師が直線のひき方を説明する。
☆「カードには16個の点があります。点と点を結ぶと直線が1本できますね。このようにして、直線を4本かいて四角形をつくってみましょう。」

☆「いろいろな四角形ができましたね。」

・興味をもって四角形をつくっている。

 直線の交わり方を調べよう

・学習課題をつかむ。
・四角形をつくっている直線と直線の交じり方を見る。
★「交わっているところは4つです。」

・四角形をつくっている直線の交じり方に着目させる。
☆「つくった四角形で、直線と直線が交わっているところはいくつありますか。」

・直線が交じわっているところに着目している。

・四角形をつくっている直線はどのように交わっているか調べる。
★「とがっている。」
 「交わっているところは四角形の頂点です。」
 「角度がバラバラみたいです。」
 「交わっているところが直角になっているみたいです。」

・自分のつくった四角形で、直線が交わっているところを観察させる。
・気づいたことを発表させる。
☆「直線が交わっているところを見て、何か気がつくことがないかよく見てみましょう。」

・自分のつくった四角形をじっくり観察している。 

・直角に着目する。

・直角の確かめ方を確認する。
★「三角定規の直角の部分を使います。」
 「分度器を使います。」
・直角の部分があるかどうか調べ、自分の四角形を黒板に貼りにいく。

・直角(特別な特徴)があることで、直角がある四角形と直角がない四角形に分けさせる。
☆「直角かどうか調べるのにどうしたら確かにわかりますか。」
 「直角がある四角形と直角がない四角形に分けてみましょう。」
・黒板を使って各々がつくった四角形をはらせる。

・直角の確かめ方がわかっている。
・直角を調べることができる。

・黒板に貼られた四角形を見て確認する。

・垂直の定義を知る。

・垂直な図形をワークシートで確認する。

・分けた四角形を全体で確かめさせる。
☆「全体を見てこれでいいですか。」
・垂直の定義を知らせる。
☆「このように、直角で交わっている2本の直線は、垂直であるとか、垂直に交わっているといいます。」
・ワークシートを配付する。
・垂直な図形を全体で確かめさせる。ワークシート使用。

・垂直の定義がわかる。

・ワークシートの図形で垂直な図形を確認できる。

san003_02

 

・板書(垂直の定義)を写す。
・直線が交わっていない場合を考える。
★「垂直でない。」
 「垂直です。」
 「わからない。」

・板書(垂直の定義)を書く。
・直線が交わっていない場合も垂直であることを知らせる。
☆「このような場合はどうでしょうか。ワークシートに書き込みましょう。」

・直線が交わっていない場合は垂直かどうか考えている。

san003_03

 

・直接2本の直線が交わっていなくても、直線をのばせば垂直に交わるときは垂直であるということを知る。

・板書(垂直の定義)を写す。

☆「このように、直接2本の直線が交わっていなくても、直線をのばせば垂直に交わるときは垂直であるといいます。」
・板書(垂直の定義)を書く。

・直線が交わっていない場合も垂直であるということがわかる。

・練習問題にとり組む。

・練習問題にとり組ませる。
・テレビモニターに問題を映し、全体で確認させる。(指名)

・提示された課題を考えている。
・課題を解決できる。

・ワークシートに感想を書き、ノートに貼って提出する。

・本時の学習を振りかえさせ、ワークシートに感想を書かせる。

・本時の学習内容をまとめている。