※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。
1.単元名
速さ「速さを表そう」
2.本時の位置づけ
5/8時間
3.本時のねらい
本時は、速さ(1時間あたりに進む道のり)と道のりがわかっていて、時間を求める問題場面を解決することを通して、速さも単位量あたりの大きさの考えで表したり比べたりできるという見方・考え方をより深めていくことをねらいとする。そこで大切となってくるのが数直線である。数直線に表現することで、問題場面の速さ、道のり、時間の関係を視覚的、構造的に明確にとらえさせたり、表現した数直線をもとにしながら、これまでとの共通点(速さ×時間=道のりなど、3つの数量の関係)や差異点(3つの数量の何が未知なのか、未知□の求め方)を考えさせたりしたい。また、本時の学び(速さと道のりをもとに、時間を求める)だけでなく、前時の学び(速さと時間をもとに道のりを求める)を含んだ2段階処理を必要とする問題にも挑戦させることを通して、学びの活用を図り、思考力・判断力を高めていきたい。
4.本時の評価基準
○数学的な考え方
速さ、道のり、時間の関係を数直線で表すとともに、3つの数量の関係は、速さ×時間=道のりになっていることに着目したり、未知の時間の求め方を説明したりすることができる。
○知識・理解
速さと道のりをもとに、時間の求め方をとらえることができる。
5.単元指導計画
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時 |
学習活動及び内容 |
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1 |
こみ具合等、数直線を用いながら単位量あたりの大きさで比べるという既習の学びをふり返る。 |
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2 |
進んだ道のりとかかった時間をもとに、数直線を用いながら1分間あたりに進む道のりでソーラーカーの速さを比べ、速さも単位量辺りの大きさで比べられることをとらえる。 |
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3 |
数直線を用いながら新幹線やキリンの速さを求め、時速や秒速、分速についてとらえる。 |
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4 |
自動車の速さとかかった時間をもとに、数直線を用いながら進んだ道のりの求め方を考え、速さと時間、道のりの関係の見方を深める。 |
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5 |
自転車の速さと進んだ道のりをもとに、数直線を用いながらかかった時間の求め方を考え、速さと時間、道のりの関係の見方を深める。 |
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6 |
数直線を使いながら速さ、道のり、時間を求める3つの問題を解決し、速さ=道のり÷時間、道のり=速さ×時間、時間=道のり÷速さの公式をつくりだす。 |
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7 |
仕事の早さを数直線を用いながら求め、これまでの速さと同様に、単位量あたりの大きさで比べられることをとらえる。 |
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8 |
これまでの学びを生かし、単位換算を必要とする速さの問題を数直線を用いながら解決する。 |
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9 |
教科書の「たしかめぽいんと」や「じっくりチェック」「ぐっとチャレンジ」を通して、学習のまとめをする。 |
6.実践紹介
(1)導入(課題把握・解決の見通しの段階)
まず、導入(課題把握・解決の見通し)の段階である。本時の問題場面①(時間を求める問題)を提示し、前の問題場面と変わったところを話し合わせた。
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すると、子どもたちは、「前の問題は、速さと時間がわかっていて道のりを求める問題だったけど、今日の問題は、速さと道のりがわかっていて時間を求める問題に変わっている。」というように、速さ、時間、道のりの3つの数量に着目し、問題の変化を取り出していった。また、問題の変化に伴って、求めるための数直線も、□の位置を変える必要があると予想することができた。これは、これまで、数直線の□の位置を意識させながら解決することを積み上げてきたことが有効に働いたものと考える。そこで、本時のめあてを設定した。
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めあて |
(2)解決の実行の段階
次に、展開(解決の実行)の段階である。子どもたちは、まず、問題①に対して自分の見通しをもとに数直線で3つの数量の関係を表現しながら自力解決を行った。ここでは資料1のように、それぞれの地点を1つ1つ数直線で表現し解決する姿と、資料2のように、3つの地点を1つの数直線にまとめて表現し解決する姿が見られた。
自力解決の後、2人組で自分の解決の過程を説明し合わせた。2人組で行ったのは、一人一人に確実に説明する場を設定し自分の考えを自覚させるためである。そして、全体の場で確認し合い、解決の過程の共有化を図った。その際、1つにまとめた数直線を示し、「なぜこのように1つの数直線にまとめられるのですか。」と子どもたちを揺さぶった。そうすることで、1分間に対する道のりが全て同じであることを確認し、それらを1つにまとめるよさをとらえさせたのである。
その後、子どもたちに、問題を解決してみて気づいたことを話し合わせた。子どもたちは、「これまでと同じように、数直線で求められた。」「速さが同じだから1つの数直線でまとめて表すことができた。」「数直線でもわかるように、全て200(速さ)×□(時間)=道のりの関係になっている。」「□(時間)を求める式はわり算になっている。」など、数直線と結びつけながら3つの数量の関係に着目し、時間の求め方を一般化していった。このように一般化することができたのは、A地点まで、B地点まで、C地点までと時間を求める処理過程が3つ含まれた問題を提示したことが有効に働いたと考える。
更に、追加事象として下の問題場面②を提示した。
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【本時の問題場面②】 |
これは、単なる時間を求める問題ではなく、本時問題①のように時間を求める前に、前時の道のりを求める処理が必要となってくる2段階処理の問題である。つまり、前時と本時に獲得した見方・考え方を発揮させるものである。
自力解決をする前に、全体を数直線に表現すると、図1のように、未知の□が2つになることを確認した。子どもたちは、はじめ、□が2つあることに戸惑っている様子だった。そこで、「どちらかの□は先に求められませんか。」と尋ねると、子どもたちは、順番に求めればよいことに気づき、それぞれ自力解決をしていった。
右は、子どもが解決したものである。
まず、上の数直線のように、自動車の速さとかかった時間をもとにして道のりの□を求めた。次に、下の数直線のように、求めた道のりと電車の速さをもとにしてかかった時間の□を求めた。このように、前時と本時に獲得した考えを使いこなしながら、2段階処理を必要とする問題を解決することができた。ただし、これは、時間の関係もあり、全員が解決するまでには至らなかった。
(3)解決の整理の段階
最後に終末(解決の整理)の段階である。ここでは、今日の学習を通した気づきを自分なりに整理させ、それらを出し合わせることで、本時の学習を以下のようにまとめていった。
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まとめ |


















○360°になっていることを4つの角を移動させ確認する。


・3つの三角形に分けた四角形の角の大きさの和も説明できそう。

















T:「同じ写真だけれど何がちがうだろう?」
T:「赤と緑の家と、形は同じでも、大きさは違う図形はないかな?」

T:「ウ、オ、カについて、どうして形が同じと言えるのか、同じと言えないのかを他の人に説明ができるように、考え方を書いてみよう!」



しかし,ここでさらにすっきりさを求めて,別の課題を組み合わせて入れることにした。それは,求めた五角形の角の和を利用して,正多角形の一つの角を求めさせるのである。


子どもたちが,プリントに向かうと,すぐに「できたー」という声が上がった。四角形の角の和を求める時に同じような学習をしているから考えやすかったようだ。しかし,子どもたちの作業を見て回ると,とんでもない線の引き方をして答えを出している子も見受けられた。自分で間違いを発見できる子になって欲しいので,「それで本当にいいか見直してみよう」と,間違いであるとは伝えない。また,何も手がつけられない子もいるが,その子ができることを信じて,何も声はかけなかった。
C3 三角形は180°で四角形は360°です。三角形の180°と四角形の360°を合わせると540°です。(右図)
T なるほど,三角形に分けたんだね。これと同じように考えた人?(15人が手を挙げる。)二人の発表してくれた人に質問やつけたしはありますか?
T 先生から質問。今,Nさんは,2本の対角線で分けましたね。でも,もっと対角線はひける。ここに2本引いてみよう。(右図点線)あれー,わけがわからなくなったよ。何がよくなかったのかなー。誰か教えてよ。
C7 (黒板に出てきて右図のようにかいた。) 

子どもたちは,集中して授業に参加し,様々なことを発見することができたと思う。こちらの予想以上に子どもたちの感想の言葉は豊かであった。また,左図のようにかいていた子どもは,無駄な点線を消して,三角形と四角形に分けていた。教師が線をひきすぎてわからなくなっている人の例を出したことで,自分の線の引き方を吟味したのであろう。

