「はなびや」(第3学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「はなびや」

2.目 標

○自分だけの美しい花火を想像し、楽しくかこうとする。
○白色との混色から夜空に輝く花火を工夫する。
○リズム感のある表現になるよう色や形を工夫する。
○自分や友だちの作品のよさに気づく。

3.準備(材料・用具)

教師:絵本、黒画用紙、八切画用紙

児童:絵の具、色鉛筆、はさみ、のり

4.評価規準

造形への関心・意欲・態度
○楽しい作品をつくることに進んで取り組もうとしている。

発想や構想の能力
○自分なりに花火をイメージして表現している。

創造的な技能
○表したいことに合わせて絵の具を使い、表し方を工夫している。

鑑賞の能力
○自分や友だちのよさを感じ取り、楽しく鑑賞している。

5.本題材の指導にあたって

[教材について]
 本学級では絵本を読み聞かせることが多く、子どもたちは絵本から想像をふくらませて楽しむことが大好きである。そこで『ねこのはなびや』(渡辺有一著/フレーベル館,2001年)という絵本を選び、導入することにした。「花火」はどの児童も知っているが、大きな打ち上げ花火を経験している児童ばかりではない。どの児童も自分なりの花火を自由に工夫できるように,また絵本の表現やストーリーをともに楽しむために,この本を導入に活用することにした。絵本の内容は白猫組と黒猫組とトラ猫組が、競って花火の技と度胸を見せるというもので、絵本の絵も素敵で大人が見ても引き込まれてしまう。花火の絵の導入にDVDなどの映像を見せることもできるが、その絵本を読み聞かせることでより楽しく自由に自分だけの花火を打ち上げたいという気持ちを高めることができると考えた。花火は形が決まっているわけではないのでどのようにかいてもよいという自由さと安心感をもたせることができ、楽しみながらかくことができる題材だと考える。また、1学期の短時間題材としても活用しやすい。
 絵本の読み聞かせの後は、各自が花火屋になって「どんな花火を打ち上げたいのか」「どんな色の花火にしたいのか」など、自由に意見を出し合い,交流を深めていくとよい。
 表現活動に際しては、パレットに白色を多めに出しておき、使いたい色に白色を少しずつ混ぜながら塗る色を決めていくようにする。しかし実際に黒の画用紙の上に白の絵の具を混ぜた不透明の色を置いていくと、パレットの上の色とは異なってくる。そこで、黒色画用紙の試し紙を用意し、表したい色を試しながら花火の色の美しさを味わわせながら表現させたい。また、筆づかいは主に点描・線描になるので、点や線の色を工夫させるだけでなく、点の大きさや,線の長さ・太さを考えさせたり、花火全体の大きさや色の広がり方など、自分だけの表現として自由に取り組んだりできるように指導していきたい。子どもたちが「花火屋」になりきって、花火を仕上げるときには「花火に命を吹き込むぞ」と願いを込めて火花をかき込み、花火が開いた時の先端の形まで意識させるようにしたい。
 花火を打ち上げている自分を想像しながら空一面に打ち上げた花火がかけたら、普段は下からしか見上げることができない花火を、見てみたいと思う場所や見る角度など自由にかくことができることを知らせ、子どもたちがさらに楽しい花火の場面をつくっていくようにしたい。花火を見ている人たちを色鉛筆でしっかりとかき、人物を切り取って思い思いの場所に貼っていくことで、中学年らしい自由な発想を引き出すと共に表現することの喜びを味わわせたい。

6.題材の指導計画(全4時間)

学習活動の流れ

指導上の留意点、評価方法

第1次

1時間

○『ねこのはなびや』を読んで花火に興味をもつ。
・自分の打ち上げたい花火をイメージする。

○自分が「花火屋」になって、どのような花火を打ち上げるか。どのような色にしたいのかなど、イメージをもてるようにする。

第2次

2時間

○自分の打ち上げたい花火を表現する。
・白を混ぜることで黒画用紙にきれいにかけることを理解する。

○自分のイメージする花火を表現できるようにする。
・大きさなどを工夫するよう助言する。
・友だちのいいところを紹介し自分の表現したい花火のイメージをふくらませることができるよう助言する。

○花火を見ている自分や友だちをかいて貼る。
・楽しそうに見ている自分や友だちをかく。
・色鉛筆で丁寧に色を塗る。
・かいた絵を切って花火を見たい場所に貼る。

○花火を見ている自分や友だちなどのイメージをもてるようにする。
・それぞれのもつイメージを表現できるよう支援する。

○かいた絵を切り取り、自分のイメージに合うように貼ることができるようにする。
・下からだけでなく横や上など自分や友だちなどが見てみたいなと思える場所に貼っていいことを知らせる。

第3次

1時間

○自分や友だちのよさを鑑賞する。
・お互いの表現のよさや工夫を見つける。

○完成した花火を鑑賞する。
・自分や友だちのよいところが見つけられるよう助言する。

7.本時の学習

①目 標
○白色との混色で美しい花火を表現できることに関心をもってかく。
○「花火屋」になって、自分だけの花火をかく。

②学習の展開

太字…教師の投げかけ

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

自分だけの花火を打ち上げよう!

1.本時のめあてをつかむ

○本時の活動のめあてをもつ。
・「花火屋」としてどのような花火を打ち上げるのか、簡単な言葉でイメージ化する。

○形や大きさなど自分だけの花火が打ち上げられるよう助言する。
・画用紙を縦にするのか、横にするのか。
・花火をどの位置にかくのか など

2.表現活動をする

○花火を打ち上げる。
・大きさも変えてみたり白色の混ぜる量を変えてみたり工夫しながらかく。
・自分のイメージする花火のかき方を考えがら、楽しくかく。
・一つできたら二つ目三つ目と色を考えながら、自分のリズムでかいていく。

○色の混ぜ方や形を工夫できるよう助言する。
・白い色をパレットに多めに出し、試し紙を用いて、白色を加えていきながら色のちょうどよい発色を工夫させる。
・花火の広がり方、どの部分を線で塗るか、点で表現するとよいのかを考えならかく。

3.自分や友だちの工夫しているところを紹介する

○できあがったところまでの鑑賞をする。
・自分や友だちの表現のよいところを見つけ、紹介し合う。

○花火の広がり方や色の混ぜ方、塗り方などに目を向けて意見を交流させる。

「キラキラのおくりものバッグ」(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「キラキラのおくりものバッグ」

2.目 標

・キラキラのおくりものバッグをプレゼントしたい人をイメージし、身の回りにある材料を使って、紙袋の中にキラキラしているおくりものをつくる。
・アルミホイルや光沢のある紙、つるつるした針金など、光を反射しやすい材料などに興味や関心をもち、それらの特性を生かして表現したものを光を通した場所にかざって、楽しむ。

3.準備(材料・準備)

教師:宅急便用紙袋・たこ糸・アルミホイル・光沢のある紙・色セロハン・線材料(針金・モールなど)・ビーズ・ペンチ・カッター・接着剤など
児童:はさみ・のり

4.評価基準

造形への関心・意欲・態度
○銀紙や線材などの身辺材料などで光を反射する材料に興味や関心をもち、それらを生かした表現を楽しむ。
○心をこめたおくりものをプレゼントする相手を考えてつくろうとしている。

発想や構想の能力
○銀紙や線材などの光を反射する材料に触れ、色や形からイメージを広げ、自分が表現したいものやことを思いつく。

創造的な技能
○身近な材料や用具の特徴を生かして組み合わせを試し、自分なりの表し方を工夫する。
○光を通して、キラキラ見えるように効果的な表し方を工夫する。

鑑賞
○友だちの表し方の面白さや違いに気づき、感じたことや思ったことを伝え合う。

道徳との関連
○プレゼントしたい相手のことを考え、相手も喜んでくれるような表現を考える。

5.本題材の指導にあたって

 「宅急便用の袋を使ってバッグをつくり、相手が喜ぶようなキラキラのおくりものをつくろう。」と子どもに呼びかけ、自分がイメージするキラキラのおくりものが入っているバッグを身近な材料でつくる。
 宅急便の紙は、光沢がありしっかりしているので、製作活動中も切ったり貼ったりして色々工夫ができる。紙袋の真ん中をくり抜き、光を通してキラキラが効果的に見えるようにし、目の前で光を感じやすいような環境を設定する。おくりものという言葉から、もらった相手の気持ちが温かくなるような表現活動も予想される。
 身辺材料を自分でも準備することで、より楽しく意欲的に創造活動ができると考える。窓際や光を通しやすい場所を考えて展示することにより、互いに作品に興味をもち、友だちの作品のよいところを見つけやすいと考える。

6.題材の指導計画

太字…教師の投げかけ


学習活動の流れ


指導上の留意点

1

光を通すキラキラのおくりものバッグをイメージしてみよう。

・プレゼントされた相手が喜ぶようなキラキラのおくりものが入ったバッグをイメージし、アイディアスケッチをする。

・キラキラする材料を選び、袋の中にどのようなおくりものを入れたいか考える。

・宅急便のバッグに触れさせ、バッグの使い方を理解できるように声をかける。

【関心・意欲・態度】キラキラの材料に興味をもち、おくりものバッグを意欲的につくろうとする。

光を通すキラキラのおくりものバッグをイメージしてみよう。

光が通るように袋に穴をあけよう。

取っ手の部分は切り取った紙でつくろう。

4
本時

光が通るように袋に穴をあけよう。

・袋を2つ折りにして、両面にはさみで穴をあける。

・予定していない部分まで穴をあけないように声をかける。

身の回りの材料で、つくりたいキラキラのおくりものをつくろう。

・アルミホイル、光沢のある紙、セロハン、線材料(針金・モールなど)、ビーズなどの身辺材料を使い、イメージするキラキラの世界をつくる。

・ひもでぶら下げたり、穴から効果的に見えるようなしくみができるように声をかける。
・おくりものバッグの取っ手の部分をつくり持てるように声をかける。

【発想や構想の能力】キラキラをイメージしながらつくりたいものを考え、材料を見立てる。
【創造的な技能】身近な材料や用具の特徴を生かして組み合わせを試し、自分なりの表し方を工夫する

モールとビーズで花をつくったよ。

<材料>
宅急便用紙袋、アルミホイル、光沢のある色紙、色セロハン、線材料(針金・モール)、ビーズ、ペンチ、カッター、接着剤など

アルミホイルでキラキラのおくりものをつくっているよ。

キノコのふしぎなおくりものができた。

ハートの窓の中に針金でハートをつくったよ。

針金を使ってイメージする形をつくっているよ。

接着剤やのり、ホチキス、セロハンテープなどで。

キラキラのモールとアルミホイルを組み合わせて。

キラキラしている富士山です。

納豆の入れものに、キラキラの豆をいれたよ。納豆が好きなんだ。

穴に透明シートをつけて、光や色が透き通ってキラキラ見えるような工夫をしよう。

・透明シートにペンで色をつけたり、色セロハンを貼り、袋の中がよりキラキラするように工夫してつくる。

・透明シートを袋に貼る作業については、両面テープなどを使い丁寧に貼るように伝える。

窓枠にキラキラテープをつけてみたよ。中をのぞきたくなるね。

シートをつける時は、両面テープや接着剤を使ってまっすぐに貼りました。

色ペンは透明度の高いものを使用し、色の組み合わせも工夫しました。

1

光を通しやすい場所を考え、展示しよう。みんなで見てみよう。

・校舎内の窓や校庭などキラキラが効果的に表現される場所を探し、展示する。互いの作品のよいところを発見したり、自分が工夫したことや頑張ったところを発表したりする。

・光を通しやすい場所を考え、作品が効果的 に見える場所を探すように伝える。

【鑑賞の能力】友だちの表し方のおもしろさや違いに気づき、感じたことや思ったことを伝え合う。

上から雨粒が落ちてきました。ひもでぶら下げました。

送る相手にカードをつくったよ。

外の枝にぶら下げてみました。光を通しますね。

7.本時の学習

①目 標
 キラキラのおくりものをイメージしながら、アルミホイルや光沢のある紙、つるつるした針金など、光を反射しやすい材料などに興味や関心をもち、それらを生かした表現を工夫し楽しみながらつくる。

②学習展開(4時間)

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

光が通るように袋に穴をあけよう。

・袋を2つ折りにして、両面に穴をはさみであける。

・予定していない部分まで穴をあけないように声をかける。
・穴をあける活動が困難と思われる児童には、線をかいて分かりやすくする。

身の回りの材料で、つくりたいキラキラのおくりものをつくろう。

・アルミホイル、光沢のある紙、セロハン、線材料(針金・モールなど)、ビーズなどの身辺材料を使い、イメージするキラキラのおくりものの世界をつくる。
・穴をのぞきながら、キラキラのおくりものをぶら下げたり、貼ったり、置いたりしてキラキラが見やすい位置を考えながら表す。

・ひもでぶら下げたり、穴から効果的に見えるようなしくみができるように声をかける。
[ひも]1㎜程度のたこ糸。結べるところは結ぶように伝える

・おくりものバッグの取っ手の部分をつくり、持てように声をかける。
[取っ手の部分]バッグを切り抜いた紙を利用して、もつところをつくるように知らせる。

【発想や構想の能力】キラキラをイメージしながらつくりたいものを考え材料を見立てる。
【創造的な技能】身近な材料や用具の特徴を生かして組み合わせを考え自分なりの表し方を工夫する。

穴に透明シートをつけて、光や色が透き通ってキラキラ見えるような工夫をしよう。

・透明シートにペンで色をつけたり、色セロハンを貼り、袋の中がよりキラキラ効果的に見えるように工夫してつくる。

・透明シートを袋に貼る作業については、両面テープなどを使い丁寧に貼るように伝える。

【発想や構想の能力】透明シートに色セロハンをはったりペンで表したり自分のイメージを表そうとしている。
【創造的な技能】【鑑賞の能力】透明シートを貼りキラキラがより効果的に見えるよう工夫しようとしている。

8.完成作品

「かたちから みーつけた!」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「かたちから みーつけた!」

2.目 標

 紙をちぎってできた偶然の形を基に発想を膨らませ,楽しみながら自分のイメージを表す。

3.準備(材料・用具)

教師:A4コピー用紙,八切画用紙,スティックのり,磁石,プロジェクター(winペイント使用),パソコン,名札
児童:クレヨン・パス,筆記用具

4.評価規準

造形への関心・意欲・態度
○ちぎったときの感触や音を感じたり,ちぎった紙の形が何に見えるか考えたりすることに関心をもち,楽しみながら活動に取り組んでいる。

発想や構想の能力
○ちぎった紙の形を基に発想を膨らませ,自分のイメージを描いている。

創造的な技能
○紙の感触を楽しみながら,ちぎっている。
○自分のイメージに合わせて,画用紙やクレヨン・パスの色を選んだり,ぬり方を工夫したりしている。

鑑賞の能力
○感じたことを話したり,友達の話を聞いたりしながら,作品や見立ての面白さを感じている。

5.本題材の指導にあたって

 小学校6年間を通して図画工作科で身に付けさせたい力の1つに,「形や色を用いて自分のイメージを伝える力」がある。そのために,低学年から,自分で色を選んだり,形をつくったり,色や形を基にイメージをもったりする活動をたくさん経験させることが大切である。
 本題材は,紙をちぎってできた偶然の形を基に発想を膨らませ,思い付いた自分のイメージを絵に表す活動である。日頃から,児童は,身の回りにある雲,葉,水たまりなどの偶然の形を「クジラに見える」「顔に見える」と発言し,見立てることの面白さを感じている。この見立てこそ,児童が自分の感覚を通して形をとらえ,自分のイメージをもった瞬間である。日常の中で見立てを楽しんでいる低学年の時期に,形を主役とした題材を投げかけ,形のもつ多面的な面白さと自分のイメージを人に伝えることの楽しさを味わわせたい。

6.指導計画(全2時間計画)

学習活動の流れ

指導上の留意点,評価方法

1

◯材料の感触を楽しみながら,いろいろな形を表す。

紙の感触を楽しみながら,ちぎってみましょう

・紙には,いろいろなちぎり方があることを知り,試す。
・コピー用紙をちぎり,偶然の形をつくる。
①鉛筆で紙の好きな場所4か所に穴をあける。
②いろいろなちぎり方を試しながら,穴を通って一周する。

・ギザギザ,くねくね,まっすぐなどちぎり方の例を児童と一緒に考え板書する。
・穴をあけるときは,
①鉛筆の角度は小さく。
②手の位置は穴をあける場所の横。
と伝え,ケガをしないよう配慮する。

[創]紙の感触を楽しみながら,ちぎっている。(様子・発言)

2
本時

○紙をちぎってできた偶然の形を基に発想を膨らませ,楽しみながら自分のイメージを表す。

・学級全体で参考作品を見て,何に見えるか考えることで,形にはたくさんの見方があることに気付くことができるようにする。
・クレヨン・パスで色をぬるときは,薄い色からぬるよう言葉かけをする。
(児童に指導をする際は,直感的に分かりやすいよう,薄い色を「よわい色」,濃い色を「つよい色」としている。)
・紙を貼るときは,スティックのりをポンポンと軽く押し付けてつけるよう言葉かけをする。

[関]ちぎってできた形が何に見えるか楽しみながら考えている。(様子・発言)

[発]ちぎった紙の形を基に発想を膨らませ,自分のイメージを描いている。(様子・発言・作品)

[創]自分のイメージに合わせて,画用紙やクレヨン・パスの色を選んだり,ぬり方を工夫したりしている。(様子・発言・作品)

[鑑]ちぎった紙を見たり,友達と対話をしたりして,作品や見立ての面白さを感じている。(様子・発言)

ちぎった紙の形から思い付いたものをかきましょう

・ちぎった紙の向きや角度を変えて,いろいろな見方を試す。
・名札の裏に,形から見立てたものを2つ以上書く。
・クレヨン・パスで紙に色を付け,思い付いたものを工夫して表す。
・見立てたものに合わせて画用紙(台紙)の色を選び,ちぎった紙を貼る。
・題名を付け,自分の作品を説明する。

7.本時の指導(2/2)

①目 標
○紙をちぎってできた偶然の形を基に発想を膨らませ,楽しみながら自分のイメージを表す。

②学習展開

主な学習活動・内容

☆指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

◯本時の課題をつかみ,活動の見通しをもつ。
・ちぎった紙からいろいろな形に見立てられることに気付く。

☆ちぎった紙が一人ひとり違う形をしていることを確認し,自分がつくった形からイメージを広げていくことを意識させる。

教師(以下T):何に見えるかな?
児童(以下C):鳥だよ!右下が口ばしに見えるでしょ。
C:ちょうちょに見えるよ!大きく羽を広げているみたいだよ。
T:じゃあ,くるっと回したら……。
C:あっ,手裏剣みたい。
C:上から見たゾウに見えるよ。
C:ゾウ?どこがゾウに見えるの?

T:ゾウに見えたんだね。どこが目かな。鼻は?
C:ここのあたりが目だよ!
T:先生がパソコンでかいてみるね。目はこのあたりかな。
C:本当だ!上から見たゾウになった。

☆視聴覚機器を活用し,児童の発想を画面に描き加えたり,注目するポイントを拡大して分かりやすくしたりして,学習の見通しがもてるようにする。

☆紙の向きや角度を変えることで,いろいろな形に見立てられることを確認する。

○学習課題に取り組む

☆色を重ねる時は薄い色から重ねること,強くぬる方法と弱くぬる方法があること,細い線と太い線の違いを確かめ,黒板に掲示する。

ちぎった紙の形から 思い付いたものを かきましょう。

・ちぎった紙に色をぬり,友達に自分の思い付いたイメージを伝えることを知る。
・用具の正しい使い方を確認する。

・自分がちぎった紙の形が何に見えるか考える。
・いくつも思い付いた児童は,名札の裏に思い付いたものをメモする。

C:ギザギザが鬼の金棒みたいに見えてきた!何色でぬろうかな。

・自分のイメージが伝わるよう,紙にクレヨン・パスでかき加える。

☆何に見えるか考える時間を十分に確保することで,たくさんの見方を実感できるようにする。

・見立てられない児童への手立て
→班の友達に何に見えるか相談したり,一緒に考えたりして,発想のきっかけをつくる。
→紙をもう少しちぎって形を変える,先に台紙に貼ってかき加える等,イメージを補うよう支援する

・見立てられるが,絵に表すことができない児童への手立て
→何に困っているのか聞き,一緒に色を選んだり,児童のイメージを試し紙にかいたりして支援する。

・自分が思い付いたものに似合う色の画用紙(台紙)を選ぶ。

C:クマに似合う色は何かな。
C:森にいるから,緑が似合うよ!

・紙を台紙に貼って,周りをかき足す。

C:上を向いているみたいに,斜めに貼ってみよう。

C:玉乗りゾウさんにしよう!ボールをかくぞ!

☆思い付いたものに似合う色やよく見える色を考えて,自分で台紙を選べるようにする。

・台紙に模様を付けたり,周りの様子を描き足したりしている児童への対応
→形から発想を広げ,周りまで想像してかけたことを褒める。

◯作品や見立ての面白さを共有する。
・自分の作品を紹介する。

C:ここの形がしっぽに見えたから犬にしました。
T:形から思い付いたことを,友達に伝えることができたね。

☆基になった形が何に変身しているか見付けるよう言葉かけし,鑑賞の視点を示す。

【児童作品】

もりのくまさん

もりのくまさん

ふじさん

ふじさん

ファイヤーバード

ファイヤーバード

大きいくつ

大きいくつ

あざらし

鳥獣戯画の世界を味わおう(鑑賞学習)(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

鳥獣戯画の世界を味わおう(鑑賞学習)~表現のよさやおもしろさをみつけよう~

2.題材の目標

(1)『鳥獣戯画』の鑑賞学習を通して,その作品のよさやおもしろさなどを自分の思いをもって味わおうとする。(造形への関心・意欲・態度)

(2)感じたことや思ったことを自分の言葉や絵で表現したり,友達と話し合ったりしながら,表し方の変化,表現の意図や特徴をとらえ,よさやおもしろさなどを感じ取っている。(鑑賞の能力)

3.題材について

 本題材は,図画工作科の鑑賞領域の学習であるが,国語科「『鳥獣戯画』を読む」「この絵,わたしはこう見る」の土台にもしたいと考える。本題材で『鳥獣戯画』を鑑賞し,初めて出会った作品に対する感動や思いをもって,国語科の題材文の筆者である高畑勲が,どのようにこの作品をとらえ,その感動をどのように文章で表しているか,その表現の手法などに気づくための豊かな情操部分を蓄えておきたいとの思いからである。しかし,この『鳥獣戯画』作品は難しい表現要素もあり,一見しただけではそのよさを感じ取りにくい部分もある。国語科では,さらに「この絵,わたしはこう見る」の題材で自分なりに絵をどうとらえ,どのような思いを抱いたかを他者に的確に伝えるかという題材に続く。『鳥獣戯画』の全体を楽しく鑑賞することができれば,自ずと鑑賞文を書きたいという必然性もわき起こると考える。そういう図画工作科と国語科のよりよいコラボレーションを児童に感じさせながら学習をすすめたい。第6学年においては,このような教科内での限定した学習だけにとどまらない,教科の枠を超えた学習も効果的であるという考えのもと,この題材を設定した。

4.指導について

(1)児童の実態(男子9名 女子17名 計26名)
 児童は,図画工作科の授業への意欲・関心が高い。6年生になってからは,鑑賞の領域では浮世絵についての学習を積んでいる。その際,文化の意義や交流,創造などについて考えを深める子もおり,各教科などを通して多方面から考察をする場面もあった。社会科の歴史学習への意欲・関心も高く,文化についても考える機会もあったことをふまえると,今回の『鳥獣戯画』という日本の美術文化に関わりの深い作品についても興味をもつ児童が多いのではないかと考える。

(2)指導の手だて
◆単元構成の工夫

 後述の視点に基づいて,統合単元的に組む。そうすることで,児童の中では思考がつながり,途切れにくいというメリットがあると思われる。反面,長期にわたり,関心・意欲を保ち続けるには,難しい部分もあると言える。そのため,適時目新しい資料や提案を入れ,意欲が持続するように支援したい。最後の総合学習「にじっ子美術館へようこそ!!」では,出来上がった鑑賞文や国語科や図画工作科で学んだことを活かして書いた他の作品の鑑賞文を全校に展示するなどして,自分達の美術館をつくる活動を行う予定である。学習の成果を発表できる場であると同時に,「活用」を感じられる場になるようにしたい。そういった一連の必然性のある流れをつくることで,さらに鑑賞への意欲や国語科や図画工作科の表現への意欲を高めたり,問題解決への資質・能力を高められたりできるようにしたい。

◆文化理解・創造の軸をもたせる
 国語科においては思いを言語で表現するが,図画工作科では色や形・線によって表現するという教科の特異性がある。一人の表現者として,文化を理解し創造する楽しみを味わわせることを大事にしたいと考える。どちらかの表現手法に苦手意識をもっている児童も,2つの学習により,表現という面においては,思いを満たすことができるのではないかと考える。また,相互の教科をうまくリンクできれば,発想の広がりや鑑賞の深まりにつながり,文化理解や鑑賞・表現のおもしろさを感じることにもつながっていくだろうと期待している。
◆鑑賞学習の工夫
 鑑賞と表現は相加相乗効果をもって造形教育の礎をなす。鑑賞の学習は大まかに,①表現よりの鑑賞(相互鑑賞・自己鑑賞),②表現と接続する鑑賞(表現から鑑賞へ・鑑賞から表現へ),③独立した鑑賞(美術作品の鑑賞・生活からの鑑賞)の3つのカテゴリーになると考えられる。児童のこれまでの学習経験からも,表現の体験・実感を伴う学習は効果的であったことから,ここでは,表現と鑑賞を一体化する(接続する)鑑賞を行いたい。児童は,「鑑賞から表現」,「表現から鑑賞」へのスパイラルにより,鑑賞は深められ,関心・意欲も高まると考える。

5.本時の評価規準

関心・意欲・態度

『鳥獣戯画』のよさやおもしろさなどを,自分の思いをもって楽しく感じ取ろうとしている。(発言・ワークシート)

鑑賞の能力

感じたことや思ったことを進んで話したり,友達と話し合ったりしながら表現の意図や特徴などをとらえ,自分なりに『鳥獣戯画』のよさやおもしろさなどを感じ取っている。(発言・作品・ワークシート)

6.指導計画(3時間 配当)…本時 1/3

 第1時…『鳥獣戯画』の世界を味わおう(本時)
 第2時…MY『鳥獣戯画』にチャレンジ!!
 第3時…『風神雷神図屏風』を見る ~三人の琳派~

7.本時の学習

(1)目 標
 自分の思いを話したり,友達と話し合ったりしながら,『鳥獣戯画』の特徴やよさ,美しさを味わい,鑑賞活動を楽しんでいる。

(2)準備物
教師側:
『鳥獣戯画』写真図版・絵巻物(複製),『鳥獣戯画』ミニ巻物(複製)児童数分,ワークシート,『鳥獣戯画』柄の浴衣
児童側:小筆,墨,半紙など

(3)学習過程

学習活動と予想される児童の反応

支援と評価(評)



○学習のめあてをつかむ。

『鳥獣戯画』の世界を味わおう
~表現のよさやおもしろさをみつけよう~



○『鳥獣戯画』の鑑賞画を見て話し合い,感じたことや気づいたことを発表する。

・作品図版を見せる。
・自由に発言させ,自分の思いを表出しやすい雰囲気づくりをする。

○絵巻物の『鳥獣戯画』を見て(グループごと)気づいたことを話し合い,発表する。

・一続きの漫画みたいになっている。
・流れがある。
・途中に継ぎ目がある。

・1人1人のパーツをつなげると1つの絵巻物になるようにしておく。
・絵巻物の見方を紹介する。

(評)進んで話したり,友達と話し合ったりして楽しく鑑賞できたか。
(発言)

○いろいろな場面を取り出しみんなで鑑賞する。

◆すもうの場面(異時同図)
◆水遊びの場面 など

・身体で表現してみたり,見合ったりしてもよいことを知らせる。
・楽しく味わいながら絵巻物のおもしろさを感じられるようにする。
・ミニレプリカを参考にしたり,模写したりしてもよいことを知らせる。

(評)自分なりに自由に試しがきしながら楽しく鑑賞できたか。
(発言・ワークシート)

・友達の作品のよいところを伝え合うようにする。
・簡単な紹介文を友達の作品につけることで,国語の題材へのプレ学習となるように支援する。

○見たい部分を自分なりに自由に味わう。

○お気に入りの場面をかいて楽しむ。

○自分達がかいた作品を鑑賞し合い,うまくいったことを紹介したり,キャッチコピーをつけてあげたりする。




○感想を発表する。

○今に生き続けている日本文化の一端となっていることを紹介する。
・アニメーション,映画,パラパラ漫画,紙芝居
・着物の柄

・高畑勲著の書物や関連する図書・作品資料などを示す。

8.完成作品

「わたしのくつ」(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「わたしのくつ」

2.目 標

 身近であるくつを描くことで、材料の特徴をとらえ、自分の思いを表現していく楽しさを味わうことができる。

3.準備(材料・用具)

教師:八つ切り画用紙・台紙用色画用紙・ハンコ用発泡スチロール板・付箋
児童:油性ペン(黒)・水彩絵の具・習字道具・はさみ・のり

4.評価基準

造形への関心・意欲・態度
〇テーマに向かい、自分のイメージをもちながら、すすんで活動に取り組んでいる。

発想や構想の能力
〇自分の思いが伝わるように、形や色を工夫しながら表現方法を構想している。

創造的な技能
〇自分のイメージした絵になるように、線の太さや色の濃さ、かき方を工夫している。

鑑賞の能力
〇自分や友だちの作品を見合い、作品にこめられた思いや表現方法のよさを感じ取ったりすることができる。

5.本題材の指導にあたって

 線描は、対象をよく見て、粘り強く、ていねいにかきすすめなければならない。そのため、子どもが愛着を感じ、大切にしているもの、または、その思いに気付かせたいものをかかせたいと考え、靴を対象に選んだ。
 八つ切り画用紙にし、実際の大きさより少し大きめを目指してかかせるようにした。はき口からつま先へとかかせることで、のびやかにかきすすめることができるようにする。また、縫い目や、素材、汚れに着目させたり、同じ色でも場所や光によって見え方がちがうことに気付かせたりすることで、表現の工夫を促すようにもしたい。線の強さや長さを工夫することで、線描の楽しさを味わわせたい。

6.題材の指導計画(全7時間)

学習活動の流れ

指導上の留意点・評価

1
2

〇くつを線描する。
・自分のくつを机上に置き、形、色、つくり、汚れなどをよく観察する。
・くつの向きを決める。
・はき口、甲、つま先の順でかきすすめる。
・縫い目など、細かく観察してかく。

・色々な向きからくつを見て、自分のかきたい向きを見つけるようにする。
・小さな絵にならないよう、どんな大きさにかくかイメージさせておく。

3
4

〇水彩絵の具でくつの色をぬる。
・明るい色から塗り始める。
・点々塗りで塗り進める。

・水を十分に加え、薄く塗り重ねるようにする。
・別の色を塗り重ねる場合、乾いてから塗るようにする。

5
6

〇約1cmを残し、くつのまわりを切り取り、台紙に貼る。
〇くつの詩をつくって、空いたところに墨汁で書く。
〇ハンコを押して完成させる。

・完成図をイメージさせて、台紙に貼る場所を決めるようにする。
・詩は、くつを引き立て、くつへの愛着を深めるようなものになるよう助言する。

7

〇相互鑑賞をする。
・友だちの作品のよさを見つけ、付箋に感想を書いて貼る。

・作品を掲示する。
・全員に付箋が貼られるよう配慮する。

7.本時の学習(1~2/7時間)

①目 標
・自分の思いに対するイメージをもち、意欲的に活動に取り組む。
・しっかりとくつを見つめ、表現を工夫しながら線描する。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

1.学習課題を確認する。

「わたしのくつ」の線描をしよう。

2.机上にくつを置き、見る。
かく向きを決める。
形、色、つくり、汚れなど、よく観察する。

・色々な向きからくつを見て、自分のかきたい向きを見つけるようにする。

3.くつの線描をする。
・はき口
・甲
・つま先
・外周
・かかと
・縫い目

・小さな絵にならないよう、どんな大きさに描くかイメージさせるため、鉛筆で薄く外周をかくようにする。
・でき上がった作品から紹介し、いいところを取り入れられるようにする。

4.次時の学習内容を知る。

水彩絵の具で「わたしのくつ」を塗ろう。

生徒作品1

生徒作品1

生徒作品2

生徒作品2

生徒作品3

生徒作品3

生徒作品4

生徒作品4

生徒作品5

生徒作品5

生徒作品6

生徒作品6

生徒作品7

生徒作品7

生徒作品8

「苗ドームをヘーンシン!」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「苗ドームをヘーンシン!」

2.題材の価値とねらい

 苗ドームとは,育成中の苗が鳥に食べられることを防いだり,苗を寒さから守ったりするためのものであり,ホームセンター等で購入することが可能である。苗ドームは,子どもが頭にかぶって自分を何かに変身させたり,ひっくり返して回したりなど,子どもにとって遊ぶ行為が広がる材料である。また,ドーム自体が曲面の形状をしておりかつ透明なので,下から見たり斜めから見たりすると形状が変わって見えたり,透明性のある材料をつけると見え方が変わったりなど,子どもの表現を広げる可能性を持っている。

苗ドーム

苗ドーム

かぶったら,別な世界に見えた!

かぶったら,別な世界に見えた!

3.題材の観点別評価内容

①関心・意欲・態度
 苗ドームの動きの面白さに気付き,進んで身の周りから材料を集めて,楽しんで表そうとしている。

②発想や構想の能力
 苗ドームの動きを変えたり,様々な角度から鑑賞したりしながらイメージを膨らませて,表し方の工夫を考えようとしている。

③創造的な技能
 色や形,大きさなどを考えて,自分の思いを表現できる装飾材料を効果的に使い,思いにあった表し方をしようとしている。

④鑑賞の能力
 苗ドームを回して遊ぶ活動を通して,苗ドームの動きを生かした面白さやよさに気付いている。

4.学習の流れ

<用具・材料>
教師:苗ドーム,装飾材料(例:スズランテープ,お花紙,色セロハン,マスキングテープ),苗ドームを動かして遊ぶコーナー(鏡,ドームをぶら下げる棒,色水の入ったペットボトルなど),マーカーペン
児童:装飾材料(例:リボン,わた,ミラーテープ,キラキラクッションなど)

<導入時の工夫>
 導入時には,「苗ドームを回すと面白い!」と子どもに思わせる手立てを取り入れる。最初に,苗ドームを子どもに提示し,苗ドームで触れ合う時間を設定して遊ばせる。

巨大ゼリーだ!

巨大ゼリーだ!

T:苗ドームを使って,遊んでみましょう。
C:巨大ゼリーみたい。
C:宇宙人の帽子みたい。
C:UFOみたい。
C:亀の甲羅みたい。

 子どもが,苗ドームを回して色々な見立てが出来たところで,体育館や集会室などの広いスペースに,以下のコーナーを準備する。

1.カラフルコーナー
 このコーナーでは,色水の入ったペットボトルの上にドームを置いて眺めさせる。子どもが,回して眺める・下から眺める・ドームをひっくり返して眺める,などの行為を通じて,何かをイメージしていく。例えば,お花の観覧車みたいでキレイ,扇風機が回っているようで面白い,などである。

カラフルコーナー

カラフルコーナー

2.クルクルコーナー
 このコーナーでは,棒にドームを指して回転させて眺めさせる。子どもが,クルクルと回転させながら,上から眺める・横から眺める・斜めから眺める,などの行為を通じて,何かをイメージしていく。例えば,コマがクルクル,泡立て器が回っている,などである。

クルクルコーナー

クルクルコーナー

3.ブラブラコーナー
 このコーナーでは,高さの異なる場所にドームをまっすぐぶら下げたり,斜めにぶら下げたりして眺めさせる。子どもが,下から眺める・横から眺める,上から眺める,などの行為を通じて,何かをイメージしていく。例えば,ロケットが飛んでいく,マンボウが泳いでいるよ,宇宙船が下りてきた,などである。

ブラブラコーナー

ブラブラコーナー

4.どれどれコーナー
 このコーナーでは,鏡の前でドームをかぶったり,人型の箱にドームをかぶせたりさせる。子どもは,回しながら鏡に映った自分を眺める・ドームをかぶった自分を眺める,などの行為を通じて,何かをイメージしていく。例えば,UFOに吸い込まれている,帽子みたい,透明な世界,などである。

どれどれコーナー

どれどれコーナー

5.デコボココーナー
 このコーナーでは,高さの異なる棒にドームを指して眺めさせる。子どもが,ステージの上から眺める・横から眺める・下から眺める・斜めから眺める,などの行為を通じて,何かをイメージしていく。例えば,お花が咲いている,みんなのドームを乗せたら,虫みたい,亀がぶら下がっている,などである。

T:今度は,体育館に用意した五つのコーナーに行って,遊んでみましょう。
C:カラフルコーナーでドームを回したら,ルーレットがまわっているみたい。
C:ブラブラコーナーに行ってドームを回したら,宇宙船が目をまわしたよ。

 子どもは,複数の場で試し,様々な角度から眺めることにより,色々なことを感じたり,思い付いたりしていく。

デコボココーナー

デコボココーナー

どんな感じかな?

どんな感じかな?

<活動の広がり>
 「苗ドームを回すと面白い!」「苗ドームを回したら,○○みたい!」というように,ドームを回すことの面白さや色々な見立てが出来た状態の子どもに,テーマ(例:2-2フェスティバル~魔法を使って○○に変身~)と材料コーナーを提示する。子どもは,前時までの活動を想起し,5つのコーナーの中から気に入ったコーナーに行き,つくりたいものを考えてつくっていく。

C:わたとリボンを付けて,ぶらぶらコーナーでドームを回したら,クラゲの足みたいに見えたよ。
C:ドームにスズランテープを付けて,カラフルコーナーで回したら,「レインボーなゆりかご」に見えたよ。もっとレインボーになるようにしよう。
C:キラキラクッションを付けて回したらキラキラしてオシャレになったから,「キラキラクラゲ」にしよう。

 子どもは,色々なコーナーで苗ドームを動かし,「動きの面白さ」に気付き,色々な視点(形や色,動きなど)からの見立てをしたことで,つくりたいものを表すことができた。

完成作品例1

完成作品例1

完成作品例2

完成作品例2

完成作品例3

完成作品例3

<評価>
 学習過程の児童のつぶやきや様子などを踏まえて,一人ひとりのつくりたい思いを継続させる評価を心がける。①~④は,題材の観点別評価内容の具体の姿である。

①苗ドームを回したり,色々な角度から鑑賞したりして,苗ドームの動きの面白さに気付く。そして,意欲的に材料を集めて,楽しみながら面白い形を表そうとしている。

②苗ドームの動きを変えたり,様々な角度から鑑賞したりして,苗ドームの動く様子から何かを見立てている。そして,見立てたことに基づき,装飾材料の組み合わせを考えている。

③つくりたいものを表現するための装飾材料を効果的に使って,つくりたい思いに近付く表し方をしている。

④友だちの製作途中の作品や,つくった作品を回して遊ぶ活動を通じて,苗ドームの動きを生かした面白さやよさに気付いている。

絵画指導 クリムトの木を描こう~クリスマスツリーを作ろう~(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.基礎データ

題材・単元名

絵画指導 クリムトの木を描こう~クリスマスツリーを作ろう~

時間数

全2時間

題材・単元の
特徴

グスタフ・クリムト「樹木の薔薇」の油絵を鑑賞し、絵を拡大して提示すると点描画であることに気付く。綺麗に見えた絵が、点で描かれたことに気づき自分たちでもできそうだと意欲的に描き始める実践です。

授業環境

活動環境

普通教室

人数

教師1名 児童9人

教材や用具

教師:IWB、デジタル教材(みる美術)
児童:100円ショップで買える小型キャンバス、アクリル絵の具、筆

コンピュータ
動作環境

使用デジタル教材

提示型デジタル教材『みる美術』
西洋美術 フランス国立美術館連合編

OSバージョン

Windows7

使用周辺機器

PIONEER 60インチIWB1台、FUJITSUノートPC1台

その他

パワーポイント(プレゼンソフト)

2.活用事例

①ねらい
 小学校学習指導要領解説図画工作編によると中央審議会答申において改善の基本方針(ⅱ)改善の具体的事項に「表現や鑑賞の活動を通して,自らつくりだす喜びを味わうようにするとともに,感性や想像力,手や体全体の感覚などを働かせながら造形的な創造活動の基礎的な能力を高め,生活や社会と主体的にかかわる態度を育て,豊かな情操を養うことを重視」することを示されている。そこで、本単元では、鑑賞した美しい作品を自ら作り出す意欲と喜びを味わうように工夫し、指や筆を使い、絵画の基礎的な感覚を高めることをねらう。

②『みる美術』利用の意図
 作品を制作するに当たり、意欲を持たせるために、IWBにおいて、大きく細部まで美しく見ることができる「『みる美術』西洋美術 フランス国立美術連合編」を活用する。今回の単元では、クリムトの作品「樹木の薔薇」をまず鑑賞し、素晴らしさを味わう。
 味わった後に、課題として、同じような美しい作品を児童自らが制作することを伝え動揺させる。
 軽いショックを与えた後に、『みる美術』の2枚並べる機能を使い、同じ作品を二つ並べ、一方を拡大していくことで、作者の描いた筆の跡が、児童が描けそうな点描画であることがわかり、これくらいなら自ら作り出すことができると意欲を持たせることができるように活用した。また、細部まで拡大できる『みる美術』の画像を、IWBを使って大きく映し出すことで、真似をしながら自ら色を考え、ゴールを目指して体を動かして作り上げていく意欲を手間をかけずに持続させることができる。

③評価について
a.造形への関心意欲態度
 表現や鑑賞を通して、進んで作りだす喜びを味わうことができる。

b.発想や構成の能力
 複数の絵を並べて身近なものを発想したり、一つの木になるように構成したりすることができる。

c.創造的な技能
 指や筆を使い、アクリル絵の具の感覚を楽しみながら、水彩絵の具とは違う色の重なりを楽しむことができる。

d.鑑賞の能力
 様々な色が重なり合うことで生まれる面白さや楽しさ、美しさを感じ取ることができる。

④指導計画
 特設単元のため、2時間のみの実践である。

3.本時の展開

①目標
 意欲的に絵画の鑑賞を通して学んだ感覚や点描の技法をもとに、クラスの全員での協働的な学び合いを通して、一枚の共同作品を完成させることができる。

②『みる美術』を活用した授業の展開

主な学習活動・内容

教師の指導・評価の留意点


1.作品を鑑賞する。
「樹木の薔薇」をIWBで鑑賞し、点描画の技法を知る。

並列提示の例

並列提示の例

・全図~拡大図を見せることで、美しい作品の素晴らしさとともに、拡大図なら真似できるという意欲を持たせる。

拡大図

拡大図



2.自分の作品を作る。
拡大表示された「樹木の薔薇」を参考にし、作品を完成させる。

描画法 筆、指の例(1)

描画法 筆、指の例(1)

描画法 筆、指の例(2)

描画法 筆、指の例(2)

・筆以外にも指を使ってもいいことを教える。
・色の重なりに注目させ、使われている色や塗る順番を考えさせる。
・油絵の重なりを表現させるために、乾燥したら混色しにくいアクリル絵の具を使う。


・固まりやすいので一色ごとに、筆や指を水で洗わせる。



3.一つの作品に仕上げる。
9枚の作品をつなげて1枚の作品に仕上げる。

はじめの並べ方(1)

はじめの並べ方(1)

はじめの並べ方(2)

はじめの並べ方(2)

最終的な並べ方

最終的な並べ方

・作品を持ち寄らせ、並べ方を考えさせる。色合いや表現等の違いに気付かせた上で、一体感を持たせるように並べる視点を与える。
・児童の自由な発想を大事にする。
・身近な自然や季節の行事などから連想させることで、自分たちの考えが広がりやすい。


※本実践では、12月だったこともあり、休み時間を使用し、星と幹と植木鉢を足すことで、クリスマスツリーに変身した。



4.作品を作った感想を書く。

・自分の言葉で感じたことを書かせる。気持ちや感覚と、技法など今後も活用したい気持ちを持たせるよう言葉かけが必要となる。

③指導のポイント
 IWBで普段は見られない作品を鑑賞し、鑑賞したことから学んだ技術や感性をもとに、児童が自らの手で作品を作り上げるところがポイントである。共同作品とすることで、作品を並べ一つにする段階での協働的な学びが可能となる点もポイントである。

4.感想等

 全図と拡大で違いがあり、そのギャップが楽しめるところがすごい。このソフトが細かいところまで本物のように鑑賞できるからであり、この実践も、インターネット上の作品画像ではできなかった。同じものを並べる機能は、比べる時にとても便利である。

「物語の世界」 ~エルマーのぼうけん~(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「物語の世界」 ~エルマーのぼうけん~

2.目 標 

 「エルマーのぼうけん」の物語を読んで、心に残った場面の様子や気持ちを想像し、自分の主題に合った表し方を考えて絵に表すことができるようにする。

3.準備(材料・用具)

教師:参考作品・技法の材料と用具・フラッシュカード・色スケッチ用マーメイド紙・アイデアカード・付箋・動物や植物、景色の写真・マーメイド紙
児童:筆記用具・絵の具・スケッチペン

4.評価規準

造形への関心・意欲・態度
○物語の心に残った場面の様子や気持ちを想像し、主題を決め、絵に表すことを楽しむ。

発想や構想の能力
○物語の心に残った場面の様子や気持ちを想像し、動きや表情、場面に合った配色やぬり方を考える。

創造的な技能
○主題に合った表し方になるように、画面の中で構成するものの大きさや配置、絵の具の重色や筆のタッチなどを工夫して表す。

鑑賞の能力
○作品を友だちと見せ合って話し合い、共通点や相違点、表現の工夫などに気付く。

5.本題材の指導にあたって

 本題材で取り上げる物語、『エルマーのぼうけん』は、9歳の少年エルマーがどうぶつ島で野蛮な動物たちにとらわれているりゅうを助け出しに行く旅の物語である。分かりやすい記述や場面ごとの登場人物が限られているため、児童にとって視覚的に情景や人の動きをイメージしやすい。よって、どの児童にとっても描きたい場面を決めやすく、意欲的に取り組める題材であると考える。
 また本題材では、着彩に水彩絵の具を取り上げる。これまで学習してきた重色や技法を生かし、児童が主題に合わせて表し方を選んで工夫することで、児童一人一人が持つイメージにより近づく表現ができると考える。
 指導に当たっては、児童が自分の表したい表現方法を見つけ、自分らしい表現を追求しながら発想や構想する力を高めていけるよう、以下の3つの手立てを中心に指導を行っていく。

手立て①
人物の動きや表情、色の使い方やぬり方、それらが与えるイメージについて、児童の参考となるような資料を提示する。【図1参照】

 表現の幅が狭かったり児童同士の表現が偏ってしまったりするのは、参考作品の例示パターンが少ないためという場合もある。あえて資料を多く用意し、提示された資料から場面の様子や自分の思いを表すために児童が必要なものを取捨選択できるようにすることで、一人一人の感じ方の違いが多様なイメージとして表れ、表現の幅がひろがるものと考える。

【図1】

z025_001 z025_002 z025_003 z025_004

動物カード

色の使い方やぬり方

色の使い方やぬり方

人物の動きや表情

人物の動きや表情

※その他「色が与えるイメージ」「構図が与えるイメージ」の参考作品 等

手立て②
場面の様子や自分の思いを形や色で表すアイデアスケッチや色スケッチ(試し活動)の場を設ける。
 アイデアスケッチのときは、「動き・表情・大きさ・位置」、色スケッチのときには「使う色またその組み合わせ・筆のタッチや技法」と、観点を明確にして取り組ませることで、児童一人ひとりが表したい自分の思いを意識しながら試行錯誤し、最も自分が表したい表現や自分らしい表現を見つけていけると考える。

手立て③
製作途中の作品を見合い、意見交換する相互鑑賞の時間を取り入れる。
 自分の表現を友だちと共有する時間を設けることは、表現の先に観る人がいることを自覚し、児童がより効果的な表し方を考えるきっかけになるであろうと考える。児童は自分の表したい感じや思いが友だちにどのように伝わるのかを確認し、自分の表現を見直したり、他の表現方法に気付いたり、さらに膨らませたりすることができるだろう。また、良いところを認め合うことで、自分の表現に自信を持てると考える。

 「これでいいですか」と教師に問うのではなく、「こうしたい」と言える児童を一人でも多く増やしたいと願っている。児童が選ぶ形や色には、根拠や意図があってほしい。その根拠や意図は、自分が表したい感じや自分の思いに基づくものであってほしい。自己決定を繰り返し、納得して次の活動へ進むことが自分らしい表現の追求となり、表現する喜びにつながっていくものと考える。

6.題材の指導計画




学習活動の流れ

指導上の留意点
(評価項目、評価方法)



○物語を読んで、心に残った場面を絵に表すことを知り、学習の見通しを持つ。

○絵に表したい場面を選び、選んだ理由と描きたい場面の様子をアイデアカードに記入する。【図2参照】

○題材との出会いの読み聞かせの際は、各場面ごとに簡単な感想を書き、あとで場面を想起しやすいようにする。
○自分が描きたい場面が決まったら、その場面で一番表したいことを文章に表したり、「どの場面で」「何が」「どこで」「いつ」「何をしているのか」を書いたり、児童自身が主題をはっきり意識できるようにする。

・絵に表したい場面を選び、アイデアカードに想像したことや自分の思いを書き出している。
【関】(アイデアカード・観察)





13

鑑賞活動
●場面の様子や登場人物の気持ちを想像して、鉛筆でアイデアスケッチをする。【図2参照】

観点
・動き
・表情
・大きさ
・位置

●“チャンス!タイム”でアイデアスケッチを見合い、友だちと意見交換をする。
・全体で交流後、グループで交流する。
・表現意図を説明する。
・質問やアドバイス、表現の良いところを話す。
・困っていることや教えて欲しいことなどを相談する。
・自分が納得したアドバイスはアイデアスケッチに朱書きする。

○挿絵を抜いた文章を増し刷りし、アイデアスケッチの際、いつでも物語を読み返すことで、印象に残った叙述や言葉などに着目できるようにする。
○アイデアスケッチでは、どこから見ているのかを意識し、中心となるもの の表情・動き・大きさ・位置に着目して描けるように助言する。
○“お助けコーナー”を設け、図鑑や図案集、写真、植物などを用意し、形の描き方に困っている児童が自力解決できるようにする。
○学び合いの時間は、“チャンス!タイム”という名称で児童に伝え、関心を持って取り組めるようにする。
○描いたアイデアスケッチは教室掲示しておき、児童がお互いに見合い、困 っていることやアドバイスを書いた付 箋紙を貼って自由な鑑賞の場が生まれるようにする。

【図2】

児童A

児童A

児童B

児童B

児童C

児童C

児童D

児童D

○アイデアスケッチをもとに、中心となるものや周りのものを、大きさや配置に注意しながら、下絵を描く。

○絵本の挿絵や参考作品を見ながら、背景のテーマを考える。
○画用紙全体に主張色(空気の色)を塗る。【図3参照】

場面の様子や登場人物の気持ちが表れるような動きや表情を考えている。
【発】(観察・作品)

主題に合った表し方になるように、画面の中で構成するものの大きさや配置を工夫している。
【創】(観察・作品)

【図3】

児童A

児童A

児童B

児童B

児童C

児童C

児童D

児童D

本時


/
13

鑑賞活動
●試し活動(色スケッチ)をする。【図4参照】

観点
・色(組み合わせ)
・ぬり方

●“チャンス!タイム”で背景のテーマと色スケッチについて、友だちと意見交換をする。【図5参照】
・全体で交流後、グループで交流する。
・表現意図を説明する。
・質問やアドバイス、表現の良いところを話す。
・困っていることや教えて欲しいことなどを相談する。
・自分が納得したアドバイスは、色スケッチにメモする。

○背景のテーマを決め、色の組み合わ せやぬり方を工夫させることにより、場面の様子や登場人物の気持ちがより効果的に表せるようにする。

○必要に応じて、たんぽやスパッタリングなどの技法も活用できるよう、用具を用意しておく。

場面の様子や登場人物の気持ちが表れるような色の組み合わせやぬり方を考え、試し活動を行いながら自分が最も表したい表現方法を見つけている。
【発】(観察・作品)

【図4】

児童A

児童A

児童B

児童B

児童C

児童C

児童D

児童D

【図5】

児童A

児童A

児童B

児童B

児童C

児童C

児童D

児童D

○色スケッチをもとに、背景色を塗る。【図6参照】

【図6】

児童A

児童A

児童D

児童D

○中心となるものと背景の色の組み合わせ に気を付けながら、着彩する。【図7参照】

主題に合った表し方になるように、技法を選び、絵の具の重色や筆のタッチなどを工夫している。
【創】(観察・作品)

【図7】

児童A

児童A

児童B

児童B

児童C

児童C

児童D

児童D




1

鑑賞活動
●自分や友だちの作品を見て、感じたことを書く。

観点
・伝わってくる感じ
・工夫しているところ

●自分や友だちの表現意図を伝え合う。

自分の作品の表現の意図や表し方の工夫を説明するとともに、お互いの表現 のよいところや伝わってくる感じを味わっている。
【鑑】(作品カード・観察)

○児童の作品をプリントし、絵本の表紙として楽しむ時間を設ける。【図8参照】

【図8】

z025_029

○表紙にした自分や友だちの絵を見合う。

7.本時の学習

①目 標
 場面の様子や登場人物の気持ちが表れるような色の組み合わせやぬり方を見つけることができる。

②学習展開


主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援
★評価項目(評価方法)


1.本時のめあてを確認し、本時で行う活動を知る。

○本時の活動を確認する。

場面の様子や登場人物の気持ちが表れるような色の組み合わせやぬり方を見つけよう。

・いろいろ試したけれど、どれを背景にしようかな。
・○○な感じを表してみたけれど、友だちに伝わるかな。

○前時で使った参考作品などは、本時でも児童が確認できるよう掲示しておく。
・「よし、これで行こう!」と思える表し方を見つけるよ。

13

2.“チャンス!タイム”で背景のテーマと色スケッチについて、友だちと意見交換をする。

付箋紙の活用

付箋紙の活用

○全体で交流後、グループで交流する。
○自分が納得したアドバイスは、色スケッチにメモする。
・ライオンの怒ってる感じを出したよ。
・にごった水を表しました。
・赤とオレンジを使っていて、明るい感じが出ているね。
・波の表し方がうまくいかなくて困っています。

○いろいろな表現に触れられるよう、グループでの話し合いの前に、教室を自由に移動して色スケッチを 見合う時間を設ける。
・背景のテーマを、友だちはどんな色やぬり方で表しているかな。
・自分のテーマに近い表し方をしている友だちはいるかな。

観点
・色(組み合わせ)
・ぬり方

○話し合いをスムーズに進められるよう、形態は1グループ4人とする。
○話し合いが停滞している場合は、担任がコーディネーター役となり、観点に着目して話ができるよう支援する。
・友だちの表したい感じが、伝わってくるかな。
・もっと表したい感じが出るように、アドバイスすることはあるかな。
・参考になったところはどこかな。

C1:どんなことを言ったらいいかわからないな。

C1:この色スケッチの中で「いいな」と思うところはあるかな。

22

3.どこが参考になったか、自分の作品に生かしたいことを考えて製作の続きをする。
・○○さんの色を出したいけど、わか らないから教えてもらおう。
・筆のタッチを変えてぬってみようかな。

○どこが参考になったかを明確にし、自分の作品に生かすよう伝える。
○表し方が見つかった児童は、下絵の背景をぬってもよいことを伝える。
○作業中でも、気になる表し方があったら教わったり参考作品を見に行ったりしてもよいことを伝える。
○新たに色を試したい児童のために、色スケッチ用の紙を用意しておく。
○中心になるものよりも薄い色でぬっていくよう伝える。
○絵の具の水加減や混色の指導が必要な児童には助言する。

C1:どんな色を使ったらいいのかな。

色スケッチをもとにした背景の着彩(1)

色スケッチをもとにした背景の着彩(1)

色スケッチをもとにした背景の着彩(2)

色スケッチをもとにした背景の着彩(2)

C1:どんな感じにしたいのかな。参考作品を一緒に見てみよう。自分のイメージに近い塗り方は、どれかな。

★場面の様子や登場人物の気持ちが表れるような色の組み合わせやぬり方を考え、自分が最も表したい表現方法を見つける。
【発】(作品・行動観察)


4.本時の活動を振り返る。

○数名を指名し、本時の活動の感想を話すよう促す。
○どんな活動をしたのか児童の色スケッチを紹介しながら感想を聞くようにする。

「見て・感じて・話し合おう -アートゲームで遊ぼう-」(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「見て・感じて・話し合おう -アートゲームで遊ぼう-」

2.目 標

○形や色、材料や表現方法をもとに自分のイメージをもち、アートゲームによる鑑賞活動を楽しんで取り組むことができる。(造形への関心・意欲・態度)
○感じたことや思ったことを友だちと話し合うことで、自分なりの作品の見方や感じ方を深めることができる。(鑑賞の能力)

3.準備(材料・用具)

教師:国立美術館アートカード・セット(国立国際美術館から借用)、ワークシート
児童:筆記用具

4.評価規準

○造形への関心・意欲・態度
 形や色、材料や表現方法をもとに、美術作品に対する自分のイメージをもつ。
 アートゲームによる鑑賞活動を楽しんで取り組む。カムの動きに関心をもち,楽しい作品をつくることに取り組もうとしている。 

○鑑賞の能力
 友だちとの話し合いを通して、美術作品のよさや美しさ、表現の意図などについての自分なりの見方や感じ方を深める。

5.本題材の指導にあたって

【児童の実態】
 本学級の児童は、図画工作科の時間が好きである。5月当初に取り組んだ「よ~くよくよく、よくみて描こう」では、自分の「くつ」を題材に構図を考え、2足の靴の空間を感じながらていねいに作品を仕上げていた。また、水彩絵の具の特徴を活かし、透明感のある色で彩色をすることができた。しかし、できあがった作品の感想を書くとき、頑張ったところ、工夫したところを具体的に書けなかったり、自分の作品を否定したりする児童が見られた。
 そこで、自分や友だちの作品、美術作品のよさや美しさを感じることができるように、鑑賞学習に取り組み始めた。美術館を訪れたり、国内外の美術作品を鑑賞したりする児童はほとんどいなかったので、クイズ形式で楽しく取り組めるアルチンボルドのだまし絵「四季」を用いて鑑賞学習を行った。初めは作品をどのように見て、感じたことをどのように言葉で表現すればよいのかわからなかった児童も、作品を鑑賞するごとに積極的に発表できるようになった。授業後の感想を書く際、「感想を書くのが苦手。」とつぶやく児童もいた。しかし、感想を読んでみると、「今までじっくり美術作品を見たことがなかったから、おもしろかった。」「もっと、いろいろな作品を見てみたい。」など作品の見方を少しずつ理解してきた児童も見られるようになった。
 4月下旬に行った「学習についてのアンケート」より、本学級の児童は、自分の考えを言ったり、発表したりするのが苦手であり、楽しいと感じられない。また、友だちの発表や考えをよく聞くことも苦手であり、自分の考えを友だちに聞いてもらっているという意識をもった児童が少ないことがわかった。このアートゲームを通して、意見を交流することの楽しさに気づくと共に、作品の見方・感じ方を深めたい。

【教材について】
 アートゲームとは、絵画作品をカード化したものを用い、ゲーム方式で遊びながら鑑賞の仕方を身につける活動である。今回使用する「国立美術館アートカード・セット」は、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、東京国立近代美術館工芸館、国立西洋美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)の5つの美術館の選りすぐりの作品(13枚ずつ、合計65枚)をカードにしたものである。絵画だけでなく、写真、シルクスクリーン、工芸品など、作品の表現方法が多岐にわたっており、児童が興味・関心を抱きやすい。また、「国立美術館アートゲーム」には、「分類型」「シュミレーション型」「ことば型」など様々な視点で考案されたゲームがあり、目的や児童の実態に応じてゲームを選ぶことができる。
本題材では、アートゲームを活用した学びあいを実践するにあたり、3つの指導・支援を考えている。1つ目は、作品に対する自分のイメージがもてるように、作品をじっくり鑑賞する場を設けることである。指導計画の第1次では、児童が作品の見方・感じ方を理解できるように、クラス全体でアートゲームに取り組み、作品の見方を知らせる。また、作品に対するイメージを膨らませるために、ワークシートを用いて自分の意見を整理できるようにする。2つ目は、作品の見方や感じ方を発表し合える機会を、1時間の授業の中で必ず組み入れる。意見交流の場を設けることで、「友だちの意見を認める」「友だちの意見をもとに、自分の作品の見方・感じ方を深める」素地を育てていくようにする。そして、授業を重ねる中で、「鑑賞とは作品の造形からイメージした自由な発想を伝え合うこと」を感じさせていきたい。3つ目は、自分の考えを整理したり、友だちのよさに気づいたりできるように授業後、ふり返りカードを用いる。授業当初の作品の見方・感じ方の変化に気づき、成長を感じさせることで、今後の鑑賞学習への意欲につなげていきたい。

6.題材の指導計画

学習活動

指導上の留意点

評価の場面や方法

○国立美術館アートカードを用いて、クラス全体で「しりとりゲーム」をする。

○自分の手札の作品を、造形に気をつけて鑑賞し、作品の中から感じとれる言葉をワークシートに書くことができるようにする。

○形や色、材料や表現方法をもとに、作品の特徴に気づき、アートゲームに進んで取り組むことができる。

○国立美術館アートカードを用いて「名探偵ゲーム」をする。(本時)

○出題者がどのカードを選んだか推測するための質問が明確になるよう、造形に着目できるようにする。

○形や色、材料や表現方法をもとに、作品の特徴に気づき、アートゲームに進んで取り組むことができる。

○国立美術館アートカードを用いて「名探偵ゲーム」をする。(本時)

○出題者がどのカードを選んだか推測するための質問が明確になるよう、造形に着目できるようにする。

○形や色、材料や表現方法をもとに、作品の特徴に気づき、アートゲームに進んで取り組むことができる。

○鑑賞部会作成アートカードを使って「せりふあてゲーム」をする。

○せりふと作品の類似点に着目して、カードを探すよう助言する。

○せりふと作品の類似点や相違点などに気をつけながら、アートゲームに取り組むことができる。

○国立美術館アートカードにせりふをつける。

○造形の特徴をつかみ、リズムのよいせりふが考えられるよう、キーワードとなる言葉に着目するようにしたい。

○形や色、材料や表現方法をもとに、美術作品に対する自分のイメージをもち、せりふをつけることができる。

7.本時の学習

①目 標
○形や色、材料や表現方法をもとに自分のイメージをもち、アートゲームによる鑑賞活動を楽しんで取り組むことができる。
○活動を通して、友だちの作品の見方・感じ方に共感したところや感心したところを見つけ、発表することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の留意点

評価の場面や方法

色や形、表現方法に気をつけて作品を見よう!

○「名探偵ゲーム」の方法を知る。(※PDF参照
○グループに分かれて、「名探偵ゲーム」をする。

○指導者が模範を見せることで、ゲームの見通しをもつようにする。
○1枚1枚の絵をじっくり鑑賞する時間をとることで、色や形、表現方法を意識した質問内容を考えられるようにする。
○6月8日に鑑賞しに行く国立国際美術館と関連させることで、事後学習に興味を抱くようにしたい。

○ゲームに楽しんで取り組む。

○指導者が提示したカードを見て「題名」を考える。

○作品と作品名のギャップがあるものを選ぶ。
(田中敦子「地獄門」)

○考えた「題名」を発表し合う。

○自分が考えた題名と、友だちが考えた題名を比較・分類することで、互いの作品の見方や感じ方の違いや共通点を見つけやすいようにする。

○友だちの作品の見方・感じ方で共感したところや感心したところに気がつき、発表する。

○ふり返りカードを書く。
○学習したことをふり返る。

○ふり返りカードに自己評価をすることで、事後学習への意欲につなげるようにする。
○ふり返りカードをもとに、発表を促す。

「ねえ,みてみて!この○○なところ!」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「ねえ,みてみて!この○○なところ!」

2.目 標

○作品をよく見て,形や色などの要素を見つけることができる。
○作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばで表すことができる。
○鑑賞のマナーを身につける。

3.準備(材料・用具)

教師:写真作品12点,ワークシート(児童配布用)児童数
児童:鉛筆,消しゴム,クリップボード

4.評価規準

○造形への関心・意欲・態度
・「さわらない,大声をださない,走らない」をまもって鑑賞ができる。 

○鑑賞の能力
・写真に写っているものの色や形に注目し,その要素を具体的に挙げることができる。
・いくつかの作品を比較し,類似点や共通点を見つけることができている。
・友だちのクイズに対して自分なりの理由をもって答えている。
・作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばに表すことができる。

5.本題材の指導にあたって

 本題材のねらいは,写真作品の鑑賞を通して日常生活を楽しくする鑑賞の力を養うことである。
 写真とは,風景を距離とタイミングによって切り取り画面を作り出す表現方法である。写真に写るものは,その時必ずそこに存在していたものであり(その点が絵画と異なる),見る者は被写体を通して写真の中に「この時,何があった」など,世界の広がりを感じられる。そのため経験から想像を広げやすく,逆にその活動で養われた感覚は日常に活かされやすい。写真を通した鑑賞は,生活を楽しくするための手軽で優れた手段であると考える。
 本題材は学年によって提示の仕方を変えることができ,2年生対象である本時では,被写体を「モデルさん」として擬人化して提示し,「寝ている」「のんびりしている」など生活に即した感じ方に繋がりやすくしている。

6.題材の指導計画

写真作品

①

②

③

④

⑤

⑥

⑦

⑧

⑨

⑩

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⑫

学習活動の流れ

指導上の留意点,評価方法

第1時

・おなじところ,似ているところ探し

<評価>
○「1と2は色がにている」「どっちもおにぎり」など,おなじモチーフの作品どうしを選ぶことができている。
○「5と12はどちらも光っている」など,似た要素に注目して違うモチーフを選べている。

・ぴったりなことばを探そう(前半)

<評価>
○タマネギの「光沢」など具体的な要素を理由にして選択肢から「つるつる」など適切なものを選べている。
○「⑩ ひかっている」のようにモチーフの様子に着目し自分のことばで表せている。
○「4ばん 赤ちゃん」「4 ぐったりらっきょう」「4ばん クッションみたい」のようにモチーフを擬人化している,または抽象化されたものとして見たてられている。

第2時

・ぴったりなことばでクイズを出そう
・ぴったりなことばを探そう(後半)
・クイズ
・お気に入りのモデルさんをきめよう

<評価の基準>
○番号が選べている,「きれいだから」であれば可。
○「4ばんの玉ねぎさん もしもはっぱがいっぱいあったらねむれるから。」など,根拠を明らかにしていれば良または優。

7.本時の学習(2限連続)

①目 標
・作品をよく見て,形や色などの要素を見つけることができる。
・作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばで表すことができる。
・鑑賞のマナーを身につける。

②学習展開

写真作品

①

②

③

④

⑤

⑥

⑦

⑧

⑨

⑩

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⑫

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

・作品と出会う(5分)

児童が多目的室に入ると,作品が展示されている。
「6人のモデルさんの写真があります。並んでいる写真をじっくりではなく,まずはすこし離れたところからかんたんに見てみましょう。」
移動前に教室で以下の基本3点を指導しておく。
・さわらない
・大声をださない
・走らない
3分程度見たら集合する。
「全部で12枚ありましたね。7人のモデルさんの名前を言います。何番かわかるかな。」
「おにぎりさん」はどれでしょう,と聞き,児童の「1番」「2番」「これとこれ(指差し)」など反応を見ながら以下をランダムに紹介する。
・おにぎりさん(①,②)
・玉ねぎさん(③,④)
・電きゅうさん(⑤,⑥)
・ヌードルさん(⑦)
・ティッシュさん(⑧,⑨)
・ペットボトルさん(⑩,⑪,⑫)

・活動(1)
「① おなじところ,にているところさがし」(13~15分)

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書き方の例を示し,活動を始める。
書き方の例:「⑥と⑩が光っているのがおなじ(にている)。」
また,以下の2点を指導する。
・渋滞をよけて,すいているところから見るとじっくり見られる。
・うんと近付いて見るときは,くしゃみやおしゃべりでつばが飛ばないように口に手をそえる。

・ 全体指導,発表

数人に見つけたことを聞き,児童は友だちの意見を聞いて多様な見方にふれる。以下のような回答があった。
<同じ被写体の写真を選択したもの>
・①と②がごはんつぶがついている
・⑧ばんと⑨ばんは色がおなじ
<違う被写体で共通点を見つけたもの>
・⑪と③ たおれている
・④と⑫ 赤い
・②と⑦ たべもの
・⑦と① ひとつぶひとつぶくっついている
・⑦と⑧がくにゃくにゃなのでにています。
・おにぎりの色とたまねぎの色がいっしょ。
・おにぎりののりとでんきゅうのすながちょっとにてる。

・活動(2)
「② ぴったりなことばをさがそう」

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書き方の例を示し,活動を始める。「モデルさんのようすを自分のことばで表したり,題名をつけてもいいよ」と,形容詞などに限定せず自由に発想させる。どうしても思いつかないときは,ワークシートの選択肢から選んで書いてもよい。
書き方の例:「⑥→すなあそび」「⑪→きらきら」

(5分休み)

・活動(3)
「ぴったりなことば」をつかってクイズを出し合う

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ぴったりなことばを探したら,クイズを行う。
例:「“キラキラカラフル”は何番でしょう」

 以下のような回答があった。
・①おいしそう
・②お山
・②おにぎりがのりのふねであそんでる
・③ねむたそう
・③はなびみたい
・④クッションみたい
・④のはらでねむってる
・⑤デンキュウさかだちじょうず
・⑤ピカピカやじるし
・⑤はつめいか
・⑤メリーゴーランド
・⑥つるつる
・⑥下がふわふわしてかわいい
・⑦ヌードルこおりでかたまった
・⑦大めいろ
・⑦からまっている
・⑧かわいそう(やぶられた)
・⑧大きなふとんみたい
・⑧雪にかぶった白いざっ草
・⑧白ラーメン
・⑨ふわふわ
・⑨いばってころがっている
・⑩びんみたい
・⑩きん
・⑩金の大王
・⑩でこぼこ
・⑪ねむそーグーグー
・⑪なまけもの(のびた)
・⑪だいえっとをしている
・⑫レインボー
・⑫オーロラみたい
・⑫せいぞろい

8.成果と課題

 普段の鑑賞カードでは自由作文になってしまい,書くことが苦手で何も書けない児童もいたが(書いていても「きれい」「すごい」等),①でその作品に「何が,どういう写り方をしているのか」を具体的に見て,作品の中から生活に即した感覚でことばを引き出すことができた。また,そこで見つけた物を材料にして②の活動にスムーズに移行できた。①のようにすぐに食べるなどの経験に繋がりすぐにことばがでる作品と,⑤のような一見何を写したのかわからないものが想像を広げた回答が多く見られる作品が,バランスよく含まれていてよかった。
 この教材の課題は,②と③の間にやや飛躍があり,自由に想像したことを「お気に入り」と結びつけている児童が多くなかったことである。最終的に文章にまとめ,感想を伝えられるようにするための手だてが必要である。