「ヒ」の筆順は?

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 今は大学の日本文学科の教員をしていますし、その前は十年も高校で国語を教えていました。しかし、それにも関わらず、漢字の覚え違いや筆順の間違いがずいぶんあって、恥ずかしい思いをします。「成」という字の筆順がいい加減だったり、片仮名の「ヒ」の横棒をどちらから引くのかわからなくなったりということがしょっちゅうで、それでも教員かとお叱りを受けそうです。
 ところで「ヒ」は漢字の「比」の半分を取り出して片仮名にしたものです。「比」の左側と右側とで横棒の筆の向きが違うことにお気づきでしょうか。では、「ヒ」は「比」のどちらの部分を採ったものでしょうか。そして、それは「ヒ」の横棒の筆の向きと関係づけることができるでしょうか?
 実はこれはそんなに簡単な問題ではありません。歴史的に資料を辿ってみると、左側を使った「ヒ」と、右側を使った
「ヒ」の両方が見つかるのです(!)。片仮名の字体は、誰かが一度に決めたわけではなく、自然発生的に多様な字ができて、それが長い時間をかけて淘汰されていきました。だから、当初はいろいろな字体が併存していまして、例えば「ノ」は「乃」の一画目を抜き出して片仮名にしたのですが、逆に二画目のぎくしゃくした方を抜き出した片仮名もあり、古い写本では比較的よく見ます。「ヒ」も左右どちらを使ったものもあったわけです。ただし、全体的に見ると、右側を使ったものがかなり優勢であるそうです。詳しくは、築島裕『日本語の世界5 仮名』(昭和五十六年 中央公論社刊)をごらん下さい。
 さて、右側を抜き出したものが優勢だったとすると、「比」の右側の「ヒ」は、横棒が右から左へ進まなくてはならないはずですね。しかし、現在片仮名の「ヒ」の横棒は左から右へ引くことになっているのではないでしょうか。瑣末なことのようですが、ここをきちんと説明することは、残念ですが私の手には余ります。
 「ら」の字がうまく書けない人は、筆順を間違っていることが多く、上部の点が一画目なのだと教わると劇的に読みやすい字に変わります(私がそうでした)。私が自分の間違いに気づいたのは、「ら」は「良」に由来すると知ったからで、それならば上の点が先にならなくては不合理です。由来に戻ってみることは大いに役立ちます。しかし、起源と現在との間には、ずいぶん大きな距離があるのも事実です。単純な「ヒ」の字にも、そうした距離を感じます。


「大すき! ○○小学校」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

大すき! ○○小学校
15時間 1月~2月

2.単元のねらい

 本単元は,おうちの人から届いた手紙をきっかけに入学後1年間を振り返りながら,過ごしてきた学校での時間や出来事,場所や人への愛着と,そこでの自分の成長を実感し,今後の学校生活に意欲や自信をもつことができるようにすることをねらいとしている。個々の充実感や活動を学級全体で交流し共有する時間を設定することで,自分だけではなく,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付いてほしい。さらに,その気付きに共感することで,自分を取り巻く多くの人々や生活を共にする友だち,また,自分の成長につながる一年間の多くの体験に対する気付きへと広げていきたい。
 子どもたちは,今の自分を起点にして4月までを振り返り,今感じている思いや成長に至るまでに,どんな出来事があったのかを思い出しまとめてきた。そして,それを学習参観でおうちの人に教えたいという目標に向かって取り組むなかで,友だちの思い出に対する興味が出てきた。話し手は,自分自身が身につけてきた力とともに,毎日過ごした学校,クラス,仲間への愛着に気付くとともに自分への自信をもち,それを自分なりの方法で伝えていく。そして聞き手は,友だちの話を手がかりに,自分と「大好きなもの」とのかかわりを,より詳しく伝える方法に気付き,おうちの人にもっと伝えたい,これも教えたいという願いが膨らむ。また,友だちと自分との共通点や違いに気付き,様々な思い出があることを実感し,一人ひとりが満足感や学校生活の充実感をもてていることを感じながら「自分っていいな。あの子っていいな。このクラスっていいな。仲間と成長しながら来年もすごしていきたいな。」という実感をもってほしい。

3.単元の目標

 入学してからこれまでの学校生活について振り返り,自分だけではなく,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付くことができるようにするとともに,これからの学校生活に対する希望や期待をもつことができるようにする。

○生活への関心・意欲・態度
・入学後1年間を振り返りながら,過ごしてきた学校での時間や出来事,場所や人への愛着と,そこでの自分の成長を実感し,今後の学校生活に意欲や自信をもつ。

○活動や体験についての思考・表現
・おうちの人からの手紙をきっかけに,今の自分が得意なこと・好きなものを思い浮かべ,今を起点に一年間を振り返ることができる。
・振り返ったことをもとに,自分の伝えたいことを伝えたい内容にあった方法で表現し,おうちの人や友だちに教えることができる。

○身近な環境や自分自身への気付き
・学校生活や思い出を振り返ったり,伝えたいことを表現したり,おうちの人や友だちに教えたりする活動をとおして,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付くことができる。さらに,それぞれの気付きを共有することで,自分と仲間の成長に気付くことができる。

4.活動の計画

事前準備
 三学期が始まってすぐに,活動への意欲づけのため,おうちの方に手紙のお願いをした。手紙は,導入時だけではなく,活動全体に関わるものである。「手紙の返事をしたい。おうちの人に教えたい。」と子どもたちにとって本単元を通しての目標となるものにしたかった。そのため,学年便りで次のお願いをした。

~手紙のお願い~

1 入学の頃を振り返って
・入学を控えた3月や入学式の頃を振り返り,お子さんの様子(不安,喜び)やおうちの方の気持ちを書いてください。
例1「1年生になったばかりのころ,○○ちゃんは…だったね。」
例2「1年生になるまえ,おとうさんと おかあさんは,…きもちだったよ。もうすぐ○○小学校に にゅう学してから1年たつんだね。」

2 保護者の皆様が小学生だった頃の,学校での思い出
・小学校で好きだった,場所や時間,遊びなどを書いてください。
例1「おとうさんが小学生だったころ,○○のじかんが 大すきだったよ。」
例2「おかあさんが小学生のころは,いつも○○をしていたよ。」

3 お子さんへの質問・投げかけ
・お子さんが「おうちの人に教えたい。」と思えるような投げかけをお願いします。
例1「○○くんは,○○小学校で どんなことが すきになったの?ききたいな。」
例2「○○ちゃんの,おきにいりの○○(場所,遊び,人)を おしえてね。」
例3「おとうさんもおかあさんも しらない ○○小のおすすめの○○(場所,遊び,人)を見つけたかな?」

*いただいた手紙は,『大好き!○○小学校』の学習で子どもたち一人ひとりが開封します。保護者の皆様からいただいた手紙をきっかけにして,一年間の成長をまとめていく学習を展開していこうと考えています。 

環境設定
●「しょうかいしよう」(11/15時間) 場の設定

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おはなしグループ

・8~9名の4つのグループに分かれて,一人ひとりが大好きな○○小学校でのことを伝える。
・お話は3交代で,6分ずつ行う。
・6分間の中で,聞く側の子は,3人の話す子の所に自由に行き話を聞く

話し合いグループA(1・8班)
図書室(3)・友情の輪・なわとび・給食(2)・切り株・鉄棒

話し合いグループB(2・3班)
フラフープ・なわとび・折り紙・国語・給食(3)・なわとび(2)

話し合いグループC(4・7班)
なわとび(2)・給食・1年2組・あそび・フラフープ・切り株・先生・図書室

話し合いグループD(5・6班)
給食(2)・図書室(2)・なわとび(3)・ペントミノ

5.単元の流れ

活動[時数]
●内容 ★ねらい

子どもの活動の様子

1 手がみがとどいたよ
[1時間]
●お家の人から届いた手紙を読もう。
・僕の好きな場所を教えたい。
・私の一番好きなものって何だろう?
・大好きな人を紹介したいな。

★お家の人からの手紙を読み,学校のことを家族に教えたいと意欲をもつ。

1月16日(木)1校時(教室)
 お家の人から届いた手紙を手に,「早く読みたい。」「何て書いてあるのかなあ。」と子どもたちはとてもうれしそうにしていた。いざ,読むときになると丁寧に封筒を開き,真剣なまなざしで何度も何度も読み返していた。「お父さんも小学校でサッカーやってたんだ。同じだ。」「お父さんの小学校は給食があまりおいしくなかったんだって。ぼくたちと違うね。」「質問も書かれてる。」と口々に話し始めた。お家の人の子ども時代の遊びや好きだったこと,聞かれている質問を教え合った。
「返事の手紙,書きたい。」「書こう書こう。」「手紙だけはつまらない。」「サプライズしたい。」「学校に呼びたい。」などと話し合いが進み,お家の人に教えてあげたいと意欲をもつことができた。「先生,学習参観ある?」と聞かれたので,2月14日にあることを伝えると,「そこだ!」と目標の日が決定した。

2 大すきな○○小学校
[2時間]
●すきすきカードをかこう。
・場所・給食メニュー・人・時間・勉強・行事など,この1年間で好きになったを挙げていく。

★好きな場所,好きなものなどについて思いをふくらませ,自分の紹介したいものを決める。さらに,紹介する方法を考える。

すきすきカード。何を教えてあげようかな。

すきすきカード。何を教えてあげようかな。

1月16日(木)2校時(教室)
 「何を教えてあげようか。」という教師の問いかけに対し,「好きなこと」「じまんできること」「とくいなこと」が挙がり,①給食(メニュー,当番)②遊び(サッカー,なわとび,折り紙…)③授業(体育,生活,きれいな字…)④場所(遊具広場,友情の輪…)⑤時間(図書,掃除,下校…)⑥秘密(木の切り株,放送局…)⑦人(1年2組のみんな,友だち,先生)⑧行事(運動会,たてわり)などが積極的に出された。友だちの考えを聞いて「いいね!」「賛成!」などの言葉とともに,うなずいたり拍手をしたりする姿も見られた。
 本時はクラス全体で思い出すままに出し合ったが,次の時間には,自分が教えたいものを決めることを伝えると,腕組みをして表を見つめ,どれにしようかと考えている児童もいれば,「これ」と決まっている様子の児童もいた。

3 大すきな ○○小学校を もっと くわしく おしえて
[7時間]
●くわしくおしえるためには…。
・インタビューをしに行こう・改めて見に行こう。
・観察しよう・思い出そう・振り返ろう。
・練習しよう・調べてみよう。
・わかりやすく伝えるにはどうやってまとめようか。

★好きな場所や好きなものについて自分の気持ちを伝えるための方法を考え,調べたりインタビューしたりする。

教えるために必要こと。

教えるために必要こと。

1月30日(水)3・4校時(PR=プレイルーム)
 「今日の活動で,したいことは?」の問いかけに「絵の続きを描きたい。」「教えるときの言葉を書きたい。」「詳しくしたい。」「本物を見に行って描いてきたい。」といった思いが出された。実際にその場所へ行き,質問や観察に行く児童もいた。活動中,教えたいことや好きな理由を書きながら,さらに教えたいことに気付く児童がいた。「好きな給食を教えたい→理由は調理員さんが…だから→当番の仕事で…だから→調理員さんのことも教えたい→配膳がうまくなったことも伝えたい→やってみよう」「大好きななわとびの話をしたい→一緒に遊んだ友だちも描こう→友だちがアドバイスをしてくれたからできるようになったんだ→うれしかったときの気持ちも教えたい」というように広がりが見られた。その一方で,教えたいことや教え方に自信がもてずにいる児童には,教師が質問をしたり対話を繰り返したりしながら,その時間のことやそこでの出来事を聞き出し,表現できるようにした。

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1月31日(木)2校時(PR)
 「昨日よりもっとしたいことはある?」と問いかけると,「好きになった理由を書きたい。」「好きになるまでのことを書きたい。」「思い出を書きたい。」「今まで絵ばっかりだったから,話す文を書きたい。」などの意見が出た。選んだ対象とのかかわりや出来事に目を向けられる児童が増えてきた。好きな給食ランキングに取りかかっていた児童は,これだけではおうちの人を喜ばせることはできないと考え,給食室の見学や調理員さんとの会話をしたいと考え始めた。

さくせんタイム。おうちの人が聞きたいことって?おうちの人が知りたいことって?

さくせんタイム。おうちの人が聞きたいことって?おうちの人が知りたいことって?

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2月1日(金)1校時(教室)
 「おうちの人にお話ししたとき,どんなふうに思ってもらいたい?」その問いかけに対し,「喜んでほしい。」「わくわくしてほしい。」という考えが出た。「他に,こうなってほしいってことがある?」と考えていった。「がんばったことを知ってほしい。」「何をしてきたのかを知ってほしい。」「知ってほしいのは,一年間の思い出。」という考えから,自分のお話を振り返ることにした。「みんなのお話で,『おうちの人にこう思ってほしい。』が叶えられる?」班ごとに,足りないことやもっと書きたいことを話し合った。「対象と出会ったときのこと」「一緒に過ごした日のこと」「けんかや失敗」などの思い出や出来事,気持ちをもっとたくさん伝えたいとふくらんだ。

2月1日(金)2校時(PR)
 2校時の始め,好きな給食ランキングを書いていた児童から「給食の先生に話を聞きたい。そのこともおうちの人に教えたい。」と希望が出た。給食について教えたい児童同士誘い合って,給食室に行くことにした。戻ってきた児童は,好きな給食だけではなく,大好きな給食がつくられている場所やつくってくれている人についても教えたくなった。「一年間」という長い時間の出来事を伝えたいという意識が強く表れてきた。
 授業の終わりに近づくと,今日の活動でどれくらい教えたいことがふくらんだかを,2本の指や腕の幅で表す姿が見られた。初めのころと今を比べたり,友だちと比べっこをしたり様々である。次はもっと書こう,これを書こうと会話を楽しんでいた。「今日は何を書いたの?」「みんなのも聞きたい。気になる。」「ヒントになるかも。」「アドバイスをもらったり。」「僕も。聞いてほしいし。」「先生,今度見せっこしていい?」「いいね!」そんな会話から,来週,お試しでお話をすることになった。

2月4日(月)1校時(教室・PR)
 授業の始めに今日の作戦を考え,作戦が決まった児童から活動に取り組んだ。「見に行く・聞きに行く」「つくる」の他,「どこでだれと」「最初のころ」「楽しかったこと」「がんばったこと」「成功や失敗」を思い出すことに作戦は集中した。作戦に沿って熱心に取り組む様子が見られた。おうちの人に話す前に,お試しの話をすることに決まったことで,気持ちも高まったようだ。

4 ともだちにおしえてあげよう
[4時間]
●しょうかいしよう。
・「みんなの大好きを見てみよう」
・好きな○○は□□です
・どうしてそこがいいの?
・どうしてその人がすきなの?

★大好きな○○小学校のことを伝える交流活動を通して,友だちの気持ちに共感したり,自分との違いに気付いたりすることで,自分のやりたいことを見つけることができる。

友だちに紹介する様子。

友だちに紹介する様子。

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●バージョンアップをしよう。
・友だちからの質問への答えを書きたそう。
・友だちの良いところを参考にしよう。

★お家の人に,自分と「大好きなもの」との関わりや大好きな気持ちを詳しく伝えるために,絵や文を書き足す。

2月6日(水)5校時(PR)
 「今日の活動で楽しみなことは?」という問いかけに対し,「お話を友だちに聞いてほしい。」「友だちの話を聞きたい。」「話したり聞いたりして,アドバイスをもらいたい。」「バージョンアップできるかも。」という答えが返ってきた。みんなの大好きな場所や大好きな人の写真をパワーポイントで提示し,友だちの「大好き」に興味をもてるようにした。今まで個人での作業だったにもかかわらず,写真を見ただけでだれが選んだものか分かっている児童もいた。
 4つのお話グループに分かれ,お話を聞き合った。絵をのぞき込んで話を聞いたり,質問をしたり,ほめ合ったりしながら,自然と拍手が起こっていた。
 再び全体で集合し,振り返りをした。「お試しをして,どんな『すてき』があった?カード(7.教師の手立て参照)を使ってお話ししてみよう。」「選んだものは同じだったから,好きっていう気もちがわかった。でも,好きな理由が違ってびっくりした。」「○○くんに,そんな思い出があったなんて知らなかった。」「できなかった頃や,できるようになったときの気もちが,よくわかった。私にもそんな時があったなって思い出した。」「できなかったときのことを書き足したい。」「もっと思い出を書こうと思った。」
 友だちの話を聞いて,もっとしたくなったことが出てきたので,10分間バージョンアップに取り組んだ。

2月7日(木)3校時(PR)
2月13日(水)1・2校時(PR)
 前時に見つけた「もっとしたいこと」にそって,自分の作品をバージョンアップさせていった。思い出や失敗,成功したときの気持ちの他,二年生に向けての目標や友だちへのメッセージなども書き足された。時間さえあれば何時間でも続けられそうなほど熱中している。友だちに話したことで,「もっとわかりやすく伝えるためには。」と考えたり,話し方の練習をしたりと「お家の人に早く教えたい。」という気持ちもさらに強くなった。言葉だけではなく,実物や実際にやっているところを見せたいという思いも出てきた。


5 おうちの人におしえてあげよう
[1時間]
●ぼく・わたしの大すきをおしえてあげよう。
・大好きな○○を見つけたんだよ。
・こんなにがんばったんだよ。
・すごいでしょ。
・こんなことをしてすごしてきたよ。

★紙芝居や絵本,模造紙を使って,大好きな○○小学校のことをお家の人に伝える。

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2月14日(木)5校時(教室)
 授業の導入として,「しょうかいしよう」で使った写真に加え,手紙が届いてうれしそうに読んでいるときの様子や,今日まで準備してきた日々の写真をパワーポイントで紹介した。その後,生活班分かれて班ごとにお家の人にお話を始めた。
 友だちに話したときに比べ,相手の見やすさを考えた伝え方ができていた。模造紙は壁に貼って指し棒を使い,絵本は相手に絵や文が見えるように持って話をしていた。友だちやお家の人を大好きな場所に連れて行き,なわとびやフラフープ,鉄棒などは,テラスで披露する姿が見られた。

2月15日(金)3校時(教室)
 活動の振り返りをした。今までのがんばりや工夫したことを話す友だちに対し,「そうだったね。がんばっていたね。」「そのアイデアは僕もまねっこしたよ。」「○○ちゃんすごかったよね。」などと相づちをうっていた。
 「大好きな○○小学校のことを考えながら一年間を振り返ってみたけど,この一年はどんな一年だった?」と問いかけた。「大好きなものをいっぱい見つけた。」「得意なことが増えた。」「初めは全然知らなかった学校のことが,今はいっぱい知っていて,家の次にほっとする。」「僕もすごく成長したけど,みんなも同じくらい成長していた。」という答えが返ってきた。
 「これからみんなは二年生になるんだね。どんな二年生になるんだろうね。」と投げかけると,「今よりパワーアップするよ!」「ちょうどまた一年たったら,もっとすごくなってるね。」「早く二年二組になりたい。」と口々に話していた。

6.成果と課題

 子どもたちは,自分はもちろん,友だちにも大好きなものや大切な思い出が様々にあることに気付き,一人ひとりが満足感・充実感を持てていることを感じ取ることができた。
 クラスの中には「伝えたいことはあっても表現が苦手」「表現できてもお話が苦手」「したいことがあり理想が高くても力が伴わない」などといった子どもたちがいる。しかし,どの子も手紙がうれしく,お家の人が大好きで,自分が成長したことを感じており,それを伝えたいと思っている。本活動では,自分の選んだ方法で,その思いを目に見える形に表し伝えることができた。手紙が届いたこと,友だちと見せ合うこと,友だちやお家の人と対話すること,だれかにほめられること,その繰り返しで意欲は生まれ,願いが広がっていった。
 本活動は,個人での活動が多い内容であった。子どもたちの意欲が強まり,また,持続するためにも,教師の目・気付く心・伝える言葉がいかに必要なことで難しいことかを感じた。今後も一人ひとりを大切にし,子どもを見つめる目を養っていきたい。

7.教師の手立て

 友だちの話を聞いて,感想や意見を言うときに3枚のカードを活用している。

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 1.共感 自分にもそんな経験あるよ。気持ちがわかる。

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 2.驚き びっくりしたよ。知らなかった。すごいね。

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 3.感心 そうだったんだ。なるほどね。

「ねえ,みてみて!この○○なところ!」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.題材名

「ねえ,みてみて!この○○なところ!」

2.目 標

○作品をよく見て,形や色などの要素を見つけることができる。
○作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばで表すことができる。
○鑑賞のマナーを身につける。

3.準備(材料・用具)

教師:写真作品12点,ワークシート(児童配布用)児童数
児童:鉛筆,消しゴム,クリップボード

4.評価規準

○造形への関心・意欲・態度
・「さわらない,大声をださない,走らない」をまもって鑑賞ができる。 

○鑑賞の能力
・写真に写っているものの色や形に注目し,その要素を具体的に挙げることができる。
・いくつかの作品を比較し,類似点や共通点を見つけることができている。
・友だちのクイズに対して自分なりの理由をもって答えている。
・作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばに表すことができる。

5.本題材の指導にあたって

 本題材のねらいは,写真作品の鑑賞を通して日常生活を楽しくする鑑賞の力を養うことである。
 写真とは,風景を距離とタイミングによって切り取り画面を作り出す表現方法である。写真に写るものは,その時必ずそこに存在していたものであり(その点が絵画と異なる),見る者は被写体を通して写真の中に「この時,何があった」など,世界の広がりを感じられる。そのため経験から想像を広げやすく,逆にその活動で養われた感覚は日常に活かされやすい。写真を通した鑑賞は,生活を楽しくするための手軽で優れた手段であると考える。
 本題材は学年によって提示の仕方を変えることができ,2年生対象である本時では,被写体を「モデルさん」として擬人化して提示し,「寝ている」「のんびりしている」など生活に即した感じ方に繋がりやすくしている。

6.題材の指導計画

写真作品

①

②

③

④

⑤

⑥

⑦

⑧

⑨

⑩

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⑫

学習活動の流れ

指導上の留意点,評価方法

第1時

・おなじところ,似ているところ探し

<評価>
○「1と2は色がにている」「どっちもおにぎり」など,おなじモチーフの作品どうしを選ぶことができている。
○「5と12はどちらも光っている」など,似た要素に注目して違うモチーフを選べている。

・ぴったりなことばを探そう(前半)

<評価>
○タマネギの「光沢」など具体的な要素を理由にして選択肢から「つるつる」など適切なものを選べている。
○「⑩ ひかっている」のようにモチーフの様子に着目し自分のことばで表せている。
○「4ばん 赤ちゃん」「4 ぐったりらっきょう」「4ばん クッションみたい」のようにモチーフを擬人化している,または抽象化されたものとして見たてられている。

第2時

・ぴったりなことばでクイズを出そう
・ぴったりなことばを探そう(後半)
・クイズ
・お気に入りのモデルさんをきめよう

<評価の基準>
○番号が選べている,「きれいだから」であれば可。
○「4ばんの玉ねぎさん もしもはっぱがいっぱいあったらねむれるから。」など,根拠を明らかにしていれば良または優。

7.本時の学習(2限連続)

①目 標
・作品をよく見て,形や色などの要素を見つけることができる。
・作品の要素から生活に即した感覚で想像を広げ,感じたことをことばで表すことができる。
・鑑賞のマナーを身につける。

②学習展開

写真作品

①

②

③

④

⑤

⑥

⑦

⑧

⑨

⑩

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⑫

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

・作品と出会う(5分)

児童が多目的室に入ると,作品が展示されている。
「6人のモデルさんの写真があります。並んでいる写真をじっくりではなく,まずはすこし離れたところからかんたんに見てみましょう。」
移動前に教室で以下の基本3点を指導しておく。
・さわらない
・大声をださない
・走らない
3分程度見たら集合する。
「全部で12枚ありましたね。7人のモデルさんの名前を言います。何番かわかるかな。」
「おにぎりさん」はどれでしょう,と聞き,児童の「1番」「2番」「これとこれ(指差し)」など反応を見ながら以下をランダムに紹介する。
・おにぎりさん(①,②)
・玉ねぎさん(③,④)
・電きゅうさん(⑤,⑥)
・ヌードルさん(⑦)
・ティッシュさん(⑧,⑨)
・ペットボトルさん(⑩,⑪,⑫)

・活動(1)
「① おなじところ,にているところさがし」(13~15分)

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書き方の例を示し,活動を始める。
書き方の例:「⑥と⑩が光っているのがおなじ(にている)。」
また,以下の2点を指導する。
・渋滞をよけて,すいているところから見るとじっくり見られる。
・うんと近付いて見るときは,くしゃみやおしゃべりでつばが飛ばないように口に手をそえる。

・ 全体指導,発表

数人に見つけたことを聞き,児童は友だちの意見を聞いて多様な見方にふれる。以下のような回答があった。
<同じ被写体の写真を選択したもの>
・①と②がごはんつぶがついている
・⑧ばんと⑨ばんは色がおなじ
<違う被写体で共通点を見つけたもの>
・⑪と③ たおれている
・④と⑫ 赤い
・②と⑦ たべもの
・⑦と① ひとつぶひとつぶくっついている
・⑦と⑧がくにゃくにゃなのでにています。
・おにぎりの色とたまねぎの色がいっしょ。
・おにぎりののりとでんきゅうのすながちょっとにてる。

・活動(2)
「② ぴったりなことばをさがそう」

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書き方の例を示し,活動を始める。「モデルさんのようすを自分のことばで表したり,題名をつけてもいいよ」と,形容詞などに限定せず自由に発想させる。どうしても思いつかないときは,ワークシートの選択肢から選んで書いてもよい。
書き方の例:「⑥→すなあそび」「⑪→きらきら」

(5分休み)

・活動(3)
「ぴったりなことば」をつかってクイズを出し合う

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ぴったりなことばを探したら,クイズを行う。
例:「“キラキラカラフル”は何番でしょう」

 以下のような回答があった。
・①おいしそう
・②お山
・②おにぎりがのりのふねであそんでる
・③ねむたそう
・③はなびみたい
・④クッションみたい
・④のはらでねむってる
・⑤デンキュウさかだちじょうず
・⑤ピカピカやじるし
・⑤はつめいか
・⑤メリーゴーランド
・⑥つるつる
・⑥下がふわふわしてかわいい
・⑦ヌードルこおりでかたまった
・⑦大めいろ
・⑦からまっている
・⑧かわいそう(やぶられた)
・⑧大きなふとんみたい
・⑧雪にかぶった白いざっ草
・⑧白ラーメン
・⑨ふわふわ
・⑨いばってころがっている
・⑩びんみたい
・⑩きん
・⑩金の大王
・⑩でこぼこ
・⑪ねむそーグーグー
・⑪なまけもの(のびた)
・⑪だいえっとをしている
・⑫レインボー
・⑫オーロラみたい
・⑫せいぞろい

8.成果と課題

 普段の鑑賞カードでは自由作文になってしまい,書くことが苦手で何も書けない児童もいたが(書いていても「きれい」「すごい」等),①でその作品に「何が,どういう写り方をしているのか」を具体的に見て,作品の中から生活に即した感覚でことばを引き出すことができた。また,そこで見つけた物を材料にして②の活動にスムーズに移行できた。①のようにすぐに食べるなどの経験に繋がりすぐにことばがでる作品と,⑤のような一見何を写したのかわからないものが想像を広げた回答が多く見られる作品が,バランスよく含まれていてよかった。
 この教材の課題は,②と③の間にやや飛躍があり,自由に想像したことを「お気に入り」と結びつけている児童が多くなかったことである。最終的に文章にまとめ,感想を伝えられるようにするための手だてが必要である。

教育長の資質能力

icon_pdf_small「日文の教育情報 No.126」PDFダウンロード(327KB)

■ 教育再生実行会議

 教育委員会制度の見直しについてはこれまでもいろいろと話題になってきたところであるが、昨年8月の中央教育審議会答申「教職生活全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」において、教員の資質能力向上に関しては大学における教員養成もさることながら、採用・任用・研修等々と採用後40年近くにわたって責任を負う教育委員会の責任の大きさが改めて指摘された。
 さて、教育再生実行会議であるが、先頃4月15日の「教育委員会制度等の在り方について」(第二次提言)において注目することに次のことがある。

①教育行政の責任体制を明確にするため、教育長を首長が直接任免すること。
②教育長に専門的識見とマネジメント能力に優れた者を充てることができるよう、現職の教育長や教育長候補者の研修など、「学び続ける教育長」の育成に国が一定の責任を果たす。
③県費負担教職員の人事権について、小規模市町村を含む一定規模の区域や都道府県において人事交流の調整を行うようにする仕組みを構築することを前提とした上で、小規模市町村等の理解を得て、市町村に移譲することを検討すること。
④指定都市の教職員の人事権者と給与負担者を一致させることを検討する。
⑤教職員の人事についての校長の権限を強化するため、市町村の教育行政部局は、校長の意向の反映に努めることとする。

 県費負担教職員の人事権の市町村への移譲については、平成19年の地方分権推進会議の勧告以来5年越しの課題であるが、教育委員会や教育長自身の反対で実現にはこぎ着けていない。すでに国民は5年も前から市町村教育委員会の自立を期待しているのである。人事権の移譲とは、言葉を換えれば、教育行政をそれぞれの自治体で責任を持つということである。何故進まないのか、何故反対なのか、そろそろ教育委員会や教育長自身が国民に説明すべきである。しびれを切らした地域が、学校支援地域本部やコミュニティ・スクールという方法で形を変えて教育委員会の自立や学校の自立を通して促しているといっても過言ではない。

■ 教育長調査

 さて、その教育長であるが、つい先日の調査で次のような結果が出た。
 一定の成果は一定の行動によってもたらされる。その行動は知識やスキルによって促される。その知識やスキルは特定の経験から得られる。その教育長にとって最も重要な行動は、課題に対し、対策を練る過程において、情報収集や分析などを行い、新たな施策を進めようとする行動をさす「対課題行動」と、教育行政を展開する上で、事務局等へのはたらきかけを行ったり、組織内外の調整を図りながら施策を進めようとする行動をさす「対人行動」から成り立つと言われていたが、「対課題行動」には変革から維持までの幅があり、「対人行動」にも統率から調整までの幅があることが分かった。
 「対課題行動」を横軸に、「対人行動」を縦軸にして現在の教育長のタイプを調べたら、変革・統率タイプが24%、変革・調整タイプが22%、維持・調整タイプが44%、維持・統率タイプが10%という結果が出た。
 この調査から分かったことは、まず人材タイプの多様性があることである。言い換えれば教育長の人材はかように豊かなのである。問題は、各自治体の教育長のタイプがどのようなタイプであるかでなく、各自治体の抱える教育課題と教育長のタイプがマッチしているかということである。変革の必要な自治体にマッチした教育長のタイプであるか、維持の必要な自治体にマッチした教育長のタイプであるかということである。このことは、教育長候補者への研修ということと考え方やイメージが一致する。また、長く教育長を続ける人は、その時々に自治体が抱えている教育課題に対して解決に必要な能力を獲得すべく研修や学びをしなければならない。このことは、現職教育長への研修ということと考え方やイメージが一致する。
 それにしても、第3の教育改革の時代と言われる現在に、維持・調整タイプが教育長の半数近くであることは注目したい。

日文の教育情報ロゴ

自らの発見をもとに展開する

 前回、学習活動の始まりや子どもの浸る能力について書いたので、今回はその後の展開を追ってみましょう。子どもは「いいこと考えた」、「こうするとどうなるだろう」と自らの「発見」をもとに展開する力を持っているという話になると思います。

art2_vol10_01 三歳児が描く様子について、それを見ていたお父さんの記録と絵から再現してみましょう(※1)。
 この子は、まず赤いクレヨンを持ちます。そして真っ白い画用紙に向かって手を動かします。すると真っ赤な短い線が一つ生まれます(読者は、絵から赤い線だけ残してその他を全てなくして見てください。それが「この子」の「この時」の眼前に広がる世界です)。
 次に、この子は赤を置いて、水色のクレヨンを持ちます。それを、さっきの線の隣に持っていって、もう一度、同じように手を動かします。すると、赤と青の同じ長さの線がほぼ並行に並びます。おそらく、このとき何か思いついたのでしょう。今度は、茶色のクレヨンを持つと、先ほどの線の真ん中に交差するように線を引きました。
 このとき、この子は「赤トンボにするわ」とつぶやきます。そして黒を取り出して、並行な二本の線の先に丸く目をいれるのです。三本の線と二つの丸だけで、生まれたトンボ。確かに、トンボを最もシンプルな形にデザインしたら、こうなるかもしれません。しかし、省略の表現や再現ではありません。この子が「線の交差する形」をトンボだと意味づけたのです。そして「トンボにする」と宣言して、黒い目を入れたのです。
 クレヨンを持って(※2)、画用紙と対話をしていく過程で生まれた「発見」。この「発見」は次の展開をつくりだします。「青トンボ」「オレンジトンボ」「黄色トンボ」「紫トンボ」。よく見ると、最初のトンボと同じではありません。縦の二本の線は同じ色になっていますし、横棒が二本のものもあります。おそらく、単に繰り返したのではなく、細かな試しや確かめがあるのでしょう。そうやって「完成」したのが、この絵です。

 始まりは一本のクレヨンを画用紙の上で動かすという「自ら働きかける行為」でした。そこから意味あるトンボが一つ生まれ、その経験が次なるトンボにつながりました。それは、自分の「発見」を根拠に、思考や判断を繰り返し、自ら活動を展開していく姿だといえるでしょう。
 子どもは同じ様に、道端で、広場で、教室で、ささやかな行為と発見を繰り返しています。絵は、その一つにすぎません。でも、この絵の背景に、描くことに浸る環境や時間の保証、何より子どもを見守る温かなまなざしがあることを考えたとき、図画工作や美術の役割が分かるような気がするのです。「子どもの発見と展開を確かにする時間」そう言ったら言い過ぎでしょうか?

※1:堺市の小学校、藤永泰成先生の実践報告から。
※2:クレヨンと一体化といった方が適切だろう。


「え顔 いっぱい 大作せん!」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

え顔 いっぱい 大作せん!
全時間12時間+課外 12月~1月

2.単元のねらい

 本校は,大阪市の南東部に位置し,校区の北の端には,大阪中央卸売市場の一つである東部市場が存在し,周辺にはそれに関わる施設が立ち並んでいる。JR東部市場前駅やJR百済貨物駅があり,全国各地とつながっている。また,国道や市道が複雑に交差し,一日中交通量も多い地域である。校区の南側は,住宅地が多く,子どもたちの憩いの場となる緑地や児童公園も多く見られる。
 生活科の学習では,1学期は「レッツゴ―! 町たんけん」2学期には,「ドキドキわくわくフェスティバル」「人に優しい工夫がいっぱい 天王寺駅たんけん」など体験的な活動を行い,たくさんの人と関わってきた。このような活動を通して,子どもたちは,人と関わる心地よさに気付きつつある。
 本単元では,自分に一番身近な人,「家族」に焦点を当てる。家の仕事を体験することによって,家族の一員であることを自覚し,家族のために役立つ喜びと自信を体感させたいと考え取り組んだ。

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3.単元の目標

○生活への関心・意欲・態度
 家庭での生活について,興味・関心をもち,自分にできる役割をすすんで行い,規則正しく健康に気をつけて生活できるようにする。

○活動や体験についての思考・表現
 家族のことや自分でできることを考え,家庭や家族のことについて調べたことや体験したことをまとめたり表現したりできるようにする。

○身近な環境や自分自身への気付き
 家庭生活において自分のできる仕事を実践する中で,自分も家族の一員であることに気付くとともに,仕事に込められた家族の温かい思いやりに気付くことができるようにする。

4.活動の計画

事前準備
●家庭との連携を大切に
 この単元は,家庭での活動が大変重要になる。そこで,学習のねらいや学習内容を「学年便り」などを通じて,各家庭に知らせておくことが必要である。また,子どもが家庭でできる仕事を見つけ,継続して仕事を行う。その時には,ただ仕事をするだけでなく,仕事の手順を覚えたり,こつをつかんだりすることができるよう家庭での支援もお願いしておく。

●プライバシーに配慮した活動計画を…

日直スピーチ「さいころトーク」お題

日直スピーチ「さいころトーク」お題。

 絵日記や朝の会の日直スピーチから,家庭での子どもの様子を事前に把握しておく。また,家族構成や家庭生活の様子は,各家庭によって異なるので,各々の子どもの置かれている状況を十分に理解しておく必要がある。

5.単元の流れ

活動[時数]

対話に見る活動の様子(子どもの思考の流れ)

1 家で どんなことを して いるのかな?  
[2時間]
●家族と一緒にしたことを絵と文で表現し,伝え合う。
●家の仕事やその仕事をしている人を考え,表にまとめる。
●挑戦したい家の仕事を考える。

『家で,家族の人とどんなことをしているのかな?』
 「お兄ちゃんとボール投げをするよ。」
 「妹の面倒をみたよ。」
 「お母さんと料理をつくったよ。」
 「みんなでお鍋を食べたよ。」
『一番紹介したいことをカードに書こう。』
 「どれにしようかな?」
 「弟と遊んだことにしよう。」
 「お手伝いしたことにしよう。」

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『カードに書いたことを友だちに伝えよう。』
 「家でパンをつくったよ。おいしかったよ。」
 「お父さんとキャッチボールをしました。楽しかったです。」
『友だちの発表を聞いて,どう思いましたか?』
 「○○さんは,包丁が使えるんだ。すごいな。」
 「私も,やってみたいな。」
『家の仕事には,どんな仕事があるかな?』
 「料理,洗濯,買い物,掃除,風呂洗い…。」
『誰がどんな仕事をしているか調べてみよう。』
 「お母さんの仕事がとても多いよ。」

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『このままでいいのかな?』
 「自分にできそうなものもあるよ。」
『どの仕事ができそうかな? 考えてみよう。』
 「洗濯たたみなら,ぼくにもできるかな。」
 「食器も洗ってみたいな。」
 「お風呂洗いも楽しそう。」

2 家の しごとに チャレンジ!  
[課外 2週間]
●仕事の手順やこつを見つける。

『家の仕事にチャレンジしよう。』
 「一人でできるようになったよ。」 
 「家の人に,ほめられたよ。」
 「友だちにも見せたいな。」

3 しごと名人 大作せん!  
[3時間]
●チャレンジした仕事を紹介する方法を考える。
●同じ仕事をチャレンジした友だちと交流する。

『友だちに紹介する方法を考えよう』
 「服をたたむところを見てもらおう。」
 「順番を言って,見ている人にたたんでもらうのもいいね。」
 「こつはカードに書いておこう。」

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『同じ仕事の仲間で集まって,紹介する練習をしよう。』
 「同じ洗濯たたみでも,○○さんとたたむ方法がちがうよ。」
 「○○さんのこつは,分かりやすいな。」 

4 名人わざを しょうかいし合おう  
[2時間]
●チャレンジした仕事を紹介する。

『名人技を紹介しよう。』
 「○○さんは,お米をひと粒もこぼさなかったよ。丁寧だな。」
 「○○さんのたたみ方は,洋服屋さんみたいに速い。」
 「○○さんの食器洗いは,キュッキュッと音が鳴ったよ。」

5 「ありがとう」を とどけよう  
[1時間]
●家族へ感謝の手紙を書く。

『家の人に感謝の手紙を書こう。』
 「いつも,ありがとう。」
 「これからは,自分のできることは自分でするよ。」

6.評価について

①気付きを価値付け,意欲や自信につなぐ

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 小さい妹の面倒をみて,泣かさないように起こす。こぼさないように口に入れる。という気付きに,指導者が「面倒をみるためのこつがたくさんあるね」と価値付けることによって,大きな意欲や自信につなげる。

②新たな課題発見につなぐ

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 野菜を切るお手伝いで,お母さんの言う通りに切れて,活動の結果に満足している子どもに,「次は,いろいろな形に切れるようにがんばってね。」とコメントする。そうすることによって,どんな切り方があるのかな? 次は,違う切り方にチャレンジしようという新たな課題につなげる。

③活動の活性化につなぐ
 解決法が分からず,困っている子どもには,具体的な方法をいくつか示して選択させたり,グループの友だちと協同的な学びを促したりして,活動の活性化につなげる。
例)絵にかく,文字で書く,やって見せる,どれが分かりやすいかな?
  他の方法がないか,グループで話し合ってみよう。

7.教師の手立て

●学習カードでつなぐ

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 体験的な活動のやりっぱなしではなく,感動や共感,発見,気付きなどを自分の言葉で書けるように,その日の活動に応じて,学習カードを用意した。学習カードに書くことによって,伝えたい「人・もの・こと」を整理することにつながる。書いた学習カードは,教室に掲示し,学級全体で友だちの気付きや思いを共有することにした。どのように書けばよいか分からない子どもへのヒントにもなった。また,指導者も子どもの気付きや思いを把握し,次時への支援の手立てとして活用することができた。

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 今回使用した学習カードでは,「○○さんのすごいところは」という枠を設けることによって,互いのよさを認め合える場となった。カードに登場した子どもは,次時への意欲が高まり,今度は自分が友だちのよさを見つけようとする姿が見られた。このように,学習カードに自分の思いや友だちのよさを書くことにより,活動そのものを豊かに進展させ,深化へと導いた。さらに,相手との心をつなぐことにもなった。

●板書でつなぐ

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 家の仕事の名人技について紹介し合う場面では,仕事ぶりが3つの視点(ていねい,きれい,はやい)で分類することができた。仕事内容は違っても,どれも家族を思う気持ちが込められており,「家族のために」「家族が喜ぶように」という言葉でまとめることができた。

美術の先生が被災地でとりくんだこと

アートのある日常を目指して ~アーティストと被災地をつなぐ~

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 私は震災後、仮設住宅などでワークショップをしたり、被災地を訪れるアーティストのコーディネートをしてきました。震災直後は、あまりの被害の大きさに何もできないと無力感を感じていましたが、炊き出しなどのボランティア活動を続ける中で「美術の先生なんだから、美術でできることをして下さい。」とボランティアセンターのスタッフから言われたことをきっかけに活動を始めました。
 最初に行ったのは仮設住宅へ贈る表札作りです。当時の勤務先の高校生とがれきを拾ってきて、カラフルな表札を作りました。殺風景な仮設住宅が少しでも明るくなればという思いでした。その時石巻でボランティア活動をしていたアーティストからの提案で、表札を贈る前に商店街の空き店舗をお借りして表札の展示をしました。そこで「アート」の力に気づかされます。

空き店舗を利用した展示

 展示期間中の表札作りには、近所の子どもから大人まで沢山の人が参加してくれました。「絵筆を握るのは何十年ぶり」という人もいました。はじめは「見ているだけでいい」と言っていた人が毎日通って10枚以上作ってくれました。お昼にはみんなで持ち寄ったおにぎりを食べたり、お茶っこを飲みながらおしゃべりしたり、自然と人の集まる場所になっていきました。一緒に作りながらだと、不思議と家族にも言えなかった自分の思いを話すことができました。

表札の展示風景

 アートやアーティスト自身が人を引き付ける磁力をもっているということ、また人が集まる磁場を作ることができるのだと実感した出来事でした。アートがある場が居心地良く、自分のためにもみんなのためにも、何年先か分からない復興の過程でアートが必要だと強く思いました。しかし自分一人でできることはわずかです。外から来るアーティストと地元のアーティスト、そして地域の人々をつなぐ存在が必要です。私がそうなりたいと思いました。徐々に被災地を訪れる人は減っていますが、アーティストが被災地を訪れやすくなる仕組みづくりをし、地元のアーティストに刺激を与え育て、地域の人々にアートの楽しみを伝えたいと考えました。

表札3

 1年程前から継続して、アーティスト武谷大介さんと「遠足プロジェクト」をしています。支援物資の中古ランドセルにアーティストが作品を作り、展示、作品を背負って街歩きするツアーなどをしています。作品に使用している中古ランドセルは、善意で送られたものの貰い手がなく捨てられず困っていました。支援する側、される側のコミュニケーション不足や、震災の記憶の風化防止を訴えたいという武谷さんの発案でランドセルを譲り受けました。これまで国内10か所を巡回展示し、被災地の現状を伝えることができました。このプロジェクトを通してできたネットワークを活かして、被災地へ新しい人の流れができればいいと思っています。

遠足プロジェクト

遠足プロジェクト

 震災後にアーティストと出会えたことが私の生き方や考え方を大きく変えました。アーティストの皆さんの柔軟なアイディアやそれを実現しようとするエネルギーにはいつも驚かされ、刺激を受けています。今の夢は女川町にアートセンターを作ることです。それに向けて地元と外のアーティストの生涯学習講座を行ったり、アーティストインレジデンスを企画しています。みんなが日常生活を楽しめる町を目指して、アーティストと町をつなげていきたいです。


■遠足プロジェクトHPico_link 
遠足プロジェクトでは、継続的な被災地支援の動きを広めるのと同時に、遠足の巡回という形で一緒に展覧会やワークショップを開催できる『ひととまち』を募集しています。


ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~

(C)2013 フジテレビジョン

(C)2013 フジテレビジョン

 長野県下高井郡山ノ内町。志賀高原の美しい風景が映る。おいしくて、麺、チャーシューがたっぷり。連日、長蛇の列ができたという、もはや伝説のラーメン店「大勝軒」の店主だった山岸一雄さんの故郷である。
 映画「ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~」(ポニーキャニオン配給)は、もとはテレビのドキュメンタリーとして、過去3回放映されて大好評だったが、このほど劇場公開版が完成した。2000年ころからの取材は、10年以上に及び、山岸さんの、いわばラーメン人生の一代記となった。
 2001年。池袋のサンシャイン60の近く、行列の出来るラーメン店「大勝軒」がある。2時間待ちはザラ、遠く川崎から食べに来る常連もいる。格段、特殊なラーメンではない。しょうゆ味のごくふつうの東京ラーメンである。麺は自家製で260グラム、量がたっぷり。常連客は口を揃える。「他のラーメンとは全然違う」と。

(C)2013 フジテレビジョン

(C)2013 フジテレビジョン

 山岸さんは1934年生まれ。父は、山岸さんが8歳のときに戦死、16歳で上京、旋盤工として働くが、すぐに周囲の勧めもあって、ラーメン店を始めるべく修行を重ねる。東池袋に「大勝軒」を開いたのが1960年、山岸さんが26歳のときだった。席数16の小さい店だが、良心的な、おいしいラーメンだと評判を呼び、常連客が大勢支持してくれるようになる。
 まだ暗い午前4時から準備をする。チャーシューとスープを作り、麺を打つ。開店は11時なのに、最初の客は7時半に来ている。常連さんらしく、勝手に店の前の鉢植えに水をやっている。10時にはもう30人ほどが並ぶ。1日200食限定、営業時間は午後3時までの4時間。繁盛している。
 定休日は水曜日。山岸さんは病院に行く。
膝の痛みがひどく、変形性関節症と診断される。体重を落とすか、手術をするかしないと、1年で歩けなくなる、と医者は言う。それでも、山岸さんは、特に手当もせず、仕事に打ち込む。
 週2回、栃木県から通う客もいる。山岸さんは、自分の体より客が大事と考えているようだ。弟子も多い。誰にでも教える。企業秘密はない。名古屋でリストラにあった人が弟子入りした。研修が終わって帰るときには、餞別を渡す。年に一回だけ、定休日以外に休む日がある12月の第1日曜日だ。故郷、長野県の穂波中学の同窓会である。山岸さんは、ずっと幹事を務めている。医者の診断から2ヵ月、自力で立ち上がれないくらい、膝が悪くなっている。

(C)2013 フジテレビジョン

(C)2013 フジテレビジョン

 店に一枚の猫の絵がある。猫が好きだった妻をガンで亡くしたときに買ったものだ。油で汚れているが、そのままにしてある。妻とは幼なじみ、しかもいとこである。開店のすぐ前に結婚、苦労を共にしてきた仲間でもあった。
 取材中、店の奧にスペースがあるのを見つける。25年間、妻と暮らした部屋である。いわば思い出の部屋、なぜ閉ざしたままなのだろう。
 大晦日、年越しのラーメンを望まれ、この日だけはいつもの倍以上の500食以上のラーメンを用意する。1年でいちばん忙しい日である。夜9時すぎ、やっと閉店となる。山岸さんは、ハーモニカを取り出し、故郷を思い、「ふるさと」を吹く。
 2004年、冬。店に山岸さんの姿はない。医者の診断から2年経っている。取材中にも、うとうとするほどの睡眠不足である。山岸さんが倒れる。
 「大勝軒」は、いまや全国にある。山岸さんの弟子たちが、看板を守っている。山岸さんは、保証金といった類の金銭は一切受け取らない。もはや、厨房に立てないほど、膝が悪化している。どうなるか。また、閉ざされたままの部屋は、どうなっているのか。
 これは、仕事ひと筋、悲しい思い出を自らの内に封印したまま、駆け抜けていった男の話である。タイトル通り、ラーメンより大切なものは、世の中に多々ある。何を学ぶか、多くの材料を提供する映画である。

2013年6月8日(土)より
シネマサンシャイン池袋ico_link他全国順次ロードショー!

『ラーメンより大切なもの~東池袋 大勝軒 50年の秘密~』公式Webサイトico_link

語り:谷原章介
原作:ザ・ノンフィクション「ラーメンより大切なもの」(フジテレビ)
監督:印南貴史 
構成:岩井田洋光
撮影:山岸恵史
音楽:高田耕至
エンディングテーマ曲:久石譲「ふるさとのメロディー」
製作統括:塚越裕爾
企画:堤康一
エグゼクティブプロデューサー:味谷和哉
プロデューサー:西村朗、山田敏弘
協賛:カネジン食品 
協力:大勝軒のれん会、麺屋こうじグループ
製作:フジテレビジョン
制作プロダクション:メディア総合研究所
宣伝:KICCORIT
配給:ポニーキャニオン


空想の建築―ピラネージから野又穫へ―

アクリル/キャンヴァス/226.5×162cm/2005年 個人蔵 東京オペラシティ アートギャラリー寄託

アクリル/キャンヴァス/226.5×162cm/2005年 個人蔵 東京オペラシティ アートギャラリー寄託

 高さ634mの東京スカイツリーが完成して1年、多くの人々が訪れています。アラブ首長国連邦の都市ドバイでは、総高828mもの超高層ビルが2010年に完成し話題になりました。どちらも雲を突く高さの建造物です。人はより高くをめざし技術の粋を集め、こうした高層のタワーやビルを競い合うようにして造ってきました。
 高い塔や建物には実は長い歴史があります。旧約聖書には「バベルの塔」という建造物が登場します。世界中が同じ言語で話していた時代、人々は「天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」(新共同訳聖書、創世記11:4)としました。神はそれを見て、人間が逆らい勝手なことをしないために、互いの言葉が聞き分けられないようにしました。言語が異なり意思が伝わらなくなったため塔の建設は途中で放棄され、民は世界中に散らばっていったといいます。「バベルの塔」は言語の多様性から生じる不和、異文化の衝突、さらには巨大な建造物が崩壊してゆく脆さをあらわすものとみなされます。
 「バベル(Babel)」をタイトルに持つこの作品でも、縦2mを超える大画面に天にも届きそうな建造物が描かれています。画面下部には船やテント状の小屋が細々と描きこまれ、中景にも建物らしきものが並びます。こうした画面下部と対比することで、中央に屹立する白亜の建造物が巨大かつ超高層であることが強調されています。大都市の一部のようにも見えますが人の姿はありません。いにしえのバベルの塔のように、この建物も建設途中で放棄されてしまったのでしょうか。建物の壁面をたどると、所々に見慣れない文字でネオンサインのようなものが取り付けられていることに気づきます。いったいどこの国の言葉なのでしょうか。そもそもここにはどんな人々が住み、どんな意図でこんな巨大な建造物を作ろうと思ったのか…この謎めいた世界を想像力で肉付けしてゆくのはこの作品を見るあなたにほかなりません。一貫して空想の建築をテーマに描き続けている野又穫の力作です。

(町田市立国際版画美術館 佐川美智子)

■町田市立国際版画美術館ico_link

  • 所在地 東京都町田市原町田4-28-1 
  • TEL 042-726-2771/0860
  • 休館日 月曜日(月曜が祝日の場合は翌日休館)

<展覧会情報>

  • 空想の建築―ピラネージから野又穫へ―
  • 2013年4月13日(土)~6月16日(日)

展覧会概要

  • 本展ではヨーロッパの古い版画から現代美術へ、時空をも飛び越える<空想の建築群>を展示し、世界を空想の建築というかたちで目に見えるものにしようとした人々の系譜をご紹介します。

<次回展覧会予定>

  • シリーズ<現代の作家> 
    反骨の画家 利根山光人展―バイタリティーを求めて―
  • 2013年6月22日(土)~8月4日(日)

その他、詳細は町田市立国際版画美術館Webサイトico_linkでご覧ください。


【情報の流儀】神奈川大学附属中・高等学校 小林道夫教諭 ほか

Web限定コンテンツ

「小林先生を知るモノ語り」+

学校

神奈川大学附属中・高等学校は,神奈川大学の創立者である米田吉盛氏が,1984年に開校。「質実剛健・積極進取・中正堅実」を進学の精神とする,中高一貫校の進学校。 同校は,24年前から,先駆的に「情報教育」に取り組み,「情報教育推進校」として注目を集めてきた実績がある。同校には6つの教育目標があるが,そのひとつに「情報化社会への対応」を掲げ,情報を選択する力,情報を生み出す力を育成するとしている。

コンピュータ教室

iMacが幾何学模様を描くように配置されたコンピュータ教室。テーブルは,iMacのサイズに合わせて特注されたという(現在、iMac21.5インチモデルが40台設置されている)。生徒は,時間を問わず,自由に出入りでき,iMacに触れることができる。また,この教室とは別に,Windows機専用のコンピュータ教室もある。さらに,いずれの教室にもAdobe 社の「Adobe Creative Suite」がインストールされ,デザイン,Web,ビデオ,画像処理において,実社会でプロが行うのと同等の制作環境が整えられている。

愛読書

写真左:「Computers : An Illustrated History」Christian Wurster(Taschen)
「タイトル通りコンピュータの歴史を豊富な写真で紹介した本。エディトリアルデザインもさることながら, Machintoshの名機がたくさん載っています。いまだに何時間見ていても飽きません」。
写真右:「ハイパーメディアと教育革命」浜野保樹著(アスキー)
「学生のときこの本と出会い,コンピューター教育,メディア教育がいかなるものかを知り,衝撃を受けました。わたしがこの世界に進むきっかけ,あこがれを与えてくれた本で,いまでも時折読み返したりします」。

レゴ社認定LEad Teacherの名刺と「マインドストームNXT」

写真左:レゴ社が認定する「LEad Teacher(リードティーチャー)」の名刺。現在,日本では4人しか認定されていない。「これまでの取り組みを認めてもらったかと思うと,素直にうれしいですね」。
写真右:マインドストームNXT。コンピュータ教室内には,ライントレースのプログラムを実行するための,専用のスペースも設けられている。

課外授業「宇宙エレベーター」

課外授業として先生がいま最も力を入れているのが宇宙エレベーター。生徒たちは,「マインドストームNXT」でつくったロボットに,ロープを伝って昇降する制御プログラムを実装する。夏休みには,巨大な気球を30,40メートル上空に飛ばし,そこと地上を結ぶロープを,ロボットに昇らせる実験も行った。平成25年度には「宇宙エレベーター競技会を立ち上げたい」と小林先生の夢は広がる。

リフレッシュ法

校務に加えて,教科書や機関誌の執筆をはじめ,NHK高校講座の番組出演,新聞などの各メディアへの取材対応,さらには研究会の主催や講演など活躍のフィールドは多岐にわたる。そんな多忙を極める先生だが,時間をつくってはテニスと釣りで心身をリフレッシュしている。

ThinkQuest JAPAN

情報準備室にて

年間カリキュラムに,問題発見から解決までを行うWeb制作(18コマ)を総合実習として組み込んでいる。小林先生は,その延長に,Web教材開発コンテンスト「ThinkQuest JAPAN」への参加を用意している。自主的に参加したい生徒が参加するものだが,希望者は絶えず,同コンテンストが ’98年にスタートして以来,一度も欠かさずに参加。これまで15回連続入賞を果たし,文部科学大臣賞を3回,経済産業大臣賞2回,総務大臣賞1回を受賞している。’99年の世界大会では,教え子が多国籍チームを組み,小林先生もコーチ役として参加。世界第3位に輝いた。