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茨城大学教育学部附属小学校 教育研究発表会
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「―2020年度へつなぐ― 小学校教科Web」特設サイト 公開
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Webマガジンまなびと:「学び!と道徳」Vol.09
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【SeasonⅡ連載スタート!】今こそ「基本に立ち返った道徳科授業」の実施を!
「はじめまして」と言いましょうか、お久しぶりと言いましょうか。「学び!と道徳」を担当させていただいておりました「大原龍一」です。再び連載させていただきます。もう少し早くに再開する予定でしたが、ずぼらな性格と筆不精が災いしこの時期になってしまいました。申し訳ありません。
今後、少し気合いを入れて頑張りますので、「どうぞ、よろしくお願いいたします。」
1 「特別の教科 道徳」の開始!
小学校においては、今年が道徳の教科化元年となります。4月から、どこの学校においても、どこの教室においても「教科書」が使われ、毎週(?)、道徳科の授業が行われているのではないでしょうか。かれこれ半年が経ちました。学校によっては通知表に道徳科の評価を記述された先生もいらっしゃると思います。
この評価を含めて初めてとなる道徳科。皆さんの学校ではいかがでしょうか。
(1)この4月から…
この4月からの様子を見ていて感じることは、道徳科授業についての研修会を実施する学校が増えたことです。大変喜ばしいことです。校内研究として「道徳科」を取り上げ、少なくとも年間を通して研究をする学校、さらには2年間の研究奨励等を受けて研究をする学校、そこまでには至らないものの校内の研修の一環として道徳を実施する学校等が以前よりも多く見られるようになりました。そして、どの学校も熱心に取り組んでおられるな、というのが私の第一の印象です。これも、教科にしたことによる効果だと思います。
一方、気になることもあります。私なども講師として呼んで下さり、道徳科の授業改善に取り組んでおられる学校はよく分かるのですが、そうでもない学校も少なからずあり、「どうなんだろう?」と他人事ながら心配になってしまいます。大きなお世話だと言われてしまえば、それまでなのですが。
東京都では長年「道徳授業地区公開講座」を実施しています。それは、都内の全ての小・中学校が年に1回道徳の授業を保護者や地域に公開する取り組みです。そもそもそれが始められたきっかけは、道徳の授業が各学校できちんと行われていないという現状があったからです。また、家庭や地域にも道徳の授業に対する関心がそれほど高くはなかった故、少しでも関心をもってもらおうとの意図もあったのではないでしょうか。ここ十数年の間に学校や家庭、地域の意識もかなり変化してきましたが、なんといっても教科化へのうねりは道徳の授業の充実に大きな力となりました。ほぼすべての小・中学校が道徳の授業の公開を何の躊躇も反対もなく実施しています。
しかし、問題はその中身です。教科になった現在も、依然として「これが道徳科?」という授業も時々見受けられます。まるで国語科のような読み取り、教材の分析が中心となった授業や、特別活動の学級活動にみられる適応指導が中心となった授業、あるべき行為・行動を身に付けることが重点となった生徒指導的な道徳科授業です。
さらには、一見道徳科風なのですが、変にこねくり回して子どもが混乱している授業も見られます。これは、研究を一生懸命やっているような学校で時々見られます。教科になったので、何か新しいものを提言しなくてはならないと思っているのでしょうか。
(2)今こそ「基本に立ち返った道徳科授業」の実施を!
「考え、議論する道徳」は、それをやってこなかった学校が取り組むべき課題で、以前からやっている学校は「今まで通りでよい」と聞いたことがあります。教科化の話題が沸騰していた数年前は、「問題解決的な学習とは?」「道徳的行為に関する体験的な学習とは?」などと盛んに言われていましたが、最近はそれほど声高に聞かれなくなりました。「議論!議論!」の声はまだ聞きますが、それも今まで通り行ってきた「話合い」と考えれば特段新しいことでもありません。今までごく普通にやってきた話合い活動で十分事足ります。もちろんより充実させることは大切ですが。
そもそも道徳を教科にする第一義は、「道徳の授業を毎週きちんと行いましょう!」にあると私は考えています。残念ながら、それだけ実施されていなかったというのが実状だったからです。教科にして学校現場に強くお願いしよう、そうしないといつまでもやってくれないから、が正直なところではないでしょうか。ですから、私は教科になってことさら新しいことを志向しなければならないとは考えていません。それよりもむしろ、道徳の授業【道徳科の指導】を基本に立ち返って、そして、特質に即してきちんと実施することが重要だと考えます。
そのような意味も含めて、今回は道徳科の基本に立ち返った学習の在り方を押さえていただこうと思い、「友の肖像画」を具体例にした「一般的な道徳科学習指導案」を掲載させていただきます。東京都一水会・一水教育研究所に、私が投稿しました。それに加筆修正を加えたものです。
各学校現場で活用されることを願っています。
2 一般的な「道徳科学習指導案」について(高学年教材「友の肖像画」を例として)
第○学年 道徳科学習指導案
日時、学校名、学年・組、指導者㊞ 等
1 主題名
- 本時の授業テーマ。一時間の学習について端的な言葉でスパッと言い表したもの。子どもにも分かる、理解できる、考えることのできる「言葉」で表現する。
- 時に、「導入」や「展開後段」での発問にもなり得るもの。
★主題名の後ろに、内容項目の柱(A~D)及び内容項目を「端的に表した言葉」を記しておく。
2 ねらいと教材
- 内容項目に記載されている学年毎のねらいを記載する。
- いわゆる教材名。出典の明記 を忘れない。
3 主題設定の理由
- (1)~(3)の順は問わない。指導要領解説や教科書指導書などを参考にし、しっかり自分で考え、考察して記す。それを、教師の
「指導観を明確にする」 と言う。借り物ではいけない。
- 道徳の内容項目(ねらいとする道徳的価値)を、このように捉え、このように考え、このように指導していく、という自分の見識をしっかり述べる。その際、各学年(低・中・高別)の内容をよく吟味する。いわゆる、授業者自身が内容項目を「哲学」する所(見識:自分なりのとらえ、考え)。
- なぜこの教材を選んだのか、どんな意図でどのように提示するのか、どこを中心として考えさせるのか、また、それをどのような方法で考えさせるのか等を記述する。
- 一般的な児童の実態ではなく、ねらいとする内容項目に即した実態を記す。日頃の観察、日記や作文、アンケート調査等各種情報を参考とする。このようにしたいと言う教師の思いや願いを記す。
人間関係を結び付け、社会生活を成長させる基本は「信頼」である。友達同士が互いに助け合い、信じ合うことは、友人関係をさらによりよいものにする基盤と考える。そのような関係を築くには、相手の立場に立ち、…(略)
(2)児童の実態
本学級の児童は、友達を大切に思っている児童が多い。また、高学年になり仲間意識を強くもつようになってきた児童が多い。5月の運動会では、友達と協力してソーラン節に取り組んだ。休み時間には、教室で曲を流し、…(略)
(3)教材について
(略)…この肖像画の前に立った時の、正一への不信感をもってしまったことへの和也の自責の念を考えさせたい。帰りの電車の中で目をつぶった和也に共感させ、正一への思いを考えさせることで、真の友情の素晴らしさを感じとらせたい。
4 学習指導過程
- この教材で学習するこの時間ならではのねらいを設定する(その意味で「2 ねらいと教材」とは異なる)。本時でしか通用しないねらいなので、以下3つの部分から成り立つよう作成する。
・教材に関わる部分(教材の登場人物等の心的状況や変化等を自分事として受け止めさせる)
・各学年の内容項目に即した学習部分(内容項目の一部または全部を引用する場合が多い)。
・道徳性の諸様相(道徳的判断力、道徳的心情、道徳的実践意欲と態度)で文末を締める。
※いわゆる展開の概要である。決まった形はないが、一般的な例を示す。
| 学習活動 | ○教師の発問や働きかけ ・予想される児童の反応 |
□指導上の留意点 |
|---|---|---|
| 導入部分 | ●導入の役割
①ねらいとする内容項目への導入 |
□(留意点として左記①~④を記入) □導入発問がある場合は、その発問をする意図を述べる。 |
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| 展開部分(前段) 主たる教材に基づいて、ねらいとする「内容項目」について考える。 |
●教材提示
・「道徳授業の成否は教材提示で決まる」ほど |
□教材提示の方法を記述。
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●「発問」について ①(「教材分析表」の作成が前提となるが)本時のねらいを達成するために、一番ふさわしい場面から |
□何を、どのように □「気持ち」を聞くなら「具体的にどんな気持ち」に共感させたり、考えさせたりするのか。「思い」や「考え」についても同様である。 □指導上の「手立て」についても記しておきたい。 |
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□教材提示で十分自我関与していればこんな発問は不要。 □理由を本文から探し始める。読み取り、読解授業になる。 |
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●「話合い」活動(「
●「動作化」や「役割演技」の導入(
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□ペアやグルーブでの話合いを取り入れる場合、その必然性を述べる。 □話合いによってどのような児童の変容を期待するのか。 □演技を行う前に必ずウォーミングアップを取り入れる。また、中断法により途中に話し合う場面を設けること。役割を交代すること。 |
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| 展開部分(後段) 自己の生き方についての考えを深める。 |
●教材から離れて、子どもに自分自身のことを語らせる。発問⇒発表や話合い、書く活動など。 | |
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| 終末 | ●教師がまとめるのではなく、子どもたち一人一人が各自の思いや考えをまとめることが大切。 | □説話、家族からの手紙、スライドショー、GT 等。 |
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5 評価 ※評価については、以下のように2つの観点から記述することが望ましい。
(1)指導者の立場からの評価(教師の指導について評価し、次なる指導に活かす)
・授業者自身の授業方法や学習過程について評価する(・発問 ・板書 ・話合い ・説話 等)。
(2)学習者の立場からの評価(子どもたち一人一人の道徳的な見方・考え方がどのように伸びたか)
・ねらいに即して、子どもたちの道徳性の高まりについて評価する。道徳性の諸様相(道徳的判断力、道徳的心情、道徳的実践意欲と態度)から。
6 板書計画 ※板書について留意したい視点を以下示す。
(1)目に見えない「心の在り様」を見える化する。
(2)学習指導過程と板書計画は一体のもの。
(3)子どもに分かりやすい板書を。
(4)学習活動に刺激を与える板書を。
(5)「心の多様性を際立たせる」板書を。
【新連載スタート!】授業のスキル 1 観察・調査の指導
1.調査の意義
社会科における調査とは、問題解決的な学習において、学習問題を追究・解決し、社会的事象に関する基礎的・基本的な知識や概念を習得するために必要な、見たり聞いたり体験したりして調べるための技能のことです。各学年段階に応じて系統的に育てなければならない技能であり、思考力・判断力・表現力を養う上でも必要な能力であるといえます。
2.調査への興味・関心を育成
子どもたちが意欲をもって調査に臨むためには、まず、子どもたちにとって身近なことからスタートして、調査する内容に興味をもたせることが大切です。
3年生の冒頭、「わたしたちの住んでいるところ」という大単元は、まず、自分たちが住んでいるまちを調べる単元があり、次に、自分たちの市(区)町村を学習する単元が続きます。この大単元こそ、子どもたちにとって社会科との出合いになります。
今回の学習指導要領の改訂で、従前のように授業時間を割くことはできなくなりますが、地図をつくる・地図を読むといった、最も社会科らしい学習が展開できます。
3年生に進級したばかりの子どもたちは、自分の知っていることには高い関心を示します。そこで、学校のまわりで知っていることを発表し合うことは有効な活動となります。しかし、見えないことは分からない、見えるけれどよく知らないなどの疑問が生まれてきます。こうした疑問を、教師が子どもたちから上手に引き出し、観点をもたせて調査活動につなげていくのです。
また、子どもたちに興味・関心をもたせる方法としては、初めからまとめの段階の作品づくりを具体的に示すことが考えられます。例えば、「わたしたちの学校のまわりは、どうなっているか調べて、3年○組マップを作ろう。」などはどうでしょうか。
3.インタビューによる質問や調査の方法
4年生の「県の人々のくらし」という単元を例にします。ここでは、自然環境、伝統や文化などの地域の資源を保護・活用している地域を取り上げます。
まず教室で、写真をはじめ、その他の資料を活用して、その地域に観光客が集まる様子や、伝統・文化について学習し、「地域の人々は特色を生かしてどのようなくらしをしているのだろうか。」という学習問題を立てます。そして、学習問題の答えを予想し、学習計画を立てます。学習計画は、調査する内容と調査する方法の2点で構成します。
調査する内容としては、地域の人々はどのようなことをしているのか、大変なことや嬉しいことは何かなどが考えられます。これらを調査する方法としては、副読本を活用したり、資料を取り寄せたり、インターネットで調べたりすれば分かるものと、実際にインタビューしなければ分からないものとに分類します。
「インタビューのしかた」は、教科書にある「学び方・調べ方コーナー」を参考にするとよいでしょう。「こんにちは。○○小学校の○年生です。今、~について調べています。質問したいことがあるのですが、今聞いてもよいですか。」というように、話し方をカードに書いて配付し、教室で練習してから出かけるとよいと思います。その際に、相手の方には事前に指導者が日時、内容等について連絡をとっておくこと、事後にお礼を言うことも、当然ですが大切なことです。
また、電話のかけ方も指導する必要があります。電話は相手の方が見えない分、難しさがあります。しかし、インタビューの仕方が身に付いていれば大丈夫です。具体的に話すことを文章化したカードなどを用意し、教室で実際に電話をかけるつもりで事前に練習しておくとよいと思います。ここでも、指導者の事前のお願いは必要です。
最後に、インタビューのほか、必要な資料の探し方についてふれます。資料調査というと、つい、インターネットに頼りがちになることがあるかもしれません。しかし、学年が上がってくると、学校図書館や地域の図書館の活用も、必要な資料収集の技能になります。図書館のレファレンス機能やコンピューター検索を活用すること、分類番号を頼りに探すこと、地域資料室を活用することなどは、是非とも子どもたちに身に付けさせたい能力です。
12/23(日)「第2回 中学校道徳教育セミナー ―4月からスタートする道徳科 授業と評価―」を開催!
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セミナーのご案内:12/23(日) 第2回 中学校道徳教育セミナー
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