セミナーのご案内:2/11(金・祝)「オンラインセミナー 図工のミカタ 第6回 ~授業のクミタテカタ~」を追加しました。
月別アーカイブ: 2021年12月
2/11(金・祝)「オンラインセミナー 図工のミカタ 第6回 ~授業のクミタテカタ~」を開催!
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Webマガジンまなびと:「学び!と社会」Vol.04
Webマガジン:「学び!と社会」Vol.04 “こんなときどうしよう?② 子どもに興味・関心をもたせるにはどうすればよい?” を公開しました。
こんなときどうしよう?② 子どもに興味・関心をもたせるにはどうすればよい?
(1)はじめに
みなさんは、社会科の授業をしていて楽しいですか?わたしは、社会科の授業がとても楽しいです。「今日は、社会科の授業がある」と思うと、朝からウキウキします。それは、社会科の授業を受けている子どもたちが楽しそうに、主体的に学習に取り組んでいるからです。そしてわたし自身も、子どもたちの学習態度や発言からたくさんの刺激をもらい、自分自身の授業改善につなげているからです。授業が変わると、子どもたちの反応も変わります。子どもたちの反応から手ごたえをつかむと、さらに授業を改善しようという教師の向上心もうまれます。楽しい社会科授業は、子どもにとっても教師にとってもプラス効果が生まれるのです。ではどうしたら、子どもも教師も楽しくて主体的に学べる社会科授業をおこなうことができるのでしょうか。
(2)導入、資料提示の工夫 ~3年生、6年生の実践例から~
社会科の授業で大切なことは、子どもたちに、調べてみたいというワクワク感や必要感をもたせることだと思います。そのためには、興味・関心をもたせる導入や資料提示の工夫が重要です。わたしは、単元の導入だけでなく、毎時間の導入でも興味・関心をもたせることを大切にしています。
1.小単元の導入の工夫
それでは、3年生の「地域に見られる生産」の単元の授業を例に考えてみましょう。児童が「自分たちの住む区には野菜の生産に関する仕事をしている人がおり、安定しておいしい小松菜を生産するためにさまざまな工夫をしていることや、区の人々の生活と関わりがあること」を理解できる事例として、本小単元では、東京近郊で盛んに生産されている小松菜農家を取り上げることとしました。
わたしが勤務する区は東京23区の中でも、農業が存続している数少ない区の一つです。その中でも、小松菜は、江戸時代から生産が始まった野菜であり、年間を通して栽培されており、収穫量も都内でもトップクラスです。また、区内で生産された小松菜は学校給食にも使われるととともに、区内各地にある直売所において販売されるなど、児童にとっても身近であり、地域の人々の生活と密接な関わりをもっていることを具体的に理解できる教材だといえます。それぞれの地域において、取り扱う事例は異なると思いますが、みなさんは、小単元の導入で、どのように子どもたちに興味・関心をもたせますか。
以下は、以前にわたしがおこなった小単元の導入です。
まず子どもたちに次のような資料を提示し、「一番多く作られているAの野菜は何だろう。」という問いを提示しました。そしてAからEまでの野菜の写真を見せました。
その後、この問いを解決するために、以下の①②③の資料を提示しました。
これらの資料から、子どもたちは、Aの野菜は一年中収穫できることや、給食でも使用されていること、さまざまな食べ物に使われていることを読み取りました。そして写真の野菜と資料を見比べながら、Aの野菜は小松菜であることがわかりました。ちなみに他の野菜は、Bキャベツ、Cだいこん、Dえだまめ、Eねぎとなっています。(2位以下の野菜は、統計年度により変動があります。)
このような導入の工夫をすると、教師から「小松菜の学習をします」と提示するよりも、子どもたちは小松菜に興味・関心をもち、もっと調べてみたいという意欲をもつようになります。今回活用した収穫量や収穫時期のグラフは、副読本にのっているものです。給食の写真は、栄養士さんに提供していただきました。小松菜を使用した商品は、区市町村や農協等のホームページに紹介されているものです。わずかな準備で、興味・関心をもたせる資料を用意することができますので、導入の工夫の参考にしていただけるとうれしいです。
2.資料提示の工夫
次に、毎時間の資料提示の工夫について考えてみましょう。6年生の江戸文化「浮世絵」の学習です。学習指導要領解説(社会編)には、「実際の指導に当たっては、例えば、歌舞伎や浮世絵を楽しむ人々の様子から、それらが町人の間に広がったことを調べたり(後略)」と書かれています。では、どのような資料を提示すれば、浮世絵が町人の間に広がったことを調べることができるのでしょうか。以前におこなった授業の様子を紹介します。
授業の導入では、江戸時代の代表的な浮世絵を提示します。そして浮世絵は、当時の様子を題材にした多色刷りの版画であることや、歌川広重、葛飾北斎などの浮世絵師の名前を紹介しました。そのうえで、「浮世絵は、なぜ、江戸時代の人々に人気があったのだろう。」という問いを提示しました。複数の資料を関連付けながら、子どもたちがその謎を解いていくという学習展開を考えました。
実際に子どもたちに提示した資料は、次のものです。
・「二八蕎麦」…16文(かけ蕎麦一杯が約320円)
・普通サイズの浮世絵(縦39cm×横26.5cm)…20文
・小さいサイズの役者絵(縦33cm×横15cm)…8文
④の資料からは浮世絵は大量生産できたこと、⑤の資料からは手が届く値段だったこと、⑥の資料からは町人でも手軽に買えたことがわかります。そして、最初に提示した役者絵、風景画、美人画と関連付けて、人々の生活にゆとりが出てきて、浮世絵などの楽しみを求めるようになったことや、流行の髪型や服装などを知る手段として、浮世絵は人気があったことに迫ることができます。
子どもたち一人一人で考えたあと、グループで話し合う時間を設定すると、子どもたちは自分の考えを積極的に伝え合い、考えが深まります。「わたしはこう思う」「なるほど」「そうか」というつぶやきが、教室のあちこちから聞こえてくると思います。また、タブレット端末を活用して資料を配布すると、子どもたちは写真を拡大して細部まで注目することができます。
このように、何のために調べるのかという目的を明確にして、ねらいにそった資料を提示することで、子どもたちは主体的に学ぶようになります。タブレット端末も効果的に活用して、主体的に問題解決ができるような授業を考えると、楽しい社会科授業になるのではないかと思います。
(3)おわりに
今回、紹介した導入や資料提示の工夫は、一つの実践例にすぎません。この導入が最もよい、このようにすべきだと、考えているわけではありません。これを読んで、「この小単元では、このような導入をおこなってみよう」「このような資料を用意してみよう」というきっかけになればと思い、実践を紹介させていただきました。わたし自身も、まだまだ勉強中です。どのような導入がよいのか、どんな資料がよいのか、日々、試行錯誤しています。これからも多くの先生方と共に学び、共に考え、よりよい社会科授業をつくっていきたいと思います。
Webマガジンまなびと:「学び!と共生社会」Vol.23
Webマガジン:「学び!と共生社会」Vol.23 “イギリスにおける小中学校のインクルーシブ教育”を追加しました。
イギリスにおける小中学校のインクルーシブ教育
イギリスのインクルーシブ教育については、日本が手本としてきたこともあり、数多くの論文や文献によって紹介されています。しかしながら、それらは特別支援教育の担い手に向けたものが多く、日本の通常の小学校、中学校の先生方に、「我がこと」として読んでもらえるような内容のものは限られているようです。そこで、本稿では、小学校、中学校等の先生方に知っておいていただきたいイギリスのprimary school(日本の幼稚園・小学校)やsecondary school(日本の中学校・高等学校)でのインクルーシブ教育の要点をイギリス教育省の資料(*1)を基にお伝えしたいと思います。
障害からニーズへ
イギリスがインクルーシブ教育に舵を切ったのは、「障害」で分類して対応するよりも一人一人の子どもの「特別な教育的ニーズ」に着目することが大事だとする内閣府の委員会の報告がきっかけでした。ウォーノック報告といわれています。これを受けた1981年の教育法において特別なニーズのある子どもの通常の学級(mainstream class)での教育の原則が宣言され、いわゆるインクルーシブ教育システムが導入されることになりました。実際には、障害やニーズのある子どもはprimary schoolやsecondary schoolの通常の学級だけでなく、special school(特別支援学校)など多様な場で学んでいます。また、primary schoolやsecondary schoolに特別学級は設置されていませんが、ニーズのある子どもが安心して過ごせる場所、落ち着いて学習に臨める場所として、「SENユニット」(Special Educational Needs Unit)を設けている学校もあります。
通常の学級におけるインクルーシブ教育を支える仕組み
イギリスの初等学校の学級規模は、2018年のOECDのデータでは26人となっています。EU圏では最も大きい数値(EU平均:21.1人)です(*2)。日本の27.2人に近い値になっていますが、人数の多い通常の学級で多様なニーズのある子どもの教育に対応するために、以下に示すような様々な仕組みが整えられています。
ティ-チングアシスタント(TA)
通常の学級に担任や担当の指導の下に、特別な教育的ニーズや障害のある子ども(SEND)の教科指導や休み時間、昼食時間、授業時間外の生活をサポートするスタッフが、数多く校内に配置されています。TAは教師の代行はできず、「1対1または小グループで児童生徒に合わせた教育活動を提供する」、「教師の指導の下で、特定のクラス活動を主導する」ことなど、その業務が明確に示されています。
イギリス政府は2002年に学校の労働力改革の基準を発表し、TAを含めてサポートスタッフの労働力の活用を図っています。こうしたサポートスタッフの全スタッフに占める割合は3分の1から2分の1ほどになっており、通常の学級での教育活動に欠かせない存在になっています。
ナショナルカリキュラム
イギリスにも日本の学習指導要領にあたるナショナルカリキュラムがあります。インクルーシブ教育が成立するためには教科の連続性が欠かせません。ナショナルカリキュラムの適用が困難な知的障害がある子どもなどのためには、Performanceスケール(Pスケール)が開発されています。これにより通常の学校における教科と知的障害児等の学習の連続性が担保され、一貫性のあるインクルーシブ教育への対応が可能となっています。なお、読み書きが困難な最重度の子どものためには、別途カリキュラムが準備されています。
SENサポートとSENCO
通常の学級で学ぶSENDに対しては、「SENサポート」というプログラムが提供されます。「SENサポート」では、担任がSENCO(Special Educational Needs Coordinator)や外部専門家の助言を受けて保護者とともに個別教育計画を作成し、それに基づいて必要な教材や教具個々に応じた指導が行われることになります。2014年からはEducation, Health and Care (EHC) planという教育・医療・福祉機関が連携したサポートも行われるようになっています。
SENCOは、日本でも「特別支援教育コーディネーター」として形式的に導入されていますが、イギリスではSENCOに対しても予算が投入され、人的配置と専門性の質の強化が図られています。
予算付加
通常の学級で学ぶ特別な教育的ニーズのある子どもには、日本の教育委員会に当たる機関(LA)から付加的な予算(resourced provision)が配分されています。
広がるインクルーシブ教育
紙面も限られており、凝縮したイギリスの状況の紹介になってしまいましたが、イギリスを参考にその仕組みが整えられた日本のインクルーシブ教育システムの構築は、まだまだ道半ばにあるといえそうです。また、インクルーシブ教育の捉え方は一様ではなく、イギリスでは「ニーズ」の概念がとらえにくいなど、その在り方を巡って論争が途切れることなく続いています。そうした中で、昨年、イングランドではLGBTインクルーシブ教育が全ての学校で義務化されたという情報も入ってきています(*3)。通常の学級で多様なニーズに対応するという基本方針は揺らいでいないようです。
*1:Special educational needs in England: January 2021
https://www.gov.uk/government/statistics/special-educational-needs-in-england-january-2021
*2:Education at a Glance 2020: OECD Indicators, Chapter D, Figure D2.3.
https://doi.org/10.1787/888934165434
*3:イギリスにおける障害のある子どもの教育について
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1306642.htm
令和3年度 ソニー子ども科学教育研究全国大会(千葉大会)
令和3年度 ソニー子ども科学教育研究全国大会(千葉大会)を追加しました。
文部科学大臣指定研究開発学校4年次(最終年次)大手町小学校オンライン研究会
令和2・3年度 杉並区教育委員会 教育課題研究指定校(2年次) 杉並区立和田中学校 研究発表会
小学校 社会:「社会科Q&A」更新
小学校 社会:「社会科Q&A」
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