令和4年度 横浜国立大学教育学部附属横浜小学校 教育研究集会を追加しました。
月別アーカイブ: 2022年11月
小・中学校 道徳:「島先生と考える!! どうとく発問ラボ」
小・中学校 道徳:2名の先生がよりよい発問について「対話」で検討する動画コンテンツ「島先生と考える!! どうとく発問ラボ」 に、小学校教材「うばわれた自由」、中学校教材「独りを慎む」を追加しました。
my実践事例:高等学校 情報 No.006
情報Ⅰ (1)情報社会の問題解決、情報Ⅱ (1)情報社会の進展と情報技術「人工知能の『学習』を通して、人工知能と人間との関わり方を考える[他教科連携]」(第2学年)
1.はじめに
これからの社会では、自動運転のみならず、医療、軍事、政治など、人間でさえ判断に迷う場面を、人工知能(AI)がサポートするようになると思われる。このとき、利用者であるわたしたち自身は、そのAIがどのようなデータを「学習」して、どのようなアルゴリズムで動いているのかなど、その仕組みや傾向を知っておく必要がある。
「AIに仕事を奪われる」、「AIに意思決定を支配される」といった懸念が示される世の中で、生徒自身がAIに振り回されるのではなく、「人が得意な分野」と「AIが得意な分野」を切り分け、互いの良いところを出し合えるようになることが望ましい。当実践はこのような視点を養うことを目的として、公民科(倫理)との他教科連携授業(教科横断型)として実施したものである。
本時の内容は、内閣府、文部科学省、経済産業省が協力して制定した「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」へのつながりを意識したものであり、内閣府発信の「AI戦略2019」において、中等教育に求める内容ともいえる。
本校では、2021年度まで1コマ65分の授業展開を行っており、情報科の授業は高等部第1学年で週1、第2学年で隔週の実施であった。高等部第1学年では「情報Ⅰ」を見据えた授業を、第2学年では「情報Ⅰ」を掘り下げた内容に加え、「情報Ⅱ」へのつながりを意識した題材を取り上げている。本事例紹介は2021年度に高等部2年生を対象に65分授業で実施したものである。生徒同士のディスカッションや実習機会が多いことから、授業時間数に余裕がある場合には2コマにかけて実施をしても良いと考えている。
2.単元名
「(1)情報社会の問題解決」(実施学年:第2学年)
3.単元の目標
- 情報技術の発展の歴史や、情報技術の発展による社会の変化について理解する。
- 情報技術の発展による情報社会の進展について考え、情報社会が抱える問題や、それらの問題を解決していくことの重要性について理解する。
- 情報と情報技術の適切かつ効果的な活用と、望ましい情報社会の構築や在り方について考える。
- 情報システムが人の知的活動に与える影響について考える。
- 情報社会の問題解決を通して、望ましい情報社会の構築に寄与しようとする。
4.単元の評価規準
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ア 知識・技能 |
イ 思考・判断・表現 |
ウ 主体的に学習に |
|---|---|---|
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・情報技術の発展の歴史や、情報技術の発展による社会の変化について理解している。 |
・情報と情報技術の適切かつ効果的な活用と、望ましい情報社会の構築や在り方について考えている。 |
・情報社会の問題解決を通して、望ましい情報社会の構築に寄与しようとしている。 |
5.単元の指導と評価の計画
(※人工知能に関する学習単元のみ抜粋[1コマ65分換算])
(ア:知識・技能/イ:思考・判断・表現/ウ:主体的に学習に取り組む態度)
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時 |
学習内容 |
学習活動 |
評価の観点 |
評価の方法 |
||
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ア |
イ |
ウ |
||||
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1 |
・AI概論 |
・AIの分類、AIの定義付け(専門家による定義に違いがあること)について知る。 |
○ |
○ |
・ワークシート |
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|
2 |
・人工知能の「学習」を通して、AIと人間との関わり方を考える。 |
・日常生活でAIに任せても良いこと、人間が行っておきたいことについてグループで考え、意見をまとめて発表する。 |
○ |
○ |
○ |
・ワークシート |
|
3 |
・死後デジタル労働「D.E.A.D.(Digital Employment After Death)」(*5)について考える。 |
・テクノロジーの発達によって個人データを利用して故人を疑似的に復活させることの是非について考え、自分の意見をまとめる。 |
○ |
○ |
・ワークシート |
|
用語説明
6.本時の目標【2限目】
クラスでの対話や、Teachable Machineを用いた「教師あり学習」の体験、その他AI技術が引き起こす社会課題を通じて、「人工知能(AI)と人間との関わり」について、自分の考えや意見をもつことができるようになる。
7.本時の流れ【2限目】
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時間 |
学習活動・内容 |
指導上の留意点 |
評価 |
|---|---|---|---|
|
導入 |
・本時のテーマ共有 |
・前時の授業スライドを提示しながら、学習内容の確認を行う。 |
ア.行動観察 |
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展開1 |
・日常生活でAIに任せても良いこと、人間が行っておきたいことについてグループごとに考え、Google Jamboardに自由に記述する。 |
・AIか人間か、意見を左右に分け、発言者がわかるよう、付箋の色を使い分けるように指示する。 ・生徒が発表する際には、当該班のJamboard画面を教室前方のスクリーンに映す。 ・各班の発表の中から、AIに意思決定・判断を委ねる意見に触れ、AIによる判断・意思決定に恐怖や懸念がないか問う。 |
ア.行動観察 |
|
展開2 |
・AIによる判断・意思決定することについて、「AI採用」を例に考える。 ・AIを活用した採用では、基本的には、最終的に人間が関与していることを理解する。 |
・サッポロビール、ソフトバンクなどの企業を例に、採用選考過程にAIを活用している実態を紹介する。 |
ア.行動観察 |
|
展開3 |
・機械学習における「学習」「推論」のイメージ、教師あり学習、教師なし学習、強化学習について理解する。 |
・人間(0歳の赤ちゃん)を例に説明する。 |
ア.行動観察 |
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展開4 |
・AI技術が引き起こす社会 課題について認識する。 |
・悪用と誤情報、公平性と差別、個人情報とプライバシー、人間の尊厳、アクセス不平等、安全とセキュリティ、軍事利用などAI技術が引き起こす社会課題には様々な側面があることを説明する。 (公民[倫理]・情報ともに、次回の授業につなげる説明を行う) |
ア.行動観察 |
|
まとめ |
○まとめ・振り返り |
・当日中にGoogle Formsに授業の振り返りを入力するよう周知する。 |
ア.行動観察 |
8.まとめ
授業を終えて、生徒の「振り返りフォーム」を見ると、ほとんどの生徒がAI(人工知能)との向き合い方について、自分自身の言葉で考えや意見を述べており、本時の目標は概ね達成できた。また、生徒の記述には、学習させるデータの「量」と「質」の重要性や、「説明可能なAI」の必要性について言及しているものも多く、これらの観点においても生徒に認識させることができた。今回は、隔週実施の65分授業であったため、1回の授業としてはボリュームのある内容であったが、本時限の内容を50分授業2コマで展開ができると、特に授業前半の「日常生活で人工知能(AI)に任せても良いこと、人間が行っておきたいことについての分類」部分などは、議論結果(班での見解)を各班ごとに詳しく発表させたり、教員と生徒・生徒(班)同士の対話を行ったりする時間として、「より深く」他者の考えを伺い知る機会になる。
以下、高等部第2学年のあるクラス(受講者38名)の「振り返りフォーム」を例に、テキストマイニングを用いた分析結果と、生徒の感想をいくつか紹介する。(本文そのまま掲載)
※ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析
(https://textmining.userlocal.jp/
)
- 「AIは人間を助けられる場面もあるため、人間にとって利益になることもあるが、一方でAIに学習させる際にバイアスがかかると人間が不利益を被ることもあるのだと思った。バイアスがかかるという問題については、AIにデータを読み込ませる時に様々なバックグラウンドを持つ人が多く関わることが大事だと考える(例えば、特に性別や人種に対するバイアスに気づくという点などで)。AIに仕事を取られるという話をよく聞くが、どのように共生していくかを考えていく必要があると思う。」
- 今回の授業の班の中での話し合いで、「人間の気持ちに関するようなことは人間が行うべきである」という考え方が皆の意見の軸として存在していたことがとても印象的でした。私は人間とAIの違いとして「心」というものを考えていました。いくら学習しようとも、人間が持つ心を機械のAIが超えることは出来ないのではないか、もしくはそのように私が「思いたい」のではないかと感じます。なぜ「思いたい」という表現を使ったのかというと、AIが発達するこの時代の流れに少なからず恐怖のようなものを感じているからです。AIという存在が完全な人間の代替物になってしまったらどうなるのか、様々な事が効率化されていき「無駄な時間」がこの世から消えたらどうなるのか、などといった未来の形に対する不安があります。授業内で推薦入試へのAIの導入に対して反対する姿勢を取ったり、用意する画像をわざと分かりづらいものを選んだりしたのも、このような考えが自分の中にあるからだと考えました。AIの技術の進歩を目の前にした時に、人間は「人間にしかできないこと」を無意識の内に模索しているのだろうと思いました。
- 今回の授業中の生徒の意見だけでも、物事を分けるのにAI派と人間派でそれぞれ意見が違ったことから、何をもってAI化すると判断するのかは人によって基準が違うと思った。条件として、正確性やスピードなど様々なことが挙げられるが、人間が気持ちを込めて行いたい動作もそれぞれ違って、はっきりと正解がない話題である。ある人はこの動作は単純作業だからAI化したいと言うかもしれないし、一方で、ある人はしっかり気持ちを込めて人間の手で行いたいと言うかもしれない。また、”AIは果たして人間を超えられるのか”というのも1つ話題に上がることである。今回の授業中に画像を覚えさせるアプリを使ったときに、これからの未来私達人間はAIに支配されてしまうのではないかと恐怖を感じた。人間が作ったものとはいえ、力を制御出来なくなってしまう前に人間が想像しなければならないリスクはたくさんある。これからの未来を生きていく上で、あくまでもAIは人間の生活を便利にするもので、人間を管理するものではないということを念頭に置いて考えていきたいと思った。
- AIの発展はこれからも続くと思うし、人間を大いに助けてくれる存在になると思った。今は人の手でやっていることも、AIに代用してもらえて世の中がもっと豊かになったり、生活が楽になる部分もあると思った。しかしその反面AIの普及は様々な問題も引き起こすことを改めて考えさせられた。今までに入れられたデータの分析から新たな作業をするというAIの最大の特徴が、思わぬ方向に働くこともあると知った。人間には、何をAIに学ばせるかという無意識のバイアスがかからないようにしなければいけないと思った。そのためには、AIに学ばせるだけで、様々なことを発展させようと丸投げにするのではなく、今後も人間が未知のことへも興味を持ち、深く多角的に学ぶことが大切だと感じた。
【関連資料】
- 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/suuri_datascience_ai/00002.htm
- AI戦略に関する資料(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/index.html
- 授業スライド PPTダウンロード(14.5MB)
- 授業プリント(レジュメ) Wordダウンロード(498KB)
Webマガジンまなびと:「学び!と人権」Vol.18
Webマガジン:「学び!と人権」Vol.18 “外国人の人権と教育(その3) ゼノフォビアとしての外国人差別” を追加しました。
外国人の人権と教育(その3) ゼノフォビアとしての外国人差別
①ゼノフォビアとは?
「外国人差別」というときに「日本国籍を持たないことによる差別」と「国籍に関係なく海外ルーツの人だということに関わる差別」があると述べました。そして、前回には「日本国籍をもたないことによる差別」を取り上げました。今回は、国籍に関係なく「海外ルーツの人だということに関わる差別」を取り上げます。このような意味での外国人差別を英語圏ではゼノフォビア(Xenophobia)と呼びます。人種差別の一つであるといえるでしょう。ヨーロッパではゼノフォビアの広がりが大きな問題となってきました。いわゆる右翼政党の台頭などです。
羽場久美子
さんによると、ヨーロッパでのゼノフォビアの広がりには社会的背景があります。ヨーロッパ各国にはEU内外からの移民が増えてきました。当初は低賃金の肉体労働につくことが多かったのですが、次第にホワイトカラーの仕事や専門職に就く人たちも増えてきました。肉体労働だけが多かった時期にはまだゼノフォビアは限定的でした。ところが、ホワイトカラーや専門職につく外国人が増えるもとで、ゼノフォビアが広がってきたのだといいます。
ゼノフォビアが広がる原因は、海外からの労働者により自分たちの仕事や生活が脅かされていると感じるところにあります。外国から来た人たちの仕事が肉体労働中心であれば,国内の技能労働者の階層にとっては脅威となりますが、事務職や専門職に就いている中産階級の人たちはむしろ生活を助けてもらっているという思いを持ちやすかったかもしれません。ところが、ホワイトカラーや専門職にも外国から来た人たちが就くようになると、中産階級の人たちにとっても脅威となるというのです。これが、ヨーロッパでゼノフォビアが広がり、右翼政党が得票率を伸ばしている背景だと羽場さんは言います。
ゼノフォビアの端的な行動は外国人の殺害や傷害です。しかし、その土台には、人種差別についての「憎悪のピラミッド」で言われる「先入観による行為」
があります。わたしたちはみな先入観をもっており、知らず知らずのうちにそれを「意図せぬ差別言動」として表現し、人を傷つけます。「意図せぬ差別言動」に関わって、マイクロアグレッションやアンコンシャスバイアスといった概念が紹介されていますが、これらの概念はこの「先入観による行為」に焦点を合わせています。この土台の段階で的確に対処することにより、ゼノフォビアや人種差別がエスカレートすることを妨げます。ピラミッドの上の方まで行為が激化してから取り組むのは困難です。それよりも「先入観による行為」により「意図せぬ差別言動」が発生している状態で働きかける方がまだ容易だといえます。
日本ではどうでしょうか。日本の外国人受け入れ政策で繰り返し語られてきたのは、「これは移民ではない」ということでした。移住労働者なら、数年働けば帰国するという前提で対応できます。低賃金でも不満は顕在化しにくく、外国人差別があっても訴えにくく、日本語の保障などもとりあえずでよいことになります。社会的・政治的発言が制約されていても、やむを得ないと感じやすいといえます。その典型的な政策が技能実習生でした。現に技能実習生や日本語留学生が学ぶ日本語学校では、授業の成り立っていないところも少なからずあるといわれます。ところが、移民なら、その人たちは生涯にわたって日本で暮らす事を前提としなければなりません。仕事を持ち、日本で住居を構え、家族を呼び寄せて、日本で子どもを育てます。こうなれば、日本社会への発言権の保障を求める構えが生まれやすいでしょう。日本語を学ぶというのはそういう人たちにとって様々な問題を解決する入り口にはなりますが、彼らにとって本当の課題はそのさらに奥に控えています。就労・住居・福祉・教育・アイデンティティ・選挙権などです。そこまで考えた政策はどれほど練られているのでしょう。
日本では、高齢化が進み、2060年になると高齢者率が40%に達する
という政府の見積もりがあります。その間、出生者数は減少するとみられており、結果として生産年齢(15~64歳)の人たちが占める比率は下がることになります。そうなると、海外からの人たちに頼らざるを得なくなります。今後とも外国人労働者の流入を受け入れ続けると2050年には人口の24.3%を占める可能性がある
との意見があります。4人に1人が海外ルーツの人になったとき、今のわたしたちの意識や日本社会のあり方で問題なく社会が進んでいくのでしょうか。
国際交流という観点から地域の日本語教育に取り組んでいる人に話を聞いていると、ときとして「外国からの人たちに早く自立してほしいという思いで、日本語学習支援活動に取り組んでいます」といった発言が出ます。でも、とりもなおさず日本社会こそが、外国からの人たちに依存しているのです。
②ゼノフォビアに関わる教育実践
以上のようにゼノフォビアに関わる実態や構造を見れば、この問題に取り組むことが重要であると同時に急務であることが明らかだと思います。容易ではなくチャレンジングなことだといcう思いも共有できるのではないでしょうか。では何ができるでしょう。
この問題だけではないのですが、こういう多様性尊重という問題に関連する教育は、次のような流れで組み立てることが大切だといえます。
①自分が生きている価値の実感(自己についての肯定的態度)
②お互いの間にある違いの自覚と尊重
③人権侵害の歴史的・社会的背景と当事者の生き方の学習
④様々な人権課題の解決に共通して必要な概念や枠組みに関する学習
(自尊感情・自己開示・偏見・悪循環・平等観・特権など)
⑤具体的な場面での行動力の育成
⑥人権が尊重される社会づくりにつながるような行動力の育成
もちろん、いつもこの順番通りに進むわけではありませんが、基本的な流れとしてこの組み立てをイメージして取り組めば、子どもたちは自己を肯定することから出発して、互いの違いを認識し、さまざまな人権課題に共通する概念を習得したうえで、人権実現のためにどう行動すればよいのかを考え、そのための行動力を身につけやすくなります。(これは、文部科学省の「人権教育の指導方法等の在り方について【第3次とりまとめ】」(第Ⅱ章第2節(3))に出てくる内容でもあります。
上の①から⑥のうち、小学校低学年では①や②が重視され、高学年になるにつれて③や④、中学校になれば⑤や⑥が重視されることが求められます。また、一つの学年で考えても、①や②は年度の初めから土台として積み重ねるべき事柄であり、そこへ後の③以下の学習が重ねられていくべきです。③や④の学習は、一見するとむずかしいと思われるかもしれませんが、それぞれの学年に応じた学び方があります。低い学年であれば、歴史や概念は簡単な枠組みで学ぶに止まるかもしれません。高い学年になればなるほど、歴史や概念は精緻におさえるべきです。
さらに、この①から⑥の流れにあっては、身の回りで起こった問題にどう対応するかという行動力と、社会づくり全体をめざす行動力とを分けていることも見逃せません。従来から「学んだことが行動につながらない」と繰り返し嘆きの声が聞かれましたが、わたしたち自身が、どれほど具体的に行動力を育む学習内容や学習方法を編み出してきたかを問うべきです。
こうした事柄は、多様性教育
として整理されており、具体的な学習方法についても発信されています。
具体的な学習活動(アクティビティ)もたくさん提案されています。重要なのは、問われているのは日本社会の方であり、わたしたち一人ひとりであるという点です。
【参考・引用文献】
・羽場久美子氏(青山学院大学教授)「欧州の移民・難民とテロ問題 ―いま世界が真剣に向き合うとき―」(一般社団法人平和政策研究所ウェブサイト)
・金 友子氏「マイクロアグレッション概念の射程」(立命館大学生存学研究所ウェブサイト)
・内閣府「平成24年版 高齢社会白書」(内閣府ウェブサイト)
・吉岡 茂氏「外国人労働者受け入れの及ぼす日本の人口構造への影響」(立正大学地球環境科学部ウェブサイト)
・大阪多様性教育ネットワーク「多様性教育について」(同ネットワークウェブサイト)
図工のみかた:「The Work of Wonder」更新
図画工作科ブログ「図工のみかた」:「The Work of Wonder みかたをかえるプログラミング」Phase019 “「もっと学びたい」を生み出す、「とりあえずやってみようぜ」”
を追加しました。
Webマガジンまなびと:「学び!とICT」Vol.05
Webマガジン:「学び!とICT」Vol.05 “主体的・対話的に深く学ぶために 第1回 〜資質・能力の三本柱と学習の基盤となる資質・能力〜”を追加しました。
主体的・対話的に深く学ぶために 第1回 〜資質・能力の三本柱と学習の基盤となる資質・能力〜
本稿では、「主体的・対話的で深い学び」の実現について、「情報活用能力の育成」「単元を縦断した授業づくり、主体的・対話的に学びを進めための自己調整学習」の視点からICTを活用した授業改善について連載していきます。
以下、連載の順番です
第1回 〜資質・能力の三本柱と学習の基盤となる資質・能力〜
第2回 〜情報活用スキルを視覚化する〜
第3回 〜思考・判断・表現するスキルを鍛える〜
第4回 〜自己調整スキルを発揮することをねらった教材を提案する〜
第5回 〜スキルを発揮して学ぶ単元・授業づくり〜
第6回 〜探究プロセス、情報活用スキル・思考スキルを軸とした単元・授業づくり〜
第7回 〜自己調整プロセス、スキルを軸とした単元・授業づくり〜
第8回 〜主体的・対話的に深く学ぶために〜
資質・能力の三本柱と情報活用能力
現行の学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」を実現させる授業改善が大きなテーマとして掲げられています。そして、これらの学びを実現させるために、子どもたちに育む力を、資質・能力の三本柱「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」として示しています。さらに、教科・領域等を横断して発揮する資質・能力として「言語能力」「情報活用能力」「問題発見・解決能力」が学習の基盤となる資質・能力として示されています。教科・領域/資質・能力の三本柱/学習の基盤となる資質・能力の関係を整理すると図1(*1)のようになると考えます。
図1 各教科・領域/資質・能力の三本柱/学習の基盤となる資質・能力の関係
上図を基に、これらの関係を考えると、各教科・領域等の授業は図の上底にある「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」で、目標を設定したり評価したりすることがわかります。これは、通知票等がそのようになっていることもあり、ほとんどの先生方がご承知のことでしょう。次に、各教科・領域等と学習の基盤となる資質・能力の関係に着目すると、「言語能力」「情報活用能力」「問題発見・解決能力」が教科横断的に育成・発揮される必要があることがわかります。このことについても、カリキュラム・マネジメントを行う際に、教科横断的な視点を意識する必要があるため、学校現場において周知されている事柄であると思います。最後に、資質・能力の三本柱と学習の基盤となる資質・能力の関係は、どのようになっているのでしょうか。これらの関係について図1を基に考えると、学習の基盤となる資質・能力においての「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」があるということがわかります。ここでは、タブレットPCをはじめとするICT活用について着目して話を進めるため、資質・能力の三本柱と情報活用能力の関係を例に挙げて考えを深めていきます(図2)。
情報活用スキル
「情報活用能力の知識及び技能」とは、どのような力なのでしょうか。これは、タブレットPCを活用してプレゼンテーションを作成し、実施する活動を例に挙げて考えると、プレゼンテーション資料を作成するために、プレゼンテーションソフトの使い方を知っていることが「情報活用能力の知識」に当たり、プレゼンテーションソフトを使って、プレゼンテーションを作っていく力が「情報活用能力の技能」に当たると考えます。このような力は情報活用スキルと呼ばれています。
思考スキル
次に、「情報活用能力の思考力・判断力・表現力等」です。これは、情報を活用することを通して思考・判断・表現することであると考えます。例えば、現在思考ツールやシンキングツールを搭載した学習支援ソフトがあります。探究的な学習の「整理・分析」するプロセスでは、思考ツールやシンキングツールを活用して、集めた情報を比較(思考)し、比較したことを根拠にそれらの情報を分類(判断)します。そして、情報と情報の関係性を明らかにしたり、多面的に見たりして、自らの考えとして表す(表現)活動を行います。このような思考ツールやシンキングツールを活用した情報を整理する活動の中で発揮される力が「情報活用能力の思考力・判断力・表現力等」に当たると考えます。このような力は思考スキルと呼ばれます。
自己調整スキル
最後に、「情報活用能力の学びに向かう力・人間性等」についてです。これは、学びに向かうために情報を活用するということです。学びに向かう力とは、自らの学習の見通しをもつために計画を立てたり、学習を振り返って次の学習に活かしたりするといった「学習の調整」に関する力です。このことについては、文部科学省(2019)「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」において示されています。
物事を調整することについて考えると
今回は、各教科・領域と資質・能力の三本柱、学習の基盤となる資質・能力の関係を明らかにし、情報活用能力における「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性等」について考えを深めました。次回以降では、これらを踏まえ、子どもたちが情報活用能力を発揮して学ぶ上で必要な3つのスキルについて話を進めていきます。
桃山学院教育大学 講師 博士(情報学)
専門分野は教育工学、情報教育
主な著書に『主体性を育む学びの型:自己調整、探究のスキルを高めるプロセス』、『単元縦断✕教科横断―主体的な学びを引き出す9つのステップ』(さくら社)
【参考文献】
- 文部科学省(2017)小学校学習指導要領
- 文部科学省(2019)児童生徒の学習評価の在り方について(報告)
- AK-Learningサイト(2020)
https://www.ak-learning.info
- 木村明憲(2021)主体性を育む学びの型、さくら社
*1:詳細については下記の動画をご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=nEtUAfVmy7c
【本稿について、さらに深めたい方は以下に解説動画を掲載しておりますのでご視聴下さい。】
- 各教科・領域/資質・能力の三本柱/学習の基盤となる資質・能力の関係
https://youtu.be/nEtUAfVmy7c
- 情報活用能力とは
https://youtu.be/T98nG3BtTpk
- 情報活用能力を具体的に捉えると
https://youtu.be/DoWVn0a9U-w
- 情報活用能力を育むことで
https://youtu.be/glaBFnbcRdA
小学校 生活:「生き活きうぃーくる」第128回、今月のピックアップ
生活科ブログ「子どもがかわる 授業がかわる『生き活きうぃーくる』」:第128回「令和の日本型学校教育における体験活動 ~生活科・事前学習編~」
、今月のピックアップ「飼育単元の授業に役立つ3本」
を追加しました。





