高等学校 情報:「大学入学共通テスト「情報Ⅰ」解説/本試験 試験問題(2025年1月19日実施)について」パンフ公開

高等学校 情報:工学院大学附属中学校・高等学校校長の中野由章先生に解説いただいた動画「大学入学共通テスト「情報Ⅰ」解説/本試験 試験問題(2025年1月19日実施)について」に、動画の内容を書き起こしたパンフレットを追加しました。

【いかす平塚農場】畑も人も多様であれば補い合える ~突撃! 図工な企業(第3回)~

図工力(※1)を発揮して活動している(と編集部が感じた)企業などを訪問し、働く方々のお話を聞きながら、図画工作や美術を学ぶ意義を捉え直すシリーズの第3回目。

今回の「図工な企業」は、株式会社いかす 。有機栽培で野菜を育てる「いかす平塚農場」を運営し、野菜の販売・宅配サービス、農業研修などを行う、食と農の会社です。代表取締役の白土卓志さんをはじめ、ここで働く人の多くはもともと他業種で働いていたとのこと。白土さんは「土の中にたくさんの命が生きている有機栽培ではおいしい野菜が育つ。会社もそう。個性ある人が集まったことがうちの強み」と言います。

◎お話を聞いた図工な人

  • 白土 卓志さん(株式会社いかす代表取締役)

「大地に立つと体に帯電されていたものがアースされて、めっちゃ元気になるんです。おいしくて栄養価も高い野菜も食べているから、風邪もひかない、じゃなくて“ひけない”(笑)」

勝ち続けることが幸せなのか、分かんなくなっちゃった

――会社勤めをやめて、なぜ農業を始めたのですか?

白土:人材サービスの会社に新卒で入社して、そのあと、仲間と起業しました。まぁまぁ勝ち続けていたと思うんです。仕事も起業もゲームだから、それはそれで楽しかった。競争自体は面白いし、いい仕組みだと思うけど、「なんかやり過ぎているな」っていう思いが、なんとなく自分の中に芽生えていたんです。「これ、幸せなのかな?」ってよく分かんなくなっちゃって。

そんなとき、大学時代に書いていた「未来日記」を見ていたら、「31歳 農業大作戦」って書いてあったんです。31歳になる年にそれを見たから、「あ、オレ、農業やらなきゃ」って。そこからのスタートです。

――大学生のときにもう農業を志していたんですか?

白土:いや全然(笑)。だけど農業をすれば「これ、幸せなの?」の答えがある気がした。

それで、当時農業をやっていた友だちに「オレ、農業やるっぽいんだけど」ってメールしたら炭素循環農法のことを教えてくれて、それがめっちゃ面白くて。

炭素循環農法をものすごくざっくり説明すると、ぼくら生き物って、水を除くとほとんど炭素でできている。命のサイクルって炭素のサイクルなんですよ。農業って水や窒素のことはすごく言われるけど、炭素のことはだれも注目していない。でも、命の循環そのものをやっているのに炭素を考えてないのは違うよねっていうので、炭素をたくさん畑に入れてやるというのが炭素循環農法です。

さらに別の友だちに相談したら、炭素循環農法を実践している農家の方に出会えた。その方に弟子入りして、しばらくはそれまでの仕事をしつつ、農業のことを学んでいました。そこからどんどんのめりこんで、いかしあう食と農の会社をつくりたくて「いかす」を設立しました。

会社のビジョンとして掲げている ”be organic” は、有機農業を指向していたこともあるのですが、organicの語源をひもとくと「大元のつながり」みたいな意味合いだと知ったときに「そうそうそう!」って思ったんです。

競争って、要は自分がやっているわけなんだけど、そこに振り回されているとしんどくなっちゃう。でも自分があって競争している分にはたぶん疲れもしないし無理もしない。「自分があること」がすごく大切。だから、「自分のあるがままに」「大元の自分である」という意味で ”be organic” というビジョンをつくったんです。

「畑に育っているソルゴー(緑肥植物の一種)を土にすきこみ、たくさんの微生物のエサになります。その結果、甘いダイコンができます」

ここが図工力!

☞ 「自分がある」を大切に。そうすれば無理をしない生き方ができる。

「いいところ」「できているところ」を答えだと思っていない

――農業には天候リスクがつきものです。思いどおりにいかないことも多いのでは?

白土:ぼくらは、サステナブルな農業を学ぶ場として「はたけの学校【テラこや】」という取り組みをしています。

そこではいちばん大切なこととして「自然が先生」と言っています。えてして人を先生にしがちだけど、農業においては全く同じことが起こることはほぼないので、その人の言っていることは仮説に過ぎないんですよ。「全てが仮説」、これは2番目に大切なこと。そして「出したものが返ってくる」が3番目に大切なこと。

要は「自分がやったことが全て」ということなんです。例えば何かを植えたとして、その2か月くらいあとに、あるいはそのプロセスで目の前で起きていることが答え。

「いいところ」あるいは「できている」ということをベースにしていると、できなかったときとの落差がしんどいから心のゆらぎが起きるのだと思います。ぼくらは「いいところ」「できているところ」を答えだと思っていない。ただ目の前にある状況が答えなので。それが思いどおりにいかない状況を乗り越える考え方なのかもしれないです。

もちろん期待値はあるから、「あれ、どうしてこうなったんだろう?」って思うこともあります。

「農業を学びたい人には、プロセスの中に答えがあるよと繰り返し伝えます」

――甘いトマトをつくりたいと思ったけど、酸っぱいトマトができた。それはそれで答えなんだよってことですか?

白土:そうそう。ただ、甘さとか酸っぱさとかはそれほど期待値からずれない。だけど、収穫量はけっこうずれるんです。

2024年はトマトの収穫量が前年の3分の2くらいになりました。同じ面積でつくっているのに。それはこの年は35℃以上の日が多くて、花芽が落ちまくって木が疲れて早くダメになっちゃったんですよね。そういう理由が分かるので、「じゃあ、もうちょっと前から植えようか」とか「後ろにずらそうか」という議論になる。目の前の状況から、次どうしようかっていう話になる。

ここが図工力!

☞ 決められた答えはない。プロセスの中に答えがある。

畑も人も、多様であれば強くなれる

――「いかす」では、いろいろな経歴の方が農業に携わっておられます。考え方も違うと思いますが、話し合ったりするときの難しさなどはありませんか。

白土:むしろ、いろんな人がいる、その強さをめちゃめちゃ感じるんですよ。

ブルーベリーのことをみんなで話していても、ぼくは「農園にコガネムシが来て、カラスが来た。カラスが来るようになったのはミミズがいなくなったからで、それはなんでかっていうと……」って、そういうシステムというか仕組みを自分で見付けるとすごくうれしくて、自分はその話ばかりしている。でも農業のリーダーはブルーベリーの木そのものを見て話している。

――見ているものが違うからこそ組織として成り立っている?

白土:そういう個性や好みの差が、結果、表出してくる役割の違いになっている。例えば技術責任者は期日を守ったりするのが苦手なんですけど、彼は植物を観察してめちゃくちゃ愛でる能力があるんです。それはぼくにはできないけど、期日を守るのはそれなりに得意(笑)。

だから、偏っていていい。自分に合っていることをすればいい。できないことがあってもよくて。むしろできないことを人に任せられるほうがいいんです。

大切なのは、考え方とか性格とかが同質であることではありません。それよりも「農業をうまくなりたい」「命の循環を知りたい」と向かっている方向が決まっているかどうか。だから、いろんな経歴の人が集まっていても、難しさっていうのはあんまりないです。

あとは気合と根性が足りないとか農業に対する甘さがありすぎるとかだと、農業研修生であっても絶対に入れないようにしています。たいへんなんです、農業って。希望をもって入ってきて、3年後に辞めましたっていうのは、本人にとってもつらい。だから最初に「厳しいよ!厳しいよ! 本当にやれる?」と聞きまくって。それでも来る人がここにいます。

ここが図工力!

☞ 個性や好みの違いはあって当たり前。違うからこそ補い合える。

「有機栽培の畑の場合、てのひらに載せた土には何万種類もの微生物がいるって大学の先生が言っていました。そしてうちの微生物たちは美しいらしいです。土壌診断に出すと顕微鏡とかで形がはっきり見えるらしくて。それはいいことらしくて。美しいものはなんでも強いですよね、感覚的に」

気付くこと、そこから変わっていくこと、それこそが人生

白土:これからは食べる人が農業に触れる機会が増えるといいなと思います。家庭菜園をする人が増えるとか。自分で食べ物をつくってみる。

ものづくりということにすごく価値があると思っています。今後、いろいろな仕事がAIに取って代わられる。最後に残るのが実はトマトの収穫とかクラフトワーク的な作業。機械ではできない、手でつくるということ。そう考えると、図工はものづくりの原点ですよね。

――でも、絵は画像生成AIでかけるっていう人もいます。

白土:それはそれ。仕事で使うアニメーションをAIにかいてもらうっていうのはいいと思います。

でも、「自分でかく」って全然意味が違うじゃないですか。ぼくは農家なのにニンジンとダイコンをかき分けられない。で、なんでかけないかを考えたときに「観察力がなさすぎるから」っていうことに気付くわけですよね。

――それって大切なことですか?

白土:めっちゃ大切。生きる意味がほかにあるんですかっていうくらい。

「全然観察できてなかった」って気付いて興味関心がある人は見るわけですよね。これ、行動が変わるってことですよね。生きるってそういうことじゃないの?気付いて行動を変える。その導かれた先に自分のやりたい何か、そこに「ありのまま」の答えがある気がする。

――気付くことから始まる行動の変化を繰り返すことが生きること?

白土:それ以外にないですよ。

あと、気付きってびっくりするくらい人によって違うんです。今、人と違うってことを言いづらい社会になっているんだけど、人との違い、それこそ大事にしたほうがいい。その一歩目が図工だって思ったんですね。

ぼくは本当に絵が下手だから、めちゃめちゃ図工は嫌だったんですよ。「見てないんだ」という気付きはあったけど、よく見ようとも思わなかったし、絵がうまくなりたいとも思わなかった。個々ではなくて、何人かでいる中で起こっている様が好きなんです。ぼくはシステムが好きなんですよ、人を含めたシステムが。それはぼくの個性。

ここが図工力!

☞ 「自分でつくる」ことから気付きが生まれ、行動が変化する。

「多様な社会では、だれがいたっていいわけです。いろんな側面から見れば存在理由があるんです」

取材後記

出会った瞬間から白土さんには「自然体」という印象を受けました。「ただ、あるがまま」を実践されているのだと思います。ブルーベリー畑で1時間ほど白土さんとおしゃべりをし、わたしもすっかりアースされたのか、取材した夜はぐっすりと眠りにつくことができました。

※1:本シリーズでの図工力とは、図画工作や美術など造形活動を通して培われる「自ら考える力 決める力 やり抜く力」「多様な他者と協働する力」「よりよい未来を創造する力」です。図工力は「もの」をつくるときだけに発揮されるのではなく、社会の潤滑油となって楽しさや希望をつくりだせる原動力になるものだと信じています。そんな図工力を備えた人がいて、図工マインドが垣間見える活動をしている企業(組織)をここでは「図工な企業」と呼びます。

白土 卓志(しらと・たかし)

株式会社いかす代表取締役、湘南オーガニック協議会 会長、NPO法人有機農業参入促進協議会 理事、一般社団法人次代の農と食をつくる会 理事など。未来の地球と子どもたちのために、つくる人、たべる人、社会、地球。みんなにとってbe organicな農と食が広まるよう活動中。まずは、湘南がオーガニックなサステナブルな街になるよう地産地消がつながる活動をしている。東京大学工学部卒業後、株式会社インテリジェンスにて300名だった社員が4000名になるところを経験。その後、仲間と人材サービスの会社を起業。31歳のときに、農業大作戦スタート。2015年に株式会社いかすを創業。現在にいたる。東京大学農学部や東京農業大学、帝京平成大学薬学部、湘南学園などでの講演実績多数あり。

「ダンボールにおえかき」(第1学年)

1.題材名

ダンボールにおえかき

2.学年

第1学年

3.分野

絵に表す・鑑賞する

4.時間数

2時間

5.準備物

児童:クレヨン

教師:段ボール(いろいろな大きさの四角い形に切ったもの)、台紙になる白ボール紙(四つ切)、木工用接着剤(グループに一つ)、題名カード、ポリ袋 など

6.題材設定の理由

 小学校に入学したときに児童が絵をかく材料として手にするクレヨン。私は子どもの頃、細かいところまで表現することが難しいクレヨンがあまり好きではなかった。しかし、児童と活動する中で改めてこの材料を手にし、クレヨンの発色のよさ、重ねると色が変化すること、指やティッシュなどでこすってぼかすとふんわりとした感じになること、力の強弱で雰囲気が変わることなどの材料の面白さを感じ、そのよさを児童と共有したいと強く感じた。そのことを踏まえ、児童がクレヨンという材料を「クレヨンっていいよね!」「クレヨン大好き!」と感じられるものにしたいという思いから、この題材を設定した。
 この活動は、小さく切った段ボールにクレヨンで自分の表したいことを絵に表す活動である。段ボールにクレヨンでかくと、画用紙にかいたときとは違う少し弾力のあるかき心地を感じられたり、クレヨンを動かす方向によって思いがけない模様が現れたりする面白さがある。そのことからも児童が試す中でさまざまなことを感じたり発見したりすることができると考えた。試しながら表したいことを見付け、新たな形や色を生み出す面白さを十分感じ取りながらクレヨンのよさ、絵に表す楽しさを味わわせたい。

7.題材の目標

【知識及び技能】
 段ボールにクレヨンでかくときの感覚や行為を通して、できるいろいろな形や色などに気付く。
 クレヨンの扱いに十分に慣れるとともに、手や体全体の感覚などを働かせ、表したいことを基に表し方を工夫して表す。

【思考力、判断力、表現力等】
 段ボールにクレヨンでかく活動を通して、感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、好きな形や色を選んだり、いろいろな形や色を考えたりしながら、どのように表すかについて考える。
 自分たちの作品の造形的な面白さや楽しさ、表したいこと、表し方などについて、感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げる。

【学びに向かう力、人間性等】
 楽しく段ボールに絵をかいたり鑑賞したりする活動に取り組み、つくりだす喜びを味わうとともに、形や色などに関わり楽しい生活を創造しようとする。

8.評価規準

【知識・技能】
 段ボールにクレヨンでかくときの感覚や行為を通して、できるいろいろな形や色などに気付いている。
 クレヨンの扱いに十分に慣れるとともに、手や体全体の感覚などを働かせ、表したいことを基に表し方を工夫して表している。

【思考・判断・表現】
 段ボールにクレヨンでかく活動を通して、感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、好きな形や色を選んだり、いろいろな形や色を考えたりしながら、どのように表すかについて考えている。
 自分たちの作品の造形的な面白さや楽しさ、表したいこと、表し方などについて、感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げている。

【主体的に学習に取り組む態度】
 つくりだす喜びを味わい楽しくクレヨンで段ボールに絵をかいたり鑑賞したりする学習活動に取り組もうとしている。

9.指導計画

内容・時間

児童の活動の流れ

教師の指導の手立て

【第1次】
導入

5分

●活動内容について知り、活動の見通しをもつ。
T「今日はいつもと違うものに絵をかくよ。それは…」

C「ぎざぎさができた!」
C「音がするよ」
T「本当? 聞いてみよう」

T「色を重ねてみるね」

C「色が混ざってきれい」
C「他の色だとどうなるかな?」
T「やってみてね」

T「生き物や乗り物など好きなものをかいてもいいし、模様でもいいよ」

▼実際に児童の前でやって見せ、話をしながらクレヨンで段ボールにかいたときの音や、模様が生まれること、色を重ねたときの変化などの面白さや驚きを共有する。

☆「ぐいぐい」(濃く塗る)、「さらさら」(弱い力で薄く塗る)、「色混ぜ」、「ぼかし」、「てんてん」は確認する。

・あまり具体的にならないよう、シンプルに短時間で話す。

・次回、段ボールの台紙に組み合わせて貼ることを伝える(最後までの見通しをもつ)。

・どこに何があるかなども含めて導入時に分かりやすく伝えておく。

展開

70分

●好きな大きさの段ボールを選ぶ。

▼片面白段ボールは、白い面、茶色い面、どちらでも自分の好きな面を選んで使うよう伝える。

▼段ボールは1枚完成してから、次の1枚を取りに行くように伝える。

●段ボールにクレヨンで表したいことを絵に表す。

▼児童のさまざまな発見や表現に共感する。
「すごい模様!ここどうやったの?」
「色を混ぜたんだね!何色と何色?」
「橋をかきたかったから細長い段ボールにしたのかな?」

▼活動が停滞している児童が多いときには、友だちの表現を一緒に見て、「やってみたい!」と思う表現を共に見付ける。

片付け

15分

●次回も続きをするので、名前を書いたポリ袋に入れて段ボール箱などの指定の場所に集めて保管する。

【第2次】

5分

●自分以外の作品からさまざまな表現があることを知る。

▼導入で前回の活動での様子や、表現について直接見たり、電子黒板で共有したりする。自分以外の表現を知ることで、「やってみたい!」という思いをもつことにつなげる。

75分

●前回の続き
●絵をどう組み合わせるかを考え、木工用接着剤で台紙に貼り完成させる。

▼最終的な枚数、台紙の大きさなどは児童が自分で決めていくようにする。「自分で選ぶ」、「自分で決める」という経験を低学年のうちから大切にする。

▼台紙の大きさを変えたい児童には、思いに合わせて台紙を切ったり、追加したりする。

振り返り

10分

●みんなで作品を見合う。

▼児童の実態に応じて、この時間を設定できない時は、別の日に廊下掲示を皆で見合うようにする。

10.児童の様子

活動の初めは、段ボールにクレヨンでかいてできる色や形をじっと見つめ、かいたときの感触や色の感じを確かめながら集中して取り組む姿が見られた。時間とともに、試して発見したことから「もっとこうしよう!」と自分の表現を広げていく児童、テーマをもちイメージしたことを楽しみながら絵に表す児童、友だちが発見したことを見て「すごい!僕もやってみる!」と、自分の表現に取り入れる児童などさまざまな取り組み方があった。中には、手のひらをべったりと段ボールに押し付けてこすりつけるようにクレヨンを伸ばす、人差し指を使って色をぼかす、手にクレヨンを直接塗ってかいてみるなど、手を道具のように使いながら、色の変化や材料の感触を楽しむ児童の姿も多く見られた。

活動時間ぎりぎりまで集中して活動する児童もいれば、一通り試してすぐに活動が停滞する児童もいる。第1次の2時間目の初めや、第2次の導入で児童がお互いの表現を見合う時間を設定すると「これいいねえ、やってみよう!!」と友人の表現から新たな発見をし、表現を広げていくよいきっかけになった。

第2次の活動の初めに、「今日これ持って帰りたいな。これはお母さんにプレゼントするんだ」と話している児童がいた。その言葉から、第一次のときは何気なく見ていた、水色と黄緑色のクレヨンを混ぜてできた色の絵と、シンプルな顔がかかれたその絵は、その子にとって特別な形・色、特別な絵になったのだと感じた。

2年生の児童が、立体に表す活動で背景の絵をクレヨンでかいていた。色を混ぜたり、ぼかしたりした表現をしていて「クレヨンを選んだんだね」と、声をかけると、「私、クレヨン大好きだから!」「だってきれいなんだもん!」と話をしていた。その言葉から、1年生のときにクレヨンを使った活動をたっぷり取り入れた中で、子ども自身がクレヨンのよさを見付け、感じていたからなのかもしれないと感じた。児童と材料の出会わせ方をこれからも大切にしていきたい。

11.児童作品

「天気のつながり」「かわいいランド」

「みらいのてんじかい」「アートのよう」

※「ダンボールにおえかき」の作品は「みんなの図工ギャラリー」からもご覧になれます。
https://www21.nichibun-g.co.jp/zuko_gallery/1-2nen/37/

連載休止のお知らせ

いつも「高校教科書×美術館」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
このたび「高校教科書×美術館」は、諸般の事情によりNo.078をもって連載を休止することになりました。
楽しみにしてくださっていた皆さま、誠に申し訳ございません。
今後の予定は未定となっておりますが、何か進展がありましたらこちらのページでお知らせいたします。
何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。