「健康なくらしを守る仕事 ごみのしょりと活用」(第4学年)

1.単元名

「健康なくらしを守る仕事 ごみのしょりと活用」(第4学年)

2.目標

 地域のごみの種類や適切な分別方法、リサイクルの重要性など、ごみの処理と活用に関する基本的な知識を身につける。地域で発生するさまざまなごみの種類を理解し、それぞれがどのように処理・活用されるかを学ぶ。また、ごみの分別方法やリサイクルについて、具体的な技能を習得する。
 環境への影響や持続可能性について深く理解し、思考する力を養う。ごみの処理やリサイクルの重要性を考えることで、持続可能な社会を築くための思考力を培う。さらに、地域のごみ問題について適切な判断を行うために、情報収集や分析を行うこと。また、自分の考えや意見をクラスや地域の人たちと共有し、表現することで、コミュニケーション能力を養う。
 地域の環境問題に対して興味をもち、自らの意欲をもって調査やフィールドワークに取り組むことで、学ぶ喜びを感じる。さらに、クラスや地域の活動に参加し、自分の考えを積極的に発信する姿勢を養うことで、社会への参加意識や責任感を育む。

3.評価規準

【知識・技能】

ごみを処理する事業は、衛生的な処理や資源の有効活用ができるよう協力して進められていることや、地域の人々の健康な生活環境の維持と向上に役立っていることを理解できるようにするとともに、見学・調査したり、地図や各種資料で調べたりして、まとめる技能を身につけている。

【思考・判断・表現】

ごみの処理のしくみや再利用、県内外のごみの処理に携わる人々の苦労や工夫・協力に着目して、ごみの処理事業の様子をとらえ、その事業が果たす役割について、調べたことや考えたことを表現している。
学習したことをもとに、自分たちにできることはどんなことかを考え、4Rの視点をもとに新聞やポスターなどの発信方法を使って発信している。

【主体的に学習に取り組む態度】

ごみの処理事業について、学習問題の解決に向けて主体的に問いを作り、それらについて追究しようとしている。
これまでの生活や学習を振り返り、地域社会の一員としての意識をもち、ごみの適切な処理や再利用に協力しようとしたり、自分たちのよりよい生活を考えたりしようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 日常生活から出てくるごみは、わたしたちが出しているものである。我が国のごみの排出量は年々増えています。現状のペースでは、世界中で2050年までに120億t以上のプラスチックが埋め立てられたり、自然投棄されたりすることになる。
 家庭から出るごみは分別して集積場に出すが、ごみ収集車がごみを集めた後、ごみ処理場へ運ばれて処理されている具体的な様子は普段目にすることはない。このままごみが増え続けるとよくないことはわかるが、それを「自分事」としてとらえることが必要であると考える。本単元を学習することで、現状を理解し、今後どのように考え行動していくのがよいか、考えるきっかけとしたい。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

単元計画を配布し、オリエンテーションを行う。

(単元の見通し)

○単元計画を確認して、単元全体の見通しをもつ。

2

教材と出合い、問い作りを行う。

(本時)

○ごみ収集車にごみを入れている写真や手作業で分別している写真などを提示し、「見える-思う-引っかかる」の視点で考えを書き出す。

3

4

作った問いをもとに追究したい問いを決定する。

(課題設定)

○三つの視点で書き出したカードの中から自分が追究したいと思う問いを絞る。
(問いにする条件)
・必然性があるか
・解決したいか
・本質に迫っているか

5

6

作った問いに対する予想を考える。

○自分たちで仮説を立てることにより、検証しやすくする。

7

8

校外学習でごみ処理場の見学をし、処理している様子や働いている人の思いを聞く。

(情報収集)

○実際に見学に行って実物を見たり、働く人の話を聞いたりすることで、実生活と結びつける。

9

今までの学習を整理する。

(整理・分析)

○「比較する」「関連付ける」「多面的にみる」などの思考スキルをはたらかせながら、整理する。

10

学習したことをまとめる。

(まとめる)

○整理・分析したことをもとに、文章化し、ポスターや新聞などにまとめることで、自分たちが伝えたいことや取り組みたいことを明確化する。

11

12

新聞・ポスターを作成し、発信する。

(表現する)

○カリキュラムマネジメントで、国語科、総合的な学習の時間と連動させながら取り組む。

13

新たな問いを作っていく。

○世の中の環境問題に目を向け、自分たちにできることを考えていく。

6.本時の学習(2時間目)

①目標
 学校や家庭から出てくるごみについてのイメージを話し合うとともに、ごみ収集車でごみを集めている様子の写真から、単元を通して追究したい問いを作ることができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1.生活の中で出てくるごみのイメージを出し合う。
・きれいじゃない。
・そうじしても、すぐに出てくる。
・ポイ捨てしているのを見たことがある。

○自分たちの生活を想起させるために、教室のごみ箱や、家のごみ箱、イラストなどを活用する。

・写真
・タブレット端末

2.ごみ収集車でごみを集めている様子の写真を提示し、三つの視点で整理する。「見える-思う-引っかかる」
・ごみを運んでいる人が見える。
・大きなごみ箱が見える。
・ごみ袋が多いから、ごみ収集車で集めているんだよ。
・いつ回収しているのかな。
・どこに運んでいるのかな。

○ごみを集めている人が作業着を着ていることから、仕事で行っていることに気づかせたい。
○写真の中から、徐々に視点を広げていくことで、日頃たくさんのごみを出していることやトラックで指定の場所へごみを運んでいることに気づかせたい。

・シンキングツール
(同心円チャート、ピラミッドチャート)
・5W1Hの問い作りシート

 

3.三つの視点で考えを出したことの中から、自分が追究したい問いをいくつかに絞る。
・このごみは、これからどうなっていくのかな?
・使い終わったものがごみになるの?

○同心円チャートで整理することによって、思考の見える化を図る。
○イメージが湧きにくい児童がいる場合、「見える部分が何か」問いかけ、視覚支援を行いながら、徐々に問い作りができるよう促す。

 

4.問いに対する答えを予想する。
・〇〇だから、〇〇になっていると思うよ。

○生活経験を想起しながら「あのとき〇〇だったから、〇〇だと思う。」など、予想を立てさせることで、発見したことに対して「自分事」とさせたい。

 

5.作った問いを交流し、「クラス全体で解決したい問い」を作る。

○ペアやグループ、立ち歩きなど、さまざまな学習形態をとりながら自分たちの考えを交流させることで、「自己調整スキル」を高め、「個別最適な学び」の実現を図る。
○ピラミッドチャートに問いを出し、選ばれなかった問いは、各自調べられるようにしておくことで、主体的に学べるきっかけを作る手立てとする。

 

6.次時以降、学習方法、情報集めの方法などを確認する。

○学習者が主体的に学びに向かえるよう、学習方法、学習形態、情報収集の手段などを確認する。次時以降、児童が「探究的」に学べる環境づくりをすることで、主体的に学べるようにする。

 

7.ふりかえりをする。
以下の観点を参考にして整理させる。
・今日の学習で…
わかったことは、〇〇。
難しかったことは、〇〇。
気になったことは、〇〇。

○観点を示すことにより、次時に学習するべきことを明確にすることにつなげたい。

 

資料

資料1
資料2
資料3

成果と課題

 本実践で意識したい学ぶ際の三つの柱は「情報活用スキル」「自己調整スキル」「思考スキル」である。本時(2時間目)に、あえて写真を使って「何が見えるかな?」と問うことにより、思考の可視化を促した。子どもたちは写真内の「見える」もの・ことから、「思う」こと、「引っかかる」ことへ徐々に視点を広げていくことで、自分で追究したいと思う問いを作り出す楽しさや自分事として考えていこうとするきっかけを作ることができた。自分の生活体験と結びつけて考えたり、写真の中身を比較したりする姿は、「思考スキル」がはたらいていたと言える。また、子どもたち自身が作った問いを交流することで、「確かに。」「そういうこともあるな。」「〇〇さんの考えを取り入れていい?」など、対話しながら主体的に自分の考えを再構築したり、付け足したりしていた。1単位時間で、学習者自らが学習形態を選択(個人・ペア・グループなど)したり、その間の学習時間をコントロールしたりする姿は「自己調整スキル」がはたらいていたと言える。しかし、子どもによってはとりかかる際にイメージがつきにくかったり、アイデアが出にくかったりする場面も見られた。しかし、そういう状況に子どもたちが陥ったときに、「ちょっと教えて。」「一緒に勉強しよう。」など、主体的に学びに向かう態度を育成するとともに、安心した学びの環境づくりを教師がつくっていく必要があると感じた。教師から「今日のめあては…。」と提示するのではなく、1枚の資料、写真を皮切りに「あれっ?」「これってどうなの?」と探究サイクル(資料3)をグルグルとはたらかせながら「課題設定→情報収集→整理・分析→まとめ・表現→振り返り…」と学びを進めていけるようにすることで、子どもたちは、より主体的に対話的に学んでいくことができると考える。今後の展開で、子どもたち自ら「情報活用スキル」をはたらかせて自分の考えをより確かなものにしたり、「自己調整スキル」をはたらかせて学びをコントロールしたりしていく姿を期待したい。

【参考文献】

  • 樋口万太郎(2020)子どもの問いからはじまる授業! 資料2
  • 木村明憲(2022)主体性を育む学びの型

「わたしたちのまちに伝わる祭り」(第4学年)

1.単元名

「わたしたちのまちに伝わる祭り」(第4学年)

2.目標

地域の伝統と文化について、人々の生活との関連を踏まえて理解する。
社会的事象の特色や相互の関連、意味を考える力、社会に見られる課題を把握して、その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力、考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う。
社会的事象について、主体的に学習問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え、学習したことを社会生活に活かそうとする態度を養うとともに、思考や理解を通して、地域社会に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚を養う。

3.評価規準

【知識・技能】

たくさんの時間と大変な思いをかけて準備している様子を的確に読み取り、学習問題をつくり、予想を立てている。
文化財や年中行事に込められた地域の人々の思いや、それらを保存し、受け継いできた人々の工夫や努力を理解している。
聞き取り調査をしたり、資料から的確に読み取ったりして、長崎くんちについての必要な情報を集めてまとめている。

【思考・判断・表現】

文化財や年中行事に込められた人々の思いを考え、適切に表現している。
聞き取り調査や資料から読み取ったことと合わせて、新たな課題を見出し、自分なりにその課題を表している。

【主体的に学習に取り組む態度】

文化財や年中行事に関心をもち、意欲的に調べている。
課題に対して向き合い、解決策を考えることを通して、伝統芸能に対する興味・関心を高めている。

4.本単元の指導にあたって

①教材について
 本小単元では、地域の人々が受け継いできた県内の祭りや年中行事として長崎くんちを取り上げる。380年ほどの歴史をもつ長崎くんちは、長崎県で初めて重要無形民俗文化財に指定され、43の踊り町のうち、その年の決められた踊り町が諏訪神社に出し物を奉納している。現在では出し物の準備期間の長さやお金の問題、後継者問題などの課題も抱えている。
 このように長崎くんちは、長崎県を代表する祭りであること、保存・継承に携わる人々がたくさんいること、そういった人々への調査活動が可能であることから、地域の人々の姿を通して地域の発展やまとまりなどへの願いを捉えることができる教材である。
 長崎くんちをもっと宣伝したり、大人になって実際に参加したりするなど、自分たちにもできることがたくさんあることを考えることで、地域社会に対する誇りや愛情、地域社会の一員としての自覚を育むことができると考える。

②指導上の工夫・留意点
 単元の展開にあたっては、まず「つかむ」段階で長崎くんち当日の太鼓山の動画を提示し、長崎くんちへの興味・関心をもたせる。また長崎くんちの写真や等尺年表、長崎くんちの歴史や踊り町が分かる資料を提示し、長崎くんちに関わる方々の取り組みを紹介することで、地域の方々の長崎くんちへの思いに関する学習問題を設定する。
 「調べる」段階では、長崎くんちを保存・継承するための取り組みについて、長崎くんちに関わる方々に話を聞く活動を取り入れる。ゲストティーチャーを招き、実際に話を聞いたり衣装を見せていただいたりすることで、学習問題に対する予想が正しいかどうかを確かめる。
 「まとめる」段階では、これまで学習してきたことをもとに、予想に対する答えを自分なりにまとめる。気付かなかった見方や考え方に触れ、一人一人が考えをさらに深めることができるように、意見交換の場を意図的に設定していく。
 「広げる」段階では、長崎くんちの課題について一人一人が解決策を考え、意見交換を行うことで、一番実現可能で効果的な方法を選択・判断させ、自分たちも地域社会の一員であるという意識を高めさせる。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容



1

2

○学習問題を設定し、予想する。

○長崎くんちの動画や年表から、関わっている人数の多さや、本番を迎えるまでにどのようなことに取り組んでいるのかなどを知り、長崎くんちの歴史や人々の思いを捉えて、学習問題を設定する。

【学習問題】
長崎くんちに関わる人たちは、どのような思いでくんちをつくり上げているのだろうか。

○担ぎ手や裏方などそれぞれの思いを考え、自分なりに根拠のある予想を立てる。

【予想】
・伝統を守り、受け継いでいきたい。
・もっと多くの人(県外や外国の人など)に知ってもらいたい。

3

○予想について話し合い、調べる計画を立てる。

○予想を順番に発表し、全員の予想が出た時点で、分類して仲間分けする。
○全員で同じ予想をもって学習を進めていけるように、学級で予想をいくつかに絞る。
○予想が正しいかどうか調べる方法を考えて、「思い」を知るためにはどの方法が一番適しているかを選択する。
・教科書や図書室の本で調べる。
・町でインタビューする。
・長崎くんちに関わっている人に話を聞く。

調

4

○予想が正しいかどうか調べる。
・ゲストティーチャーへの質問を考える。

○ゲストティーチャーとの質疑応答に備えて、長崎くんちへの思いにつながりそうな質問を考え、役割分担する。

5

○予想が正しいかどうか調べる。
・ゲストティーチャーに質問し、予想が正しいかどうか確かめる。

○ゲストティーチャーに伝統文化の継承と保存に向けての工夫や努力、今後の課題について聞き、予想が正しいかどうか確かめ、まとめる。
○質疑応答を通して、長崎くんちに関わる人の思いをより深く知る。




6

○中心概念をまとめる。
○長崎くんちへの「思い」の中には、今後の課題も挙がっていることを確認し、解決策を考えるきっかけとする。

○予想の答えや、質疑応答で新たに分かったことを、自分なりの学習問題の答えとしてまとめる。

【中心概念】
長崎くんちに関わる人々は「伝統を守りたい」「町のつながりを大切にしたい」「多くの人に知ってもらいたい」といった思いをもって長崎くんちに参加している。
でも、資金や後継者などの心配も出てきた。



7

○長崎くんちの課題の一つ「人手不足・後継者問題」の解決に向けて考える。

○解決策を個人、ペアで考える。

○前時であがった課題をもとに、解決策を個々に考える。
○「自分だったら、どんな策があれば長崎くんちに出たいと思うか」という視点で、解決策を考える。
○個人で考えた解決策をペアで共有し、より効果的な解決策を考え選ぶ。
○ペアどうしの意見交流を通して、気付かなかった見方や考え方に触れ、課題解決への意欲を高める。
○ペアどうしで決めた解決策をカードに書く。

8

○解決策を発表する。

○一番実現可能な解決策を選択し、理由とともに発表する。

○ペアで決めた解決策を発表し、同じような解決策を考えたペアは、付け加えで意見を発表する。
○全部の解決策が出た時点で、それぞれの解決策に対して反論や疑問を投げかけ、それに対してさらに考えを答えることで、解決策の説得力を強くする。
○全体で出てきた解決策の中で、一番実現可能で効果的な解決策を選び、理由とともにノートにまとめる。
○効果的な解決策を踏まえて、自分自身にもできることはないか、長崎くんちへの関わり方を考える。

6.本時の学習

①目標
 長崎くんちの課題について、自分の考えを発表したり、友だちの話を聞いたりして、一番実現可能で効果的だと思う方法を選択・判断することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

○前時の学習を振り返り、新たな問題を確認する。

○前時前時までに作成した資料を提示しておき、想起しやすいようにする。
○授業開始前の1分間で「振り返り活動」ができているか確認し、授業開始とともに全体の「振り返り活動」ができるようにする。
○「人手不足・後継者問題」の課題解決のための話し合いを行うことを伝え、【新たな学習問題】として確認する。

※掲示資料
○ゲストティーチャーに聞いた話の内容
・参加、見る
・グッズ、撮影
・出し物の勉強

【新たな学習問題】
踊り町の人手不足を解決するために、どのようにしたらよいだろうか。

○長崎くんちの課題について、個人の考えをもとに、ペアで話し合った解決策を発表する。
「人手不足・後継者問題」
・他の町にも募集をかける。
・体験活動を取り入れる。
・宣伝活動をする。
・テレビ放送。
・芸能人を呼ぶ。
・ポスターやチラシを作る。

○解決策を書いたカードを掲示しながら、ペアで役割分担をして協力して発表させる。
○友達の発表と自分たちの考えを比較しながら聞くように声をかけ、同じような解決策を考えたペアは、付け加えで発表をさせる。
○意見を比較しやすいように、分類して構造的に板書をする。

○おくんちとは
・388年前から
・10月7日~9日
・語源
・43の踊り町
・7年に一度

○解決策を比較し、実現可能かどうか考えながら話し合う。(全体)

○課題解決の方法として実現的かどうかを考えながら、反論や疑問を考えるように促す。
○「~さんペアの解決策について、意見があります。」と指定することで、どの解決策への意見なのかをはっきりさせる。
○話し合いの中で出た意見を、項目ごとに教師が板書して、意見を比較しやすくする。

○前時までのまとめ
・多くの人に知ってほしい
・「自分たちの町の伝統を守り、受け継いでいきたい」という思いをもってくんちをつくり上げている

○長崎くんちをこれからも長く受け継ぐ方法として、一番実現可能で効果的なものを選択する。(個人)

○出た意見を踏まえて、踊り町の人手不足を解決するための方法として、一番実現可能で効果がある解決策は何かを問い、ネームプレートを動かして自分の考えをはっきりさせる。
○選んだ解決策について理由を加えて発表させ、その意見を聞いたうえで、もう一度ネームプレートを動かす時間をとる。
○全員の意見が出た時点で、解決策として有効なものを全体で確認する。一つに絞るのではなく、自分たちの考えとして認め合う。

○自分にできることは何かを考えて、学習の振り返りをする。

○これから大人になっていく中で、自分自身にもできることはないかを考え、自分たちも受け継いでいく一員であることを自覚させる。

③評価

長崎くんちを受け継いできた人々の思いや努力を理解している。
意見交流を通して、一番実現可能で効果的な方法を選択・判断することができる。
長崎くんちを受け継いでいく一員であるという自覚をもって、課題に対する解決策を考えている。

④板書計画

資料

写真① ゲストティーチャーに質問して、予想が正しいかどうか確かめる。

写真② 課題解決の方法として、一番実現可能で効果的なものを選択する。

「わたしたちのくらしと水産業」(第5学年)

1.単元名

「わたしたちのくらしと水産業」(第5学年)

2.目標

水産物の種類や分布、生産量の変化、輸入などの外国との関わりについて調べまとめることを通して、我が国の水産業は、自然条件を生かして営まれていることや、国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解できるようにする。
日本で水産業が盛んな理由や背景について話し合うことを通して、我が国の水産業の概要と人々のくらし方を関連づけたり総合したりして、水産業が国民の生活に果たす役割を考えることができるようにする。
その中で、主体的に問題を解決しようとする態度や、我が国の水産業の発展のために関わろうとする心情を養うことができるようにする。

3.評価規準

【知識・技能】

我が国の水産業について、水産物の種類や分布、生産量の変化、輸入などの外国との関わりについて調べまとめることで、日本全国で様々な漁業が営まれ各地域で獲れる水産物を生かした食文化を育んできており、水産業は自然条件を生かして営まれていることや、国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解している。

【思考・判断・表現】

日本で水産業が盛んな理由や背景について、水産業の概要と国民生活を関連付けて追究したり話し合ったりしながら、食料生産が国民の生活に果たす役割を考えて自分の意見を表現している。また、水産業が抱える課題について、専門家との対話の中から捉え解決策を提案している。

【主体的に学習に取り組む態度】

我が国の水産業についての追究活動において、学習問題を解決するために計画を立てたり、自らの学びを振り返ったりして、粘り強く追究している。

4.本単元の指導にあたって

○社会参画するための教材について
・教材…サヴァ缶<岩手缶詰株式会社>
・授業協力…岩手缶詰株式会社、岩手県産株式会社、一般社団法人東の食の会

 水産業は様々な課題を抱えていることや東北地方は東日本大震災によって大きな被害を受けたことは知識として習得できるが、思考・判断・表現する場面において、あくまで「他人事」であることに変わりはない。そこで、東日本大震災の被害に最前線で向き合っている人と関わることで、「他人事」から「自分事」へ、さらに復興だけでなく日本の食料生産の未来を考えることで、より水産業が目の前に迫ってくると考える。愛知県に住む子どもたちが、東北の水産業の課題や様々な立場で震災復興に挑む人と出会うことで、子どもの学びの空間や事象との関係性についての視野が広がり、未来について議論することで大きな時間軸で学びが深まると考える。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

教材と出合い、問いを生み出す。

○主な水産物マップ、昔の水産業の様子(貝塚、江戸時代の浮世絵等)、世界の魚介類消費量などの資料から疑問や気付いたことを書き出す。

2

問いを吟味し、学習問題①を創る。

<問いの前提>
・日本は全国各地で様々な水産物が水揚げされる。
・日本は昔から水産業が行われている。
・日本は魚介類消費量が世界でも上位である。

学習問題① なぜ、日本は昔から水産業が盛んなのだろう?

3

問いを構成して、追究シートを作る。

○自分が立てた予想を確かめるための道筋を確認する。

4

追究の土台を作る。

○「水産業が盛んなのは、どのようなところだろう?」という問いについて、教科書や資料集で確認する。

5

7

各自で追究する。

○各自で追究する。

8

9

学習問題①について意見を書き、話し合う。

<児童のまとめ>
日本は自然環境や水産資源を大切にしながら、生産者の工夫や努力によって昔から水産業を営んできた。それによって、魚介類を食べる魚食文化が発展してきた。

10

東北で水産業に携わる人の話を聞き、学習問題②を創る。(本時)

○これまでの学習を振り返り、日本(特に東北地方)の水産業の課題を確認する。
○自分は、東北の水産業に対してどのように関わるとよいか考える学習問題②を創る。

学習問題② 東北の水産業をもっと盛り上げるためには、どうすればよいか?

11

12

各自でアイデアを考える。

○現状の強みを使って、東北の水産業を盛り上げるためのアイデアを考える。

13

東北で水産業に携わる人と一緒に、学習問題②について議論する。。

○理想の水産業をイメージして、どうすれば課題を解決できるかを議論する。
○消費者の立場で、できることを考える。

6.本時の学習

①目標
 水産業の課題を見出す場面において、東北で水産業に携わる人から話を聞くことで課題を身近に感じながら、課題解決に向かって学習問題を創ることができるようにする。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1 日本の水産業の課題を確認する。
・水産資源を保護する必要がある。
・高齢化による人手不足
・食生活の変化によるニーズの変化
→水産物の輸入増加

○前時までの学習で得た概念的知識を想起できるようにする。
○日本全国に共通する課題であることを確認する。

・前時までの板書

2 教材「サヴァ缶」を提示して、気付いたことを発表する。
・東北で生産されている。
・復興プロジェクトと書いてある。
・東の食の会とは?

○班に1つサヴァ缶を渡して観察できるようにする。

・サヴァ缶

3 東北の方々からの課題提示動画を視聴し、気付いたことや疑問を発表する。
・大きな被害を受けたのに立ち直っていてすごい。
・さらに盛り上げたいと言っていて、まだ足りないことが分かった。

○東北地方ならではの水産業の課題があることに気付かせる。

・課題提示動画

4 学習問題②を創る。

○これまでの気付きや疑問からキーワードを抽出して、学習問題②を創れるようにする。

学習問題② 東北の水産業をもっと盛り上げるためには、どうすればよいか?

5 東北の水産業のあるべき姿をイメージする。
・持続可能な産業
・魅力ある水産業
・安心・安全でおいしい水産物の生産

○東北に限らず、日本全体を考えて意見が言えるようにする。

資料

岩手缶詰(株) 阿部常之さん一般社団法人東の食の会 高橋大就さん

サヴァ缶

「自然災害から人々を守る活動」(第4学年)

1.単元名

「自然災害から人々を守る活動」(第4学年)

2.目標

我が国で起こった自然災害について、地図や年表などの資料で調べまとめることを通して、関係機関や地域の人々は、自然災害に対し様々な協力をして対処してきたことや、今後想定される自然災害に対し、様々な備えをしていることを理解できるようにする。
過去に自然災害が発生した際には、人々を守るために関係機関が連携しており、地域の人々も協力して安心してくらせる街づくりをしていることを考えさせる。
自然災害について主体的に問題を解決しようとする態度や、多面的・多角的な思考や理解を通して自然災害に備えようとする心情を養うことができるようにする。

3.評価規準

【知識・技能】

我が国で起こった自然災害やその際に行われた支援や対策について地図や年表などの資料で調べ、関係機関や地域の人々は、自然災害に対し様々な協力をして対処してきたことや、今後想定される自然災害に対し、様々な備えをしていること、それにより現在の生活があることを理解できるようにする。

【思考・判断・表現】

過去に自然災害が発生した際には、人々を守るために関係機関が連携しており、また、地域の人々が協力して安心してくらせる街づくりをしていることを追究し、今後私たちは自然災害についてどのように向き合っていくべきか話し合い、よりよい社会について考えることができるようにする。

【主体的に学習に取り組む態度】

自然災害について主体的に問題を解決しようとする態度や、学習したことを社会生活にいかそうとする態度を養うとともに、多面的・多角的な思考や理解を通して自然災害に備えようとする心情を養うことができるようにする。

4.本単元の指導にあたって

○社会参画するための教材について
・教材…東海豪雨の被害とこれまでの対策の資料、実際の避難所の写真
・授業協力…庄内川河川事務所、名古屋市東区役所防災担当

 現在の子どもたちにとって「自然災害が身近なものか」と問われると、決してそうではないように感じる。子どもたちに「自然災害は危険なものだ」「備えは大切だ」という漠然とした考えはあるが、東日本大震災からも10年以上経っており、災害に対しての危機感は薄いと感じる。災害を身近に感じ危機感をもち、自分事として捉えさせる必要があるのではないか。
 そこで、自分の学校を快適な避難所にする想定から、自然災害を身近なものとして考えられる授業をしようと考えた。そこに区役所の防災担当の方や庄内川河川事務所の方など、専門家を呼ぶことで、安心・安全なくらしが守られていることが実感できるのではないかと想定する。また、最後に「快適な避難所を考える」という課題提示をすることで、自助・公助・共助の三つを的確に学ぶことができると考える。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

教材と出合い、問いを生み出す。

○我が国で起こった自然災害とその被害額、防災にかけている金額、大雨の起こった回数の変化のグラフなどの資料から、疑問や気付いたことを書きだす。

2

問いを吟味し、学習問題①を創る。

<問いの前提>
・日本では、これまでにたくさんの自然災害が起こっている。
・自然災害が起こるたびに、お金をかけて対策をしている。

なぜ、日本はたくさんのお金をかけて自然災害の対策をしているのだろう?

3

問いを構成して、追究シートを作る。

○自分が立てた予想を確かめるための道筋を確認する。

4

追究の土台を作る。

○「これまでに起こった災害とその被害、そのときにどのような対策をしたのか?」という問いについて、教科書や資料集で確認したり、インターネットで調べたりする。

5

7

各自で追究する。

○各自でさらに追究を進め、予想を確かめていく。

8

9

学習問題①について意見を書き、話し合う。

<児童のまとめ>
日本はこれまでに阪神・淡路大震災や東日本大震災など、大きな自然災害を経験し、その度に様々な対策を国は行っている。自助・公助・共助について考え、自分の命は自分で守ることを意識する必要がある。

10

区役所で自然災害対策に携わる人の話を聞き、学習問題②を創る。(本時)

○これまでの学習を振り返り、自分たちの住む地域が抱える自然災害に関する課題を確認する。
○自然災害が起こったときに、自分はどう関わるとよいか考える学習問題②を創る。

どうすれば自分たちで快適な避難所をつくることができるか?

11

12

各自でアイデアを考える。

○実際に災害が起こったときに、体育館や学校施設をどのように活用するか、アイデアを考える。

13

区役所の方と一緒に、学習問題②について議論する。

○皆が安心・安全に過ごすことができる避難所について考え、小学生でもできることを確認する。

6.本時の学習

①目標
 災害が起こったときの課題について、この地域での対策を考えている方から話を聞くことで、課題を身近に感じながら、課題解決に向かって学習問題を創ることができるようにする。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1 自然災害が起こった際の課題を確認する。
・自助が十分でない。
・公助に頼りすぎている面がある。
・共助といっても何をすれば良いのか分からない人も多い。

○前時までの学習で得た概念的知識を想起できるようにする。
○私たちが行うべき自助・共助に課題があることを確認するようにしたい。

・前時までの板書

2 避難所の様子の写真を提示して、気付いたことを発表する。
・狭い場所にたくさんの人たちが集まっている。
・学校が避難所になっている。

○学校の体育館や教室が避難所になっている様子から、身近に災害対策が必要となる場面があることに気付くようにしたい。

・写真資料

3 区役所の方から避難所の設置は地域の役割でもあること、小学生としてできることを考えてほしいという課題提示を聞いて、調べたいことや疑問を発表する。
・この地域で災害が起こるとしたら何か。また、必要な物資は何か。
・共助の面で、子どもたちだからこそ協力できることは何かないか。

○私たちの地域でも自然災害が起きる可能性があること、そのときには自分たちが「共助」の役割を果たさなければならないことを意識できるような声がけをする。

・区役所の方からの課題提示

4 学習問題②を創る。

どうすれば自分たちで快適な避難所をつくることができるか?

○これまでに出た疑問や気付いたことからキーワードを抽出して、学習問題②を創るようにする。

5 快適(=安心・安全)な避難所を具体的に考える。
・どれくらいの人たちが来るか想定しよう。
・体育館の区分けを考えよう。
・自分たちができる役割を具体的に考えよう。

○自然災害対策を自分事としてとらえ、自助だけではなく、共助を考えることで、地域とのつながりを考えられるようにしたい。

資料

体育館で避難所の具体を考える区役所防災担当 上條さんのお話

「農家の仕事」(第3学年)

1.単元名

「農家の仕事」(第3学年)

2.目標

自分たちの住む地域には様々な生産に関する仕事があること、産地は市内に分布していること、生産するには一定の順序や工程があること、地域で生産された物は地域の人々の生活に使われていることなどを基に、生産の仕事は、地域の人々の生活と密接な関わりをもって行われていることを理解できるようにする。
仕事の種類や産地の分布、仕事の工程などに着目して、生産に携わっている人々の仕事の様子を捉え、地域の人々の生活との関連を考え、表現することができるようにする。
地域の特色について、主体的に問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに、多面的・多角的な思考や理解を通して、自分が地域社会の一員であることを意識して生活することができるようにする。

3.評価規準

【知識・技能】

自分たちが住む地域の農家の仕事について、産地は市内に分布していること、生産するには一定の順序や工程があること、地域で生産された物は地域の人々の生活に使われていることについて調べ、まとめることで、生産の仕事は、地域の人々の生活と密接な関わりをもって行われていることを理解している。

【思考・判断・表現】

自分たちが住む地域の農業や農業に携わる人々の思いや背景について、自分たちの生活と関連付けて追究したり、話し合ったりしながら、生産に携わっている人々の仕事の様子を捉え、地域の人々の生活との関連を考えて、自分の意見を表現している。

【主体的に学習に取り組む態度】

自分たちが住む地域の農家の仕事についての追究活動において、学習問題を解決するために、計画を立てたり、自らの学びを振り返ったりして、粘り強く追究している。

4.本単元の指導にあたって

 日々食べている食べ物。給食で時折出てくる「名古屋産の日」。しかし、食材となる農産物の生産者の思いや、地域との密接な関わりまでは3年生の子どもたちは認識していない。
 こうした中で、「伝統野菜」「ブランド野菜」「洋菓子屋さんとコラボ」「幻のトマト」というキーワードが出てくる野菜と出合ったらどんな反応を子どもたちはするのだろう?さらに、それらを生産し、商品開発をして、地域に貢献しようとする大人の実際の姿を見せたらどのような反応をするのだろう?そんな思いから、今回の教材を選択し、授業協力をお願いした。

○社会参画するための教材について
・教材…中川区ブランド野菜、miuトマト(飯田農園)、野崎白菜(野崎採種場)
・授業協力…中川区ブランド野菜製品開発研究会、飯田農園、野崎採種場、洋菓子フィレンツェ

 本単元は、社会科が始まる3年生において最初に「人」が大きく関わる単元である。生産者や地域で協力する人々と実際に出会って思いを聞いたり、現地に行って体験したりして関わり、それぞれの立場の思いを感じることで、名古屋市の農家で働く人、それに関わる地域の人への認識が変わっていくと考える。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

教材と出合い、問いを生み出す。

○中川区ブランド野菜、名古屋市の農家の件数のグラフ資料から、疑問や気付いたことを書き出す。

2

問いを吟味し、学習問題を創る。(本時)

○問いの前提を確認し、付箋に問いをまとめる。
<問いの前提>
・中川区は、名古屋市で農家の数が2番目に多い。
・中川区では、多くのブランド野菜を生産している。
・ブランド野菜の中には、野崎白菜2号という愛知の伝統野菜が含まれている。

なぜ、中川区の農家さんはブランド野菜を作ろうと思ったのか?

3

問いを構成して、追究シートを作る。

○自分が立てた予想を確かめるための道筋を確認する。

4

7

各自で追究する。

○各自でさらに追究を進め、予想を確かめていく。
○追究時間のうち、1時間はブランド野菜商品開発研究会の野崎採種場、洋菓子フィレンツェの方に、伝統野菜でブランド野菜の野崎白菜の生産とブランド野菜を使った地域の町おこしやコラボ商品の紹介を出前授業でしていただく。

8

11

miuトマト農園見学に行く。

○中川区ブランド野菜であり、「幻のトマト」として地元で有名なmiuトマト農園(飯田農園)へ見学に行き、生産者の工夫や思いについて学ぶ。

12

学習問題について意見を書き、話し合う。

<児童のまとめ>
中川区では、愛知の伝統野菜の野崎白菜のように昔から農業が盛んで、工夫して野菜を作ってきた。今でも多くの野菜が作られ、miuトマト農園の飯田さんのように、農家で働く人は栽培方法を工夫して、お客さんがおいしい安全な野菜を喜んで食べることができるよう努力をしている。また、地域のみんなが協力したり、ブランド野菜を応援したりして、地産地消を進めている。

6.本時の学習(2/12)

①目標
 問いを吟味し、学習問題を創る場面において、資料から問いの前提を確認し、みんなの問いを集めながら、学習問題を創ることができるようにする。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1 前時の資料から分かったことを発表する。
・名古屋市では、港区と中川区に農家が多い。
・中川区ではブランド野菜を作っている。

○前時の学習で得た、問いの前提を確認できるようにする。
○前単元の名古屋市の様子と関連付け、名古屋市内の農家の多い区と地形との関係を確認できるようにする。

・前時のワークシート

2 教材「中川区ブランド野菜」を提示して、問いを分類しながら創る。

○問いの質を意識させるため、問いの文頭に注目しつつ、付箋に問いを記入できるようにする。
<問いの質の分類>

・児童の問い創りシート

・誰がブランド野菜の名前を付けたのか?
・どれだけブランド野菜はとれるのか?
・どのようにブランド野菜を作っているのか?
・どのような工夫をしておいしい野菜を作っているのか?
・どのように地域のブランド品を作っているのか?
・なぜ、中川区ではいろいろな野菜を作ったり、売ったりしているのか?

①情報を求める問い
「いつ」「どこで」「誰が」のように数字や名前など、答えがはっきりしそうな問い。
②まとめる問い
「どのように」「どのような」など、情報を求める問いを組み合わせることで答えが導き出せる問い。
③関係性を明らかにする問い
「なぜ」から始まり、情報を求める問いやまとめる問いから得た知識を組み合わせ、関係性を明らかにする問い。

3 学習問題を創る。

【学習問題】なぜ、中川区の農家さんはブランド野菜を作ろうと思ったのか?

○問いの前提やみんなの問いから、キーワードを抽出して、学習問題を創ることができるようにする。
○次時の追究の時間で、まずは何を調べたいか、学習の見通しをもつことができるようにする。

資料

児童の問い創りシート

本時の板書

「情報をつくり、伝える」(第5学年)

1.単元名

「情報をつくり、伝える」(第5学年)

2.目標

 「情報社会」の進展や「Society5.0」への移行に関心をもち、情報化した社会の様子と国民生活とのかかわりについて調査したり、資料を活用したりして、情報化の進展が国民生活に大きな影響を及ぼしていることや、情報の有効な活用が大切であることについて考え、表現する。
 大量の情報や情報通信技術の活用について、新聞を事例に、情報の送り手と受け手の立場から多角的に考え、受け手として正しく判断することや送り手として責任をもつことが大切であることに気付き、表現する。

3.評価規準

【知識・技能】

情報の種類、情報の活用のしかたなどについて、文書資料や映像などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り、産業における情報活用の現状を理解している。
放送、新聞などの情報産業は、国民生活に大きな影響を及ぼしていることを理解している。

【思考・判断・表現】

情報の種類、情報の活用のしかたなどに着目し、問いを見出し、産業における情報活用の現状について考え、表現している。

【主体的に学習に取り組む態度】

国民生活と情報との関わりについて、予想や学習計画を立て、振り返ったり見直したりする中で、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。
学習したことをもとに、産業と国民の立場から多角的に考え、情報化の進展に伴う国民生活の向上について考えようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元では、限られた時間の中で効率よく学習することができるように、全時間分のワークシートを作成・利用した。これは2020年3月、コロナ禍による全国一斉休校が行われた際に用意したものである。そのため、同様のワークシートは全単元分を用意し、作成にあたっては下記3点を工夫した。

①形式
 語句の整理、図表や写真などの活用、ナンバリングの設定など、見やすさや分かりやすさを追求したり、一目で一時間の授業の流れを把握することができるように、各ワークシートの形式を統一したりと、児童が学びやすくなる工夫をした。児童が考えたことや気付いたことを、表現するまでの時間を確保するために、試行錯誤した。

②自学自習への対応
 授業用のワークシートとして作成したが、休校期間中や普段の家庭学習のための学習課題として、個別学習にも活用することができるように、1時間の学習内容(教科書1見開き分)をワークシート1枚にまとめた。授業においても、単元の学習課題や補足説明のために、タブレット端末を活用する機会を設けることで、一人一人の気付きや、疑問について探究する学習ができるようにワークシートを構成した。

③「3観点評価」の評価材料
 「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」の評価を考慮し、ポートフォリオ形式のワークシートに仕上げた。自分の予想や考えを要点ごとにまとめ、考えの変化や新たな気付きなどを視覚化することができるように、いくつかのワークシートに「考えてみよう」の欄を確保し、児童の気付きや考えを記述させた。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

1

生活の中での情報活用に関心をもち、くらしの中で手に入れている「情報」について考える。

・教科書の図版を例に、生活の中で「情報」を手に入れている方法について出し合う。
・くらしの中で手に入れている「情報」について考え、意見や考えを交流する。

【思考・判断・表現】
生活の中の「情報」について関心をもち、自分の考えや意見をまとめている。
(発言・ワークシート)
【主体的に学習に取り組む態度】
本単元で学習する課題について考え、自分の予想と、深めていきたい学習内容についてまとめている。
(ノート)

2

様々なメディアの特徴について調べることで、情報の伝え手に関心を持ち、身近な新聞社を取り上げ、学習問題や予想をもち、学習計画を立てる。

・主なメディアの特徴(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネット)、メディアの特徴をまとめながら、気付きや疑問を出し合う。
・学習問題『新聞社はどのように情報を集めて、新聞をつくり、わたしたちのもとへとどけているのだろう』ついて、自分の予想をまとめる。

【知識・技能】
メディアが、国民生活に大きな影響を及ぼしていることを理解している。
(ワークシート・ノート)
【主体的に学習に取り組む態度】
学習問題について、自分の予想や考えをまとめ、学習計画を立てている。
(ノート)

3

新聞紙面の構成や記事の内容を調べることを通して、新聞社がどのように紙面づくりを行っているのかについて関心を持ち、情報の集め方について考える。

・教科書資料の「新聞にのっている情報」を調べ、その情報の集め方について考え、予想を立てる。

【思考・判断・表現】
情報の収集や選択など、新聞ができるまでに関わる疑問をもち、表現している。
(発言・ノート)

4

新聞社では、取材記者が様々な情報を収集し、取材して記事を書いていることを理解する。

・教科書本文及び資料をもとに、情報の集め方について調べる。

【知識・技能】
取材記者が、社会でどのような出来事が起きているのか情報を集め、取材して記事を書いていることを理解している。
(ワークシート・発言・ノート)

5

新聞ができるまでを調べることで、新聞社が正確な情報を早く読者に届けるために、収集した情報を選択・加工して紙面をつくり、届けていることを理解する。

・新聞が配達されるまでの流れや編集局のしくみについて、情報の集め方と伝え方について調べる。
・新聞の情報の伝え方について、タブレット端末を活用しながら、気付いたことを出し合う。

【知識・技能】
正確な情報を早く読者へ届けるために、多くの人が関わって新聞が作られていることを理解している。
(ワークシート・発言)

6

複数の新聞記事の比較や、捏造記事、報道被害に関する資料を調べることで、新聞社は情報を選択し、意図をもって伝えていること、マスメディアによる情報発信によって社会やわたしたちに大きな影響を及ぼしていることを理解する。

・○月△日の4社の新聞記事を比較し、気付いたことや疑問を出し合う。
・マスメディアによる報道被害について調べ、これからの情報との関わり方について、自分の考えをまとめる。

【知識・技能】
マスメディアによる情報発信は、社会に大きな影響を及ぼすことや、報道被害を受ける人たちが出ることもあることとともに、まれに捏造した情報があることを理解している。
(ワークシート・発言)

7

これまでの学習を振り返り、マスメディアの情報をどのように受け止めればよいかを話し合う中で、個人でも情報発信ができることや、世界中の人たちと情報を瞬時に交流することができるようになっていることを捉えるとともに、さらに考えたい問題や予想をもち、学習計画を立てる。

・教科書の本文や資料をもとに、情報の受け止め方や、生かし方について調べる。
・さらに考えたい問題『情報社会のなかで、わたしたちは、どのように情報と関わっていけばよいのだろう。』について自分の考えをまとめる。

【思考・判断・表現】
インターネットの利用拡大や情報通信機器の急速な広まりによって、情報の発信や交流は個人でも行われるようになったことから、情報の扱いについて、さらに考えたい問題や予想をまとめている。
(ワークシート・ノート)
【主体的に学習に取り組む態度】
情報の扱いについて、さらに考えたい問題や予想をもち、学習計画を立てている。
(ノート)

8

情報社会についての様々な問題から、これからの情報の扱い方について、自分の考えを表現する。

・家庭学習としてインターネットの利用の仕方について、家族から聞き取りを行う。
・家庭学習のアンケートやタブレット端末を活用しながら、情報社会が発展したことによって起きている問題や、インターネットを利用するときに、困ったことについて自分の考えをまとめ、交流する。
・これからインターネットを利用する際の注意すべきことについて、自分の考えをまとめ、交流する。

【思考・判断・表現】
これからインターネットを使う際に情報をどのように取り扱えばよいのか、自分の考えを表現している。
(ワークシート・ノート)
【主体的に学習に取り組む態度】
自分の予想や考えを振り返りながら、本単元での学習を通して、気付いたことや分かったことを振り返るとともに、これからインターネットを使う際の情報の扱い方について、自分の考えをまとめている。
(ワークシート・ノート)

参考資料 自作ワークシート(指導者用)

※使用図版;平成27年度版『小学社会5年下』P.48-49 「くらしのなかにあるさまざまな情報」より
※クリック or タップでPDFが開きます。

※使用図版;令和2年度版『小学社会5年』P.190 「おもなメディアの特ちょう」より
※クリック or タップでPDFが開きます。

「自然災害から命を守る」(第4学年)

1.単元名

「自然災害から命を守る」(第4学年)

2.目標

【知識・技能】

自然災害から人々を守る活動について、阪神・淡路大震災における関係機関の協力、取組に着目して、地図や年表、写真などの各種資料で調べ、必要な情報を集めて読み取ったり、調べたことを図や文にまとめたりして、災害から人々を守る活動(*1)を理解する。
地図や年表、写真などの各種資料で調べ、必要な情報を集めて読み取ったり、調べたことを図や文にまとめたりして、関係機関や人々は、これまで起きた自然災害に対して様々な協力をして対処してきたこと(*2)今後想定される自然災害に対して様々な備えをしていること(*3)を理解する。

【思考・判断・表現】

自然災害から人々を守る活動について、学習問題を見いだし、被害を減らすための人々の活動と人々の生活を関連付けてその働きを考え、適切に表現する。
社会に見られる課題である消防団員の減少をもとに、自然災害への対処や備えについて考え、選択・判断したことを表現する。

【主体的に学習に取り組む態度】

自然災害から人々を守る活動に関心をもち、見通しをもって主体的に学習問題を解決しようとするとともに、今後想定される自然災害の対処や備えのよりよい在り方について考えようとする。

災害から人々を守る活動(*1)の具体的内容

県や市、消防や警察、自衛隊、地域の人たちが協力して、人を助けたり、情報発信や避難所の設置によって生活を支えたりすること。

これまで起きた自然災害に対して様々な協力をして対処してきたこと(*2)の具体的内容

各地からボランティアの人たちが駆けつけ、復旧作業が行われたこと。
復興に向けて、復興支援住宅がつくられたり、追悼行事が行われたりするようになったこと。

今後想定される自然災害に対して様々な備えをしていること(*3)の具体的内容

県や市では、これから起こる災害に備えて、インターネットを活用して災害についての情報を共有したり、定期的に防災訓練を行ったりしていること。

3.評価規準

知識・技能の評価規準

自然災害から人々を守る活動について、阪神・淡路大震災における関係機関の協力や取組に着目して、地図や年表、写真などの各種資料で調べ、必要な情報を集めて読み取ったり、調べたことを図や文にまとめたりすることで、災害から人々を守る活動を理解している。
地図や年表、写真などの各種資料をもとに調べ、必要な情報を集めて読み取ったり、調べたことを図や文にまとめたりすることで、関係機関や人々は、これまで起きた自然災害に対して様々な協力をして対処してきたことや今後想定される自然災害に対して様々な備えをしていることを理解している。

知識・技能の評価方法

各種資料から読み取ったことについて、ワークシートやノートの記述、発言をもとに評価する。その際、各種資料から「情報をどの程度収集できているか」を評価する。
1単位時間の学び(あるいは、数単位時間の学び)、単元全体の学びについて、図や文をもとに評価する。その際、「学習問題に対応する内容を記述できているかどうか」を評価する。

思考・判断・表現の評価規準

自然災害から人々を守る活動について学習問題を見いだし、被害を減らすための人々の活動と人々の生活を関連付けてその働きを考え、適切に表現している。
社会に見られる課題である消防団員の減少をもとに、自然災害への対処や備えについて考え、選択・判断したことを表現している。

思考・判断・表現の評価方法

各種資料の読み取ったことや学習問題に対して立てた仮説について、ワークシートやノートの記述、発言をもとに評価する。その際、「各種資料を比較、関連付けたり、これまでに習得した知識を活用したりして表現することができているか」を評価する。
社会に見られる課題である消防団員の減少について、ワークシートの記述や発言をもとに評価する。その際、「社会に見られる課題の解決策について、生活経験だけでなく、これまでの学習で習得してきた知識とも関連付けて表現できているか」を評価する。

主体的に学習に取り組む態度の評価規準

自然災害から人々を守る活動に関心をもち、見通しをもって主体的に学習問題を解決しようとするとともに、今後想定される自然災害の対処や備えのよりよい在り方について考えようとしている。

主体的に学習に取り組む態度の評価方法

主に単元の導入、終末におけるノートの記述をもとに評価する。その際、「これから学んでみたいことや学習問題に対する予想や仮説を記述できているか」、「新たな問いをもったり、自身の生活についてふりかえったりする記述ができているか」を評価する。

4.本単元の指導にあたって

 本単元では、社会とのかかわりを身近に感じることができる価値ある教材の開発に向けて、阪神・淡路大震災を取り上げ、関係機関や人々の取組について調べさせる。その際、地震発生直後の対応について、タイムラインをもとに図に整理させ、関係機関が連携して災害対応にあたっていることを捉えさせる。そして、旧北淡町の事例をもとに、消防や警察よりも地域の人たちがたくさんの人を助けられた理由について考えさせることで、災害対応には、地域の人たちの協力が必要になることを理解させる。
 単元の終末においては、社会に見られる課題を取り上げ、それを解決するための方法について選択・判断する学習を組み込む。具体的には、消防団員の減少を取り上げ、問題を解決するための方法について、自分の考えを選択・判断させることで、自分たちも地域の一員であり、災害を減らすための方法を考える主体であることに気付かせる。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

自然災害に関心をもち、各地で起こった災害を調べることで、学習問題を設定することができる。

○兵庫県で起こった災害を調べ、学習問題を設定する。
・各地で様々な災害が起こり、阪神・淡路大地震では、土砂災害も発生している。

単元を貫く問い
兵庫県では、災害から人々を守るために、誰がどのようなことをしているのだろう

2

阪神・淡路大震災の理由や被害について、写真や統計、地図から読み取ることができる。

○阪神・淡路大震災の被害を調べる。
・多くの死者や怪我人や、ライフラインの被害が出て、避難所がつくられた。

3

関係機関の災害対応について、写真や表から読み取り、図にまとめることができる。

○阪神・淡路大震災発生直後の取組を調べる。
・県や市、消防や警察、自衛隊が様々な取組を行っている。

4

多くの消防団員が救助活動を行ったこと、日頃から近所づきあいのあった地域の人たちが協力して救助活動を行ったことを理解することができる。

○旧北淡町の人たちが短時間で多くの人を救った理由を考える。
・地域の人たちは、日頃からつながりがあり、協力して救助活動を行った。

5

消防や警察、地域の人たちや消防団は、それぞれに役割があり、協力して救助を行ったことを考えることができる。

○災害が発生した直後の公助と共助の関係について考える。
・消防や警察、地域の人々は協力して人たちの救助にあたった。

6

阪神・淡路大震災からの復旧や復興について、写真や統計資料から読み取ることができる。

○阪神・淡路大震災からの復旧や復興について調べる。
・関係機関を中心に復旧活動が行われた。
・復興支援住宅がつくられ、地震に備えた設備が整えられた。

第2時から第6時(災害対応についての学習)で習得させる知識
阪神・淡路大地震が発生し、県や市、消防や警察、自衛隊、地域の人たちが協力して、人を助けたり、情報発信や避難所の設置によって生活を支えたりするなど、様々な活動を行った。また、各地からボランティアの人たちが駆けつけ、復旧作業が行われた。復興に向けて、復興支援住宅がつくられたり、追悼行事が行われたりするようになった。

7

現在、兵庫県や神戸市が行っている取組について調べ、これから起こる災害に関係機関が備えていることを考えることができる。

○兵庫県や神戸市が災害に備えた取組を行う理由を考える。
・阪神・淡路大震災で大きな被害が出たこと、今後大きな災害が起こることを想定し、インターネットを活用した情報の共有、防災訓練の実施などを行っている。

8

姫路市の取組について、写真や統計資料から読み取ることができる。

○姫路市の災害の備えについて調べる。
・避難所や備蓄倉庫をおくだけでなく、「姫路市Webマップ」、「まもりんピック姫路」などの取組を行っている。

第7時から第8時(災害への備えについての学習)で習得させる知識
県や市では、これから起こる災害に備えて、インターネットを活用して災害についての情報を共有したり、定期的に防災訓練を行ったりしている。

9

災害が起こったときに、地域の人の命を守るための取組について考えることができる。(本時)

○消防団員が減っている理由を理解し、地域の人の安全を守るための取組を考える。
・仕事との両立が難しく、訓練ができなくなっている。
・消防団の取組をみんなに知ってもらう。

10

関係機関や人々の取組をもとに、自然災害に備えてできることを進んで考えることができている。

○これから起こる災害に備えて自分ができることを考える。
・災害に備えて防災グッズを用意し、家族で避難場所を確認する。

第9時から第10時(災害に対してできることの学習)で習得を期待する知識
これから起こる災害に備えて、県や市だけでなく、自主防災組織や消防団などが地域活動を進めることも大切である。その中で消防団が減っていることは問題であり、地域防災を進めるためにも様々な取組を行っていく必要がある。また、自分もできることを考え、実行していくことが求められている。

単元全体をとおして習得させる知識
兵庫県では、これまでも多くの自然災害が起こっており、その中でも阪神・淡路大震災は、大きな被害が出た災害だった。阪神・淡路大震災が発生し、県や市、消防や警察、自衛隊、地域の人たちなどが協力して、人々を助け、救援活動を行った。また、復興に向けて、復興支援住宅や防災設備を備えた公園などがつくられるようになった。現在は、災害に備えて、情報を共有したり、訓練を行ったりするなど、各地で様々な取組が行われるようになっている。これからは、県や市、地域だけでなく、わたしたちもできることを考え、実行していくことが求められている。

6.本時の学習(9/10)

①目標
 消防団員の減少という社会に見られる課題の原因や影響について考えることで、「問題」について明らかにし、災害から地域を守る取組について、これまでに習得した知識と関連付けて、選択・判断することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

○阪神・淡路大震災以降、自主防災組織が増えている理由を考える。
◇なぜ、自主防災組織が年々増えてきているのでしょうか。
・大きな災害があり、地域で助け合うこと(共助)が大切だとわかったから。

□授業の冒頭で資料を示し、阪神・淡路大震災の後に増えてきたものは何かを考えさせることで、学習への興味を喚起させる。
□自主防災組織の活動についてはイメージしにくいことが想定されるため、NHK for Schoolでその内容を捉えさせる。
□旧北淡町の人たちの行動(共助)を想起させることで、自主防災組織の意義に気付かせるようにする。

○自主防災組織の推移
○自主防災組織の動画

これからの地域の防災について考えよう

○消防団員の推移について調べる。
◇自主防災組織と消防団員の変化を見てどんなことがわかるでしょうか。
・自主防災組織は増えているけど、消防団員の数は減っている。

□消防団の仕事については第3学年の「安全なくらしを守る」の学習を想起させ、全体で共有する。
□自主防災組織の推移と消防団員の推移を比較できるように提示し、それぞれの違いを捉えさせる。

○消防団員数の推移

○消防団に入るかどうかを話し合う。
◇消防団員の数が減ってきています。みなさんだったら消防団に入りますか。
・仕事の両立は大変そうだから入らない。
・北淡町では消防団が活躍したから、自分も地域のためにやってみたい。

□自分ならどうするかを考えさせることで、消防団の意義に気付かせるとともに、それに対して反対意見(減ってきている理由)があることを捉えさせる。
□消防団に入るか、入らないか、黒板にネームマグネットを貼らせることで、消防団に入ることについての自分の意見とクラス全体の意見を比較できるようにする。

○消防団員が減ってきている理由を考える。
◇消防団員が減っているのはどうしてでしょうか。
・仕事との両立が難しいから。
・訓練や地域の集まりなどに参加することが大変だから。

□話し合いの結果(消防団に入らないという人の意見)を手がかりに、消防団員が減っている理由を考えさせる。

○消防団員数が減少している原因

○消防団員が減っていくとどうなるのかを予測する。
◇消防団員が減って困ることはどのようなことでしょうか。
・地域の安全が守られない。
・災害が起こったときに助けてくれる人がいないから、自分や身近な人も危険な目にあうかもしれない。

□消防団が減るとどうなるかを自分の生活もふまえて予測させることで、何が問題なのかを明らかにさせる。また、どうなれば問題の解決と言えるのかについても考えさせることで、次の活動(取組の提案)の目標を共有できるようにする。

○災害から地域の安全を守るための取組を考える。
◇消防団員が減っている今、災害から地域の安全を守っていくために、どのような取組が必要でしょうか。
・県や市が消防団員の仕事をもっとアピールする。
・自主防災組織での活動を定期的に実施し、地域の防災力を高める。

□自分自身(自助)ができることだけでなく、県や市(公助)、地域(共助)としてできることも具体的に考えさせることで、社会全体が協力して災害対策をしていく必要性に気付かせる。
□女性消防団員や学生消防団員、機能別消防団員等、現在行われている様々な取組についても紹介することで、考えを広げていけるようにする。

消防団員を増やす取組

各資料の情報については、NHK for Schoolの他、自治体ウェブサイト、総務省消防庁「消防団オフィシャルウェブサイト」、内閣府『防災白書』等が参考になる。なお、令和3年版『防災白書』の中の「附属資料」には、「消防団員数の推移」、「自主防災組織の推移」について、次の資料が掲載されている。これらの資料の中の情報を精選して(例えば、消防団員数の推移であれば、全体の推移のみを授業の導入で示し、女性消防団員数の推移については終末に示す、自主防災組織の推移であれば、活動カバー率については示さない等)示す必要がある。

附属資料40 消防団員数の推移

附属資料43 自主防災組織の推移

「今に伝わる室町文化と人々のくらし」(第6学年)

1.単元名

「今に伝わる室町文化と人々のくらし」(第6学年)

2.目標

 我が国の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、文化財や地図、年表などの資料で調べる。この調査活動によって、時代・文化の特色を考え、表現することを通して、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、年中行事等を手掛かりに、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解できるようにする。これらの学習から、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度や、学習してきたことを基に我が国の伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりを考えようとする態度を醸成する。

3.評価規準

知識・技能
世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などについて、必要な情報を集め、読み取り、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、年中行事等について把握し、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解している。

思考・判断・表現
世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、問いを見出し、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画、行事の様子を関連付けることによって、この時代の文化の特色を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度
京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして学習問題を追究する中で、長い歴史を経て築かれてきた我が国の伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりについて考えようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元の指導にあたって、「文化の価値」にスポットを当てた指導を行いたい。その「文化の価値」は本単元における「小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編」内容・内容の取扱いを鑑みた上で、初等社会科においては、「運用的価値」と「継承的価値」にあると本授業実践における指導上の仮説を立てた。
 「運用的価値」とは、学習指導要領に示される「今日の生活文化につながる室町文化」との融和性が高い。すなわち、室町文化が具体として今日の生活様式や事物に直接的につながっているという価値である。ここでの価値の具体は、和室・たたみ・障子・ふすま・違い棚・床の間・生け花・すみ絵(書画)・茶・うどん・とうふ・こんにゃく・納豆・しょうゆ・砂糖の一般的使用などを取り上げる。これら「運用的価値」の概念化については、単元の前半に集約して指導を行う。
 続いて「継承的価値」とは、本単元内で取扱う教材である「壬生の花田植」をはじめとした農耕儀礼などに見られる一定期時限的な室町文化が継承されていることに価値を求めたものである。つまり、ここで示す文化とは、受け継がれていること自体に価値を見出したものである。これについては、単元の後半と発展的な学習の位置付けのもと指導を行う。
 要旨を示すならば、「運用的価値」は人々のくらしの中で必然的に継承された室町文化であり、「継承的価値」は、今日においては意図的に受け継がれた室町文化であるといえる。
 本単元で取扱う2つの文化的価値を通して、歴史の中における「文化の価値」を児童に改めて認識できるようにすると共に、「今日の生活文化につながる室町文化」をキーフレーズとして、児童自身が歴史という人々の文化的営みの上に、今という時代を生きているということを実感できるように指導する。

5.単元の指導計画

 本単元は、「小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編」の第6学年の内容の以下の事項を踏まえて設定したものである。

(2)ア(オ)京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画を手掛かりに、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解すること。
(シ)遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べ、まとめること。
イ(ア)世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、我が国の歴史上の主な事象を捉え、我が国の歴史の展開を考えるとともに、歴史を学ぶ意味を考え、表現すること。

 児童は、これまで我が国の歴史上の主な事象についての学習領域において、奈良時代の学習内容で大陸文化の摂取(天平文化)、平安時代の学習内容で日本風の文化(国風文化)を取扱う中で、大まかな文化という概念を獲得してきた。本単元においては、文化内価値の比較からの批判的思考力の育成を鑑みた上で、「今日の生活文化につながる文化」という新たな概念的知識の獲得を目指して単元での学びを展開していきたい。尚、文化内価値の比較については、後述する単元の指導において明示する。

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

2

今に伝わる室町文化を体感することで、自分たちの生活との関わりから文化自体に対する関心を高め、所感をワークシートにまとめることができる。

・室町に生まれた文化である墨絵や枯山水を直接的に体感することで室町文化の特色について知る。
・墨絵やトレー枯山水づくりから、室町文化の体験知を得る。

3

2つの文化の価値判断を行う中で、単元を見通す問いをつくり、室町文化と自分たちの生活を関連付けながら、文化に対する自分なりの考えをノートにまとめることができる。

・北山文化と東山文化について比較する中で、児童個々の価値判断を伴った協働的な学習を行い、単元を見通す問いを設定する。

4

今に伝わる室町文化について必要な情報を集め、読み取り、水墨画や茶の湯、能や狂言など室町文化の特色について理解することができる。

・今に伝わる室町文化の事物について調べる中で、今日の生活文化につながる室町文化が自分たちの身近にもあることについて知る。

5

学習したことをもとに、室町時代に生まれた文化や習慣が継承されている価値について、多角的に考えることができる。

・「なぜ今に至るまで約600年もの間、室町文化が継承され続けているのか」について、その価値を児童同士の協働的な学びの場の中で多角的な視点から再判断する。【本時】

6.本時の学習

①目標

室町文化における学習を通して、「今に残る生活習慣・事物に関連する文化」と「伝統的風習の継承に関連する文化」それぞれの文化的価値について多角的に捉えることから自分自身の考えをもち、これからの伝統文化の在り方について自分なりに表現することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

○資料・●評価

1.「今に伝わる室町文化」について、これまでの学びを想起する。
○今に伝わる室町文化について具体的な生活習慣・事物を挙げて振り返る。
「今でいう和室(たたみ・ふすま・障子)が使われるようになりました」
「一日3食の習慣ができました」
「うどんや豆腐、納豆が人々の生活に広まりました」

・レディネスから本時の学びと関連する概念的知識を挙げていくために、これまでの室町文化に関する学習におけるGoogle Classroomへの配信資料やノートも確認させながらレディネスの想起を促す。

○「壬生の花田植」に関連する写真・動画、Google Classroomへの配信とプレゼンテーション資料の提示

2.学習問題を設定する。
○「壬生の花田植」に関する写真・動画資料から、認知的不協和を生み、本時の学習問題をつくる。
「生活に密着した文化が室町文化だったけど……」
「花田植は年に一回の行事なのに、生活に密着した文化なのかな」

・児童の言葉を紡ぎながら、レディネスで獲得している生活に密着した事物に関する室町文化と、そうではない室町文化である「壬生の花田植」を比較させることで認知の不協和(~なのに、なぜ~なのだろう)を生じさせ、児童の言葉で問題を設定する。

○ユネスコ無形文化遺産に関連する文化遺産データベース資料

【学習問題】「壬生の花田植」は生活に密着した室町文化ではないのに、なぜ600年もの間、その文化が受け継がれてきたのだろう?

3.自分の予想をもつ。
○レディネスを基に予想をもつ。

4.協働的な学びの場で自分の予想を発信したり、資料から新たな思考について共有したりする。
○自分の予想をノートに書き、発信する中で友達の予想との共通点や相違点について気付く。これらの予想と資料を基に、学習問題に対する追究を行う。
「お祭りの一つとして考えると、私たちの時代まで伝わってきていること自体がすごいと思う」
「生活で使われ続けて伝わった室町文化と、そうでない室町文化もあるということがわかる」

・児童の予想をペアや黒板を共有の場としながら発信させ、その予想の内容のカテゴライズを促す。カテゴライズされた児童の予想と、新たな資料を基に学習問題について追究できるようにする。

・出された予想のカテゴライズを行うことで、追究する内容の視点を絞り、調べ学習を行うポイントをスポット化できるようにする。

○広島県北広島町でのフィールドワークで授業者自身が直接収集した資料
・「ユネスコ無形文化遺産 壬生の花田植 見どころ&フォトポイント満載! リーフレット」(広島県北広島町)
・北広島町ドライブガイド「きたひろDRIVE」(北広島観光プロモーション実行委員会)

5.本時のまとめをする。
○学習のまとめをノートに書く。
「室町文化には、生活に密着した文化と、地域の中で伝え続けられた文化がある。どちらも大切な室町文化である」

・広島県に伝わる室町文化の継承的価値について、自らの考えをノートにまとめるよう促す。

6.本時の振り返りをする。
○学習の振り返りをノートに書き、さらに児童自ら意見を要約したものを Google Classroomへアップロードする。
「これまでの室町文化の学習では、生活に密着し、使われ続けてきたものが室町文化のすごさや素晴らしさだと思っていたけれど、今日の授業で、地域で600年もの間、伝え続けられてきた口承伝統は、(生活には密着してはいないけれど)それだけでも地域で大切にされ続けてきたことがわかるので、どちらも大切な室町文化の一つだと感じました」

キーワード
①今に伝わる室町文化
②ユネスコ無形文化遺産
③農耕儀礼(意識的に継承される文化)

・これまでの単元における学習を振り返り、室町文化における事物を通した「運用的価値」と「壬生の花田植」をはじめとした農耕儀礼などに見られる「継承的価値」、双方の文化的価値をふまえた振り返り記述を促す。

●【思考・判断・表現】
(ノートへ記述された振り返りの分析・発言)

7.実際の授業における板書(本時:5/5時間)

8.単元構成・授業づくりにおける参考文献

  • 江口勇治他[監・編](2018)「21世紀の教育に求められる「社会的な見方・考え方」」帝国書院
  • 新谷尚紀[監]、広島県北広島町[編](2014)『ユネスコ無形文化遺産 壬生の花田植: 歴史・民俗・未来』吉川弘文館
  • 永田忠道(2019)『社会科教育』No.717、「現代的な諸課題につながる「単元の基軸となる問い」の作り方/時空間を往来しながら歴史の探究へ誘う問いを求めて」明治図書出版、pp.26-29
  • 七海ゆみ子(2012)『無形文化遺産とは何か: ユネスコの無形文化遺産を新たな視点で解説する本』彩流社
  • 日本教科教育学会(2020)『教科とその本質』教育出版
  • 文部科学省(2018)『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省(2018)『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター(2020)『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』【小学校 社会】

「米作りのさかんな地域」(第5学年)

1.単元名

「米作りのさかんな地域」(第5学年)

2.目標

 米作りについての資料を読み取って意見交流をすることや調べ学習を通して学ぶことで、自ら課題を見出し解決する探究的な学びが行えるようにする。食料生産に関わる人々が自然条件を生かしながら生産性や品質を高める努力をしていることについて理解し、それらが国民生活に果たす役割について考え表現する。また、現在の食料生産の課題を見出して多面的・多角的に考えながらその解決方法を協働的に考える。

3.評価規準

知識・技能

  • 米作りに適した自然条件や生産工程・輸送手段や販売方法について知る。
  • 表、グラフ、写真、インタビューなどの各種の資料を適切に読み取り、考察する。

思考・判断・表現

  • 米作りに関わる人々の工夫や努力を捉え、その働きを考える。
  • 読み取った資料の内容を関連づけて考えたり、必要に応じて資料を探し出したりする。
  • 米作りの課題を見出し、SDGsなどの目標と関連づけて解決方法を考え、表現する。

主体的に学習に取り組む態度

  • 学習のねらいを把握し、自らのめあてや振り返りを適切に行い、学び方を調整する。
  • 自分と他者の意見を比較して考えたり、取り入れたりして学習する。

4.本単元の指導にあたって

 本単元は身近な米という食材を扱いながら、日本の農業や世界の食糧問題にまで子どもの興味関心を広げ深められる単元になっている。単元の構成としては、まず、米作りの条件や生産方法・生産者の工夫や努力を知識・技能として学んだ上で米作りにおける課題を見出し、解決方法を考える思考力・判断力・表現力等の育成へとつなげられるような構成にしている。学習方法では、ジグソー法やタブレット端末を用いた学習を取り入れることで、児童の実態に応じた資料の活用や、協働的な学びが実施できるようにしている。基本的には教科書の資料を活用しながら必要に応じてSDGsの目標や他の食料生産に関する資料などを提示できるように用意しておきたい。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

1

普段食べている米の種類や生産地について知り、米作りについてのアンケートをまとめる。

・家で使っている米のラベルを持ち寄って白地図にまとめる。
・白地図を見ながら、米作りについて知っていることをブレインストーミングする。
・学習した内容をもとに米作りについて知っていることをアンケートにまとめる。

2

アンケートをもとに学習の観点を考え、マップを作る。米作りの盛んな都道府県を予想しその理由を考える。

・アンケートの内容の似たものなどを集めて共通点を考え、その共通点を学習上の観点にする。
・理由を考えながら、白地図に米作りの盛んな地域を予想して色を塗る。
・実際の米作りの盛んな地域を知り、その理由(自然条件等)について知る。

3

庄内平野の地形や気候について資料を読み取り、米作りに必要な自然条件について知る。

・地図から地形の特徴を読み取り、米作りに適している条件を見つけ出す。
・グラフから気候の特徴を読み取り、米作りに適している条件を見つけ出す。

4

田の様子の変遷を知り、圃場整備がどうして行われたのか理由を考える。

・昔と現在の航空写真を比較して、気づいたことを交流し合う。
・圃場整備について知り、なぜ行われたのか昔の様子を考える。
・圃場整備の効果と行われた理由をまとめる。

5

品種改良や合鴨農法について知り、米作りを支える人々の工夫や努力について考える。

・品種改良について知り、品質向上に携わる人々の工夫や努力について考える。
・合鴨農法について知り、米作りに携わる人々の工夫や努力について考える。
・人々が米作りに対して抱いている思いをまとめる。

6

複数の資料を読み取って、意見交流を行い、米作りについてまとめる。(本時)

・資料からわかることについて意見交流を通して読み取る。
・読み取った内容を交流する。
・複数の資料を合わせて読み取れることについて話し合い、米作りについてまとめる。

7

これからの米作りの課題を見出して、その解決方法について意見交流を通じて考える。

・これからの米作りの課題について考える。
・SDGsなどの目標について知り、米作りが目標に沿ったものになっているかを考える。
・これからの米作りについて意見交流を行う。

8

これまでの学習を振り返って、米作りについて新聞にまとめる。

・これまでの学習を踏まえた上で新聞作りを行う。
・自身の考えも盛り込むようにする。

(*1)

6.本時の目標

  • 資料を適切に読み取って、意見交流を行う。
  • 複数の資料を関連させて、米作りについて多面的・多角的に考える。

○主な学習活動・内容
◇児童の反応

指導の工夫と教師の支援

資料

○本時のねらいを知り、自身の学習のめあてをたてる。

・本時のねらいを示し、達成に向けて児童一人ひとりが行う学習のめあてを考えるようにする。

資料を読み取ってわかったことを伝え合い、米作りについてまとめる。

○資料を正しく読み取るようにする。
○話し合いの時に、相手の話を聞きながら大事なところのメモを取る。

○グループでどの資料を読み取るかを決め、資料ごとに集まって読み取りを行う。(*2)
◇1年間、ほとんど仕事があるんだね。
◇広い外で作業していて大変そう。
◇10aあたりの生産量はほとんど変わっていないけれど、耕作時間はたくさん減っているよ。
◇人件費や農機具代が費用の半分もあるね。

・グループ内(4人)でどの資料を担当するか決めるようにする。
・資料の読み取りやすさを示して、児童が選びやすいようにする。
・個人で資料を読み取った後、同じ資料を読み取っている児童同士が集まって資料の読み取りを深められるようにする。

教科書(現行)
・P82①
・P82②~⑩
・P84①②
・P84③

○グループに戻って読み取った内容を交流し合う。(*2)

・Xチャートを使って考えをまとめられやすいようにする。

・Xチャート

○交流した内容をもとに米作りについてまとめる。
◇作業が大変そうだから、農機具はとても便利だと思う。
◇農機具のおかげで、作業時間が昔よりも減ったんじゃないかな。
◇農機具は便利だけどその分、費用もかかっているね。

・多面的・多角的に考えられるように複数の資料を関連づけて考えられるようにする。
・たくさんの資料を読み取るのが難しい場合は2つの資料を関連づけるところから段階を経て考えられるようにする。

○学習のまとめをマップ(*1)に書き込む。
○振り返りを行い、自身の学びが適切だったかを考える。
◇しっかりと話を聞くことができた。
◇大事なところをメモしながら話し合うことができた。

・振り返りを行うようにする。
・次回の予告としてSDGsについて触れ、学習してきた米作りを目標に沿ったものにするにはどのような工夫をすればよいか考えるようにする。

(*2)

「自動車工業のさかんな地域」(第5学年)

1.単元名

「自動車工業のさかんな地域」(第5学年)

2.目標

 我が国の自動車産業の様子について具体的に調べる中で、自動車産業に携わる人々の生産を高める工夫や努力について理解し、その生産活動の、国民生活に関わる深い結びつきと果たす役割が分かる。

3.評価規準

知識・技能
○我が国の工業生産について、地図や統計などの各種基礎的資料から調べる中で、工業生産の概要を捉え、これら工業生産が国民生活を支える重要な役割を果たしていることについて理解している。

思考・判断・表現
○我が国の工業生産の様子から学習計画を立て、調べたことをもとに、我が国の工業生産は国民生活を支える重要な役割を果たしていることについて多角的な視点から考えを深め、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度
○我が国の工業生産の様子について関心をもち、意欲的に調べることを通して、国民生活を支える工業生産の持続可能な発展について考えようとしている。

4.本単元の指導にあたって

 本単元では、単元の前半に広島県安芸郡に本社を置く自動車工場の見学を実施する。この工場見学から、生産の過程や関連工場との結び付き、諸外国とのつながり、安全や環境に配慮した新しい製品の開発等について、児童自身に調べさせる学習活動を通して工業生産に従事している人々の「工夫」や「努力」、更には「自動車産業の多面性」に気付かせることができると考える。
 また、これらの学習を通して、以下の3点を育成することが可能な単元であると考える。

①工業生産と国民生活との関わり・つながりに気付き、これからの産業未来像を追究する力
②複数の資料から社会的事象に対する価値判断を行い、表現する力
③多角的な視点から社会的事象を捉える力

 単元のキーワードとして、自動車生産に関わる人々の「工夫」や「努力」、そして「自動車産業の多面性」に着目させながら学習を展開する。その中で「性能」や「装備」だけでなく、「デザイン」や「環境性能」そして、実際に世界中の顧客へ届け続けるための「海外販路の確立」へも児童の追究の視点を向けさせる。

5.単元の指導計画

 本単元は、「小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 社会編」の第5学年の内容の取扱い(3)を受けて設定している。
 本単元では、「持続可能な日本の自動車産業」について考える授業を単元末3時間にわたって確保している。この3時間を構成するにあたって、その学習までにその思考の一端を担えるような概念形成が成されるよう、単元内の学習内容配列を考慮した。
 日本が提案した「国連ESDの10年」が採択されて20年が経過した現在、産業構造の仕組みは、SDGsの各関連ターゲットにも示されているように、将来の持続可能な産業構造ビジョンを見据えたものへと変化している。まさに今が、その過渡期であると言え、その過渡期を「今の日本の産業」として学習する児童においては、持続可能な社会構築の視点から産業について考えさせることは、必須であると言える。
 ここでは、社会科における教科教育原理を軸にした上で、ESDの概念項目より「環境」「エネルギー」「国際理解」の分野を横断的に捉えて単元構成を行っている。持続可能な自動車産業について、それらのつながりを多角的な立場から総合的に考えさせるためである。単元末の3時間では、第10時に「環境」「エネルギー」、第11時(本時)に「国際理解」の要素を取り入れた上で、第12時では、「産業発展面」と「環境保全面」の両視点から協働的な学びの場を設定し、立場や考え方の異なる相手を尊重しながら、探究的な学習を展開する。誰が取り組んでも持続することが可能なシステムについて、自動車産業の現状を踏まえた考えを引き出すことに主眼をおきながら学びを進め、第5学年で学ぶ他の産業においても、これらの考えを転化しながら思考の深化を図ることを目指す。

学習のねらい

子どもの学習活動と内容

1

2

身のまわりにある工業製品や日本や広島でさかんな自動車工業について、関心を深めることができる。

○身のまわりにある工業製品や、日本や広島の工業(主として自動車生産)の様子に関心をもつ。
・知っている自動車パーツを付箋に書き出す。
・実際の自動車のパーツに合わせて付箋を貼る活動を行い、その活動の中で、実際には貼ることができていないパーツが大量にあることに気付く。
・これら大量のパーツがどのようにして集められ、自動車工場で生産されているのかについて、単元を見通す学習問題を設定する。

3

自動車工場の広大な土地を効果的に活用しながら、自動車生産ラインでの作業が効率的に進められていることを主体的に調べることができる。

○自動車工場は効率的に生産するために、生産ラインの過程部門ごとに工場内でその敷地を分けていることを調べる。
・自動車工場の見学を通して、社会科見学のしおりにわかったこと・気付いたことをまとめる(①)。
☞「小学社会5年」PP.142-147 資料参照

4

自動車工場では、ベルトコンベヤーを使った流れ作業による分業と、作業ロボットによる大量生産が行われており、それが可能なシステムが計画的に組まれていることを理解することができる。

○自動車工場が流れ作業による分業と作業ロボットによる大量生産を展開していることを調べ、そのおおまかな生産ラインのシステムについて理解する。
・自動車組立工場の見学を通して、社会科見学のしおりにわかったこと・気付いたことをまとめる(②)。
☞「小学社会5年」PP.142-147 資料参照

5

自動車工場では、工場で働く人たちが交代制などを活用しながら、働きやすい環境となることや、生産性の向上につながるような改善に取り組んでいることについて理解することができる。

○自動車工場では、働く人たちが安全で働きやすい環境になるように工夫されていることについて知る。
・教科書に示されている勤務時間に関する資料(2交代制による勤務)から気付きをまとめ、良い提案はすぐに実行に移され、日々職場の労働環境の改善や生産性の向上に向けて工夫や努力が為されていることについて知る。
☞「小学社会5年」P.149 資料参照

6

日本の自動車工場と、海外の自動車工場の労働環境・システムについて比較し、環境の違い・生産における考え方の違いがあることを理解し、それぞれの良さや改善点について考え、表現することができる。

○日本の自動車工場で働く人たちと、海外の自動車工場で働く人たちとの環境等の違いについて比較し、その違いからそれぞれの良さを考えることができる。
・自動車会社における日本と海外の自動車工場の生産ラインに対する人員配置の考え方の違いから、より効率的で取り付けにミスが起こりにくい設定について、自分なりの考えを表現する。

7

工場で働く人たちは、効率的に生産するために、作業内容について常に見直しを図りながら、生産計画の見直しや生産アプローチに対する工夫が施されていることを理解することができる。

○自動車工場で働く人たちは、作業内容について常に改善を図りながら、無駄なく作業できるよう工夫していることを知る。
・教科書に示されている職場での作業改善に関する資料(職場で工夫や改善することがないか話し合うようす)から気付きをまとめ、良い提案はすぐに実行に移され、生産性の向上に向けて工夫や努力が為されていることについて知る。
☞「小学社会5年」P.148 資料参照

8

関連工場が効率的な仕組みのもと、部品を自動車工場へ供給することで、品質が高く、無駄のない自動車生産が実現していることを理解することができる。また、自動車工場と関連工場との結びつきについても考えることで、そのメリットと改善点について表現することができる。

○自動車部品が周辺自治体の関連工場で生産されていることを知り、専門的な知識と技術を有した工場が部品を供給することで、品質が高く、無駄のない生産ができることを考える。
・自動車部品毎の生産について予想する。
・関連工場について、資料をもとに調べる。
・自動車工場と関連工場の関係をジャスト・インタイムの考え方から捉え、そのメリットと改善点について考える。
☞「小学社会5年」PP.150-151 資料参照

9

社会の変化や消費者のニーズに合わせた自動車づくりや、誰でも安全に利用することのできる自動車の研究・開発が行われていることを理解することができる。

○自動車会社がどのような自動車を開発しようとしているのかを考え、社会情勢や消費者のニーズに合わせた開発がおこなわれていることを知る。
・自動運転技術の開発における資料から、ニーズに合わせた自動車開発について調べ、その現状について考える。
☞「小学社会5年」PP.154-155 資料参照

10

環境にやさしい自動車部品の開発、環境に配慮した自動車生産などの取組から、持続可能な自動車生産の在り方について、これまでの学習をもとに自らの考えを深め、表現することができる。

○環境にやさしい自動車部品の開発がおこなわれていることや、環境に配慮した自動車生産等の取組から、持続可能な工業の在り方の一端について考える。
・教科書に示されている資料から自動車づくりのこれからについて自分の考えを表現する。
☞「小学社会5年」PP.156-157 資料参照

11

日本の自動車メーカーが生産した自動車の行方を調べ、現地生産・海外販路が確立され続けていることを知り、日本の自動車産業全体の在り方について自らの考えを表現することができる。

○日本の自動車メーカーが生産した自動車の行方について資料をもとに調べ、世界における日本の自動車産業全体の在り方ついて考える。【本時】
☞「小学社会5年」PP.152-153 資料参照
☞ 本指導案「6.本時の学習」「7.実際の授業における板書」を参照

12

日本の自動車メーカーが生産した自動車が世界シェアナンバー1で在り続ける方法を企業努力・時代に則した開発・未来展望と企業ビジョンなどの既習事項をもとに考え、表現することができる。

○日本の自動車メーカーが生産した自動車が、これからも、世界シェアナンバー1で在り続けるための具体策を考える。
・自動車生産に関わる人々の「工夫」や「努力」と「自動車産業の多面性」に着目させ、「性能」や「利便性」だけでなく、「デザイン」や「環境性能」など単元で学習してきた内容を総合的に踏まえながら、自らの考えを表現する。

6.本時の学習

①目標
○既習事項や資料をもとに、日本の自動車メーカーが生産した自動車の販路が諸外国でも確立され続けていることを調べ、日本の自動車産業に携わるグローバル企業としての持続可能な在り方ついて考えを深め、自らの考えを表現することができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

○資料・●評価

1.前時までの学習内容を想起する。
○自動車会社の開発における取組やこれからの自動車づくりについての既習事項を想起する。
「環境のことも考えて自動車づくりを行っている」
「コンセプトカーを定期的に出すことによって、今ある技術力を紹介し、これからの販売につなげている」

・レディネスから本時の学びと関連していく概念的知識を挙げるために、Google Classroomへの配信資料やノートへの記述について確認しながら、学習内容の想起を促す。

○既習事項を確認する資料提示
資料:これからの自動車づくりに対する取組が示されている自動車メーカーのホームページ資料・コンセプトカーの資料等

2.学習問題を作成する。
○「世界の自動車メーカー一覧」や「世界の国々で走る日本車の自動車ナンバープレート写真」等の提示資料から、学習問題を設定する。
「世界にはたくさんの自動車メーカーがあることがよく分かります」
「日本車に海外のナンバープレートが付いています」
「なぜ海外にも自動車メーカーがこんなにたくさんあるのに、わざわざ自分の国の自動車メーカーではなく、日本車を買ってくれるのかな」

・問題作成のための資料を提示し、複数の資料から認知の不協和を生み、学習問題が児童から生み出されるよう展開する。

・学習問題は、児童から出される言葉を使って作成する。

○問題作成のための資料提示
資料:世界の自動車メーカーロゴ一覧

資料:各国で実際に走る日本車の自動車ナンバープレート

資料:世界における日本車全体のシェア率(円グラフ資料)

【学習問題】たくさんの自動車メーカーがあるのに、なぜ世界中で日本車が売れ続けて(選ばれ続けて)いるのだろう?

3.自分の予想をもつ。
「他のメーカーと比べて、高性能な自動車を輸出しているからかな」
「安心と安全を大切にする自動車づくりを行っているからかな」
「デザインがかっこいいからかな」
「海外では、手に届きやすい価格で販売されているからかな」
「ハイブリッド車や電気自動車など環境に配慮した自動車が売れているのかな」
「日本で製造されたものに信頼があるからかな」

・既習事項の内容を生かせるように、これまでのノート記述を見ながら予想を立てるよう促す。社会的事実判断・状況判断・情意による判断などをもとに予想を挙げるように声かけを行う。

4.どのようにして海外で日本車を販売しているのかについて、生産・販売側のメーカー戦略にせまる。(諸外国への販路拡大)
「市場調査をしていることが分かった」
「現地の販売店と協力しながら、その販売ネットワークを使っていることが分かった」
「新規で開拓する販売国では、現地の方々の文化や食生活まで調べているなんて、その努力はすごい」
「それぞれの国の文化に合わせて、装備品や仕様を変化させてニーズに合わせた車を輸出している」

・資料をもとに、児童が思考の深化を図ることができるように促す。資料を根拠に自分の考えをまとめ、協働的な学習において、グループのメンバー同士で意見を出し合いながら、その学びを深める。

○社会的事象の本質にせまるための資料提示
資料:日本の自動車会社の売上高

5.本時のまとめを、キーワードを使って行う。
○企業の方のインタビュー資料で本時のまとめを共有する。

【キーワード】
・グローバル企業
・現地生産
・海外販路
・世界シェア

○思考の次なる深化を図る資料提示
資料:海外販路を開拓したことのある自動車メーカー社員のインタビュー動画

まとめ グローバル企業である日本の自動車会社は、世界中のたくさんの人たちとつながっていきながら、日本のよい自動車を知ってもらえるよう、現地生産・海外販路の拡大を通して、世界シェアをアップさせる企業努力を続けているから。

6.本時を振り返り、次時につなげる。
「これからも日本の自動車が世界中でたくさんの人に乗ってもらうためには、これまでのように、それぞれの国で現地生産も続けながら、各国の人々のニーズに応えていく必要があると思った。どの自動車メーカーも同じように工夫や努力をするので、日本の自動車らしさを大切にしながら、常に変わっていくニーズを掴んだ自動車づくりが大切だと考えた」

○これまで学習してきたことをもとに、今後さらに世界シェアを伸ばしていくことを目指している企業ビジョンにスポットを当てながら、これからの日本の自動車工業の持続可能な在り方について迫る。

●【思考・判断・表現】
(ノートへ記述された振り返りの分析・発言)

資料から判断できる根拠をもとに,現地生産・海外販路における価値について自らの考えを深めることができている。

7.実際の授業における板書(本時:11/12時間)

8.単元構成・授業づくりにおける参考文献

○主として初等社会科教育に関わる参考文献

  • 澤井陽介・加藤寿朗(2017)『見方・考え方[社会科編]』東洋館出版
  • 永田忠道・桑田隆男(2021)『深い学びへ誘う 社会科の授業づくり』日本文教出版
  • 中村祐哉(2022)『板書&問いでつくる「社会科×探究」授業デザイン』明治図書出版
  • 文部科学省(2018)『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省(2018)『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
  • 文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター(2020)『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』【小学校 社会】

○主として自動車工業に関わる参考文献

  • 上山邦雄(2019)『大変革期 日本の自動車産業は優位性を保てるか ~海外展開通史から読み解く~』日刊自動車新聞社
  • 自動車史料保存委員会(2021)『マツダ:東洋コルク工業設立から100年』三樹書房
  • 人見光夫(2015)『答えは必ずある-逆境をはね返したマツダの発想力-』ダイヤモンド社
  • 宮本喜一(2015)『ロマンとソロバン マツダの技術と経営、その快走の秘密』プレジデント社