生活科内容(3)の単元構成と授業づくりのポイント(第1学年)

 生活科の内容(3)「地域と生活」は,2年生の町探検で扱うイメージがありますが,1年生でも単元として行うことができます。
 A小学校のすぐ近くにある保健福祉センター(以後,センターと記す)。1年生の大半が通っていたこども園に隣接しているとあって,子どもたちはセンターの存在を知っているようです。
 しかし,センターの中に何があって,どんな人が利用しているのかまでは知らない子どもが多いようです。
 そこで,1学期に行ってきた学校探検の発展として,2学期にセンターを探検し,センターを利用している高齢者の人たちと関わる学習を実施することにしました。

※本実践は,A小学校T教諭が計画をたてて行い,筆者がT教諭の授業を参観してまとめたものです。

生活科内容(3)「地域と生活」の単元構成

 生活科の内容(3)について,小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 生活編には,
「地域に関わる活動を通して,地域の場所やそこで生活したり働いたりしている人々について考えることができ,自分たちの生活は様々な人や場所と関わっていることが分かり,それらに親しみや愛着をもち,適切に接したり安全に生活したりしようとする」
と記されています。

 以上の内容を踏まえて,生活科内容(3)の単元を次のように構成しました。

時数

内容

1

センターについて,どんなところで誰がいるか等を話し合う

2・3

センターのひみつを見つけに探検に行く(1回目の探検)

4

センターを利用する高齢者の人たちと仲良くなれる方法を考える

5・6

センターを利用する高齢者の人たちにインタビューする探検に行く(2回目の探検)

7

インタビューした情報をもとに,
・センターを利用する高齢者の人たちともっと仲良くなる方法
・高齢者の人たちが笑顔になる方法
を考え,準備をする

8・9

準備してきたものを持ってセンターへ行き,高齢者の人たちと交流する探検に行く(3回目の探検)

10

3回の探検を振り返り,これからの関わりや自分の祖父母等との関わりを考える

 この単元構成では,1回目の探検で出会ったセンターの高齢者の人たちと仲良くなりたい,高齢者の人たちを笑顔にしたいという子どもの思いや願いの実現をめざしています。

授業づくりのポイント

 子どもの思いや願いを実現していくための授業づくりのポイントを三つ述べてみたいと思います。

1回目の探検で高齢者のおじいちゃんに関わっている様子
2回目の探検で高齢者のおばあちゃんにインタビューしている様子

①繰り返しの活動を計画しておきましょう
 繰り返しの活動は,教師の単元構成には存在しますが,繰り返すことは子どもの思いや願いを実現させていくためです。ですから,「先生,もう一回探検に行こう!」「うまくできなかったから,もう一回行きたいなあ」という子どもたちからの発言やつぶやきがあってこその活動です。

②振り返りの時間を設定しましょう
 探検に行った後,探検を振り返る話し合いの時間を十分設定して,1回目(あるいは2回目)の探検での気付きや困ったこと,もっとしたいこと等を引き出しましょう。その中で,子どもたちがもう一度行きたいと思う理由を出させましょう。
 しかし,もう一回行こうと子どもたちから言われても,教師は簡単に「わかりました。行きましょうか」と許可してはいけません。「どうして2回(あるいは3回)行くの?」「この前行ったから,もう行かなくてもいいのではないの?」と子どもに問いかけることが大切です。ここで,子どもたちが何のために,何をしにもう一回行くのかを答えることができるかが重要です。

③目的意識や相手意識をはっきりもたせてから活動をさせましょう
 「センターのおじいちゃんと仲良くなりたいから」「センターのおばあちゃんを笑顔にしたいから」等,もう一回探検に行く目的を明確にすることが大切です。
 1回目の探検で出会ったおじいちゃんやおばあちゃんの名前を教えてもらっていたら,もう一回行くときに,「○○のおじいちゃん」「○○のおばあちゃん」等と,その人に次も関われるようにして,相手意識をはっきりさせていくと,その人に喜んでもらえるように,その人を笑顔にできるようにするためにと,さらに目的がはっきりしてきて意欲も高まってくるでしょう。

 これら三つのポイントは,本単元の構成であれば,探検後(3時目の終末での振り返りから4時目,及び6時目の終末での振り返りから7時目)の時間の学習が重要になってきます。

1回目の探検では…

 1回目の探検は,「ひまわりたんけんたい」と子どもたちが名前を付け,センターに行きました。初めてセンターに行く子どもが多く,どんな人がいるのか不安で,戸惑っている子もいました。センターを利用している高齢者の人たちに,お話に行くように声を掛けましたが,お話するまでに時間を要しました。

1回目の探検の振り返り(3時目)と2回目の探検の準備(4時目)では…

 3時目の終末の振り返りをしたときに,高齢者の人たちと楽しく会話することができた子と,戸惑ってしまい関わることができなかった子の様々な思いが,発言の中から感じられました。子どもたちの様々な思いを学級全員で共有した後,これからどうしたいか子どもたちに尋ねました。
 すると,うまくお話ができなかった子どもたちから,「おじいちゃん,おばあちゃんたちと仲良しになりたい!」「もう一回探検に行って,お話したい」「○○のおじいちゃんに好きなものを聞きたい」等の意見が出て,もう一回探検に行くことになり,2回目の探検では「1の1インタビューたんけんたい」という探検隊の名前が決まりました。
 4時目は,インタビューする内容についての話し合いをして,2回目の探検に備えました。

2回目の探検では…

 2回目の探検では,高齢者の人たちへインタビューする活動が中心で,1回目に出会った高齢者の人たちへインタビューをしました。B児は,おばあちゃんに「ぼくはポケモンが好きだけど,おばあちゃんは何が好きですか?」と尋ねました。C児は,別のおばあちゃんとお話をして,そのおばあちゃんが好きなものがドレスだとわかったので,「どんな色のドレスが好きですか?」と尋ねました。
 子どもたちは,みんな高齢者の人たちに尋ねたいことをインタビューしました。

2回目の探検の振り返り(6時目)と3回目の探検の準備(7時目)では…

 このインタビュー探検は,インタビューでわかったことを,どのようにするかが重要になります。6時目の振り返りで,自分がインタビューしたりお話をしたりした高齢者の人たちが好きなことをもとに,どうしたいのかを子どもたちに尋ねました。すると,「何かをつくり,そのつくったものを持って3回目の探検に行きたい」と子どもたちの思いが膨らみました。
 そして,それをもっていくことで「○○のおじいちゃんを笑顔にしたい!」とか,「いっしょにお手玉をして,○○のおばあちゃんと仲良くなりたい!」等の願いをもちました。B児は,「おばあちゃんに恐竜の絵を描いて渡そう」,C児は,「ドレスを着たおばあちゃんの絵を描いて,ドレスの色をおばあちゃんが好きな紫色にしよう」と決めました。
 7時目は,その願いを実現するために決めたことをもとに,高齢者の人たちが笑顔になるように,そして仲良くなるように,自分が関わったおじいちゃんやおばあちゃんに渡す物をつくる時間でした。実際には,B児は恐竜からくじらに変更しましたが,色画用紙や色紙を使って,おばあちゃんが喜ぶようなくじらをつくりました。子どもたちは,それぞれが自分で高齢者の人たちにインタビューしたことをもとに,次に行く探検の準備をしました。

色画用紙や色紙を使ってくじらをつくっているB児
ドレスを着た若い頃のおばあちゃんの絵を描くC児

思いや願いの実現へ…(3回目の探検)

 3回目の探検は,いよいよ自分が作成したものを持ってセンターへ行きました。みんな当日の朝からわくわくしている様子。センターに到着すると,子どもたちはにこにこ笑顔。これまで関わってきた高齢者の人たちのところへ一目散。
3回目の探検で○○さんに30歳の頃の絵をプレゼントするC児 C児は,おばあちゃんの名前「○○さんへ」という言葉を絵の横に書き加え,プレゼントしました。「○○さんが,30さいくらいのときの絵だよ!」と言って渡しました。受け取ったおばあちゃんは,とっても嬉しそうで,C児以上のにこにこ笑顔でした。
 B児は,制作しているうちに,つくった「くじら」に愛着を持ち始め,おばあちゃんにプレゼントせずに見せるだけで喜んでもらうという方法にして,一生懸命つくった「くじら」をにこにこ笑顔で見せていました。おばあちゃんが好きと言っているトランプをもっていって,おばあちゃんとトランプで楽しく遊んでいました。

 高齢者の人たちと関わるどの子どももにこにこ笑顔で,高齢者の人たちも,子どもたちの思いの込もった行動に笑顔が溢れていました。
 授業づくりの三つのポイントである,①繰り返しの活動の計画,②振り返りの時間の設定,③目的意識や相手意識をもたせた生活科の活動 によって,高齢者の人たちと仲良くなりたい,高齢者の人たちを笑顔にしたいという子どもたちの思いや願いを実現させることができました。

「吹き流し遊び」から10の姿と生活科内容(6)との関連を考える(幼稚園・保育所・こども園)

 今回の幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が10項目(以後,10の姿と記す)示された。小学校新学習指導要領の第5節「生活」の,第3「指導計画の作成と内容の取扱い」には,この10の姿との関連を考慮することが記載されている。つまり,幼稚園等と小学校低学年の教育を,この10の姿でつなげていく指導が求められていると言えよう。

 そこで,5歳児の「吹き流し遊び」の様子から10の姿を見取っていき,生活科内容(6)の指導についてつながりを考えていく。

1.「吹き流し遊び」にあらわれる10の姿

(1)吹き流し遊びの様子

 前日が台風だった影響もあって,風が強く吹いていた。その強風を使って遊べないかと考えた担任は,スズランテープや紙テープを使った「吹き流し遊び」をしようと思いついた。園庭の真ん中にあった移動式鉄棒に長い鉄の棒を足し,跳び箱も鉄棒のそばに置いておく。担任がスズランテープを棒に付けると,強い風でテープが舞い上がる。その様子を見ていた二人の幼児は,担任が持ってきた跳び箱に乗って,棒にテープを付けた。すると,テープがさらに舞い上がって,周りにいた他の園児たちからも「ワ―」と歓声が上がった。


T(先生).「(その様子を見て)楽しいね。違う色(のテープ)を持って来ようか。」
C(子ども).「持ってきて!」
 担任が紫色のスズランテープを持ってきて,青・赤・黄色・緑・紫色と色とりどりのテープを棒に付けると,風が強く吹くたびにテープが舞い上がる。

(2)担任が見取った10の姿についての考察

⑥思考力の芽生え,⑦自然との関わり・生命尊重
 海・山・風・水・葉・土などの自然は,どの子も平等に受け入れてくれる(自然は「あなたはいい子だから受け入れる」「あなたはいけないことをしたから受け入れない」などない)。子どもにとって,自然は諸感覚をダイレクトに刺激するので,面白いのだと思う。担任も自然の安心感・開放感・諸感覚への刺激を一緒に楽しんでいる。
 子どもたちは,風で服が膨らんだり,髪の毛が舞い上がったりする経験,自分が飛んでいきそうな感覚など,教師が言葉では教えることができないことを体感していた。また,どこから風が吹いてくるのか,風上と風下があること,風にはうねりや音や匂いがあることなど,意識せずに遊びながら学んでいる。経験のある子どもたちは,風がビュービュー吹く音を聞けば,肌に触れる風の強さを思い出すことだろう。
 自然を感じる遊びで子どもの心が満たされ,自然の楽しさと同様に自然の厳しさも学んでいく。風の中で遊びながら笑い,癒され,体全体で自然の大きさや不思議さ,面白さを感じていた。

②自立心,④規範意識の芽生え,⑥思考力の芽生え,⑦自然との関わり・生命尊重,⑨言葉による伝え合い
 今まで,雨のすべり台遊び・雨の日に水たまりジャンプ・全身泥だらけ遊び・強風ビーチボール遊びなどを楽しんできた。幼稚園は家庭でできない遊び(親にさせてもらえないような遊び)をするところだと思っている。雨や風の日は室内遊びと誰が決めたのだろう。
 教育的配慮のもとに安全面の確保ができたら,担任が率先して自然を満喫して遊ぶ姿を見せたい。

(3)観察者(筆者)が見取った10の姿についての考察

⑦自然との関わり・生命尊重,⑩豊かな感性と表現
 強風という自然の営みをうまく使って,テープを棒に付けた吹き流し遊び。担任のとっさのアイディアと移動式鉄棒,長い鉄の棒,跳び箱を使った環境構成は,5歳児の子どもでもテープを棒に付けることができたし,周りで見ていた他の子どもも,色とりどりのテープが舞い上がる様子を楽しむことができた。そして,「風が強いとこんなにテープが舞い上がるのだ」と感じることができたようだ。
 普段は,こんなに強く風が吹く日がないし,強い風が吹けば室内遊びが中心になる。強風という自然に関わらせる絶好の機会ととらえ,スズランテープや紙テープなどの材料を使った遊びを取り入れた担任の力量には感心する。このような自然との関わらせ方もあるのだ,と思った。
 「⑦自然との関わり」は,担任が,今回のような「自然を生かした遊び」にどれだけ子どもの目を向けさせられるのかにかかっている。吹き流しがなびいて「心地よい」「おもしろい」と5歳児が感じることができたら,これからも積極的に自然に関わる子どもになるだろうし,「雨風のときは室内遊び」といった発想だけにはならないだろう。強風という自然と,テープを棒に巻き付けて吹き流しを楽しむ担任の発想が,「⑦自然との関わり」をすばらしいものにした。
 吹き流し遊びは,強い風がどのように吹いているのかを感じられる。強風を学びのチャンスであると担任が見極めたことが,この遊びにつながったのだと思う。

2.5歳児の遊びから生活科の内容(6)の指導を考える

 生活科の内容(6)について,小学校学習指導要領生活編に「身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりするなどして遊ぶ活動を通して,遊びや遊びに使う物を工夫してつくることができ,その面白さや自然の不思議さに気付くとともに,みんなと楽しみながら遊びを創り出そうとする。」とある。
 身近な自然としては「雨,雪,風」などの現象を,身近にある物には「ひも」があげられているので,吹き流し遊びの「スズランテープ」「紙テープ」は,まさに身近にある物に該当するだろう。
 生活科の時間に,雨が降ったり風が強かったりしたとき,小学校の教員はどのようにしているだろうか。風雨の強さにもよるが,戸外での活動を取り止めてしまうことが多いのではないだろうか。
 強い風を身体全体で感じ,視覚でも感じる。こんな体験ができる強い風は,魅力的な学習材になる。子どもがスズランテープや紙テープを棒に付けて吹き流しを楽しめると,とても素敵な学習になるだろう。
 生活科の学習でも,雨や風のときに思い切って戸外に出て,諸感覚を十分使った活動をさせてみるのもいいのではないか。5歳児が強い風を全身に受けながらスズランテープや紙テープを棒に付けて楽しむたくましい姿を見ていると,低学年の児童だったら,強い風を使ってもっと楽しい遊びを考えるのではないだろうかと想像する。
 「⑦自然との関わり・生命尊重」や「⑩豊かな感性と表現」にもつながり,遊びをつくり出して毎日の生活を豊かにしていく生活科のねらいに迫る授業になると確信する。

※本実践は,K幼稚園のN教諭の保育を観察者(筆者)が観察,N教諭と観察者(筆者)が考察している。

「おおくぼたんけんだん!~まちじまんカルタをつくろう~」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

おおくぼたんけんだん!~まちじまんカルタをつくろう~/全20時間 1月~2月

2.単元のねらい

 本校はスーパーやコンビニ,居酒屋,チェーン店などが立ち並んでいる繁華街の中心に位置している。飲食店が多く,店舗の入れ替えが頻繁に行われる。観光客など人の出入りも激しい。一方で,昔からこの地域に住み,地域への愛着や思いを抱いている方も多い。しかし,そのことは子どもたちにとっては無自覚のものであり,そのよさにはなかなか気付いていない。
 本単元は,地域の探検にでかけ,町の人や場所と関わることで自らの思いや願いをもち,地域への愛着をもつことをねらいとしている。地域の人の思いや町への愛情にふれることで,自らも町のよさに気付き,愛着を抱くことができるようにしたい。そこで,本単元では,地域の方と地域交流会を行ったり,一緒にまち探検にでかけたりした。また,まち探検という体験活動を通して気付いたことをカルタづくりやカルタ遊びで表現するという活動を取り入れた。体験と表現という活動が「カルタをつくる」というめあてに向けて双方向に作用する。体験と表現がカルタによって効果的につながれていくことで,児童の気付きの質を高めたり,地域への愛着を深めたりすることができると考えた。

3.単元の目標

・生活への関心・意欲・態度
 地域の様子,学校生活を支えている人々や地域の人に関心をもち,かかわろうとしている。

・活動や体験についての思考・表現
 公共施設の利用や,地域の人とのかかわりなどについて,自分なりに考えたり,振り返ったりして,それをすなおに表現している。

・身近な環境や自分自身についての気付き
 地域の様子や,地域に愛着や思いをもっている人のことがわかり,それらと自分とのかかわりに気付いている。

4.事前準備,活動計画,学習環境の設定

●他教科との関連
 本単元の導入場面では,国語科「冬を楽しもう」を活用した。カルタを楽しむ活動を体験することで,児童は自ら「カルタづくりをしよう」と課題を設定した。自分たちでめあてを決めたことで,児童は主体的に,探究的に活動することができた。

●指導計画の工夫
 体験活動と表現活動が相互に作用するように単元を構成した。地域体験を繰り返し行い,また児童同士の伝え合いの場面や振り返りなどの表現場面を意図的に設定する。本単元では,「とっておきのカルタをしょうかいしよう」というカルタを発表する活動を単元の中間地点に設定した。「これはみんな知らないだろう」とか,「このことはみんなに教えてあげたい!」という「とっておきのカルタ」をグループごとにひとつ選び出す。児童はグループの共通体験をもとにわくわくしながら一枚のカルタを選びだした。「私たちのグループのとっておきのカルタはこれです。公園でみつけた○○がおもしろいと思いました。私たちは知らなかったので驚きました」と発表グループの児童が説明すると,聞いている児童からは「どこにあったんですか?」「知らなかった!」「面白いと思いました!」「いいなぁ!行ってみたい!」など,感想や質問が活発に交流された。個々の気付きをクラス全体で共有することができた。
 体験活動(まち探検)と表現活動(カルタづくり・発表)のスパイラルを繰り返していくことで,単元を通して児童は気付きの質を高めていった。それはカルタの内容をみるとよくわかった。最初の探検で「かたまった かわいいつめたい しもばしら」と書いていた児童が,4度目の体験後には「○○のどうぶつはかせ ひみつを教えてくれたよ」と,その気付きが目に見える事象だけではなく,まちの人やその内面に触れていたからである。振り返りにも「そこには日本語がうまい人ややさしい人がいました。それでわたしはとても安心しました」「さいしょにつくったカルタは文がじまんじゃなかったけど,2回目とかはじまんとひみつがかかれているからいいなと思いました」とあるように,児童自身がまちたんけんの質的な高まりを実感しているようであった。
 こうして体験と表現を意図的に構成していくことで児童の「気付きの質」も高まっていく。

●環境設定
○地域マップ
 地域マップを拡大したものを教室に掲示しておく。マップには新しく見付けた場所などを書き込んだり,探検に行った場所や人の写真や絵を貼り付けたりしていくようにする。

○50音表
 カルタづくりを続けるうちに「50音全部つくりたい」という願いを児童がもつだろう。そこで,50音表を用意し,使った言葉にシールを貼っていく。「今日はこの言葉で始まるカルタをつくるぞ」「まだ7つことばが残っているからまちのじまんをたくさん発見しなきゃ」という願いや思いをもち,複数回の探検も意欲的に臨むことができる。

○カルタ
 カルタは読み札を色画用紙,取り札を厚紙にした。色画用紙は,1回目の探検は青を。2回目は緑,3回目はピンクと,探検ごとに色を変える。そうすることで探検ごとの児童の気付きの変容が見取りやすくなる。また,読み札と同じ色のシールをマップ上に貼る。これまでにどこに探検に行き,カルタにしているかが色とシールの量で把握することができる。このシールは,50音順の表を埋めていく際にも活用する。シールで埋めていく活動を楽しむことができるとともに,児童が,今どの言葉がカルタになっていないかを視覚的に理解することができる。シールで埋めていくこのような活動を低学年の児童はとても楽しむことができる。こうしたことからも児童の意欲の向上が期待できる。

5.単元の流れ

活動[時数]

対話にみる活動の様子(子どもの思考の流れ)

1.おすすめの場所にいこう[3時間]
●地域マップにおすすめの場所を書き込む。
●おすすめの場所にみんなでいく

『大久保のおすすめの場所や好きな場所はありますか?』
「僕はここにあるおおくぼつつじが好きだなぁ」
「通りにあるペットショップがおもしろいよ!」
「八雲公園!」

『みんなでおすすめの場所に行ってみましょう』

2.まちのじまんをみつけよう[7時間]
●まち探検の計画を立てる。
●まち探検をする。
●まち探検で気付いたことや見つけたことをもとに「まちじまんカルタ」をつくる。
●もっと知りたい場所や新しく行きたい場所について話し合い,探検の計画を立てる。

『グループごとにどこにまち探検に行くか相談しましょう』
「僕は消防署の方に行きたいなぁ」
「ペットショップの店員さんにお話が聞きたいよ」

『まち探検でみつけたまちのじまんをカルタにしましょう』
「八雲公園にある小泉八雲の銅像がすごかったよ」
<カルタ:ものすごい はくりょくの こいずみやくもの どうぞう>
「まちにはおおくぼつつじがたくさん植えてあるのがいいと思ったよ。」
<カルタ:ロマンチックな おおくぼつつじ>

3.みつけたまちのじまんを伝えよう[3時間]
●まち探検で気付いたことをもとに「まちじまんカルタ」をつくる。
●つくった「とっておきのカルタ」について発表し,グループごとに遊ぶ。
●地域の方を招き,地域の人とカルタで遊ぶ。

(児)「ちいきのみなさん,今日はぼくたちのつくったまちじまんカルタで一緒にあそびましょう」

(地)「今日はありがとう。私たちも知らなかったまちのことがカルタになっていてとても面白かったです」
「気になるなぁと思ったことがあったらすぐ地域の人に聞いて,まちのことをもっともっと知っていこうね」
「まちの物やお店のことが多いから,地域の「人」をカルタにするのも面白いかもしれませんね」

(児)「今日はアドバイスありがとうございました!もっとまち探検に行きたくなりました。またカルタで勝負してください!」

4.すてきだなわたしがすむまち[7時間]
●地域の人に会いにまち探検しよう。
●地域の人のアドバイスをもとにカルタをつくる。
●探検で関わった地域の人に手紙やカルタを送る。
●まち探検を振り返る。

『地域の人のアドバイスを生かしてカルタづくりができるといいですね』
「ペットショップに行ったら,動物にすごく詳しい動物博士がいて,たくさんお話を聞かせてくれたよ」
<カルタ:プロの動物はかせは すごいぞ!>

『カルタが完成したら,したいことはありますか?』
「友だちのカルタで遊びたい!」
「地域の人が,完成したら教えてねって言っていたし,ありがとうの手紙が書きたい!」

6.評価について

1.カルタから児童の気付きの変容を見とる!
●2回目で<めいろだ 大久保北公園の いすにあったよ>というカルタをつくっていた児童が,3回目のカルタづくりでは,<ゆいいつ きせきてきに のこったから なくならないでほしい>と,まちへの自らの思いをカルタで表現していた。カルタは児童が探検をして感じたことや気付いたことが如実に表れている。まちのどこ(何)を写真に撮り,カルタにしているのか。読み札に書かれている文章から児童の気付きの質の変化や深まりを見とることができる。児童の気付きは探検の回数を増すごとに広がりと深まりをみせた。

2.ふりかえりカードから
●単元のまとめの場面では,ふりかえりカードを書くようにする。ふりかえりカードは絵だけのもの,文字だけのもの,絵と文字が書き込めるものなど,数種類用意しておく。児童は,カードを自ら選択,決定することができる。振り返りは単元のまとめの場面と,中間地点の「とっておきのカルタを発表しよう」で行った。

●児童の振り返り
 「みんながつくったカルタは,写真も文も心がこもっていました。おもしろかったり,頑張ってつくったり,色んな人に色んな事を聞いてつくっていました。(中略)みんな「カルタをつくろう」と思って探検していました。まちたんけんの間,たくさんの人に色々してもらいました。カルタをもっとつくりたいです。これからもカルタを大切にしたいです」
 振り返りには,これからの探検や活動への思いや願い,友だちのグループのカルタを聞いた感想などが書かれていた。また,まとめの場面の振り返りでは,地域の方への感謝の気持ち,カルタが完成したことへの喜びの言葉がみられた。

3.地域の方とのかかわりから
 探検では,地域の方にご同行していただいたり,地域交流会を開いたりと,地域の方とかかわる場面を意図的に設定している。児童は探検を数回繰り返すことで,地域の方との関係を深めていった。自ら積極的にコミュニケーションをとったり,自然と会話したりする姿がみられた。単元のまとめの場面で児童は「地域の人にありがとうの手紙を書きたい」と考えた。地域の方にあてた手紙には「わたしはUさんが大好きです」「またカルタで勝負しましょう」「Mさんのおかげでおもしろいカルタができました」というように,地域の方への愛着や思い,感謝の言葉があふれていた。

7.教師の手立て

●じまんはっけんカメラ!
 探検に出かける際,児童一人一人に手づくりのカメラを「まちのじまんが見つかる不思議なカメラだよ」といって配布した。児童はとても喜び「ほんとだ!」「がんばるぞ!」とつぶやきながら意欲的に活動していた。こうした「探検グッズ」のようなツールは特に低学年の児童にとって楽しいものであり,意欲の向上が期待できる。

●地域の方とまち探検を!
 探検活動では,地域の人に御同行して頂いた。それは地域の方とかかわることで地域への愛着を抱いて欲しかったからである。地域の方と探検を行うことで「Uさん(地域の方)とまたいきたいなぁ」「Mさんといくと楽しいなぁ」と地域の方への親近感をもつ児童がどんどん増えていった。また,地域の方からも「探検がすごく上手になった」「ふだん気付かないことや長年住んでいる私たちでも知らないことがカルタになっていてとてもおもしろいと思った」と活動に初めからかかわって頂いたことで,児童の成長を実感し,褒めてくださった。外部評価を得た子どもたちは本当にうれしそうにしていた。

●地域交流会を開こう!
 単元の中間地点では,地域の方と交流会を行った。地域の方には,児童の意識が地域の「物・こと」から「人」へと向かうようお話して頂いた。アドバイスを受けた児童たちはその後の2回の探検で地域の人を意識するようになった。カルタには地域で気付いた物事だけではなく,「八百屋のおじさん 元気です」というように,人をテーマにしたカルタも増えていった。地域の方との交流会後,児童は「Tさんとまたカルタがしたい」「今日はIさんに会えるかな」と,地域の方と交流することをとても楽しみにしていた。
 ある日,探検をしていたら地域の神社の神主さんが歩いていた。以前お話を聞きに行っていた児童は自然と挨拶を交わす。また,別の日には最寄りの消防署の隊員の方とすれ違った。その方々は以前訪れた際にはお会いしていなかったが,子どもたちは自然と挨拶を交わす。まち探検という活動そのものが児童と地域の人をつないでいるのだと感じた。児童がこんなことをつぶやいていた。「いきなり入ったのに超ラッキー! 消防署もそうだったし,まちの人がみんなやさしくしてくれてすごくうれしい! 大久保っていいなぁ」
探検をしている際,まちの人が大変親切にしてくださったのでとても喜んでいたのだ。これは一度や二度の探検では抱かなかった「地域への愛着」であるといえるだろう。繰り返し体験し,表現すること。人と触れ合い,体験と表現を繰り返すことが児童のこうした思いや願いを育んだと考える。

「いきものとなかよし~わたしのだんごむし~」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

「いきものとなかよし~わたしのだんごむし~」/全15時間 9月~11月

2.はじめに

 区の名前に植物がつく杉並区は,その名のとおり緑豊かなところである。学区域は,閑静な住宅街で,大きな公園もあるが,整備されているたいへんきれいな公園なので,子どもたちは,自然の中で虫を捕まえたりそれを飼ったりという経験は少ない。それ故に,虫に対しては「嫌い。」「気持ちが悪い。」と苦手意識をもつ子どもが多い。そこで,1年生でも親しみやすく危険性もなく,校庭でも容易に捕まえることができるダンゴムシを教材にして学習を進めることにした。
 単元は,学習指導要領内容(7)「動植物の飼育・栽培」,内容構成の具体的な視点として,「キ:身近な自然との触れ合い」「カ:情報と交流」を位置付け,単元を構成した。子どもたちが自らの手で継続的に生き物を飼うことを通して,生き物を育てることに興味・関心をもち,それらが命をもっていることや成長していることに気付くとともに,生き物を大切にすることができるようにすることを目指した。

3.単元の目標

生活への関心・意欲・態度
○生き物を採集・飼育し,その生き物の生息環境や生態・成長の様子などに関心をもってかかわり,大切にしようとしている。

活動や体験についての思考・表現
○生き物たちが住んでいた環境から飼育環境や世話の仕方を考え,試行している。
○生き物の姿・形やすみか,えさ・世話の仕方などの驚きや気付きなどを自分なりの表現方法で表現している。

身近な環境や自分自身への気付き
○生き物の採集・飼育を通して,生き物たちも自分たちと同じように生命をもっていること・成長していることなど,生き物と自分とのかかわりに気付いている。

4.活動計画

事前準備
●「わたし」のダンゴムシにするために,1人1つずつ飼育箱をもち,教室で飼い,週末には家に持ち帰り,いつでもふれあえるようにした。飼育箱は市販のものでもよいし,ペットボトルでつくったものでもよい。
●土を乾燥させないことを注意すれば,飼育自体はそんなに難しくない。土を多めに入れ,枯れ葉などをしいておくと,そんなに乾燥はしない。霧吹きは教室に用意しておくとよい。
●校内の中で,ダンゴムシが居そうな場所を確認しておくこと。休み時間でも,ダンゴムシさがしができる場所や,校舎の裏など生活科の時間でしか行けない場所も探しておくとよい。校舎の裏を回るときは「多分,この辺にいそうだよね。」と予想しながら探してみると,子どもたちの意欲は一層高まる。

環境設定

●ダンゴムシへの興味関心を高めるために教室に図書スペースをつくって,ダンゴムシに関する図鑑や絵本などを,いつでも読んだり見たりできるようにするとよい。ダンゴムシのおうちをつくるときや,えさについて調べたいときはもちろんのこと,内遊びのときなど何気なく友だちといっしょに読んだり話したりしている姿が見られた。
●図鑑や本を読み始めると,知らなかったことを知り,みんなに伝えたくなるので,「ダンゴムシノート」をつくってそれにメモし,伝え合う場を設定するようにした。また,はじめ知っていたことからどんどんダンゴムシに関する知識が広がっていくのが視覚的にも分かるようにまとめていくとよい。

5.単元の流れ

活動[時数]

対話に見る活動の様子(子どもの思考の流れ)

(1)ダンゴムシとあそぼう
[2時間]
●ダンゴムシについて知っていることを出し合う。
●ダンゴムシさがしをして遊ぶ。
●遊んで気付いたことや感想をカードに書いたり,発表したりする。

(実物を映しながら)『ダンゴムシについて知っていることはありませんか。』
「触ると丸くなります。」
「石とかの陰にいます。」

『遊んでみて気付いたことを発表してください。』
「黄色い点々があるダンゴムシを見つけました。」
「それは,メスだよ。」
「メスとオスがあるんだね。」
「ぼくのは,オスだ。メスをさがそう。」

(2)できたよ,ダンゴムシのおうち
[2時間]
●ダンゴムシを飼うための準備をする。
●死んでしまったダンゴムシをどうするか,どんなおうちにしたらよいか話し合う。(命についても含む)

『○○さんのダンゴムシは死んじゃったんだよ。どうしたらいいと思いますか。』
「うめてあげる。」
「見つけた場所に返してあげる。」
「ふるさとに返すってこと?」

『どうしたら,死なせずにすむかな?』」
「土が乾くとだめだから,毎日霧吹きをしてあげる。」
「土をもっとたくさん入れてあげる。」
「石やはっぱも入れるといいよ。」

(3)むしのふしぎを見つけた
[3時間]
●飼育しながら,発見したことを「ダンゴムシノート」に書きためていく。
●図鑑や絵本を見ながら,興味があるところも「ダンゴムシノート」に書いていく。

(4)ダンゴムシランドであそぼう
[4時間]
●ダンゴムシランドの計画を立てる。
●迷路などをつくって遊ぶ。

「楽しそう。一緒にやってもいい。」
「いいよ。競走しようよ。」

「迷路の途中に,レタスを置いてみたらね,出てこないんだよ。うちの子はレタスが好きなんだ。」

(5)おわかれしきをしよう
[4時間]
●絵本「ぼく、だんごむし」を読み,冬になったら返さなければならないことを知る。
●お別れする前に,何ができるか話し合う。
●おわかれ式の準備をする。
●おわかれ式をする。

絵本「ぼく、だんごむし」の本を読む。最後のフレーズを読んだとき,クラス中がシーンと静まりかえった。

『どうする? だんごむし,元の場所に返してって言ってるよ?』
「いやだけど,返さなくちゃいけないんだね。」
「さみしいなあ。」
「ぼくは,いやだよ。返したくないよ。」
「だって,私たちで,冬を越させてあげられるの。死なせちゃったらもっとかわいそうなんだよ。」
「それなら,返す前に,だんごむしが喜ぶことをしてあげようよ。」
「もう一回,ダンゴムシランドをしようよ。」
「最後にごちそうしてあげたい。」
「思い出のアルバムをつくりたい。」

それから,あきのおわりになったら,きみがぼくをみつけたところにそっとかえしてほしいんだ。ふゆはやっぱり,なかまたちといっしょにすごしたいんだよ。
(出典:「ぼく、だんごむし」得田之久 文、たかはしきよし 絵 福音館書店刊)

6.評価について

子どもの変容から
●なかなかクラスになじめずにいた子どもが,ダンゴムシを通してかかわり方を学ぶことができた。
 「どこでつかまえたの?」
 「一緒にダンゴムシを探そう。」
 「今度はぼくがつくった迷路で試してみよう。」
このような会話が他の場面でも普通に交わされるようになった。

●虫が大嫌いで,最初ダンゴムシに触ることもできずにいた子どもが,友だちから貸してもらい,ゴム渡りをして遊んでいるうちに,自然に触れるようになった。次のときには,自分でダンゴムシを探して遊ぶ姿が見られた。単元が終わるころには,ダンゴムシを探しているときに別の虫が出てきても,「これは何かなあ。」と平気で拾い上げる姿も見られた。

7.教師の手立て

①かかわる場の設定~かかわることで学び合う~

「細いゴムだと落ちちゃうね。」
「太いゴムの上を渡らせてみようよ。」

「ひなたぼっこさせると元気になるんだよ。」
「暖かい方が好きなんだね。」

「迷路の中にレタスを置いてみたよ。」
「みんなレタスの方に行っちゃうね。」
「うちの子。レタスが好きなんだよ。」

●子どもの変容から

 話し合いを通して,自分でダンゴムシのお家をいろいろ工夫することで,「僕のダンゴムシは幸せだよ。だってぼくが大事に育てているから。」と自慢げに話す姿が見られた。

②話し合う場の設定~話し合いで自己決定~

 ダンゴムシを飼うことになって,おうちづくりをした後,どんなことをしていきたいかを話し合った。

 11月になって寒くなってきたころに,「ぼく,だんごむし」の絵本を読み聞かせた。それがきっかけとなり,ダンゴムシを元の場所に返すかどうかについて「だんごむしかいぎ」を開くことになった。

 ダンゴムシとのおわかれ式で,どんな歌を歌ったらいいかを話し合った。各グループから1曲ずつ出し,6曲の中から1曲歌うことにした。それぞれ,思いが強くてなかなか決まらなかったので,三角ツールを使って,選ぶことにした。

●曲を選ぶために,自分のダンゴムシへの思い(「お別れしても元気でいてほしい。」「また,来年会いたい。」「わたしたちのことを忘れないでいてほしい。」など)を再認識している姿が見られた。

●「この枯れ葉の下に返してあげよう。」「日向の方が暖かいね。」「また,来年会おうね。」という声かけをしながら土にそっと返していた。

●ダンゴムシの絵本づくり(アルバムまたは,えにっきなど)では,どの子どももたいへん夢中になって取り組んだ。書くことが苦手な子どもたちも書きたがって,ページを進めていた。出来上がると,「ぼくがつくっただんごむし絵本だよ。一緒に見よう。」と,友だちに見せながら,嬉しそうにダンゴムシの話をしている姿も見られた。

「なかよく あそぼう」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

「なかよく あそぼう」/全25時間 6月~10月

2.単元のねらい

 本校は敷地内に子ども園が隣接されており,6~7割の児童が,子ども園から本校に入学する。子ども園とは一部の施設を共有しているが,園児と児童の日常的な交流は多くはない。そこで,1学年では生活科の学習として園児と交流を行い,互いのことを理解し合ったり,心を通わせたりしてかかわることの楽しさを実感させたいと考え,本単元を設定した。
 本単元は「1.なつだ いっしょに あそぼうよ」「2.ランド遊びを しよう」の二つの小単元から構成されている。「1.なつだ いっしょに あそぼうよ」では,夏という季節感を最も感じられる水を教材として,身近にあるものを使って簡単な水遊びの道具をつくり,自然の不思議さやおもしろさ,遊びの楽しさに気付くことをねらいとしている。「2.ランド遊びを しよう」では,水遊びの経験を生かして,より工夫した遊び道具や遊び方を考えて,園児を招待して一緒に遊んだ。どちらの単元でも,身近な自然を利用したり身近にある物を使ったりして自分たちの生活を工夫したり楽しんだりできるようになることや,園児や友だちとの交流を通じて,わかりやすく伝えようとする気持ちや相手の気持ちを考えようという心を育て,誰とでも仲良く生活できるようになることを期待している。また,隣接学年ではなく,1学年と年中組の交流を設定したことで,児童は自信をもって園児をリードすることができ,園児も小学生への憧れの気持ちをもつことができる効果を期待した。

3.評価規準

○生活への関心・意欲・態度
 友だちや園児とかかわり合いながら,遊びを楽しんだり,交流を喜んだりすることができるようにする。

○活動や体験についての思考・表現
 友だちと協力して試行錯誤しながら道具をつくったりルールを考えたりして,園児と一緒に楽しく遊べる方法を工夫することができる。

○身近な環境や自分自身への気付き
 交流活動を通じて,言葉や表情,しぐさなど,多様な伝え方があることに気付き,適切に園児とかかわる中で,一緒に遊ぶことの楽しさや自分の成長に気付き,伝えあっている。

4.活動の計画

事前準備
 水遊びを行う前に,教師が様々な材料を使って水遊びを行い,子どもの活動がより広がったり,深まったりする素材を探した。重視した点は,子どもが容易に遊べるもの,工夫によって遊びの発展が期待できること,人とのかかわり合いによって遊びが発展することである。

環境設定
 教室に生活科コーナーを設定し,単元の活動写真や,活動計画を掲示した。児童の振り返りに利用し,次時の見通しをもたせて児童の意欲を持続させることができた。

活動計画
 活動計画を作成する際には,児童が自分で興味・関心をもって,次に行いたい活動を自然に見付けていけるように留意した。例えば,児童が水遊びをしているところに意図的に園児に見学に来てもらい,「次は園児も一緒に遊べたらいいな」という願いを児童がもてるようにした。このため,子ども園の教員との相談や連絡を密に行い,活動の意図やねらいを相互理解したうえで活動に臨んだ。また,小単元1ではグループ単位での交流を行ったが,小単元2では,園児と児童の交流の深まりを図るため,1対1(または2)のペアをつくって活動を行うこととした。

5.単元の流れ

                  

活動[時数]

対話に見る活動の様子(思考の流れ)

1 色々な水遊びをしよう[4時間]

●第1時
ペットボトルを使って水遊びを行う。

●第2,3時
色々なものを使って水遊びを行う(ビニールホース,ビニールプール,発砲スチロール,ペットボトル,割り箸,ストロー,ビニール袋 など)。

『朝顔の水やりの様子です。何か気付くことはありますか?』
「川ができています。」
「海もできました。」

『どうしたら水が流れるかな。』
「ホースを手で持ち上げて山にしよう。」
「みんなで協力するんだ。」

●第4時
水遊びを振り返って,楽しかった遊びをカードに書く。

2 水遊びランドで遊ぼう[8時間]

●第1時
前時のカードを基に,楽しかった遊びを伝え合い,園児と一緒に水遊びを行う計画を立てる。

●第2~5時
グループに分かれ,水遊びの道具やルールを考えてつくる。

●第6,7時
園児と一緒に水遊びを行う。

『みんなの水遊びを誰かが見ていますね。誰でしょう。』
「子ども園の子どもです。」

『どんなこと言っているのかな。』
「やりたいなって言っています。」
「一緒に水遊びをしよう。水遊びランドをしよう。」

●第8時
楽しかったことや,園児と一緒に遊んで気付いたことをカードに書く。

3 公園や校庭で園児と一緒に遊ぼう[4時間]

●第1時
近くの公園で遊びに出かけ,園児もやって来て,一緒に遊ぶ。

●第2時
公園での遊びを振り返り,園児と再交流したいという願いをもつ。

●第3時
校庭に園児を招待し,鬼ごっこやかけっこ,はないちもんめなどで遊ぶ。

●第4時
園児に楽しかった遊びを尋ねたり,好きなものを尋ねて,交流を深める。

『公園で子ども園のみんなに会いましたね。もっとしたかったことはありますか。』
「もっと広いところで遊びたい。」
「もっとたくさん走り回りたい。」(公園は狭いので,鬼ごっこは禁止だった。)
「校庭ならいいんじゃないかな。」

●校庭遊びにて
「子ども園の子にだるまさんの鬼をやらせてあげよう。」
「じゃんけんで決めるよ。」
「手をつないで一緒に走ろうね。」

『子ども祭り(学校行事)は楽しかったですね。子ども園のみんなもやりたそうでしたね。』
「今度は遊び道具をつくって一緒に遊びたいな。」

●遊び道具や遊び方を工夫する際に
「子ども園の子は一年生より前からボールを投げていいことにしました。」
「危なくないように,待つ場所をつくってテープを貼ったよ。」
「ちゃんと飛ぶか,テストをしよう。合格したのだけ使えるよ。」

『今日は一年生だけで遊んで,楽しいところやもっと工夫するところを見つけましょう。』
「たくさんの友だちが遊んでくれて嬉しかった。」
「ボールを打つパターがぐにゃぐにゃするから,つくり直したいです。」
「的当ての的をもっと工夫したほうが楽しくなりそうです。」

『子ども園のみんなと遊ぶときに大事なのはどんなことでしょう。』
「なかよく,たのしく遊ぶことです。」
「優しく話してあげようと思います。」
「わからないことは教えてあげます。」

4 「遊びランド」で一緒に遊ぼう[9時間]

●第1~5時
前時でのインタビューを基に,遊びランドの遊びを考え,遊び道具を作製する。

●第6,7時
ランドに招待して,一緒に遊ぶ。

●第8時
楽しかったことをカードに書いて振り返る。

●第9時
園児からのお礼のビデオレターを見て,手紙を書く。

●ランド遊びにて
「たくさんボールが入ったので,すごいと褒めたら喜んでいました。」
「クラスのみんながちゃんとお店をしていたので,すごいと思いました。」

『ビデオレターをもらって,嬉しかったですね。』
「お返事を書きたいです。」
「ビデオレターの話が上手だったよ。」
「一緒に遊べて楽しかったよ。」

6.評価について

①「活動→表現(振り返り)→伝え合い」のサイクルで子どもの意欲を高める
 活動を行って,楽しかったことや気付いたことを絵と文でカードに書き,学級で伝え合うことで,次の活動への意欲や願いが生まれてくるようにした。また,遊び道具をつくる際には,工夫したことをカードに書くことで,自分の作品に対する気付きや友だち同士の認め合いの気持ちが生まれた。
 子どもの意欲関心を高め,自主的に活動に取り組むことができるように,生活科コーナーをつくり,活動のねらいや流れを掲示した。

②ICT機器の効果的な活用
 活動の様子を写真に残し,子どもの気付きや思いを振り返りの場で引き出せるようにする。
 園児からのお礼の言葉は,視覚・聴覚の両面から情報を得られるビデオを活用し,子どもの関心を高めることができた。

③評価の流れ
 毎時間ごとに評価規準を設定し,具体的な児童の活動の姿や反応(つぶやき,発言,カードの記入)などを記録し評価に生かすようにする。

7.教師の手だて

●ねらいに沿って,カードに朱書きを書き加える
 各活動の際に必ず振り返りカードを書いたが,活動のねらいに沿って,気付きが生まれているかを特に評価した。ここでは,「園児が楽しめるように工夫したこと」に焦点をあてている。

●記録写真を撮影する
 活動の際には必ず写真で記録を残す。T1の教員だけでなく,より多くの教員の協力が得られると良い。その際には,どんな場面のどんな様子の写真が欲しいのか,共通理解しておく必要がある。写真はカラーコピーで引き伸ばしたり,パワーポイントで加工したりして提示し,振り返りの際に使用した。

●お店屋さん遊びには発展性のあるものを
 お店屋さん遊びのような活動の際,子どもたちにやりたい遊びを出させると,多様な遊びが出てくるが,自分たちで工夫して発展させる余地がある遊びを考えさせるほうが活動の広がりや深まりが出る(例えば,ゲーム形式や点数を競うような遊びの方が,道具やルールの工夫がしやすい)。子どもから出ない場合には,地域の祭りや学校での縦割り遊びなどの写真を提示したり,体験談を話させたりするとよい。

●交流活動は段階的に複数回行うと効果的
 子ども同士が知り合って,名前を覚え,楽しく一緒に遊ぶようになるまでは時間が必要である。最初は少しの時間一緒に過ごすだけでも良く,何度も交流を重ねることで,子どもたちの関係が深まり,より仲良くなって楽しく遊べるようになる。ビデオや手紙での交流,給食時間などの隙間時間を活用しての交流など,より多くの交流活動が行われるよう工夫できると良い。

●イラストカードで気付きの広がりを
 目,耳,鼻,手,心のイラストカードを用意し,全身の感覚を使って様々なことに気付くようにする。板書の際もカードごとに板書することで,気付きのバリエーションを児童自身が見つけて,気付きを広げるようになっていく。

「がっこう だいすき!」スタートカリキュラム(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/実施時期

「がっこうだいすき ともだちだいすき」/4月入学時~5月第1週(GWまで)

2.学校を取り巻く環境

 わたしたちの学校がある横須賀市は,軍港の町として広く知られている。二方が東京湾・相模湾に面していて,市の内陸には決して高くはないが,小さい山がたくさんあり谷戸が多くある地域である。それ故,漁港もいくつもあり,農業も盛んである。本校は,そんな横須賀市の東(東京湾に面している)の小高い丘に建っている。近くには大塚台古墳跡地や吉井貝塚が残されている。歴史のある土地だが,学校自体は新興住宅地内に建てられた新しい学校である。丘の上には住宅が建ち並んでいる。しかし,丘を下ると,京浜急行の車両を造っている工場があったり,運送会社が3社立ち並んでいたりと丘の上とは景色がだいぶ異なる。とにかく,学区が広い。1年生が探検する公園も全部で12か所ある。児童数も市内では多いほうで,20以上の保育所・幼稚園から入学してくる。クラスで同じ園からの入学が自分一人ということもしばしばである。

3.入学時の課題

 幼稚園・保育所など幼児教育では,遊びを通してさまざまなことを学んでいる。しかし,小学校教育では,机上の学習が増え,体験することを大切にしつつも,座って学習することが多くなり,学び方が大きく変わる。そして,児童の中には学習の仕方になかなかなじめずに,教室を飛び出したり,45分間の中で一つの学習に集中できなかったり,自分のやりたいことを優先してしまい集団で学習できなかったりすることが起こってきたと言われている。それを小1プロブレムと呼んでいる。
 まとめると,小学校低学年では,幼児教育の成果を踏まえ,体験を重視しつつ,
 ①小学校生活に適応すること
 ②基本的な生活習慣等を育成すること
 ③教科等の学習活動に円滑な接続を図ること
等が課題としてあげられている。

4.入学時期の課題と生活科との関連

 小1プロブレムなどの問題が生じる中,小学校低学年では,幼児教育の成果を踏まえ,体験を重視しつつ,小学校生活に適応すること,基本的な生活習慣等を育成すること,教科等の学習活動に円滑な接続を図ること,などが課題として指摘されている。そもそも生活科新設の趣旨の中には,幼児教育との連携が重要な要素として位置付けられており,その意味からも,小1プロブレムなどの問題を解決するために,生活科が果たすべき役割には大きな意味がある。

5.単元の流れ

※画像をクリックするとPDFが開きます。

第1週目

第1週目

第2週目

第2週目

第3週目

第3週目

第4週目

第4週目

第5週目

第5週目

6.それぞれの課題(前述)を解決するための手立て

(1)小学校生活に適応するための手立て

①「わかりやすい指示」
●視覚的にわかるようにする。(児童が一人で動けるようにする。)

  • トイレの使い方をプロジェクターで具体的に絵を使って説明する。
  • 机の中やロッカーの整理の仕方を絵で表示する。
  • 時計の針の位置で行動を指示する。
  • 登下校のグループを色で表示し,帽子に色を貼り付ける。
  • 基本生活に必要になるグループを年間を通じて活用する。(こちらも分かりやすいもので表示する。例えば「りんご…(赤)」,「ぶどう…(紫)」,「バナナ…(黄)」,「みかん…(橙)」等。)

●事前に説明する。(「大切な話をするよ。」と言ってしっかり聞かせる。)

  • 掃除の仕方・給食当番の仕事等,一度は全体で指導する。(給食当番の仕事は学校栄養職員にしてもらうと効果的である。その後は,初めてのときに具体的に手取り足取り教える。)

●授業規律と開始・おわりのあいさつの仕方を教える。

  • 勝手に教室を出て行ったりおしゃべりしたりしてはいけない。
  • 誰かが話しているときは,その人を見てしっかり話を聞く。
  • 話したいときは,「はい。」と言ってから話すようにする。

●整列の仕方を教える。(しばらくは,座っている座席順とする。)

●給食当番の仕事を教える。

  • 学校栄養職員に白衣を着る意味,手の洗い方等の大切さを伝えてもらう。最初の給食当番のとき(グループが変わる毎に)に,白衣の着方・立ったままのたたみ方・仕事の表の見方・仕事の内容について教える。

②「幼児教育の生活の仕方を取り入れた手立て」
●幼稚園・保育所では,自分のやりたい遊びを選ぶことができたり,今の遊びをやめて違う遊びに変えたりと,児童の思いで動きを取り入れることができる。しかし,小学校の授業の中では,自由に動き回ることはできない。机上で学習することが多い。けれども,入学当初の児童はおよそ45分間の一授業時間を集中して取り組むことが難しい。動きのある活動を少し盛り込むだけで,児童の集中力は持続する。
例えば,座る場所を変えるだけでもよい。

[国語の授業]で,
①読み聞かせをする。
 教科書で紹介されている絵本を読んだり,教科書を範読したりなど。本を読みたい場所に集める。
②通常の授業を行う。
 自分の席に座り,書いたり読んだりする活動をする。

(2)基本的な生活習慣等を育成する指導

①「丁寧な指導」
●ニコニコタイム

 学校生活を楽しく過ごすには,集団としてのマナーを身に付けることが大切である。また,日々の生活を充実させるために,基本的な生活習慣は不可欠となる。
 そこで,本校では「ニコニコタイム」というものを実践している。「ニコニコタイム」は,健康教育の一環として全校をあげて取り組んでいる。養護教諭が中心となり,一か月に一度テーマを決め,一週間健康的な生活習慣を身に付けるために取り組んでいる。そして,児童が取り組んだ実践に対し,家庭から励ましやアドバイスなどの言葉を書いてもらい,児童・保護者がともに意識化できるように活動している。
 取り組んだ実践のワークシートについては,6年間ずっとファイルに綴じてとっておく。いつでも振り返ることができる。

ニコニコタイム

4月

・早起きをしよう

10月

・背中を伸ばそう

5月

・朝ご飯を食べよう

11月

・好き嫌いなく食べよう

6月

・歯みがきをしよう

12月

・手を洗おう

7月

・バナナうんちをしよう

1月

・うがいをしよう

8月

・体を清潔にしよう

2月

・外で遊ぼう

9月

・早く寝よう

3月

・1年間の生活を振り返ろう

(3)教科等の学習活動に円滑な接続を図るための「スタートカリキュラム」

①「幼児教育を意識した授業の組み立て」
●なかよしタイム(学級で朝の会をやり,その後1時間目の後半2/3 30分間)

 保育所・幼稚園では,遊びを通して体を動かし,体験を通して学んできた。その学びの形態から,一人ひとりにあてがわれた個人の机に座り,45分という小刻みの間隔で,意識しない限りあまりつながりのない教科学習の学びの形態へと変わる。それに不安を抱えずに移行していくには,小学校側としてどう工夫すればいいのかということである。
 そこで,わたしは次のように手立てを考えた。
 一日の始まりの時間を,保育所・幼稚園のようにゆったりと過ごすことで,今日一日の見通しをもって,意欲的に過ごすことができるのではないかと考えた。そうすることで,児童が必要以上に不安感を抱くことなく,小学校というところを受け入れられるのではないか,安心して意欲的に学校生活を送れるのではないかと考えた。

「なかよしタイム」として
 毎日,学級の朝の会終了後に学年でフロアに集合し,一緒に歌を歌ったり(音楽),踊ったり(体育),群読したり,名刺交換したり(国語),数のゲームをしたり(算数)して,学年の児童どうしの親睦を深め,知り合いを多くつくり,学年の教師と触れ合うことで,小学校は安心なところだと思ってもらえるようにした。そして,2時間目にスムーズにつながるようにと考えた。
 例,「なかよしタイム」で数のゲームをした後に,2時間目に算数を学習する等など工夫している。

例えば,
例1「もうじゅうがりへいこうよゲーム」

児童の活動

留意点

1.学年の歌を歌う。(始まりの歌)

・振りを付けて,歌って踊る。

2.歌「もうじゅうがりへいこうよ」を歌う。

・新しく歌を教える。

3.ゲームのルールを理解する。

・笛の数の人数でグループをつくることを伝える。

4.ゲーム「もうじゅうがりへいこうよ」をする。

・元気よく動き回ってよいことを伝える。他クラスの児童とも仲 よく遊ぶよう伝える。

5.2時間目,算数の授業へ

例2「歌をうたおう」

児童の活動

留意点

1.学年の歌を歌う。(始まりの歌)

・振りを付けて,歌って踊る。

2.教科書に載っている歌を当てながら,楽しく振りを付けてメドレーで歌う。

・楽しく歌う。

3.校歌を歌う。

・校歌を教える。

4.2時間目,音楽の授業へ

例3「名刺交換」

児童の活動

留意点

1.学年の歌を歌う。(始まりの歌)

・振りを付けて,歌って踊る。

2.ゲーム「かもつれっしゃ」で遊ぶ。

・歌は何でもよい。

3.ゲーム「かもつれっしゃ」をアレンジして,じゃんけんの後,事前に準備しておいた名刺を交換する。

・あいさつしながら交換する。

4.2時間目,国語の授業へ

例4「群読をしよう」

児童の活動

留意点

1.学年の歌を歌う。(始まりの歌)

・振りを付けて,歌って踊る。

2.教科書「あかいとり ことり」を音読する。

・大きな声で読ませる。

3.音読と群読の違いを教わる。

・1年生にわかるように教える。

4.「あるけ あるけ」を群読する。

・リズムにのって読めるように指導する。

5.2時間目,国語の授業へ

例5「広場を大きなキャンバスにして」

児童の活動

留意点

1.学年の歌を歌う。(始まりの歌)

・振りを付けて,歌って踊る。

2.描いてよい場所を知る。簡単なルールを知る。

・大体の範囲を伝える。

3.コンクリートにチョークで絵を描く。

・仲よくチョークを使う。

4.みんなで絵を見合う。

5.2時間目,図工の授業へ

②大単元構想
 幼児教育においては,学習が分化されてなく,総合的に学んできている。「○○をしてあそぼう」という目標が決まったら,その目標に一人で準備したり,グループで話し合って準備したりする。そこには,小学校でいういわゆる「教科」が散りばめられている。数を数えたり,自分の思いを相手に伝えたり,思いを絵で表現したり,ときには歌を歌ったり体を使って踊ったりしながら・・・。しかし,小学校は「これから,国語のお勉強をします。」や「これから,算数のお勉強をします。」と,わけられてしまう。慣れない入学当時の児童にとっては,とてもわかりにくい慣れていない学び方なのである。
 そこで,入学当初の間,総合的に学ぶカリキュラムをつくっていろいろな教科を盛り込み,自然な形で分割されている教科を学ぼうとするのがスタートカリキュラムの考えだ。
 各教科が分割し,専門的にわかれている学び方に,慣れているわたしたち大人からすると,逆に理解しにくいことだが,入学当初の児童にとっては総合的に学ぶほうが自然の学び方になる。そして,少しずつ小学校の各教科のカリキュラムに移行していければ一番よいと考える。さらに,その大単元にあるのが,低学年の児童の特性を生かした教科,すなわち生活科という捉えが自然だ。
 多くの小学校では,入学してしばらくの間,生活科で学校探検の単元を行うだろう。その際,生活科を中核に置きながら,国語科・算数科・音楽科・図画工作科・体育科などの内容を,合科的に扱い,大きい単元を構成することが望ましい。そして,これらの考えから,第1学年入学当初のカリキュラムを『スタートカリキュラム』として,別格に捉え編成することが必要とされている。
 このように,スタートカリキュラムを編成し,総合的に学ぶ幼児教育の成果を徐々に小学校教育に生かすことが,小1プロブレムなどの問題を解決し,学校生活への適応を進めることになるものと期待されている。

大単元構想(合科的な指導)の例
・生活科「がっこう たんけん」を活動に他教科を取り入れる大単元構想

(4)考察
 今年度手探りで「スタートカリキュラム」に取り組んでみて,成果できること,反省すべきことなどがいくつか出てきた。

成果できる点
①学年で取り組んだことで,学年の教師が他のクラスの児童もわかり,見取ることができたことだ。学年会等で一人の子に対して,理解を深めることができた。児童から見ても知っている先生が増えるのだから安心がもてるのではないかと実感する。

②学年便り等で,学校生活上において必要なことを共通確認してきたことで,保護者がクラス間の差を気にする様子もなく,安心してもらっているように感じる。家庭学習プリントも学年共通で毎日出しているのも功を奏していると思われる。

反省すべき点
 認識が甘く,不勉強だったり,日々の忙しさに追われてしまったりして,「スタートカリキュラム」を大単元構想のもとで,計画的に取り組むところまで行かなかった。児童の思考を考えたら,毎時間ごとに分類される学習よりも,幼児教育で経験してきたつながりのある学習の仕方で,1か月間の学習を合科で捉えて取り組めたらよかったと反省している。そうすれば,児童の思考はさらにスムーズに学べただろう。

(5)今後の課題
①誰が受けもっても,スタートカリキュラムが職員間で当たり前のごとく実践できるように受け継いでいくための整理をしたい。

②「スタートカリキュラム」を,大単元構想でカリキュラム化して残していきたい。

③少しずつ始まったのだが,近隣の幼稚園・保育所の先生たちとも情報交換をして,連携をとっていきたい。そうすることにより,幼児教育と小学校教育双方の理解が深まり,お互いの教育の仕方がわかれば,より滑らかに移行できるようになるからだ。全ては子どものために,一人でも不登校児を出さず,小学校生活を楽しめるようにしていきたい。

「がっこうだいすき ともだちだいすき」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

「がっこうだいすき ともだちだいすき」/全18時間 4月~6月

2.学校を取り巻く環境

 本校は,40年ほど前に山の一部を開発してできた住宅地である。開校当時は,1000人ほどの児童がいたが,現在では,350人ほどとなっている。学校は,山の頂上近くにあり自然に恵まれ,天気のよい日には,校舎の4階から遠く横浜ベイブリッジや東京スカイツリーを見ることができる。校区には,幼稚園1園,小学校1校,中学校1校がある。住宅地の中の一角には商店が少しあり,自然を生かした公園が多く,四季の変化を感じることができる。地域では,見守り隊の方が多くいて,登校時や下校時となると横断歩道などに立って子どもたちの安全を配慮してくれている。
 校庭が広く,校舎は,渡り廊下でつながっている。そして,廊下がとても長い。また新々校舎の1階には,デイサービスの施設が入っている。
 入学当初は,級外の先生方や介助員さんのお手伝いが大いに助かった。そのため,子どもたちにとっては,多くの先生方と接していたことになる。また,入学式では,6年生が名札を付け会場の席まで案内してくれ,入学式の翌日からは,クラスに来て朝の準備のお手伝いや紙芝居を読んでくれたり,ゲームを教えてくれたりしていた。1年生にとってたくさんの人とかかわることができたため,すぐになじむことができたように思える。子どもたちは,とても元気がよく,休み時間ともなると外のアスレチックで遊ぶことが多い。廊下は,静かに歩くように始めに話をしたが,トイレ水飲み休憩となると廊下を走り出す子が多かった。一週間もしないうちに階段を駆け下り,角のところでけがをした子が出た。それからは,お互いに声をかけながら歩くようになった。しかし,日が経つにつれ,忘れかけているように感じた。そのため,たびたびこちらから声をかけた。だんだんと学校に慣れ,いつのまにか校舎の中を探検し始め,「がいこつをみた。」「どこにあるの?」「あとで行ってみよう。」と言う児童の言葉から,学校探検が始まった。

○単元について
 「がっこうだいすき ともだちだいすき」の単元は,入学当初のスタートカリキュラムが含まれる。ここでは,児童が学校の施設を利用したり,先生や友だち,学校生活を支えている人々とのかかわりを深めたりしながら,学校生活を豊かに広げ,楽しく安心して遊びや生活ができるようにすることをめざしている。
 学校生活では,学校の施設の様子や人々のことがわかるだけではなく,楽しく安心して安全に遊びや生活ができるようにすることが大切である。なお,学校の施設や人々とかかわる活動を行う際,学校の公共性に目を向けるよう配慮する必要がある。学校の施設は,みんなのものであること,学校にはみんなで気持ちよく生活するためのきまりやマナーがあることなどに気付いたり,学校生活のリズムを身に付けたりすることなどが大切である。
 安全については,自然災害,交通災害,人的災害の三つの災害に対する安全確保に配慮することが大切である。これを踏まえ,以下についての安全が考えられる。

 *交通安全・・・歩行,自転車での通行などで,交通ルールを守って事故にあわないようにする。
 *災害安全・・・火災,地震,風・水害などから身を守るようにする。
 *生活安全・・・日常生活で,転倒,衝突,落下など,けがをしないような行動をする。
 *防犯安全・・・誘拐,痴漢,盗撮などの犯罪から身を守るようにする。

 今回は,この中のうちの学校探検のまとめの1つとして,「生活安全」に着目した。「楽しく安心して遊びや生活ができるようにする」の中の「安心」には,「安全」という意味も含まれると考えた。学校の中で出会った人々の中で,用務員さんから,児童へのメッセージをいただくことにした。用務員さんの仕事の中で防護柵の修繕やアスレチック・校舎内での木のささくれなどによる事故やけがの予防について話してもらった。学校の中にはみんなの安全について見守ってくれる人がいることや安全に関するものが学校の中にはたくさんあることに気付くとともに,自分たちも学校の中での安全について考え,自分でできることをしていこうとする態度が身に付くようにしたい。

 学校探検を行ったときには,「みつけカード」を書くようにし,その「みつけカード」をもとに友だちと交流した。1年生のこの時期,一人ひとり全員の前で話をしていくと,全員の話を聞き終わる前に飽きてしまうということと,まだ全員の前で話をするのが苦手な児童もいるので,少ない人数での交流がよいと考える。そこで,二人組で話すこととした。何度か交流をしていくうちに,だんだんと慣れてくるように思う。
 学校探検を行っていくにつれ,初めは施設に目がいくが,何度か探検していくうちに人へと目がいく子が出てくる。施設だけでなく人との交流もしてほしいと思うので,人に目がいった児童をみんなに紹介すると,次の探検では人と交流する児童が増えていく。そこで,「みつけカード」のほかに,「さいんカード」も用意することでたくさんの人との交流ができると考える。

3.単元目標

○学校の探検や生活を通して,施設を利用できるようになったり,学校の人々とのかかわりを深めたりしながら,安心して安全に学校生活を送ることをできるようにする。
〈内容(1)〉

評価規準

生活への関心・意欲・態度

活動や体験についての
思考・表現

身近な環境や
自分についての気付き

ア.学校生活へ関心をもち,人やものとかかわろうとしている。

イ.学校のことを知り,安心して安全に学校生活を送ろうとしている。

ウ.自分の行ってみたいところややってみたいことを見つけている。

エ.探検活動や日常生活を通して,楽しいことや気付いたことなどを目的に応じて自分なりの方法で表現したり,伝えたりしている。

オ.施設の利用の仕方や友だちとのかかわり方,マナーについて考えている。

カ.施設の位置や特徴,役割,学校を支えている人々の存在や働きなどがわかっている。

キ.みんなで施設を利用する楽しさやよさに気付いている。

ク.学校にある施設はみんなで気持ちよく生活するためのきまりやマナーがあることに気付いている。

4.事前準備

●職員間の意思の疎通
 本単元は,小学校生活のスタートの大事な時期に行うため,学校全体で児童を見ていくという観点から,全ての職員に学校探検をする際大切なことを伝えておく。

○学校探検について
・探検をする際の約束を児童と一緒に決める。
(廊下は静かに歩く・大きな声を出さない・部屋に入るときは,挨拶をする・置いてあるものには触らない など)
・前もって,学校探検をやる日を職員に伝えておく。
・授業中探検を行うため他のクラスの授業の妨げにならないよう,児童には静かに行動することを話し,職員には気になるときは,その場で注意をしてもらうよう伝える。
・部屋に入る際は,あいさつをするよう児童に指導し,職員には児童ができていない場合はその場でやり直すよう声をかけてもらう。
・給食室を見せてもらうときの注意を,あらかじめ給食調理員や学校栄養職員に聞いておく。

○ゲストティーチャー
・事務の先生や用務員さんなどに仕事の話をしてもらうよう伝えておく。

●学習環境の設定
・どの教室や部屋へも行けるようにする。鍵がかかっている場合はそのままにしておく。後で,疑問をもったときに一緒に行くようにする。

5-1.単元の流れ

◇がっこうだいすき ともだちだいすき【18h】

1.がっこうは たのしいよ(1h)
○幼稚園や保育所と異なるところを見つける。

2.なかよく なろうね(3h)
○あいさつをしたり,自己紹介をしたり名刺交換などをする。
○2組の児童とも名刺交換を行う。

3.みんなで あそぼう(1h)
○校庭の遊具の使い方やルールについて学習し,みんなと遊具で遊ぶ。鬼遊びやドンジャンケンを行う。

4.どこへ いこうかな だれに あえるかな(2h)
○校舎の中を探検し,どんな部屋があるか見たり,先生や主事などの学校で働く人と話したりする。

5.みつけたよ きいたよ1(7h)
○グループで校舎の中を探検し,どんな部屋があるか見たり,先生や主事などの学校で働く人と話したりする。
○2~4人のグループで探検する。
○探検から帰ってきたら,3~4人に発表をしてもらう。
○ペアで2~3分間で見つけたことを話したり,聞いたりして「おはなしこうかん」(情報交換)をする。
○探検と情報交換を何度か繰り返す。
○多くの子が出会った人に教室に来てもらい,仕事の内容などを聞く。
○学校の中にある安全に関係しているものを見つける。
○安全に学校生活を送ることができるようにするためには,どうしたらよいか考える。
○学校のきまりやマナーを聞く。

6.みつけたよ きいたよ2(2h)
○校舎の外を探検する。

7.みてきたことを つたえよう(2h)
○学校たんけんで体験したことや発見したことを伝え合う。

5-2.単元での主な学習活動

小単元の目標

○主な学習活動・□子どもの反応・
*留意点

主な評価規準

◇がっこうだいすき ともだちだいすき【18h】

○がっこうは たのしいよ(1h)
幼稚園や保育所と異なるところに気付き,学校生活の楽しいところ見つけをして,みんなでもっと楽しくしていこうとする意欲をもつことができるようにする。

○幼稚園や保育所と異なるところを見つける。

□学校は大きい。
□校庭が広い。
□遊具で遊んでみたい。
□学校は楽しそう。
□お部屋がたくさんある。

*自由に発言させるようにする。

ア.学校生活へ関心をもち,人やものとかかわろうとしている。
【関・意・態】

○なかよく なろうね(3h)
自分のことを紹介し合ったり話したりすることで,友だちのことを知り,みんなと仲よく交流することができるようにする。

○あいさつをしたり,自己紹介をしたり名刺交換などをする。
○初めは,自分のクラスで名刺交換を行う。
○子どもが,2組とも名刺交換をしたいと言う言葉で,2組の児童とも名刺交換を行う。

□お友だちを増やしたい。
□もっと名刺を書きたい。
□2組の子とも,名刺交換したい。

*自己紹介がなかなか言えない子には,教師がそばで一緒に言葉を添える。
*名刺は,初めは6枚程度にする。

ア.学校生活へ関心をもち,人やものとかかわろうとしている。
【関・意・態】

エ.日常生活を通して,楽しいことや気付いたことなどを目的に応じて自分なりの方法で表現したり,伝えたりしている。
【思・表】

○みんなで あそぼう(1h)
今までにしたことのある遊びを紹介し合って仲よく遊び,交流することができるようにする。

○校庭の遊具の使い方やルールについて学習し,みんなで遊具で遊ぶ。鬼遊びやドンジャンケンを行う。

□これ,おもしろい。
□この鬼ごっこ知ってる。
□あつ,ドンジャンケンだ。
□ブランコは,順番だよ。

*学校生活の滑らかな適応を図るため,幼稚園や保育所で経験したことのある活動をする。

キ.みんなで施設を利用する楽しさやよさに気付いている。
【気】

○どこへ いこうかな だれに あえるかな(2h)
校舎の中を探検するときに出会う人に気持ちのよいあいさつをしようとするなどして,いろいろな人に進んでかかわろうとする。
校舎を探検する中で,様々なものや場所に進んでかかわろうとする。

○校舎の中を探検し,どんな部屋があるか見たり,先生や主事などの学校で働く人と話したりする。

□この廊下の先は何だろう。
□学校探検したい。
□がいこつ見たい。
□音楽室に行ってみたい。

*学校探検の1回目は,クラス全員で1時間を使い,校舎全部を回った。
*もう一度行きたいという気持ちを高めるため,一回目の探検は,1時間という短い時間にした。

□もう終わり?
□もっと行きたい。
□自分たちで行きたい。

*児童の,「もう,おわり?」「もっと見たい」という気持ちから,また学校探検をすることにした。

○探検の約束やグループを決める。

*2回目からは,自分で行きたいところに行きたいというので,『約束』をみんなで決め,それから探検に行くことにした。
*3~4人のグループをつくる。

ア.学校生活へ関心をもち,人やものとかかわろうとしている。【関・意・態】

○みつけたよ きいたよ1(7h)
校舎探検をし,学校にはみんなで使うものがいろいろあることや,いろいろな人の支えによって学校生活ができているということに気付くことができるようにする。

学校探検に繰り返し行く中で,もっと行ってみたいところややってみたいことを見つけることができるようにする。

探検を通して見つけたことや気付いたことを表現することができるようにする。

○学校探検に行く前に,みんなで決めた約束の確認をいつも行う。
○グループで校舎の中を探検し,どんな部屋があるか見たり,先生や主事などの学校で働く人と話したりする。

*3~4人のグループで探検する。
*探検中,子どもたちの様子や発言をよく見たり聞いたりする。
*探検してきたら,「みつけカード」に記録をさせ,交流のときに役立てる。

○探検から帰ってきたら,3~4人に発表をしてもらう。
○ペアで2~3分間で見つけたことを話したり,聞いたりして情報交換をしてからまた次の探検へ出かける。

*探検と情報交換を何度か繰り返す。

□調理員さんとお話したよ。
□図書室へ行ったよ。
□やまびこのお部屋にトランポリンがあった。
□文房具のいっぱいある部屋に行って,見せてもらった。
□何ていう名前の先生かわからなくなった。
□お名前を書いてもらえばいいんじゃない?
□廊下の真ん中に点線がある。

*何度か交流をしていくうちに,初めは施設だけに目がいっていた児童も人へと目を向けるようになり,「さいんカード」をもって行くようになった。

ウ.自分の行ってみたいところややってみたいことを見つけている。
【思・表】

エ.探検活動や日常生活を通して,楽しいことや気付いたことなどを目的に応じて自分なりの方法で表現したり,伝えたりしている。
【思・表】

カ.施設の位置や特徴,役割,学校を支えている人々の存在や働きなどがわかっている。
【気】

○学校探検で出会った人に教室に来てもらい,仕事の内容などを話してもらう。

□どんなお仕事をしているのですか。

*探検中の発言やみつけカードをもとに子どもたちから名前の出ている人に教室に来てもらい,話をしてもらう。
*1回目は,事務の先生に来ていただいた。

ア.学校生活へ関心をもち,人やものとかかわろうとしている。
【関・意・態】

○ゲストティーチャーの用務員の話から,安全について考える。

□窓の柵を直してくれたよ。
□釘が出てたところを直してくれた。
□避難訓練やったね。
□廊下は走ってはいけないんだよね。
□消火器があったよ。
□防災備蓄倉庫っていうお部屋があった。

*2回目は,用務員に来てもらった。
*学校には,みんなが安心して生活できるように,安全についても考えてくれている人がいることに気付くとともに,安全に過ごせるような決まりや工夫があることに気付くようにさせる。

○学校の中にある安全に関係しているものを見つける。

イ.学校のことを知り,安心して安全に学校生活を送ろうとしている。

○みつけたよ きいたよ2(2h)
学校を探検し,学校生活を支えている人々,動植物や施設などの様子に気付くことができるようにする。

○校舎の外を探検する。

□クリーム(鶏)ちゃんがいた。
□クリームちゃん,だっこしたよ。

*休み時間に鶏の世話をしている上級生に会い,鶏を触らせてもらう。

□草を刈っている人がいた。
□給食室に行きたい。

*探検してきたら,「みつけカード」に記録をさせ,情報交換のときに役立てる。
*情報交換や学校探検を何度か繰り返し行い,学校の様子がわかるようにする。

カ.施設の位置や特徴,役割,学校を支えている人々の存在やはたらきなどがわかっている。
【気】

○みてきたことを つたえよう(2h)
学校探検の様子を振り返り,楽しかったことや感じたことを自分なりの表現でまとめることができるようにする。

○学校探検で体験したことや発見したことを話し合う。

□図書室に本がたくさんあります。
□給食室の鍋は,大きいです。
□用務員さんが草をかっています。
□用務員さんが壊れたところを直してくれます。
□学校には,たくさん人がいます。
□クリームちゃんを上級生がお世話しています。
□理科室にがいこつがあります。
□職員室に悪い人が入ってこないように監視カメラがあります。

*学校探検で見つけたことや感じたことを友だちや家の人に話すために,カードなどを用意しておく。
 カードを家へ持ち帰り,家の人に探検して見つけたことを話す。

○学年で発表会を行う。

*隣のクラスと見てきたことを発表し合う。少人数(4人×2)の中で一人一つずつ時間内で繰り返し発表していく。時間になったら,グループを交代していく。

エ.探検活動や日常生活を通して,楽しいことや気付いたことなどを目的に応じて自分なりの方法で表現したり,伝えたりしている。
【思・表】

オ.施設の利用の仕方や友だちとのかかわり方,マナーについて考えている。
【思・表】

ク.学校にある施設はみんなで気持ちよく生活するためのきまりやマナーがあることに気付いている。
【気】

6.評価について

●探検カード
 探検に行ったときに児童がカードをかく。この時期はまだ字が書けない児童が多いので,絵からどこへ行ったか,何に関心をもったかを読み解く。

●職員からの情報
 探検をしたときの様子を職員から聞くことで,児童の様子がわかる。

●教師自身のカード
 児童名簿に,そのとき気付いたことをメモしておく(探検中・探検後)。
 児童の探検カードや児童の話から,探検した場所や関心をもったことやもの,人をメモしておく。

7.教師の手立て

●児童のつぶやきをひろう
 自分が思ったことを何でも話せる学級づくりが大切である。その中から,児童の「たんけんしてみたいな」「みてみたいな」「さわってみたいな」などのつぶやきから,できる範囲でやらせてあげることで次への意欲へとつながる。また,一緒に驚いてあげたり,喜んであげたりするなど共感することで児童は安心感をもつ。

●安全について
 学校探検のまとめの1つとして,「生活安全」に着目し,安全についての学習を1時間設ける。
 ○避難訓練
 ○ゲストティーチャー
 ○学校生活の振り返り
 ○安全に関するものの探検
 避難訓練を実施した後の学習だったため,自分たちの安全について考える際,避難訓練のことも出てきた。また,学校探検で見つけてきた中に廊下の真ん中にある点線については,右側通行できちんと歩くことを再度認識した。
 「楽しく安心して遊びや生活ができるようにする」の中の「安心」には,「安全」という意味も含まれると考え,ゲストティーチャーとして用務員に,窓の防護柵の修繕やアスレチック・校舎内での木のささくれなどによる事故やけがの予防について話してもらった。
 鍵のかかった部屋の一つに防災備蓄倉庫があり,中をみんなで探検し,校庭の探検では,防災倉庫も見ることができた。職員室で監視カメラを見つけた児童がいたので,みんなで確認し,学校の中には,非常口や消火器,防火シャッター,消火栓などがあることにも気付くことができた。

●探検カードの活用
 この時期,まだ字が書けない子も多いので,探検から帰ってきたときに,カードの端に「おんがくしつ」「ほけんしつ」「かていかしつ」など教師が書いてあげると,後でカードを読み解く手立てとなる。

●活動を繰り返す
 ○何度も探検に行く
 ○「おはなしこうかん」(情報交換)
 探検から帰ってきたとき,初めて行った場所や発見したこと・もの・人について2~3人に発表してもらい,新たに行ってみたい場所や見てみたいもの,会ってみたい人への関心を高める。
 探検へ行く前に3分ほど,隣の子と学校探検で見つけたことや出会った人などについて「おはなしこうかん」(情報交換)をすることで,次に行ってみたいところや会ってみたい人への関心を高める。

●鍵のかかった部屋
 始めから鍵を開けておかないことにより,なぜ鍵がかかっているのか,中はどのようになっているのかと考えるきっかけとなる(コンピューター室,防災備蓄倉庫など)。

●置いてある物に触らない
 理科室や家庭科室には,危険なものもあるため,グループで自由に探検をしていると目がいき届かないので,置いてあるものには触らないという約束を決めた。
 音楽室には,楽器がたくさんある。触ってみたいが触ってはいけないという約束から,「こんど,がっきをならしてみたいな」という言葉が出てくる。その言葉を拾い,みんなで音楽室へ行き,みんなで使うものだから大切に使うことを約束してから使うようにさせることで,楽器の使い方を学習することができる。

「あきと なかよし」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

あきと なかよし
全25時間 10月~11月

2.単元のねらい

sei003_01 駅のすぐそばにある学校で,駅の中を通りながら通学してくる子どもも多い。マンション,新興住宅地が多く,自然の少ない校区である。
 入学して半年たち,子どもたちは音楽会,運動会など大きな行事を体験し,たくましくなってきている。今までは,学校の中で最年少であるので,上級生からしてもらうこと,優しくされることが多かった。しかし,入学前まではそれぞれの園で活躍してきた子どもたちである。本単元では,そんな子どもたちの力を十分に出したい。
 学校全体で行う「ドリームフェスティバル」では,1年生がゲームのお店を出して上級生を楽しませる活動を行い,保育園・幼稚園の交流会では,年下を楽しませるという活動を行う。多くの人と交流できる機会に1年生がお店屋さんになり,相手を楽しませることを体験する。他人に楽しんでもらうためには,1年生の子どもが十分に楽しまなくてはできないことである。一人ひとりが十分に自然に楽しみ,自然のおもしろさや不思議さに浸らせたい。そこから,他人も楽しませたいと思えるように,子どもの思いを大切にしていきたい。

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3.単元の目標

○生活への関心・意欲・態度
・身近な自然の中から,進んで秋を見つけようとしている。
・落ち葉や木の実をつかって,友だちと楽しく遊ぼうとしている。

○活動や体験についての思考・表現
・諸感覚をつかって,身近な秋を観察している。
・秋の自然をつかって,遊ぶものを工夫してつくったり,友だちと楽しく遊ぶために方法を考えたりして,それを表現している。

○身近な環境や自分自身への気付き
・四季の変化や季節によって自然の様子や生活の様子が変わることに気付いている。
・友だちとかかわって遊ぶ楽しさ,友だちの良さや自分との違いに気付いている。
・友だちと一緒に遊ぶ楽しさや,秋の自然とかかわる楽しさに気付いている。

4.活動の計画

事前準備

●下見
学校周辺にある秋の自然物がある場所への下見
 自然物が相手なので,探検に行く日にちの設定を考えた。ホールは多くのどんぐりが豊富にあるのだが,今年はスズメバチが11月になっても飛んでいて,行くことができなかった。下見では,子どもたちが夢中になるであろう物,危険箇所,探検場所などの安全面も見るようにした。
校外学習の下見
 秋に一度,バスに乗って校外学習へ出る。これを秋見つけの一つに設定したため,夏休みに校外学習のコースを歩き,集合場所,トイレ,トイレの時間,活動場所などの一日の流れを設定した。

環境設定

●導入
 下見をして拾ってきたどんぐりを教室に置き,子どもたちが関心をもてるようにした。

●イメージマップの活用
 秋のイメージマップをつくって教室掲示し,どんどん増やしていけるようにした。今後,冬見つけの単元でも冬のイメージマップを作成する予定である。四季を感じさせたいと考えている。

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●掲示物
 どんぐりや紅葉する葉の種類の絵本をカラーコピーし,いつでも子どもが見ることができるように教室に掲示した。また,保幼交流会までの見通しをもつように,カレンダーの掲示をした。

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●子どもたちの活動の保障
 自分が見つけた秋について発表する時間を設けた。まつぼっくりが開いたり閉じたりすることを発見し,その実験が流行った。子どもが自由に実験したり,どんぐりから出てきた虫を飼ったりすることができるようにしたりした。

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5.単元の流れ

活動[時数]

対話に見る活動の様子(子どもの思考の流れ)

1 あき,み~っけ
[7時間]
●秋探しをする。(学校,学校の周り,校外学習)
●秋のイメージマップを作成する。
●交流をする。

「アサガオのはっぱが小さくなったし,少なくなったよ。」

『どうしてかなあ。』
「秋になったからだよ。」

『秋をさがしてみよう。』
「どんぐりは,○○神社に行けばたくさんあるよ。」

『どんなものを見つけてきたかな。』
「どんぐりです。こんなに大きいよ。」
「まつぼっくりを見つけました。」
「見て,見て。どんぐりはよくまわるよ。」  
        ↓
『見つけてきた秋の宝物をつかって遊ぼうね。』

2 あきの たからもので あそぼう
[10時間]
●秋の宝物をつかって,楽しむ(個人での活動)。
●友だちと一緒に楽しく遊べるゲームをつくる。
●秋の自然に浸る。

個人の活動の中での会話

sei003_07「よくまわるどんぐりゴマはね…」
「競争しようよ。」

『お友だちと一緒にやりたいって,お友だちが増えました。次は,お友だちと楽しいゲームをつくりましょう。』
「どんなゲームがいいかな。」

『秋の発見をしたお友だちがいます。発表をしてもらうね。』
「まつぼっくりが開いたよ。」
「僕のも!」「私のも!」「どうしてかなあ。」「本で調べたら,いいんだね。」
「ひっつき虫を見つけたよ。」
「○○君とは違うひっつき虫を見つけたよ。」

初めは生活科での活動であったが,日常的な活動になっていった。

3 あきとなかよしランドを ひらこう
[8時間]※児童会の時間を利用
●作戦会議を開き,ゲームをパワーアップさせる。
●保幼交流会に向けて,ゲームの改良をする。
●保幼交流会を行う。

『今日は,1年3組なかよしランドです。ゲームをパワーアップさせるために困ったこと,良かったことを見つけましょう。』
「けん玉は壊れやすいから,丈夫にしてほしいね。」
「宝物つりは,お客さんが多くてつりざおがからまるよ。」

『もらった困ったカードは,ゲームをパワーアップさせるヒントです。どうするのか作戦会議を開きましょう。』
「せっかくつくったけど,フィールドでどんぐりごまが回しにくいって,カードが多かったね。簡単コースもつくろうよ。」
「負けって言うと,悲しくなるって。」
「がんばれって言おうよ。」

『保育園・幼稚園のお友だちが楽しむために,ゲームをどうしたらいいですか。』
「ルールを優しくしよう。」
「お兄さんやお姉さんにツバキの実って,何ですかって,何度も聞かれたよ。見本を見せるといいよね。」

6.評価について

振り返りを大切にする

 振り返りカードを用意し,本時の活動を振り返る時間を設けた。小単元「あき み~っけ」で使用するカード,その後での制作活動を行ったときのカードの2種類を用意した。制作活動を行ったときに使用したカードでの留意点は,時間をかけないこと,がんばりや友だちとの交流が見えること,次時の活動につなげられるようにすること,グループ内の様子を把握することである。

●時間
 時間を決めた。徐々に短くしていった。

●カードの視点
 カードに書くにあたり,視点を与えた。

●交流
 子どもたち同士が交流できるように,次時の初めに,担任から数名のカードの紹介をしたり,掲示をしたりするなどして,交流に努めた。

●グループ内の様子
 たくさんのグループの様子を毎時間把握するのは困難である。カードから様子を把握し,気になるグループは次時に中心に回るようにし,子どもの様子を把握する一つの方法にした。

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7.教師の手立て

●振り返りカードの活用

●教室掲示

●子どもの気持ちをアップさせる言葉・物
秋の拾ってきた自然物 秋の宝物
秋の宝物箱の利用
作戦会議 パワーアップ

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●きれいな付箋紙
よかったカード…ピンク
こまったカード…青
好きなように張りかえができる。似た内容のカードを分類することができる。

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「大すき! ○○小学校」(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

大すき! ○○小学校
15時間 1月~2月

2.単元のねらい

 本単元は,おうちの人から届いた手紙をきっかけに入学後1年間を振り返りながら,過ごしてきた学校での時間や出来事,場所や人への愛着と,そこでの自分の成長を実感し,今後の学校生活に意欲や自信をもつことができるようにすることをねらいとしている。個々の充実感や活動を学級全体で交流し共有する時間を設定することで,自分だけではなく,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付いてほしい。さらに,その気付きに共感することで,自分を取り巻く多くの人々や生活を共にする友だち,また,自分の成長につながる一年間の多くの体験に対する気付きへと広げていきたい。
 子どもたちは,今の自分を起点にして4月までを振り返り,今感じている思いや成長に至るまでに,どんな出来事があったのかを思い出しまとめてきた。そして,それを学習参観でおうちの人に教えたいという目標に向かって取り組むなかで,友だちの思い出に対する興味が出てきた。話し手は,自分自身が身につけてきた力とともに,毎日過ごした学校,クラス,仲間への愛着に気付くとともに自分への自信をもち,それを自分なりの方法で伝えていく。そして聞き手は,友だちの話を手がかりに,自分と「大好きなもの」とのかかわりを,より詳しく伝える方法に気付き,おうちの人にもっと伝えたい,これも教えたいという願いが膨らむ。また,友だちと自分との共通点や違いに気付き,様々な思い出があることを実感し,一人ひとりが満足感や学校生活の充実感をもてていることを感じながら「自分っていいな。あの子っていいな。このクラスっていいな。仲間と成長しながら来年もすごしていきたいな。」という実感をもってほしい。

3.単元の目標

 入学してからこれまでの学校生活について振り返り,自分だけではなく,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付くことができるようにするとともに,これからの学校生活に対する希望や期待をもつことができるようにする。

○生活への関心・意欲・態度
・入学後1年間を振り返りながら,過ごしてきた学校での時間や出来事,場所や人への愛着と,そこでの自分の成長を実感し,今後の学校生活に意欲や自信をもつ。

○活動や体験についての思考・表現
・おうちの人からの手紙をきっかけに,今の自分が得意なこと・好きなものを思い浮かべ,今を起点に一年間を振り返ることができる。
・振り返ったことをもとに,自分の伝えたいことを伝えたい内容にあった方法で表現し,おうちの人や友だちに教えることができる。

○身近な環境や自分自身への気付き
・学校生活や思い出を振り返ったり,伝えたいことを表現したり,おうちの人や友だちに教えたりする活動をとおして,友だち一人ひとりにも満足感や達成感,大好きなものとの思い出があることに気付くことができる。さらに,それぞれの気付きを共有することで,自分と仲間の成長に気付くことができる。

4.活動の計画

事前準備
 三学期が始まってすぐに,活動への意欲づけのため,おうちの方に手紙のお願いをした。手紙は,導入時だけではなく,活動全体に関わるものである。「手紙の返事をしたい。おうちの人に教えたい。」と子どもたちにとって本単元を通しての目標となるものにしたかった。そのため,学年便りで次のお願いをした。

~手紙のお願い~

1 入学の頃を振り返って
・入学を控えた3月や入学式の頃を振り返り,お子さんの様子(不安,喜び)やおうちの方の気持ちを書いてください。
例1「1年生になったばかりのころ,○○ちゃんは…だったね。」
例2「1年生になるまえ,おとうさんと おかあさんは,…きもちだったよ。もうすぐ○○小学校に にゅう学してから1年たつんだね。」

2 保護者の皆様が小学生だった頃の,学校での思い出
・小学校で好きだった,場所や時間,遊びなどを書いてください。
例1「おとうさんが小学生だったころ,○○のじかんが 大すきだったよ。」
例2「おかあさんが小学生のころは,いつも○○をしていたよ。」

3 お子さんへの質問・投げかけ
・お子さんが「おうちの人に教えたい。」と思えるような投げかけをお願いします。
例1「○○くんは,○○小学校で どんなことが すきになったの?ききたいな。」
例2「○○ちゃんの,おきにいりの○○(場所,遊び,人)を おしえてね。」
例3「おとうさんもおかあさんも しらない ○○小のおすすめの○○(場所,遊び,人)を見つけたかな?」

*いただいた手紙は,『大好き!○○小学校』の学習で子どもたち一人ひとりが開封します。保護者の皆様からいただいた手紙をきっかけにして,一年間の成長をまとめていく学習を展開していこうと考えています。 

環境設定
●「しょうかいしよう」(11/15時間) 場の設定

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おはなしグループ

・8~9名の4つのグループに分かれて,一人ひとりが大好きな○○小学校でのことを伝える。
・お話は3交代で,6分ずつ行う。
・6分間の中で,聞く側の子は,3人の話す子の所に自由に行き話を聞く

話し合いグループA(1・8班)
図書室(3)・友情の輪・なわとび・給食(2)・切り株・鉄棒

話し合いグループB(2・3班)
フラフープ・なわとび・折り紙・国語・給食(3)・なわとび(2)

話し合いグループC(4・7班)
なわとび(2)・給食・1年2組・あそび・フラフープ・切り株・先生・図書室

話し合いグループD(5・6班)
給食(2)・図書室(2)・なわとび(3)・ペントミノ

5.単元の流れ

活動[時数]
●内容 ★ねらい

子どもの活動の様子

1 手がみがとどいたよ
[1時間]
●お家の人から届いた手紙を読もう。
・僕の好きな場所を教えたい。
・私の一番好きなものって何だろう?
・大好きな人を紹介したいな。

★お家の人からの手紙を読み,学校のことを家族に教えたいと意欲をもつ。

1月16日(木)1校時(教室)
 お家の人から届いた手紙を手に,「早く読みたい。」「何て書いてあるのかなあ。」と子どもたちはとてもうれしそうにしていた。いざ,読むときになると丁寧に封筒を開き,真剣なまなざしで何度も何度も読み返していた。「お父さんも小学校でサッカーやってたんだ。同じだ。」「お父さんの小学校は給食があまりおいしくなかったんだって。ぼくたちと違うね。」「質問も書かれてる。」と口々に話し始めた。お家の人の子ども時代の遊びや好きだったこと,聞かれている質問を教え合った。
「返事の手紙,書きたい。」「書こう書こう。」「手紙だけはつまらない。」「サプライズしたい。」「学校に呼びたい。」などと話し合いが進み,お家の人に教えてあげたいと意欲をもつことができた。「先生,学習参観ある?」と聞かれたので,2月14日にあることを伝えると,「そこだ!」と目標の日が決定した。

2 大すきな○○小学校
[2時間]
●すきすきカードをかこう。
・場所・給食メニュー・人・時間・勉強・行事など,この1年間で好きになったを挙げていく。

★好きな場所,好きなものなどについて思いをふくらませ,自分の紹介したいものを決める。さらに,紹介する方法を考える。

すきすきカード。何を教えてあげようかな。

すきすきカード。何を教えてあげようかな。

1月16日(木)2校時(教室)
 「何を教えてあげようか。」という教師の問いかけに対し,「好きなこと」「じまんできること」「とくいなこと」が挙がり,①給食(メニュー,当番)②遊び(サッカー,なわとび,折り紙…)③授業(体育,生活,きれいな字…)④場所(遊具広場,友情の輪…)⑤時間(図書,掃除,下校…)⑥秘密(木の切り株,放送局…)⑦人(1年2組のみんな,友だち,先生)⑧行事(運動会,たてわり)などが積極的に出された。友だちの考えを聞いて「いいね!」「賛成!」などの言葉とともに,うなずいたり拍手をしたりする姿も見られた。
 本時はクラス全体で思い出すままに出し合ったが,次の時間には,自分が教えたいものを決めることを伝えると,腕組みをして表を見つめ,どれにしようかと考えている児童もいれば,「これ」と決まっている様子の児童もいた。

3 大すきな ○○小学校を もっと くわしく おしえて
[7時間]
●くわしくおしえるためには…。
・インタビューをしに行こう・改めて見に行こう。
・観察しよう・思い出そう・振り返ろう。
・練習しよう・調べてみよう。
・わかりやすく伝えるにはどうやってまとめようか。

★好きな場所や好きなものについて自分の気持ちを伝えるための方法を考え,調べたりインタビューしたりする。

教えるために必要こと。

教えるために必要こと。

1月30日(水)3・4校時(PR=プレイルーム)
 「今日の活動で,したいことは?」の問いかけに「絵の続きを描きたい。」「教えるときの言葉を書きたい。」「詳しくしたい。」「本物を見に行って描いてきたい。」といった思いが出された。実際にその場所へ行き,質問や観察に行く児童もいた。活動中,教えたいことや好きな理由を書きながら,さらに教えたいことに気付く児童がいた。「好きな給食を教えたい→理由は調理員さんが…だから→当番の仕事で…だから→調理員さんのことも教えたい→配膳がうまくなったことも伝えたい→やってみよう」「大好きななわとびの話をしたい→一緒に遊んだ友だちも描こう→友だちがアドバイスをしてくれたからできるようになったんだ→うれしかったときの気持ちも教えたい」というように広がりが見られた。その一方で,教えたいことや教え方に自信がもてずにいる児童には,教師が質問をしたり対話を繰り返したりしながら,その時間のことやそこでの出来事を聞き出し,表現できるようにした。

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1月31日(木)2校時(PR)
 「昨日よりもっとしたいことはある?」と問いかけると,「好きになった理由を書きたい。」「好きになるまでのことを書きたい。」「思い出を書きたい。」「今まで絵ばっかりだったから,話す文を書きたい。」などの意見が出た。選んだ対象とのかかわりや出来事に目を向けられる児童が増えてきた。好きな給食ランキングに取りかかっていた児童は,これだけではおうちの人を喜ばせることはできないと考え,給食室の見学や調理員さんとの会話をしたいと考え始めた。

さくせんタイム。おうちの人が聞きたいことって?おうちの人が知りたいことって?

さくせんタイム。おうちの人が聞きたいことって?おうちの人が知りたいことって?

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2月1日(金)1校時(教室)
 「おうちの人にお話ししたとき,どんなふうに思ってもらいたい?」その問いかけに対し,「喜んでほしい。」「わくわくしてほしい。」という考えが出た。「他に,こうなってほしいってことがある?」と考えていった。「がんばったことを知ってほしい。」「何をしてきたのかを知ってほしい。」「知ってほしいのは,一年間の思い出。」という考えから,自分のお話を振り返ることにした。「みんなのお話で,『おうちの人にこう思ってほしい。』が叶えられる?」班ごとに,足りないことやもっと書きたいことを話し合った。「対象と出会ったときのこと」「一緒に過ごした日のこと」「けんかや失敗」などの思い出や出来事,気持ちをもっとたくさん伝えたいとふくらんだ。

2月1日(金)2校時(PR)
 2校時の始め,好きな給食ランキングを書いていた児童から「給食の先生に話を聞きたい。そのこともおうちの人に教えたい。」と希望が出た。給食について教えたい児童同士誘い合って,給食室に行くことにした。戻ってきた児童は,好きな給食だけではなく,大好きな給食がつくられている場所やつくってくれている人についても教えたくなった。「一年間」という長い時間の出来事を伝えたいという意識が強く表れてきた。
 授業の終わりに近づくと,今日の活動でどれくらい教えたいことがふくらんだかを,2本の指や腕の幅で表す姿が見られた。初めのころと今を比べたり,友だちと比べっこをしたり様々である。次はもっと書こう,これを書こうと会話を楽しんでいた。「今日は何を書いたの?」「みんなのも聞きたい。気になる。」「ヒントになるかも。」「アドバイスをもらったり。」「僕も。聞いてほしいし。」「先生,今度見せっこしていい?」「いいね!」そんな会話から,来週,お試しでお話をすることになった。

2月4日(月)1校時(教室・PR)
 授業の始めに今日の作戦を考え,作戦が決まった児童から活動に取り組んだ。「見に行く・聞きに行く」「つくる」の他,「どこでだれと」「最初のころ」「楽しかったこと」「がんばったこと」「成功や失敗」を思い出すことに作戦は集中した。作戦に沿って熱心に取り組む様子が見られた。おうちの人に話す前に,お試しの話をすることに決まったことで,気持ちも高まったようだ。

4 ともだちにおしえてあげよう
[4時間]
●しょうかいしよう。
・「みんなの大好きを見てみよう」
・好きな○○は□□です
・どうしてそこがいいの?
・どうしてその人がすきなの?

★大好きな○○小学校のことを伝える交流活動を通して,友だちの気持ちに共感したり,自分との違いに気付いたりすることで,自分のやりたいことを見つけることができる。

友だちに紹介する様子。

友だちに紹介する様子。

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●バージョンアップをしよう。
・友だちからの質問への答えを書きたそう。
・友だちの良いところを参考にしよう。

★お家の人に,自分と「大好きなもの」との関わりや大好きな気持ちを詳しく伝えるために,絵や文を書き足す。

2月6日(水)5校時(PR)
 「今日の活動で楽しみなことは?」という問いかけに対し,「お話を友だちに聞いてほしい。」「友だちの話を聞きたい。」「話したり聞いたりして,アドバイスをもらいたい。」「バージョンアップできるかも。」という答えが返ってきた。みんなの大好きな場所や大好きな人の写真をパワーポイントで提示し,友だちの「大好き」に興味をもてるようにした。今まで個人での作業だったにもかかわらず,写真を見ただけでだれが選んだものか分かっている児童もいた。
 4つのお話グループに分かれ,お話を聞き合った。絵をのぞき込んで話を聞いたり,質問をしたり,ほめ合ったりしながら,自然と拍手が起こっていた。
 再び全体で集合し,振り返りをした。「お試しをして,どんな『すてき』があった?カード(7.教師の手立て参照)を使ってお話ししてみよう。」「選んだものは同じだったから,好きっていう気もちがわかった。でも,好きな理由が違ってびっくりした。」「○○くんに,そんな思い出があったなんて知らなかった。」「できなかった頃や,できるようになったときの気もちが,よくわかった。私にもそんな時があったなって思い出した。」「できなかったときのことを書き足したい。」「もっと思い出を書こうと思った。」
 友だちの話を聞いて,もっとしたくなったことが出てきたので,10分間バージョンアップに取り組んだ。

2月7日(木)3校時(PR)
2月13日(水)1・2校時(PR)
 前時に見つけた「もっとしたいこと」にそって,自分の作品をバージョンアップさせていった。思い出や失敗,成功したときの気持ちの他,二年生に向けての目標や友だちへのメッセージなども書き足された。時間さえあれば何時間でも続けられそうなほど熱中している。友だちに話したことで,「もっとわかりやすく伝えるためには。」と考えたり,話し方の練習をしたりと「お家の人に早く教えたい。」という気持ちもさらに強くなった。言葉だけではなく,実物や実際にやっているところを見せたいという思いも出てきた。


5 おうちの人におしえてあげよう
[1時間]
●ぼく・わたしの大すきをおしえてあげよう。
・大好きな○○を見つけたんだよ。
・こんなにがんばったんだよ。
・すごいでしょ。
・こんなことをしてすごしてきたよ。

★紙芝居や絵本,模造紙を使って,大好きな○○小学校のことをお家の人に伝える。

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2月14日(木)5校時(教室)
 授業の導入として,「しょうかいしよう」で使った写真に加え,手紙が届いてうれしそうに読んでいるときの様子や,今日まで準備してきた日々の写真をパワーポイントで紹介した。その後,生活班分かれて班ごとにお家の人にお話を始めた。
 友だちに話したときに比べ,相手の見やすさを考えた伝え方ができていた。模造紙は壁に貼って指し棒を使い,絵本は相手に絵や文が見えるように持って話をしていた。友だちやお家の人を大好きな場所に連れて行き,なわとびやフラフープ,鉄棒などは,テラスで披露する姿が見られた。

2月15日(金)3校時(教室)
 活動の振り返りをした。今までのがんばりや工夫したことを話す友だちに対し,「そうだったね。がんばっていたね。」「そのアイデアは僕もまねっこしたよ。」「○○ちゃんすごかったよね。」などと相づちをうっていた。
 「大好きな○○小学校のことを考えながら一年間を振り返ってみたけど,この一年はどんな一年だった?」と問いかけた。「大好きなものをいっぱい見つけた。」「得意なことが増えた。」「初めは全然知らなかった学校のことが,今はいっぱい知っていて,家の次にほっとする。」「僕もすごく成長したけど,みんなも同じくらい成長していた。」という答えが返ってきた。
 「これからみんなは二年生になるんだね。どんな二年生になるんだろうね。」と投げかけると,「今よりパワーアップするよ!」「ちょうどまた一年たったら,もっとすごくなってるね。」「早く二年二組になりたい。」と口々に話していた。

6.成果と課題

 子どもたちは,自分はもちろん,友だちにも大好きなものや大切な思い出が様々にあることに気付き,一人ひとりが満足感・充実感を持てていることを感じ取ることができた。
 クラスの中には「伝えたいことはあっても表現が苦手」「表現できてもお話が苦手」「したいことがあり理想が高くても力が伴わない」などといった子どもたちがいる。しかし,どの子も手紙がうれしく,お家の人が大好きで,自分が成長したことを感じており,それを伝えたいと思っている。本活動では,自分の選んだ方法で,その思いを目に見える形に表し伝えることができた。手紙が届いたこと,友だちと見せ合うこと,友だちやお家の人と対話すること,だれかにほめられること,その繰り返しで意欲は生まれ,願いが広がっていった。
 本活動は,個人での活動が多い内容であった。子どもたちの意欲が強まり,また,持続するためにも,教師の目・気付く心・伝える言葉がいかに必要なことで難しいことかを感じた。今後も一人ひとりを大切にし,子どもを見つめる目を養っていきたい。

7.教師の手立て

 友だちの話を聞いて,感想や意見を言うときに3枚のカードを活用している。

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 1.共感 自分にもそんな経験あるよ。気持ちがわかる。

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 2.驚き びっくりしたよ。知らなかった。すごいね。

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 3.感心 そうだったんだ。なるほどね。

「え顔 いっぱい 大作せん!」(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名/時数・実施時期

え顔 いっぱい 大作せん!
全時間12時間+課外 12月~1月

2.単元のねらい

 本校は,大阪市の南東部に位置し,校区の北の端には,大阪中央卸売市場の一つである東部市場が存在し,周辺にはそれに関わる施設が立ち並んでいる。JR東部市場前駅やJR百済貨物駅があり,全国各地とつながっている。また,国道や市道が複雑に交差し,一日中交通量も多い地域である。校区の南側は,住宅地が多く,子どもたちの憩いの場となる緑地や児童公園も多く見られる。
 生活科の学習では,1学期は「レッツゴ―! 町たんけん」2学期には,「ドキドキわくわくフェスティバル」「人に優しい工夫がいっぱい 天王寺駅たんけん」など体験的な活動を行い,たくさんの人と関わってきた。このような活動を通して,子どもたちは,人と関わる心地よさに気付きつつある。
 本単元では,自分に一番身近な人,「家族」に焦点を当てる。家の仕事を体験することによって,家族の一員であることを自覚し,家族のために役立つ喜びと自信を体感させたいと考え取り組んだ。

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3.単元の目標

○生活への関心・意欲・態度
 家庭での生活について,興味・関心をもち,自分にできる役割をすすんで行い,規則正しく健康に気をつけて生活できるようにする。

○活動や体験についての思考・表現
 家族のことや自分でできることを考え,家庭や家族のことについて調べたことや体験したことをまとめたり表現したりできるようにする。

○身近な環境や自分自身への気付き
 家庭生活において自分のできる仕事を実践する中で,自分も家族の一員であることに気付くとともに,仕事に込められた家族の温かい思いやりに気付くことができるようにする。

4.活動の計画

事前準備
●家庭との連携を大切に
 この単元は,家庭での活動が大変重要になる。そこで,学習のねらいや学習内容を「学年便り」などを通じて,各家庭に知らせておくことが必要である。また,子どもが家庭でできる仕事を見つけ,継続して仕事を行う。その時には,ただ仕事をするだけでなく,仕事の手順を覚えたり,こつをつかんだりすることができるよう家庭での支援もお願いしておく。

●プライバシーに配慮した活動計画を…

日直スピーチ「さいころトーク」お題

日直スピーチ「さいころトーク」お題。

 絵日記や朝の会の日直スピーチから,家庭での子どもの様子を事前に把握しておく。また,家族構成や家庭生活の様子は,各家庭によって異なるので,各々の子どもの置かれている状況を十分に理解しておく必要がある。

5.単元の流れ

活動[時数]

対話に見る活動の様子(子どもの思考の流れ)

1 家で どんなことを して いるのかな?  
[2時間]
●家族と一緒にしたことを絵と文で表現し,伝え合う。
●家の仕事やその仕事をしている人を考え,表にまとめる。
●挑戦したい家の仕事を考える。

『家で,家族の人とどんなことをしているのかな?』
 「お兄ちゃんとボール投げをするよ。」
 「妹の面倒をみたよ。」
 「お母さんと料理をつくったよ。」
 「みんなでお鍋を食べたよ。」
『一番紹介したいことをカードに書こう。』
 「どれにしようかな?」
 「弟と遊んだことにしよう。」
 「お手伝いしたことにしよう。」

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『カードに書いたことを友だちに伝えよう。』
 「家でパンをつくったよ。おいしかったよ。」
 「お父さんとキャッチボールをしました。楽しかったです。」
『友だちの発表を聞いて,どう思いましたか?』
 「○○さんは,包丁が使えるんだ。すごいな。」
 「私も,やってみたいな。」
『家の仕事には,どんな仕事があるかな?』
 「料理,洗濯,買い物,掃除,風呂洗い…。」
『誰がどんな仕事をしているか調べてみよう。』
 「お母さんの仕事がとても多いよ。」

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『このままでいいのかな?』
 「自分にできそうなものもあるよ。」
『どの仕事ができそうかな? 考えてみよう。』
 「洗濯たたみなら,ぼくにもできるかな。」
 「食器も洗ってみたいな。」
 「お風呂洗いも楽しそう。」

2 家の しごとに チャレンジ!  
[課外 2週間]
●仕事の手順やこつを見つける。

『家の仕事にチャレンジしよう。』
 「一人でできるようになったよ。」 
 「家の人に,ほめられたよ。」
 「友だちにも見せたいな。」

3 しごと名人 大作せん!  
[3時間]
●チャレンジした仕事を紹介する方法を考える。
●同じ仕事をチャレンジした友だちと交流する。

『友だちに紹介する方法を考えよう』
 「服をたたむところを見てもらおう。」
 「順番を言って,見ている人にたたんでもらうのもいいね。」
 「こつはカードに書いておこう。」

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『同じ仕事の仲間で集まって,紹介する練習をしよう。』
 「同じ洗濯たたみでも,○○さんとたたむ方法がちがうよ。」
 「○○さんのこつは,分かりやすいな。」 

4 名人わざを しょうかいし合おう  
[2時間]
●チャレンジした仕事を紹介する。

『名人技を紹介しよう。』
 「○○さんは,お米をひと粒もこぼさなかったよ。丁寧だな。」
 「○○さんのたたみ方は,洋服屋さんみたいに速い。」
 「○○さんの食器洗いは,キュッキュッと音が鳴ったよ。」

5 「ありがとう」を とどけよう  
[1時間]
●家族へ感謝の手紙を書く。

『家の人に感謝の手紙を書こう。』
 「いつも,ありがとう。」
 「これからは,自分のできることは自分でするよ。」

6.評価について

①気付きを価値付け,意欲や自信につなぐ

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 小さい妹の面倒をみて,泣かさないように起こす。こぼさないように口に入れる。という気付きに,指導者が「面倒をみるためのこつがたくさんあるね」と価値付けることによって,大きな意欲や自信につなげる。

②新たな課題発見につなぐ

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 野菜を切るお手伝いで,お母さんの言う通りに切れて,活動の結果に満足している子どもに,「次は,いろいろな形に切れるようにがんばってね。」とコメントする。そうすることによって,どんな切り方があるのかな? 次は,違う切り方にチャレンジしようという新たな課題につなげる。

③活動の活性化につなぐ
 解決法が分からず,困っている子どもには,具体的な方法をいくつか示して選択させたり,グループの友だちと協同的な学びを促したりして,活動の活性化につなげる。
例)絵にかく,文字で書く,やって見せる,どれが分かりやすいかな?
  他の方法がないか,グループで話し合ってみよう。

7.教師の手立て

●学習カードでつなぐ

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 体験的な活動のやりっぱなしではなく,感動や共感,発見,気付きなどを自分の言葉で書けるように,その日の活動に応じて,学習カードを用意した。学習カードに書くことによって,伝えたい「人・もの・こと」を整理することにつながる。書いた学習カードは,教室に掲示し,学級全体で友だちの気付きや思いを共有することにした。どのように書けばよいか分からない子どもへのヒントにもなった。また,指導者も子どもの気付きや思いを把握し,次時への支援の手立てとして活用することができた。

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 今回使用した学習カードでは,「○○さんのすごいところは」という枠を設けることによって,互いのよさを認め合える場となった。カードに登場した子どもは,次時への意欲が高まり,今度は自分が友だちのよさを見つけようとする姿が見られた。このように,学習カードに自分の思いや友だちのよさを書くことにより,活動そのものを豊かに進展させ,深化へと導いた。さらに,相手との心をつなぐことにもなった。

●板書でつなぐ

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 家の仕事の名人技について紹介し合う場面では,仕事ぶりが3つの視点(ていねい,きれい,はやい)で分類することができた。仕事内容は違っても,どれも家族を思う気持ちが込められており,「家族のために」「家族が喜ぶように」という言葉でまとめることができた。