「江戸時代を生きた人々」 江戸時代の文化・学問(第6学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「江戸時代を生きた人々」 江戸時代の文化・学問

2.目 標

○態度
 江戸時代には,歌舞伎や浄瑠璃,俳句や浮世絵などの町人を中心とした文化や国学や蘭学といった学問が広がったことに興味・関心を持ち進んで調べようとする。

○理解
 
江戸時代には,歌舞伎や浄瑠璃,俳句や浮世絵などの町人を中心とした文化が広まったこと,また,国学や蘭学といった学問が広がったことを理解する。

○能力
 
教科書や資料集,その他の資料を活用して,江戸時代の文化や,学問について調べ,分かりやすく表現することができる。

3.評価規準

○関心・意欲・態度
 江戸時代に広がった町人を中心とした文化や学問について,興味を持って意欲的に調べている。

○思考・判断・表現
 江戸時代の文化や学問の広がりについて,具体的な人物と結びつけて考え,効果的に表現している。また,平和で安定した世の中になったこととつなげて考えている。

○観察・資料活用
 教科書や資料集,出島の見学などを通して必要な資料を集め,効果的に活用している。

○知識・理解
 歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学といった江戸時代の文化や学問について,具体的な人物と結びつけて理解している。

4.本単元の指導にあたって

 江戸時代は,戦乱が終わり,平和で安定した世の中へと変わっていった時代である。こうした社会を背景に,商人や町人が力をつけてきて文化の担い手となっていく。本単元では,歌舞伎や浮世絵などの文化,国学や蘭学といった学問を具体的に調べることを通して,町人の文化が栄え新しい学問がおこったことが分かるようにすることをねらいとしている。
 本単元の指導に当たっては,まず,歌舞伎や浮世絵などを映像資料で提示する。歌舞伎や浮世絵について知っている子どもも少なからずいると思う。次に,解体新書の解剖図や伊能忠敬の地図を提示し,その正確さに驚きを持たせたい。そして,学習問題へとつなげていく。調べる段階では,総合的な学習の時間と関連させて,鎖国時代西洋への唯一の窓口であった出島の見学を取り入れる出島を具体的に調べることを通して興味関心を高め,実感を伴った理解へとつなげていきたい。また,蘭学が長崎を中心に広がっていったことを知ることは,郷土への理解と愛情を深める上で、意義深いものであると考える。まとめの段階では,これまで調べてきたことをもとに,江戸時代の文化と学問について文章でまとめる活動を仕組むことで,言語活動をとおして,自分の考えをまとめることができるようにしていきたい。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

歌舞伎や浮世絵,解体新書や伊能図を見て、学習問題を設定する。

歌舞伎のビデオを見る。
・テレビで見たことがある。
・今も,続いている。

浮世絵を見て,版画であることを知る。
・とてもきれい。
・版画と知って,びっくりした。

解体新書の解剖図や伊能図を見る。
・とても正確だ。
・どうやって,作ったのだろう。

(関)
江戸時代の文化や学問について,関心を持ち,意欲的に発言したり,考えたりしている。

江戸時代には,どんな人たちが,どのような文化や学問をつくりあげていったのだろうか。 

学習問題の予想をし,調べる計画を立てる。

・戦国の世が終わって、平和になったから、平安時代のように文化が栄えたのではないか。
・服装を見ると,貴族や武士ではないようだ。
・長崎の出島から、西洋の文化や学問が入ってきていたのではないか。

(思・判・表)
学習問題に対する根拠のある予想をノートに書くことができる。



江戸時代の文化や学問について,教科書や資料集などを使って調べる。

歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学について,教科書や資料集などを使って調べ,ノートにまとめる。

(文化について)
・近松門左衛門,井原西鶴,松尾芭蕉。

(国学や蘭学について)
(杉田玄白)
・当時の日本の解剖図と,ずいぶん違う。
・玄白たちも驚いただろうな。
・何年もかけて翻訳するなんてすごい熱意だ。

(伊能忠敬)
・歩いてこれだけの地図を作ったのがすごい。
・50歳を過ぎてからよくできたなあ。
・長崎から,ヨーロッパの文化が伝わってきていたのかな。

(本居宣長)
・日本人古来の考え方を研究したんだ。

(資活)
調べたことをノートに分かりやすくまとめている。
必要な人物や事柄を落とさずにまとめている。


(本時)

出島を見学し,蘭学が長崎を中心として,各地に広がっていったことを理解する。
(※出島の見学は,1時間を社会科,3時間を総合とする)

出島を見学して,蘭学が長崎を中心として広がっていったことを理解する。
・解体新書やエレキテルがあるぞ。
・時計や方位を測る道具などいろいろある。
・西洋の学問が長崎から,広がっていったんだ。

(知・理)
西洋の文化や学問が、出島から入ってきて、日本の各地に広まったことを理解している。

調べてきたことをもとに,江戸時代の文化や学問についてまとめることができる。

調べてきたことをもとに,江戸時代の文化や学問についてまとめる。
・江戸時代は,平和で安定した世の中であった。町人が力をつけてきて,町人を中心とした文化や長崎を入り口とした西洋の文化,蘭学などの新しい学問が盛んになった。

(思・判・表)
調べて分かったことをもとに,学習問題に対する答えを書くことができる。

6.本時の学習

①目標
 出島の見学を通して,出島が西洋に開かれたただ一つの窓口であったことと,出島から西洋の文化や学問などが日本にもたらされ,当時の文化や学問の発展に影響を与えたことを理解する。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1.自分が考えた予想をもとに,見学を通して何を調べるかを確認する。
・出島が何のために作られたのか。
・出島ではどんなことが行われていたのか。
・出島では,どんな人たちが生活をしていたのか。
・出島には,どんな人たちがやってきたのか。

○出島内の施設を見学して,調べる。
・出島は,キリスト教を広めることがないよう,ポルトガル人を住まわせるために作られたんだ。
・絹や砂糖,薬など多くのものが輸入されていたんだ。
・医学や科学の本も一緒に輸入されていたんだ。
・医者も一緒に来ていたんだ。シーボルトは有名で,長崎の町で「鳴滝塾」を開いていたんだ。
・時計やエレキテルなど,いろいろな道具も入ってきていたんだ。
・将軍にあいさつに行くときに,泊まったのが「長崎屋」というところで,多くの蘭学者が集まってきたんだ。
・長崎には,蘭学を学びに,多くの人たちが日本中から集まってきていたんだ。

○自分がたてた予想をもとに,見学をするように促す。このとき,パンフレットを使って,どこにどのようなものが展示してあるかを確かめるようにする。

○自分が調べたいことがどこに行けば調べられるのかは,出島のウエブサイトを使って,下調べをするようにしておく。

○自分が調べる事柄を,ノートに書いておき,調べて分かったことは,ノートに記録できるようにしておく。

○「さるくガイド」の方もいらっしゃるので,必要に応じて質問しても良いことを伝える。

○子供たちだけでは,調べて難しいことも出てくると考えられるので,必要に応じて,教師が解説したり,アドバイスしたりする。

○出島の施設を紹介したパンフレット

○出島資料館の施設・展示物

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○調べたことをまとめる。
・出島を通して,西洋の文化や学問がいろいろ入ってきていたんだ。
・長崎は蘭学の中心だったんだ。

○自分が調べようとしていたことが調べられたかを確かめるようにする。

○長崎の出島は,江戸時代西洋の文化や学問などを取り入れるただ一つの窓口だったことをおさえるようにしたい。

○江戸時代の長崎は,西洋文化や学問の中心だったことを理解することによって,郷土に対する愛情を育てていきたい。


垂直・平行と四角形(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

垂直・平行と四角形

2.単元目標

 直線の位置関係や四角形について観察や構成などの活動を通して、直線の垂直や平行の関係、台形、平行四辺形、ひし形について理解し、図形についての見方や感覚を豊かにする。

○関心・意欲・態度
 身の回りから垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形などを見つけ、それらが使われている場面について考えようとしている。

○数学的な考え方
 辺の位置関係や構成要素を基に、各四角形の性質を見出し表現したり、各四角形の対角線の性質を統合的にとらえたりすることができる。

○技能
 垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形をかくことができる。

○知識・理解
 垂直な2直線や平行な2直線及び、台形、平行四辺形、ひし形の意味や性質について理解し、図形についての豊かな感覚をもつ。

3.単元について

 本単元で扱う垂直・平行と四角形は、学習指導要領には、以下のように位置づけられている。

第4学年 C図形
(1)図形についての観察や構成などの活動を通して、図形の構成要素及びそれらの位置関係に着目し、図形の理解を深める。
 ア 直線の平行や垂直の関係について理解すること。
 イ 平行四辺形、ひし形、台形について知ること。

 図形については、第2学年で「長方形と正方形、直角三角形」、第3学年では「二等辺三角形と正三角形」を学習してきている。これまでの学習は、図形をとらえる視点として、「辺や頂点の数」、「辺の長さ」、「角の大きさ」に着目している。ここでは、「垂直」「平行」「対角線の交わり方や長さ」という新たな視点が加わる。

【図形の定義と性質】
 図形教材の解説には、「定義」「性質」という言葉が登場する。

例)長方形の性質
 ・向かい合う2組の辺が平行である。
 ・向かい合う辺の長さが等しい。
 ・すべての角が直角である。
 ・対角線の長さが等しい。   など

 定義とは、数学用語の意味を規定する文章のことをいう。図形を定めるときに必要十分な性質をとり上げればよい。小学校では、児童にとって分かりやすく、使いやすいものであるかどうかを配慮する必要がある。
 例にあげている長方形では「4つの角がみんな直角になっている四角形」と定義しているのはこのためで、性質としては「向かい合った辺の長さが同じで、4つの角がどれも直角になっている四角形」という表現になるだろう。

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【垂直・平行】
 導入では、右図のようなワークシートを使い、点と点をつないで4本の直線を引きいろいろな四角形をつくらせる。児童が作った四角形を素材に、四角形を仲間分けする。分け方の観点は角に着目させ、直角を持つものとそうでないもの分けさせる。直角に着目させる活動を通して垂直を定義する。また、直線の並び方の違いに気づく活動を通して平行を定義させていきたい。そして、水平や鉛直に置かれた典型的な図形をイメージで受けとる児童が少なくないと考えられるので傾いている場合や交わらない場合も見逃さず理解させていきたい。

【台形・平行四辺形・ひし形】
 導入で使った四角形を素材に四角形の辺の平行に着目させていく。辺の平行を観察する活動を通して、台形・平行四辺形・ひし形の定義をしていく。また、定義や性質を再確認させながらそれらをいろいろな方法で作図できるよう指導していく。

【対角線】
 初めてとり上げる内容である。やや抽象的な要素なのでいろいろな四角形に対角線をかき入れたりして対角線の持つおもしろさや不思議さを感じとらせて進めていきたい。

4.指導計画(全16時間) 

小単元

時数

主な学習活動

直線の交わり方


(本時)

・いろいろな四角形をつくり、四角形に関心をもつ。
・2本の直線の交わり方を調べる。

・垂直な直線のひき方を考える。
・垂直な直線をひく。

直線のならび方

・紙を折って、平行をつくる。

・平行な直線と、それと交わる直線でできる角度を調べる。

・2枚の三角定規を使った平行な直線のひき方を考える。

・方眼を手がかりに、垂直や平行な直線の見つけ方を考える。

いろいろな
四角形

・四角形の仲間分けをし、台形・平行四辺形をかく。
・2枚の平行四辺形を使って平行四辺形の特徴を調べる。

・平行四辺形のかきかたを考え、かく。

・ひし形の性質を考え、かく。

・いろいろな四角形の対角線の特徴をまとめる。

・長方形や平行四辺形の1本の対角線で切り、できた2つの三角形を調べる。

まとめ

・平行四辺形のしきつめにとり組む。

・「しあげのもんだい」にとり組む。

5.本時の目標(1/16)

 2本の直線の交わり方を調べる活動を通して、垂直の意味を知り、その弁別ができる。

6.本時の展開

学習活動
★(予想される考え・反応)

指導上の留意点
☆(主な発問)

評価

 四角形をつくってみよう

・四角形を思い出す。
★「4本の直線で囲まれてできた図形です。」

・四角形の定義を確認させる。
☆「四角形とはどんな図形をいうのでしたか。」(2年生で既習済み)


・配付されたカードで、自由に四角形をかく。

・点と点をつないで直線を4本かき、四角形を自由につくらせる。(16個の点がかかれているカードを配付)
・最初は、例で教師が直線のひき方を説明する。
☆「カードには16個の点があります。点と点を結ぶと直線が1本できますね。このようにして、直線を4本かいて四角形をつくってみましょう。」

☆「いろいろな四角形ができましたね。」

・興味をもって四角形をつくっている。

 直線の交わり方を調べよう

・学習課題をつかむ。
・四角形をつくっている直線と直線の交じり方を見る。
★「交わっているところは4つです。」

・四角形をつくっている直線の交じり方に着目させる。
☆「つくった四角形で、直線と直線が交わっているところはいくつありますか。」

・直線が交じわっているところに着目している。

・四角形をつくっている直線はどのように交わっているか調べる。
★「とがっている。」
 「交わっているところは四角形の頂点です。」
 「角度がバラバラみたいです。」
 「交わっているところが直角になっているみたいです。」

・自分のつくった四角形で、直線が交わっているところを観察させる。
・気づいたことを発表させる。
☆「直線が交わっているところを見て、何か気がつくことがないかよく見てみましょう。」

・自分のつくった四角形をじっくり観察している。 

・直角に着目する。

・直角の確かめ方を確認する。
★「三角定規の直角の部分を使います。」
 「分度器を使います。」
・直角の部分があるかどうか調べ、自分の四角形を黒板に貼りにいく。

・直角(特別な特徴)があることで、直角がある四角形と直角がない四角形に分けさせる。
☆「直角かどうか調べるのにどうしたら確かにわかりますか。」
 「直角がある四角形と直角がない四角形に分けてみましょう。」
・黒板を使って各々がつくった四角形をはらせる。

・直角の確かめ方がわかっている。
・直角を調べることができる。

・黒板に貼られた四角形を見て確認する。

・垂直の定義を知る。

・垂直な図形をワークシートで確認する。

・分けた四角形を全体で確かめさせる。
☆「全体を見てこれでいいですか。」
・垂直の定義を知らせる。
☆「このように、直角で交わっている2本の直線は、垂直であるとか、垂直に交わっているといいます。」
・ワークシートを配付する。
・垂直な図形を全体で確かめさせる。ワークシート使用。

・垂直の定義がわかる。

・ワークシートの図形で垂直な図形を確認できる。

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・板書(垂直の定義)を写す。
・直線が交わっていない場合を考える。
★「垂直でない。」
 「垂直です。」
 「わからない。」

・板書(垂直の定義)を書く。
・直線が交わっていない場合も垂直であることを知らせる。
☆「このような場合はどうでしょうか。ワークシートに書き込みましょう。」

・直線が交わっていない場合は垂直かどうか考えている。

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・直接2本の直線が交わっていなくても、直線をのばせば垂直に交わるときは垂直であるということを知る。

・板書(垂直の定義)を写す。

☆「このように、直接2本の直線が交わっていなくても、直線をのばせば垂直に交わるときは垂直であるといいます。」
・板書(垂直の定義)を書く。

・直線が交わっていない場合も垂直であるということがわかる。

・練習問題にとり組む。

・練習問題にとり組ませる。
・テレビモニターに問題を映し、全体で確認させる。(指名)

・提示された課題を考えている。
・課題を解決できる。

・ワークシートに感想を書き、ノートに貼って提出する。

・本時の学習を振りかえさせ、ワークシートに感想を書かせる。

・本時の学習内容をまとめている。

米作りのさかんな地域 ~米作りの問題点を克服しようとするe-FARMの城戸さんたち~(第5学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

米作りのさかんな地域 ~米作りの問題点を克服しようとするe-FARMの城戸さんたち~

2.目 標

○我が国の米作りの様子について関心をもち,農家の方の安全な米を安定供給しようとする工夫や努力について意欲的に調べ,これからの新しい米作りについて関心をもつことができる。

○我が国の米作りは,自然環境を生かしながら,味や安全性を重視したり効率化を図ったりしていること,それが米の安定確保につながっていること考え,その役割を表現することができる。

○我が国の米作りの工夫や努力,農家の方の願いについて,必要な資料を収集し,選択しながら活用したり,インタビューしたりして調べることができる。

○我が国の米作りが国民の食料を支えていることや農家の抱える問題解決のために,味や安全性を高めたり,効率化を図ったりする新たな取り組みが行われていることをとらえることができる。

3.児童の実態

 本学級の子ども達は,米が主食であり,おいしいものである,毎日の生活の中で欠かせないものであると感じている。一方で,8割の子ども達は,おいしい米があることが当たり前だと考えている。そこで,我が国の農業と国民生活を関連付けたり,問題解決の取り組みから,これからの米作りのあり方を考えることができるようになったこの時期に本単元を取り上げる。

4.教材化の工夫

 本単元では,米作りに従事している農家の人達の生産の効率を高める取り組みと,農家の高齢化や収入減といった米作りの問題点を克服するために,法人化し農家の収入を上げたり,若手の農家を育成し,安心・安全な米作りをしたりして,日本の農業を守っていこうとする取り組みを教材として取り上げる。

・解決できた問題では
 効率よく米の生産を高めていくために月別作業の工夫をしたり,品種改良により味や病気に負けない品種を作ったり,農業機械を導入し耕作時間の短縮や労力の軽減をしたりする取り組み。

・解決すべき問題では
 農家の高齢化や収入減に伴う農家数の減少により,食料生産の確保が将来難しくなるという問題点を克服するための,e-FARMの城戸さんたちの法人化して米作りをする取り組み。

5.人物の生き方を解釈する活動構成

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(1)つかむ段階では,「米の生産量と作付け面積」の資料を調べる活動で,東北地方で米作りが盛んであることを感じ,どうようにして米作りが行われているか調べるめあてをたてる。

(2)さぐる段階では,農業暦や農業機械を導入した前後の生産量がわかる資料から,米の生産を効率よく進めている工夫や努力をとらえ,自分たちがいつも米を食べられることに対して,農家の人々に感謝の気持ちをもつ。さらに,農家の高齢化や収入減により農家数が減っていくことで,米が食べられなくなることから,これらの問題を克服しようとする取り組みを調べるめあてをたてる。

(3)深める段階では,e-FARMの城戸さんらが法人化して米作りに取り組んでいることを調べる。そして,e-FARMの米作りの特徴を出し合い,収穫量を増やしたり,コストを削減して収入を上げたりするだけでなく,時間と経費のかかる堆肥を使用することで味や品質を上げ,安心で安全な米作りに取り組んでいることをとらえる。

(4)生かす段階では,e-FARMのような新しい米作りに取り組んでいる他地域について調べて,これからの日本の農業について関心をもつ。

6.主眼

○e-FARMの城戸さんたちが,法人化によって生産の効率化を図って収入を上げたり,堆肥を使って安全な米作りに努めたりして,米作りの問題点を解決しようとしていることをとらえる。

○法人化して収入が上がった理由を,米の生産量や農業経営費の変化から分析したり,時間と経費がかかる堆肥を使うよさを,e-FARM城戸さんたちと交流したりすることができる。

7.準備

(児童)学習ノート
(教師)流れ図,収入・経費がわかる資料,e-FARM城戸さんたちの写真

8.本時過程

段階

学習活動

主な支援と評価



1.これまで調べてきたe-FARMの取り組みについて振り返り,現在農家の抱える問題をどのように克服しているのか,明らかにしようというめあてをもつ。

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○本時のめあてをつかませるために,e-FARMの取り組みについて調べてきたことを流れ図で想起させる。

e-FARMの城戸さんたちの取り組みが,米作りの問題にどのようにつながっているのか明らかにしよう。



2.e-FARMの城戸さんたちが法人化して米作りを進め,収入や生産を高めていることを調べた資料を関連させながら話し合う。

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○e-FARMの城戸さんらが法人化して収入を上げたことをとらえるために,法人化する前後の資料を提示し,前時に押させたe-FARMの取り組みから考えさせる。



3.e-FARMの城戸さんらが,法人化して効率性だけを求めて米作りをしているのではなく,堆肥を使うことで味や地力の向上のことも考えていることを資料を比較して調べたことと関連してとらえる。

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○e-FARMの城戸さん(GT)の話から,e-FARMの価値についてとらえ,城戸さんたちのこれからの米作りの思いについて考える。

○e-FARMの城戸さんたちが収入を上げるだけでなく,安心安全な米作りに取り組んでいることをとらえるために,化学肥料と堆肥にかかる経費と労力が分かる資料を提示する。

○e-FARMの城戸さんたちの工夫や努力が,我が国の米作りを守り,今後も安定的に食料を供給できることをとらえるために,代表の城戸さんに話(VTR)をしてもらう。
◆e-FARMの城戸さんたちの法人化して行う米作りが,農家の抱える問題を解決していることにつながっていることをとらえている。
(発言・ノート)

e-FARMの城戸さんたちは法人化して収入や生産を高めているだけでなく,安心安全な米作りも行うことで,日本の農業を守っていこうとしている。



4.本時の学習からe-FARMの城戸さんたちの取り組みの工夫や努力について振り返り,自分の考えを生活と関連づけて書く。

○これからの日本の米作りに関心を持たせるために,他地域ではどんな米作りをしているか予想を立てさせ,次時への意欲をもたせる。

私たちの生活は,問題を解決しようとする農家の人々の工夫や努力によって,今後も支えられていくんだね。

9.単元計画(11時間+課外)



学習活動

主な支援と評価



○「米の生産量と作付面積」の資料から,北海道地や東北地方で,米作りが盛んであることをとらえ,なぜ寒い東北地方で米作りが盛んなのかを調べていこうとする意欲をもつ。

米の生産量と作付面積

米の生産量と作付面積

・米は日本中で作られているね。
・でも東北地方の生産量が多いね。

○米の原産地域の平均気温

(左)ジャカルタ (右)シンガポール

(左)ジャカルタ (右)シンガポール

○東北地方の平均気温

(左)仙台 (右)秋田

(左)仙台 (右)秋田

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○米作りは日本全国で行われていることや特に東北地方で盛んに行われていることをとらえさせるために,全国の生産量と作付面積の図を提示する。


○なぜ,寒い東北地方で米作りがさかんなのかを調べようとする意欲をもたせるために,米の原産地域と東北地方の平均気温を比較させる。

◆東北地方で米作りが盛んな理由について調べる意欲をもつことができる。
(ノート・発言)

○判田さんと出会わせ,横手盆地の土地利用や平均気温の資料から,米作りの盛んな理由は,地形的特徴と気候的特徴といった自然条件を生かしたものであることをとらえる。

○地形的特徴

横手盆地の土地利用

・平野のほとんどが田んぼとして利用

○気候的特徴

(左)秋田市と宮古市の平均気温 (右)秋田市と宮古市の日照時間

(左)秋田市と宮古市の平均気温 (右)秋田市と宮古市の日照時間

・夏の日照時間が長い
・平均気温が高い

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○東北地方で米作りが盛んな理由として,自然条件を生かして行われていることをとらえるために,土地利用や平均気温,日照時間が分かる資料を提示する。 

◆東北地方で米作りが盛んに行われている理由について,興味・関心をもつことができる。
(ノート・発言)



判田さんがおいしい米を作っている

○米作りの工夫や努力について調べさせるために,月別の作業工程,品種改良の関係図,耕地整理前後の資料,農業機械の導入前後が分かる資料を準備しておく。

◆課題意識をもって,調べ活動を行うことができる。
(観察・ノート)

○米作りの働きにつて捉えさせるために,子どもが調べてきたことを,図や写真を用いて構造的に板書する。

◆判田さんが,品種改良や生産の効率を高めるための工夫をしながら米作りを行っていることをとらえることができる。
(発言・ノート)

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○判田さんの米作りについて,教科書や資料集から仕組みや工夫・努力について調べ,我が国の米作りのはたらきについてとらえる。

《仕組みや工夫・努力》
・農業暦から月別の作業工程の工夫や努力を整理し,1年間の米作りの流れをつかむ。
・品種の内訳や改良図を比べながら,味や病気に強い品種を作っていることをつかむ。
・資料から農業機械の所有台数の変化や耕地時間の変容,耕地整理による工夫や努力を話し合い,米作りの効率化をつかむ。

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判田さんたちのような農家の人々の工夫や努力によって,私たちは主食である米を食べることができるんだね。

○農家数の移り変わりや農家の収入と支出グラフから全国的に今後農家数が減少していることや,将来的に米の生産量が減っていくことを予想し,米作りの課題について,地元のe-FARMの取り組みについて調べていこうとする意欲をもつ。

(左)農家数のうつり変わり (右)年齢別農業人口のうつり変わり

(左)農家数のうつり変わり (右)年齢別農業人口のうつり変わり

収入・支出・農業経営費の内わけ

収入・支出・農業経営費の内わけ

・米作りはお金がかかり過ぎる。
・経営が赤字になる。 

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○今後,農家の数が減少していくことをとらえさせるために,農家の収入と支出,農業人口の移り変わりのグラフを提示する。


◆今後の農家数の減少による米が食べられない危機感からe-FARMの城戸さんたち取り組みに関心をもつ。
(発言・ノート)



法人化して取り組むe-FARMの米作り

○e-FARMのビデオ見学で,自分の課題を積極的に調べさせるために,インタビューの仕方と内容について指導しておく。

◆課題意識をもって,取材活動を行うことができる。
(観察・ノート)

○e-FARMの城戸さんたちの工夫や努力が,我が国の米作りを守り,今後も安定的に食料を供給できることをとらえるために,代表の城戸さんの話(VTR)をしてもらう。

◆e-FARMの城戸さんたちの法人化して行う米作りが,農家の抱える問題を解決していることにつながっていることをとらえている。
(発言・ノート)

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本時

・法人化する前後の収益,耕作面積の拡大,農業機械の共同使用が分かる資料を関連させ,収入が上がって経費が削減していることをとらえる。
・堆肥を使用し,味や品質といった安心安全な米作りも行っていることをとらえる。

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米作りの問題を改善しようとする工夫や努力によってこれからも私たちは米を食べることができるね。他の地域ではどんな取り組みをしているのかな。



○e-FARMの取り組みやこれまでの学習を振り返り,他の地域ではどんな取り組みが行われているのか調べ,これからの日本の農業について関心をもつ。

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○これからも農業に関心をもたせるために,自分の生活とe-FARMの取り組みを振り返らせる。

◆問題解決に向けた新たな取り組みについて,まとめることができる。
(ノート)

×1を扱うことを通じて、『一般化の考え方』を養う(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「かけ算(1)」

2.本時の位置づけ

4/5時間目

3.本時のねらい

 2の段(もしくは5の段)で九九の指導が始まるが、そこで最初に学ぶのが「2×1」である。それまで同数累加の場面の簡潔な表現として乗法を用いていたのに、加法で表せないものを乗法として扱うものを最初に出している。今まで同数累加の場面をかけ算と認識してきた子どもにとって、「×1」というのは、特殊なかけ算ではないであろうか。もし、九九の指導の前に「×1」の扱いを学習しなければ、2×1の場面で指導することになるが、2の段の学習の中で簡潔に指導するよりも、時間を取って考えさせたい内容だと考えた。なぜなら、「今までとは異なる場面も、かけ算に含むことができるのか」ということを考えることは、「ある概念の意味を広げ、いつでも使えるものにしていこうとする考え方」、すなわち「一般化の考え方」を育てるために、価値のある活動だと考えたからである。本時のねらいは、(1つ分の数)×(いくつ分)=(全部の数)という、かけ算の意味に基づいて、×1の時もかけ算として見ることができることを考えることである。

4.本時の評価規準

「数学的な考え方」
乗法の式から図を書き、式と図が合っている理由を説明することができる。

5.単元の指導内容

学習内容

おかしや果物がお皿に乗っている場面から、1皿分の数が違う場合と同じ場合の違いを考える。

「1つ分の数」と「いくつ分」の数で全体の数を表し、(1つ分の数)×(いくつ分)=(全部の数)というかけ算の意味を知る。

乗法の図から、式を考える活動を通して、乗法の意味の理解を確実にする。


(本時)

乗法の式から、図を考える活動を通して、乗法の意味の理解を確実にするとともに、乗法の式が場面を簡潔・明瞭に表せることを実感する。

身の回りから、乗法で全体の個数を表せる場面を見い出し、乗法に表すことで、場面が簡潔に表現できることのよさを実感する。

6.実践紹介

(1)かけ算カルタのルールを確認する。

san002_01 左記の写真の様な図を黒板に貼り、「今日はかけ算カルタをやるよ」と言うと、子どもは大盛り上がり。何も言っていないのに、「ルール分かった!」と手を挙げる子どもが多数いた。
 手を挙げた子どもに、どんなルールを考えたのか聞くと、「これはかけ算で表せる図だから、かけ算の式を出して、それに合った図を選ぶと思う」と説明してくれた。この説明は、こちらで考えたルールそのものだったが、他の子どもも同じように考えていたこともあり、そのルールでゲームを行うことを確認した。

(2)2×3の図はどれかな?

 ルールを確認した後は、試しのゲームを1度やってみた。ここで確実に押さえておかなければならないことは、「かけ算の意味」である。(1つ分の数)と(いくつ分)が分かるとかけ算の式になるということを全員が理解していないと、かけ算カルタに参加できない。また、授業後半で「×1の意味を考える」という際、「かけ算の意味」に戻って説明したり、「×1もかけ算とみることができる」ということを理解したりすることができなくなってしまうからである。

 封筒の中に、色々なかけ算の式が入っているので、この中から取り出したかけ算の式に合う図を選ぶように伝えた。
 まず「2×3」を封筒から取り出した。取り出した瞬間、ほとんどの子どもの手が挙がり、「答えたい!」という気持ちが一気に高まった。
san002_02 一人を指名すると、「2×3」の図を選んだ。手にした瞬間、「僕も同じ」「私も同じ」という声に包まれた。同時に、「理由が言える!」という声も数多く聞こえた。クラスを担任していて、こういう声が聞こえると、子どもの成長を感じると共に、指導の積み重ねを感じる。
 「では、なぜ2×3がこの図になるのかを説明してもらいましょう」と声をかけ、一人の子どもに前に出て、説明させた。ところが、なかなか「かけ算の意味」を使って説明することができなかった。「2+2+2=6だから」「3+3=6だから」など、式と図を結びつける理由を考えるという意味が分かっていなかったり、(1つ分の数)(いくつ分)という言葉を使っていても、その言葉の意味を理解していなかったりする子どもが大勢いた。そこで、「2×3の(1つ分の数)と(いくつ分)はどちらの数かな?」と問いかけ、「かけ算の意味」を再確認させた。
 これらの反応は、まだまだかけ算を使い慣れていない子どもにとって当然である。この時点で子どもの理解度を確認し、全員に「かけ算の意味」を再確認させたことで、最後の「4×1の意味を考える」という活動で自力解決が可能となったと考えられる。よって、ここで「かけ算の意味」を押さえ直したことは有効だったと考えている。

(3)「かけ算カルタ」を行い、かけ算の式から図を考える。

san002_03

san002_04

 2回目からは、封筒からかけ算の式を選ぶのも子どもにさせた。その方が、先生が出した問題を解いているという意識がなくなり、自分たちで選んだ問題を解いているという意識に変化し、その結果、取り組む意欲も高まるからである。
 封筒の中に準備していた残りのかけ算の式は、「5×2」と「3×4」である。子どもが最初に引いたのは「5×2」だった。式のカードを引いた瞬間、大勢の子どもの手があがった。子どもに選ばせると、正確に「5×2」の図を選んだ。そこで、「2×5」の図を提示し、「これも似ているけど、こっちではないの?」と揺さぶりをかけた。「ちがうちがう」の大合唱が起きた。「どうして?」と聞くと、「だって、右は、(1つ分の数)が2で、(いくつ分)が5だから2×5になっちゃうよ」と答えてくれた。わざと(1つ分の数)と(いくつ分)が逆になっている図を見比べることで、「かけ算の意味」の理解がより深まったのである。
 あと1枚の「3×4」も子どもに引かせた。流れとしては、「5×2」の時と同様に行った。

(4)4×1の図を考えよう!

 おもむろに、「ごめん、もう1枚カードを入れるの忘れていたよ」と言って、わざと机の上に置いておいたカードを手に取った。そして、「これも分かるかな?」と言ってカードを見せた。子どもは答えたくてたまらないといった感じで、式と図を確認する前から手を挙げていた。しかし、式を見せた途端「あれ?」と手がどんどん下がっていった。見せた式は「4×1」である。実は、その式にあった図が貼っていないのである。次々に「答えがないよ!」と子どもから声があがった。と同時に、「なければ作ればいい!」と返ってきた。
 ノートに自分が考える「4×1」を書かせた。こちらが何も言わなくても、「なぜ4×1と言えるのか」という理由を書いた子どもが数多くいた。もちろん「かけ算の意味」に当てはめて表現できていた。

(5)「×1の意味」を考える。

san002_05 「4×1」に合う図をいくつか答えてもらい、実際に書かせた。書いた図が「4×1」になっている理由も確実に説明できていた。
 そこで、「×1をして何か変わったのか」と問いかけると、「何も変わらない」「かけても意味がない」などの答えが返ってきた。これらの言葉は、子どもなりの「×1の意味」である。また、「何も変わらない」「かけても意味がない」という言葉の意味を「いくつ分が1なんだから、4が1つしかないということだから、変わらない」と説明してくれた。子どもが、かけ算が同数累加ということだけでなく、場面を表すこともできるということを理解し始めた瞬間であった。

(6)「10×1の図」を考える。

 4×1の後、10×1の図も考えさせたが、27名中23名の子どもが図と説明の両方が書けていた。「1つ分の数が10で、いくつ分が1だから、10が1つの図になる」というのが、子どもの説明である。これだけの子どもが「かけ算の意味」を理解し、「×1の意味」を理解できたのは、授業前半で「かけ算の意味」を時間をかけて扱ったからだと考えられる。

なぜ、学校を開かねばならないか

開かれた学校の効用

 学校開放は早くから指摘されている。学校だけで教育を自己完結する時代ではない。学校と地域がお互いにパートナーシップを持ちながら教育をすすめる時代に突入している。
 しかし、この学社連携は今ひとつ進んでいない。それはなぜか。学校と地域が連携することでどんなメリットがあるか、の実証的なデータの積み重ねが少ない。
 人々を動かすにはエビデンス(証拠)が必要である。観念では人は動かない。事実にまさるものはない。今回はうまくいっている数少ない学社連携の事例を紹介する。

1)被災地での学校支援地域本部の役割

 3・11の大震災で得た教訓の一つが地域の教育力の育成である。これまでの地域ネットワークづくりが効果をもたらしたケースである。宮城県の仮設住宅での話である。
 避難で混乱した状況の中では当然かもしれないが様々な苦情が行政に向けられたそうである。その中で、比較的苦情が少なくみんなで協力し助け合った地域とそうでない地域があった、という。
 その違いはどこから生まれたのだろうか。社会教育主事の話では、学校支援地域本部を設置していたところでは苦情が少なかった、という。
 学校が日常的に開かれており、住民同士が顔見知りになっている。率直に話ができ気疲れが少ない。そして世話役のコーディネーターが人々の要望をくみ取り、行政に伝えていく。住民と行政の間のパイプが詰まっていない。
 学校支援地域本部で培われた人間的なネットワークが危機的な場面で、ギスギスした人間関係を緩和させた、というのである。

2)木更津市の学校支援ボランティアの10年間の成果

 木更津市は学校支援ボランティアを始めて14年がたつ。そして、全国的な規模でボランティア交流会を始めて9年となる。
 この市の特徴は小中学校31校全てで学校支援ボランティアを行っている、ということである。各学校にボランティア担当教師とコーディネーターがいる。ボランティアの登録人数は1800人を超えている。
 この木更津市の学校支援ボランティアはどんな教育的な効果をもたらしているのだろうか。市の教育委員会が平成14年度から平成23年度の10年間における小、中学生の規範意識の比較調査を行っている。
 規範意識では、例えば「髪の毛を染めて学校に行くことはやめた方がよい」や「まわりの仲間に悪いことをさそわれても絶対やらない」や「地面に座り込むことはやめた方がよい。迷惑だ」に対する肯定的な意見が、10年間で15%近く数値が伸びている。児童・生徒たちの規範意識が高まっている。
 その要因は何か。規範意識を高めている要因を見るとベストスリーは、次の項目である。 

・一位「よく話をする教師の数が多い」
・二位「読書数」
・三位「ボランティアの目撃体験」

 一人の教師だけとの関わりより、複数の教師の関わりが規範意識を高める。これは人間関係を深めるからであろう。
 読書も効果がある。これも納得ができそうである。興味深いのは、三位にあがってくるボランティアをする人や行動の目撃体験である。学校の中にボランティアの人が多く出入りし始めると、子どもたちの規範意識が高まるのである。これは貴重なデータである。
 ボランティアの人達は「第三の大人」である。子どもたちにとって見知らぬ人か知っていても直接的に関わらない人達である。
 親戚のいとこと同じ「ナナメの関係」である。学校社会は「タテとヨコ」の関係が強い。ナナメの関係であるちょっとした「外の目」を受け入れることで、子どもたちの中に善悪の価値判断が芽生えるようである。
 今の子どもたちが出会う大人は第一の大人といわれる親か、第二の大人といわれる教師が大半である。第一と第二の大人との関係はいうまでもなく「タテの関係」である。濃密だが、あるときはギスギスしかねない。ゆるやかな人間関係を維持するのが難しい。
 それに対して、ボランティアの人達の「目」は子どもたちにとってほどよいスタンスに映るのであろう。
 また、ボランティアの「目」は小学生より中学生の方がより効果的である。中学生にとって「第三の大人達」は彼らの行動を規制するのであろう。
 開かれた学校を一層進めるには、地域のネットワークづくりが欠かせない。それは多くの人の温かい「目」を用意することである。

日文の教育情報ロゴ

マヤ ― 天の心、地の心 ―

(c) Eric Black

(c) Eric Black

 もうかなり前、マヤ文明に魅せられた利根山光人という画家の「マヤ」という本を読んだ。重くて大きな本で、読むというより、見た、といった方が正確だろう。記憶が定かではないが、マヤの人たちの歴史や造形の巧みさを、多くの遺跡などの写真とともに紹介した本だったように思う。
 そんなことを思い出しながら、ドキュメンタリー映画「マヤ -天の心、地の心-」(ユナイテッドピープル配給)を見た。
 いま、マヤの人たちが、どのような環境で、どのように暮らし、何を信じ、何を考えているかが、あざやかに伝わってくる。映画の中に、何度も、マヤの人たちの世界観の基となる創世神話「ポポル・ヴフ」の一節が挿入される。冒頭は、「これは物語の始まりである。今なお物音も立てず、とても穏やかである。ひっそりと、静まりかえっている」。 
 海亀が泳ぐ。湖で小舟を漕ぐ人がいる。マヤの予言にはこうある。「マヤ暦の最終日に、川や海の色が変わり、神々が民を纖滅し、新世界を誕生させる」。
 マヤには、ツォツィル族、ツェルタル族、チョル族、マム族などが先住民として、主にメキシコ南部からグアテマラで暮らしている。映画では、多くのマヤの人たちが、自然の持つ偉大な力について語る。そして、スペインをはじめ、いろんな国によって、征服され、略奪された歴史を語る。グアテマラは、1960年から30数年、内戦が続いた。政府軍が、多くのマヤの人たちを殺害した。映画でも、その詳細が語られる。
 今なお、人種差別がある。メイドとして働いても、食事は立って食べる。若い女性が、内戦時、グアテマラからメキシコに逃げた話をする。マヤの指導者や大人たちは殺される。政府軍が道路を封鎖する中、子供たちは、森の中を通って逃げのびる。
 マヤ精神の指導員が、内戦を振り返る。「死体が道路のあちこちに。25万人の死者、行方不明者で、その多くはマヤ人だ」と。
 熱帯雨林が伐採される。干ばつが起こり、森は破壊される。ジャガーなどの動物もいなくなる。親たちは、森の伐採を認めないと殺される、と諭す。ある森などは、3分の2が破壊された。男性は、「長生きはしたくない、マヤで死を意味する、カヌーと亀の夢を見たから」と言う。

(c) Eric Black

(c) Eric Black

 かつて、一帯をスペイン人が侵略した。先住民は、山に逃げる。その山で、外国人が金鉱を発見する。再び追い払われる。マヤの人たちは、「精霊の山だから、むやみに山に触れない」と教えられる。しかし、グアテマラ政府は、山と金鉱を、他国籍企業に売る。金鉱からは、悪い空気が流れてくる。赤ちゃんや子供たちの皮膚に、赤い斑点ができる。金を掘るために、シアン化合物を使用しているかららしい。
 マム族の住む村で、初めての地域集会が開かれる。団結し、戦い続けようと呼びかける。
 教会で、子供たちが歌う。「もうすでに空気は汚染されてしまった…最後の瞬間に奇跡を求めています」と。
 マヤの人にとって、トウモロコシは神聖なもの。ツォツィル族は、政府軍が認めていないので、バンダナで顔を隠して、トウモロコシを刈る。マヤの先祖たちは、何千年も前から、トウモロコシで支えられてきた。メキシコ北部で、遺伝子組み換えのトウモロコシの栽培が承認された。多国籍企業、モンサントの進出だ。北米自由貿易協定が結ばれ、アメリカから安いトウモロコシが入ってくる。
 ますます貧しくなるマヤの人たち。かつて家族が殺され、いまは金鉱からの被害、さらに、トウモロコシ。女性は言う。「侵略者が尽きない。脅され、いつも震えている」と。
 いま世界は、一見、豊かかもしれない。その豊かさは、少数の人たちの犠牲の上に成り立っている。では、近未来は? 今や世界は、マヤ暦通り、神々が民を纖滅する時代になっているのかも知れない。新世界は「ひっそりと、静まりかえっている」はずだ。
 ドイツ映画である。監督、脚本は、フラウケ・ザンディッヒ、エリック・ブラック。

2012年10月6日(土)より、渋谷アップリンクico_link他にて順次公開

■『マヤ ― 天の心、地の心 ―』

≪第24回 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 オフィシャルセレクション≫
≪バンクーバー国際映画祭 2012 オフィシャルセレクション≫

監督・脚本:フラウケ・ザンディッヒ、エリック・ブラック
撮影監督:エリック・ブラック
助監督:フロリーナ・メンドーサ
製作:アンブレラ・フィルムズ・プロダクション、ZDF/3SAT共同製作
99分/2011年/ドイツ/スペイン語/カラー/16:9
配給:ユナイテッドピープル


「地域を開いた人々」~大和川のつけかえ~(第4学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「地域を開いた人々」~大和川のつけかえ~

2.目 標

 地域の地理的環境,人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるようにし,地域社会に対する誇りと愛着を育てるようにする。地域の人々の生活については,地域の人々が受け継いできた文化財や年中行事,地域の発展に尽くした先人の具体的な事例を見学,調査したり,年表にまとめたりして調べ,人々の願い,先人の働きや苦心を考えるようにする。

3.評価規準

○社会事象への関心・意欲・態度
 地域の発展に尽くした先人の働きに関心を持ち,それを意欲的に調べ,地域社会の人々のよりよい発展を考えようとしている。

○社会的な思考・判断・表現
 地域の発展に尽くした先人の働きから学習問題を見いだして追究し,人々の生活の変化や人々の願い,地域の人々の生活の向上につくした先人の働きや苦心について思考・判断したことを言語などで適切に表現している。

○観察・資料活用の技能
 地域の発展に尽くした先人の具体的事例を的確に見学,調査したり,年表などの資料を活用したりして,必要な情報を集めて読み取ったりまとめたりしている。

○社会的事象についての知識・理解
 地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を理解している。

4.本単元の指導にあたって

 子どもたちの住んでいる大東市は大阪平野(河内平野)の北東部に位置し,大昔から様々な姿を現してきた。今からおよそ7000年前,大阪平野は一面の水におおわれていた。長い年月をかけて,北からは淀川,南からは大和川が大量の土砂を運び,水面は埋め立てられて,陸地が広がっていった。昔の大和川は,玉串川や長瀬川などに分流しながら流れ,大東市まで流れてきていた。四条小学校の校区のそばに深野池,新開池があり,大和川が流れていたこと,そのため度重なる洪水に悩まされていたことを,地形図から発見し,先人たちの大和川のつけかえに対する思いや働き,苦心を考えていきたい。つけかえ後,新田開発や河内木綿の生産などその時代に生きた人々のたゆまない努力や多くの苦心によって地域の開発が行われ,人々の生活を変えていったことにも気づかせたい。資料や副読本をもとに作業をしながら学習を進めていきたいと考えている。これまで大東市小学校教育研究会・社会科部会で取り組み,作成したワークシートを使って,授業を組み立てている。子どもたちが住んでいる地域に関心を持ち,意欲的に調べることによって,地域に愛着を持って生活し,身近な環境をよりよくしていこうとする気持ちを育てたい。

5.単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

オリエンテーション
(本時)
◎地形図から昔の土地の様子や人々の暮らしに関心をもたせる。

○河内平野の地形図から,昔の川を発見しよう。
・旧川床を発見し,色をぬる。
・土地の高い所,低い所に色をぬる。
・作成した地図から「気づいたこと」,「はてな」を発表する。

○みんなの気づきから,昔の地域の様子を考えよう。

*昔の土地の様子に関心を持ち,意欲的に調べようとしている。

*自分の考えをまとめて書いたり,発表したりすることができる。

*今と昔の違いを読み取ることができる。

大和川のつけかえ
◎地域を開いた人々の努力や多くの苦心を知り,当時の人々の考え方や技術の進歩,道具の発達に支えられていたことに気づかせる。

○昔の洪水の様子を知ろう。
・「河内名所図会」などの資料から洪水の様子を知る。
・人々の願いを探る。

○「大和川のつけかえ物語」を読もう。
・つけかえをするための中甚兵衛父子の努力を考える。

○つけかえ工事の様子を当時の道具や地形から考えよう。

○つけかえ後の新しい問題点を発見しよう。

*資料をもとに,意欲的に調べたり,考えたりできる。

*「大和川つけかえ物語」を読み,当時のつけかえの困難さを知ることができる。

*当時の工事の様子に関心を持つことができる。

*つけかえが及ぼした影響について考えることができる。

大和川つけかえ後の地域の変化
◎地域の発展に尽くした先人の具体的な事例を調べ,地域の生産活動や生産力の変化・向上に関連づけてとらえさせるとともに,よりよい暮らしを願う人々の思いに気づき,地域に対する愛着を持たせる。

○大和川つけかえ後の地域や人々の暮らしの変化を探ろう。
・新田開発について鴻池善右衛門などの努力を考える。
・河内木綿の栽培について調べる。

*歴史資料館に出かけ,先人の開発の動機や工夫・知恵,苦労を意欲的に調べることができる。

*開発された土地が,その後どのように発展して現在につながっているのかを考えることができる。

紙芝居をつくろう
◎調べてわかったことや考えたことをわかりやすく表現する工夫を考えながら,紙芝居にまとめて発表させる。

○紙芝居をつくろう。
・「大和川のつけかえ」や「新田開発」等,興味をもったことをグループでまとめる。

*紙芝居にまとめるために意欲的に計画を立てようとしている。

*学習してきたことをもとに,紙芝居や台本に適切に表現することができる。

6.本時の学習

①目標
 河内平野の地形図をもとに,昔の土地の様子や人々の暮らしについて関心をもつことができるようにする。
 自分の考えを発表したり,友だちの考えを聞いたりするなどの活動を通して,自分や友だちの考えを認め合うことができる。

②学習展開

学習活動と内容

指導の工夫と教師の支援

資料

大むかしの川をさがそう!

①どこの地域だろう。

②昔の川をさがそう。

③昔の川に色をぬろう。

④土地の高い所,低い所に色をぬろう。

ワークシート①を配布する。
地図に記されている川や市の名前に注目させる。
淀川・大和川
堺市・大阪湾・生駒山地
川が運んできた砂があるところが川であったことを確認する。

ワークシート①

河内平野の地形図(白地図)

大むかしの川は今の川とどうちがっていたのだろう。

①気づいたこと,「はてな」(もっと知りたいこと)を書こう。

②グループで意見を交流しよう。

③グループで出た意見を発表しよう。

④「はてな」をもとに次時へつなげる。

⑤深野池・新開池について予想する。

【一人で】
ワークシートに書く。わかりやすく,ていねいに書かせる。
【グループで】
考えたことを話し合う。(発表のしかたカードをもとに)
【みんなで】
同じ意見や似ている意見をまとめて板書する。

*昔の川は海に向かって流れていないことを発見させる。
*今の大和川は土地の低い所から高い所に流れていることを発見させる。
*「はてな」の意見を大事に扱う。

地形図から川が注いでいる池であると考える。

(発表の仕方カード)
・○○がわかりました。
・○○について不思議に思います。
・○○をもっと知りたいです。

【ワークシート

ssh002_01

とびっきり新鮮!柳橋連合市場(第3学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

~とびっきり新鮮!柳橋連合市場~

2.目 標

 地域における社会的事象を観察,調査し,地図や各種の具体的資料を効果的に活用して,地域の産業や消費生活の様子について理解できるようにするとともに,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて調べたことや考えたことを表現することができる。

3.評価規準

○関心・意欲・態度
 柳橋連合市場で働く人々の様子について関心をもって意欲的に調べるとともに,自分たちが様々な店を上手に活用し,工夫して消費生活を営もうとする態度をもつことができる。

○思考・判断・表現
 柳橋連合市場のよさについて他店と比較しながら考えをもち,そこで働く人々や友達の考えのよさを受け入れながら自分の考えを見直し,これからの自分の行いについて考えたことを表現することができる。

○技能
 柳橋連合市場の販売の工夫について,安さ・新鮮さ・買い物しやすさの面から,自分の考えの根拠になる事実を見学やインタビュー,インターネットなどで調べることができる。

○知識・理解
 スーパーサニー警固店や柳橋連合市場は,それぞれの店が客の願いに合わせて様々な販売の工夫をしており,そこで働く人々によって自分たちの生活が支えられていることについて理解することができる。

4.本単元の指導にあたって

 本単元の実践にあたっては,学年の発達特性を考え,見学や調査を中心とした追究活動を行い,子ども達が意欲的に学習できるようにしていきたい。また,前単元のスーパーマーケットの学習と比較をしながら学習を進めていくが,それぞれが特色を持ちながら販売を行っていることをおさえるためにも,決してどちらの店がよいか的な優劣を判断させることがないよう,留意したい。
 具体的には学習過程の各段階において,次のような学習を仕組んでいく。

【つかむ段階】

  • これまでの販売についての学習を振り返り,一番買い物の多かった校区内のスーパーマーケットを振り返る。その後,買い物客でにぎわう柳橋連合市場の写真を提示し,柳橋連合市場がどの様な場所なのかという関心を高めていく。
  • 実際に見学をした後,「博多の台所」と呼ばれていることに疑問をもたせ,自分たちのよく利用するスーパーとの比較から,学習問題「柳橋連合市場には,どのようなよさがあるのだろう」を設定する。

【はたらきかける段階】

  • 柳橋連合市場の特色を追究させるために,理事長の楠下さんやお店の人,お客さんへのインタビューをさせる。
  • 学習問題をまとめ,柳橋連合市場で働く人たちの工夫や努力をとらえさせるために,柳橋連合市場のよさについての話し合いを行い,スーパーにはないよさを明らかにさせる。自分を見つめる活動で自分の見方 や考え方を振り返らせていく。

【たかめる段階】

  • 柳橋連合市場のこれからを話し合うことで,自分たちの生活が商店やそこで働く人々によって支えられていることをとらえさせていく。
  • スーパーサニー警固店や柳橋連合市場とどうかかわっていくか,自分の生活とのつながりについて考えさせ,自分の見方や考え方を見直すことができるようにする。

5.指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

○柳橋連合市場の様子に興味をもち,学習問題をつくることができる。

1.柳橋連合市場の写真や買い物客数のグラフから柳橋連合市場に関心をもち,学習課題をつかむ。
(1)柳橋連合市場の写真を見る。
○うまかもん祭りでの人の多さ
○スーパーサニーと違う販売の様子
(2)資料から読み取ったことをもとにスーパーサニーと比較し,学習問題をつかむ。
○スーパーサニーとは違うところがありそうだ。

・資料から分かることをたくさん見つけようとし,学習問題について調べたいという気持ちをもつことができる。
(関・意)

柳橋連合市場には,どのようなよさがあるのだろう。

○既習経験や生活経験をもとに,自分なりの考えをもち,追究の見通しを立てることができる。

2.学習問題について予想し,学習計画を立てる。
《調べること》
・安さ・新鮮さ
・買い物しやすさ
《調べ方》
・見学,インタビュー,新聞,インターネット  など

・既習経験をもとに,自分の考えを発言することができる。
(思・判・表)


○計画に沿って,追究活動を行い,調べた事実から考えたことを表現物にまとめることができる。

3.学習問題について追究し,自分の考えをまとめる。
(1)柳橋連合市場の見学やインタビューを行う。
(2)柳橋連合市場で見学したことを表現物にまとめる。

・計画に沿って,見学やインタビューをすることができる。
(技能)

○自分の考えを分かりやすく伝え,友だちの考えを取り入れながらよりよい考えに高めることができる。

4.考えたことをもとに,柳橋連合市場のよさをスーパーと比較しながら話し合う。

・柳橋連合市場のよさをスーパーとの比較から理解することができる。

○特別なイベント・安売り(木曜日) ・タイムサービス(夕方5時~6時まで) ・お買い得品の表示・大安売り(赤字覚悟) ・うまかもん祭り

○買いやすさ
・品揃え(同じ種類のものをたくさん揃えている)   
・市場にしかない物   
・目の前でさばく  
・人数に合わせて売る

○安全・新鮮
・朝早く取れたての物を仕入れる(午前3時)
・触って新鮮さを確かめられる
・生きたまま売っている(水槽の中の魚)

柳橋連合市場には,警固の多くの人々が利用するスーパーサニーにはない工夫や努力がたくさんあった。それが柳橋連合市場のよさなんだ。


(本時)

○これからの柳橋連合市場について考えを話し合い,自分の生活を振り返ることができる。

5.これまでの学習を振り返り,自分の考えをまとめる。
(1)これからの柳橋連合市場について考えを交流する。
(2)学習を振り返るパンフレットを作成する。

・学習したことをもとに,自分の考えを発表するとともに,自分の生活と結びつけて考えることができる。
(思・判・表)

6.本時の学習

①目標
 柳橋連合市場がこれからも皆様に喜ばれるために必要なことについて話し合い,自分たちの生活を支える柳橋連合市場についての自分の考えを見直すことができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

1.本時のめあてを確認し,前時までの自分の学習したことを振り返る。
(1)本時のめあてを確認する。

※今までの学習を振り返らせるために,学習プリントや学習の足跡がわかる掲示物を提示する。

ssh001_01

柳橋連合市場がこれからも皆様に喜ばれるためにどうしたらいいか話し合い,自分の考えを深めよう。

2.学習問題について,全体交流をする。
(1)調べたことをもとに,柳橋連合市場がこれからも皆様に喜ばれるために必要なことについて話し合う。
【このままでよい】
●柳橋ならではの対面市場
●本物の新鮮さ
☆とびっきり新鮮な品物をこれまでどおりお客さんに販売したり,柳橋連合市場ならではの対面販売を続けることで,たくさんのお客さんが信用してくれて喜んでくれるだろう。
【新しい取り組みが必要】
●一般のお客の願いにこたえる
☆「うまかもん祭り」などのイベントには,毎年2万人以上のお客さんが集まる。そんなイベントをもう少し増やせば,一般のお客さんが増えるだろう。
(2)教師の発問や警固校区の料理人(シェモリタのシェフの平賀さん)の話をもとに,自分の考えを見直す。
(3)ゲストの楠下さんに話し合いの評価をしていただき,本時のまとめをする。

※友だちの考えで受け入れられる部分とそうでない部分を明らかにし,柳橋連合市場がこれからも皆様に喜ばれるために必要なことについて考えさせる。


※理事長の楠下さんには,子ども達の交渉する活動に適宜アドバイスをいただく。


※子ども達の考えを「実現可能なものなのか」「子ども達の考えのよさは何か」という視点で評価していただくようにする。

※シェモリタのシェフの平賀さんの話(概要)
①毎朝,新鮮な食材を柳橋連合市場に買いに行っていること。   
②信用できる場所ということ。
③その食材を使って作った料理を食べて喜ぶお客さんを見ることが楽しみなこと。

3.今日の学習を振り返り,学習前の自分と学習後の自分を比べて変わったところを書く。



柳橋連合市場がこれからも皆様に喜ばれるためには,今まで柳橋連合市場が大切にしてきたことを続けていけばいいと思う。今は一般のお客さんを増やすためにサービスの勉強会をしたりする努力も続けている。たくさん買い物に来る料理人さんに喜ばれる市場だけど,わたしたちも知らないうちに喜ばされていたのだなと思いました。

4.次時の予告をする。



ひきざん(第1学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

ひきざん

2.本時の位置づけ

第2時/9時間

3.本時のねらい

 本時では,「15-8」の計算の仕方を考えるため既習事項を想起し,まず表現方法について(絵・図・言葉・数・式・記号などから1つ,あるいは2つ以上を組み合わせて)選択し,その後,解決方法(15から1こずつ数えて8ひく→数えびき,15から5ひいてさらに3をひく→減々法,15を10と5に分けて10から8をひいて2にし,2と5をたす→減加法 など)の見通しを持ちながら自力解決した。

 表現方法,解決方法(解決の過程)ともに多様な考えが出てくることが予想される。そこで,表現方法は違うが解決の過程が同じであるものを関連づけたり,それぞれの方法についてネーミングしたりすることにより,一つ一つの考えを尊重しながら整理するとともに,次時につながる方法について話し合えるような展開にしたいと考えた。そのために,本時を1時間のところ2時間扱いとし,第1時で自力解決まで,第2時(本時)で話し合い活動から始め,互いの考えについて深め合えるようにした。

4.本時の評価規準

  • 繰り下がりのある減法の計算の仕方を,被減数を10といくつの数として考え,図・式などを使って表現している。
  • 繰り下がりのある減法の計算の仕方を理解している。

5.指導計画・評価規準(全9時間 本時2/9)

学習活動・内容

評価規準



○(十何)-(1位数)で繰り下がる場合の計算の仕方を考える。(減加法,減々法)

・繰り下がりのある減法の計算の仕方を,被減数を10といくつの数として考え,図・式などを使って表現している。【考】
・繰り下がりのある減法の計算の仕方を理解している。【知】

○減加法に適した減法の計算をする。(例 12-7)

・減加法による繰り下がりのある減法の計算ができる。【技】

○減々法に適した減法の計算をする。(例 13-4)

・減々法による繰り下がりのある減法の計算ができる。【技】

○どちらの方法にも適した減法の計算をする。(例 15-7)

・被減数,減数の大きさを判断し,自分に合った方法で減法の計算を考えている。【考】

○減法の場面でのお話づくりをする。

・身の回りから,式に合う場面を見つけ,お話づくりに取り組もうとしている。【関】



○ひき算カードを並べ,きまりを見つける。
○計算カードを使って,繰り下がりのある計算の練習をする。

・ひき算カードの並び方や被減数・減数の変化の仕方から,式を関連づけてみることができる。【考】
・ひき算カードを使って,友だちと練習しようとしている。【関】

○学習内容についての理解を確かなものにする。

6.実践紹介

(1)日々継続して行った指導

①問題解決の各段階においての働きかけ

1.見通しをもつ(方法の見通し,結果の見通し)

・これまでの学習のどれが使えるかを考えるよう声かけする。(ノートを見直す,今まで学習した内容や表現方法,解決方法などを思い出す)
・必要であれば,みんなで思い出したり,ヒントを出したりする。

2.自力解決する

・可能な限り,自力解決の時間を確保する。
・机間指導で子どもの解決方法をできるだけ早く読み取る。
・なかなか考えが思い浮ばない子どもには,半具体物やブロックを操作したり,絵や図などをかいて考えたりするよう指導する。

3.考えについて話し合う

san001_012・ききかた・はなしかたの約束に沿って進める。(表)
・必要に応じて,身近な友だちと解決方法についてペア交流することで,互いの考えを理解できるようにする。
・自力解決やペア交流の時に,指導者もそれぞれの子どもの解決方法を素早く読み取り,クラス全体での話し合いでの構成(発表の順序 など)を考える手立てとする。
・全体の話し合いでは,友だちの考えを他の子が発表したり2人で一緒に発表したりすることで,それぞれの考えを理解できるようにする。
・互いに,「自分の考えや友だちの考えと違っているところ,似ているところ」「自分や友だちの考えでよいと思ったところ」などの視点をもって交流できるようにする。

4.振り返る

・授業の最後には,「今日の学習でわかったこと」「自分や友だちのがんばりについて」「つぎに学習したいこと」などの観点を示すことで,振り返りが書けるようにする。
・自分や友だちのがんばりにふれている発言や,次の学習に生かせるような発言などは大いに認め,クラスで紹介するなどして価値づけていく。

san001_02

②ノート指導

san001_031.いつも同じ場所に同じ内容をかく。(見開き2ページ)

・日付 タイトル
・問題 → san001_04
・見通し → san001_05
・めあて → san001_06
・自分の考え
・友だちの考え
・まとめ → san001_07
・練習問題orふり返り → san001_08

2.式や答えだけでなく,言葉や図を用いて,できるだけわかりやすく表現する。

<子どものノート(繰り上がりのあるたし算の第1時⇒第3時)>
(第1時)

san001_091

san001_11

(第3時)

san001_10

(2)授業の展開(全9時間 本時2/9)※下記は,第1時~第2時の展開を掲載しています。

学習活動

評価・支援(◆)

<第1時>~前時の流れ~

 

1.前時の学習を振り返る。

T.前の学習ではどんなことをしましたか?
C.たし算。
T.そうですね。どんなたし算かな?
C.繰り上がりのあるたし算。
T.繰り上がりのあるたし算ではどのような計算の仕方をしましたか?
C.10のかたまりをつくった。
T.なるほど。もう少し詳しく言える?
C.9+3やったら,3から1もらってきて,9と1で10。ほんで,3は1あげて2になったから,10と2で12。
T.前の学習がよくわかっていますね。

◆前時の学習を振り返ることで,繰り上がりのあるたし算では,10のかたまりをつくることで解決できたことを思い出せるようにする。

2.本時の課題を知り,見通しを持つ。

T.今日は,こんな問題なんだけど,わかるかな?

◆キーワード(15こ,8こ,あげました,のこっていますか)に着目することで,ひき算の問題であることがわかり,立式できるようにする。

◆立式後,どのようにして計算のしかたを考えればよいかわかるよう,結果の見通し・方法の見通しそれぞれについてふれる。方法の見通しについては,前単元「たしざん」で10のかたまりにするよさを思い出したり,どのような表現方法が使えるか確認したりすることで,スムーズに自力解決できるようにする。

san001_04 どんぐりを15こひろいました。
8こ,ともだちにあげました。
どんぐりは,いくつのこっていますか。

T.まずは,どんな式になるかわかる?
C.わかる!
T.じゃあ,いつものように,キーワードにしるしをして式をかいてみましょう。

T.では,式を言ってくれる?
C.15-8です。
T.ひき算?どうしてこの式になったか言える?
C.「あげた」ってかいてて,「へる」からひき算。
C.「いくつのこっていますか」ってのこりをきいてるから。
T.なるほど!みんなも同じ?
C.同じ。
T.じゃあ,式はみんなひき算てわかったみたいだけど,15-8って計算できる?
C.できる。
T.どうすればできるのか,自分の考えをかけるかな?

☆15-8のけいさんのしかたをかんがえよう。

T.どんな表し方があったかな?
C.ブロック・図・言葉・数字・記号
T.それでは,自分の考えをノートにかいてみましょう。

3.自力解決をする。

<減加法>
①ブロックとことばで

san001_12_01

②式で

15を10と5にわける
10-8= 2
2+5= 7

③さくらんぼ図とことばで

san001_12_02

<減々法>
④ブロックとことばで

san001_12_03

⑤式で

8を5と3にわける
15-5= 10
10-3= 7

⑥さくらんぼ図とことばで

san001_12_04

【数学的な考え方】(ノート)
A.計算の仕方について多様な表現方法(ブロック・式・さくらんぼ図・言葉など)を使って考えをかくことができる。もしくは,減加法・減々法のどちらでも考えることができる。
B.計算の仕方について,10のかたまりを意識し,図や式などを使って考えをかくことができる。

◆解決方法がわからない子には,まずどの表現方法で考えるのかを選択するよう助言する。(取り組みやすい方法としては,まずブロック操作から)操作したことを,ノートにかくよう声かけする。

◆机間指導で,それぞれの解決方法を把握し,話し合い活動の構成(発表の順序,発表の仕方など)を考える。

<第2時(本時)>

 

4.出てきた考えについて話し合う。

①ブロック図を提示して,
T.この考え方と同じだなと思う人いる?
C.(何人かの子どもが)同じです。
T.じゃあ,だれかこの考えを説明してくれる人いるかな?
C.(ブロックを操作しながら)これは,ブロックを使って考えました。まず,15を10と5にわけます。10から8をひくと,2になります。この2とさっきの5をあわせると7になります。
T.なるほど。今の説明わかる?もう一度聞きたい人いる?

T.では,考え方は同じだけど,表し方の違う人いるかな?
②式を提示して,
C.私は,式で考えました。まず15を10と5にわけて(15-5=10),10から8をひきます(10-8=2)。この2とさっきわけた5をたします(2+5=7)。
T.さっきのブロックの説明とくらべて同じところある?
C.(説明する)

T.他の表し方で考えた人いる?
③さくらんぼ図を提示して,
C.(説明はブロック図や式の子どもとほぼ同じだと予想される)
T.この図の意味わかる?

~このような流れで話し合いを進める…~

T.じゃあ,自分はちょっと違う考えだと思う人いるかな?
(減々法④⑤⑥の考えについて,減加法と同様に進める。)

T.みんなの考えは,ブロック図・式・言葉・さくらんぼ図など色々な表し方で説明してくれたけど,わける方法はいくつあったかな?
C.2つです。
T.じゃあ,それぞれの方法に名前をつけるとしたら?
C.<減加法>⇒ひくたすほう,ひいてたして法 など。<減々法>⇒ひくひくほう,ひいてひいて法 など。
T.今日は,15-8の計算の仕方を考えたけれど,答えはいくつになったのかな?
C.7です。

【数学的な考え方】(発言・態度)
<話し手>
A.出てきた考えについて,ブロックを操作したり,図を使ったりしながら,わかりやすく説明することができる。
B.出てきた考えについて,説明することができる。

◆なかなか説明できない子どもには,「ブロック操作をする」「友だちと2人で協力して説明する」など,発表の仕方を工夫することで,多くの子どもが活躍できるようにする。

<聞き手>
A.自分の考えと比較したり,それぞれの考えの共通点や相違点を見つけながら,説明を聞くことができる。
B.それぞれの考えについて,理解しながら聞くことができる。

◆「きくときのやくそく」を確認し,聞く態度・雰囲気づくりをする。

◆それぞれの考えについて,聞いている子どもが理解できているか,途中で確認しながら話し合いを進める。

5.練習問題 13-8 をする。←試す・活用する(時間があれば…)

T.色々な考え方,表し方が出てきたけれど,じゃあ,この問題なら,みんなはどの方法でするかな?できそう?
C.できる。
T.じゃあやってみましょう。

◆ただ,答えを出すのではなく,話し合いで出てきた考えの中でどれを使うとやりやすいか考えながら解決できるようにする。

6.本時の学習を振り返る。

T.今日は,15-8というひき算の計算の仕方について,みんなで考えて,それぞれの考えについて話し合いましたが,今日の学習を振り返って,わかったこと,自分や友だちの考えについて思ったことをかきましょう。

◆振り返りの観点を明確にする。
○今日の学習でわかったこと
○出てきた考えについて
・自分の考え
・友だちの考え
○次してみたいこと   
など

【15-8の板書例】

san001_13

【15-8のノート例】

san001_14

「東京国立博物館 東洋館 2013年1月2日(水) リニューアルオープン」

東洋館外観

東洋館外観

李柚「紅白芙蓉図(紅芙蓉図)」 絹本着色/25.2×25.5cm/1197

李柚(りてき)「紅白芙蓉図(紅芙蓉図)」 絹本着色/25.2×25.5cm/1197

 東京国立博物館の東洋館は中国、朝鮮、インドなどの美術工芸品を中心に、約20000件の充実したコレクションを誇る日本でも有数の博物館です。この東洋館は2009年6月から耐震補強工事のため休館していましたが、工事を終え2013年1月2日、リニューアルオープンすることが決定しました。
 東洋館の開館は1968年です。設計は東京国立近代美術館の本館、出光美術館などを手掛けた建築家の谷口吉郎氏。今回の工事では従来のデザインを損なわずに補強することを重視し、なるべく来館者の目に触れない場所に手を入れることで、建物本来の魅力を保ったまま、現在の耐震建築基準をクリアーすることに成功しました。
 1月のリニューアルオープン時には、約1000件の作品を展示する予定です。展示コンセプトは「東洋美術をめぐる旅」となっております。各フロアーにおける分類や陳列の順番などの展示デザインも一新されており、展示ケースの覆いには新たに低反射ガラスが採用されました。蛍光灯に代わって導入したLED照明とともに、作品がより美しく、見やすくなるよう配慮しています。また、展示室を増やし、これまで限定公開しかされてこなかったクメールの彫刻、インドの細密画、清時代の工芸品を常設する専用展示コーナーを設けているのも注目です。さらに、日本の文化にも多大な影響を与えてきた宋や元の書画をはじめ、朝鮮の陶磁器、アジアの民族工芸品、西域美術品、インド・ガンダーラの彫刻などからも新たに選び直された多数の作品が展示される予定です。質、量ともに東洋美術の世界をたっぷりと堪能できるラインナップにご期待ください。
 アジア文化を網羅する充実したコレクションには、必ずや新たな発見や出会いがあるはずです。開館の折にはぜひ足を運んでみてください。

(編集部)

<リニューアル情報>

  • 「東洋館 リニューアルオープン」
  • 2013年1月2日(水)~

■東京国立博物館 東洋館ico_link

  • 所在地 東京都台東区上野公園13-9
  • TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
  • 休館日 月曜日(祝日または休日の場合は開館、翌火曜日に休館)および年末年始〔2012年12月25日(火)~2013年1月1日(火)〕

その他、詳細は東京国立博物館Webサイトico_linkでご覧ください。