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小学校 生活:「生き活きうぃーくる」第79回
小学校 生活 ブログ:「子どもがかわる 授業がかわる『生き活きうぃーくる』」第79回
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東京学芸大学附属小金井小学校 第11回KOGANEI授業セミナー
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「語研・小学校英語指導者養成講座」第1回 オンライン講習会
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Webマガジンまなびと:「学び!と共生社会」Vol.10
Webマガジン:「学び!と共生社会」Vol.10 “インクルーシブ教育システムの構築と就学先決定の仕組み”を追加しました。
インクルーシブ教育システムの構築と就学先決定の仕組み
新型コロナウイルス感染拡大の第3波が心配されるこの頃ですが、来年度の新入学に向けた就学の手続は粛々と進められていることと推察します。今回は障害がある児童生徒の就学先決定の仕組みについて確認しておきたいと思います。
障害のある児童生徒の就学先決定の仕組みについては、学校教育法施行令に規定されているのですが、「インクルーシブ教育システムの構築」への潮流の中で大きく変容してきました。その流れは大きく3つに区分することができます。
「特殊教育」の時代の就学先の決定
平成14年の学校教育法施行令改正以前までは、障害があると認定された者については、就学の手続の段階から例外なく特別支援学校に就学することとされていました。就学先の決定を巡る当事者や保護者から起こされるトラブルや訴訟等も少なくありませんでした。障害がある児童生徒が小・中学校に入学した事例もありますが、それらは地域の教育委員会の判断によるものでした。
「特殊教育」から脱皮の時期における「認定就学制度」の導入
平成13年に、文部科学省内に設置された調査研究協力者会議が「21世紀の特殊教育の在り方について~一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について~ (最終報告)」(*1)を答申しました。これを受けて、平成14年に学校教育法施行令が改正されたのですが、ここで「認定就学者」という仕組みが導入されました(*2)。これは、小・中学校の施設設備も整っている等の特別の事情がある場合には、例外的に特別支援学校ではなく「認定就学者」として小中学校へ就学することを可能にしようとするものでした。この改正によって、就学基準に該当する障害がある児童生徒であっても、法的根拠に裏付けられて小・中学校に就学できる道が開けたということになります。
「認定特別支援学校就学者」の導入
「障害者の権利に関する条約」の批准に向けた国内法の整備の見直しの一環として、平成23年7月に改正された障害者基本法の第16条第1項には、いわゆる「インクルーシブ教育」の推進が謳われています(*3)。さらには、中央教育審議会初等中等教育分科会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」においても「障害のある子どもの就学先決定の仕組みを改めること」が提言されました(*4)。
こうしたことを受けて平成25年8月26日付けで学校教育法施行令の一部が改正され、これまでの「一定の障害のある児童生徒は原則として特別支援学校に就学する」とする就学先を決定する仕組み(第5条及び第11条関係)が改正されました(*5)。
この改正では、従前の「認定就学制度」が廃止され、新たに「認定特別支援学校就学者」という用語が導入されています。これは、積極的に流布されていないのですが、すべての児童生徒が通常の学校に入学するという前提で就学の手続が始まるということを意味しています。その上で、施行令22条の3に示す障害の程度に該当し、当該市町村の教育委員会が特別支援学校に就学させることが適当であると認める者については、「認定特別支援学校就学者」として対応するということになったのです。
就学先決定の仕組みの見直しとインクルーシブ教育システムの構築
このように、就学の手続の考え方が、「インクルーシブ教育システムの構築」に沿う形で大きく変容して、現在に至っていることがご理解いただけると思います。
しかし、現象面だけを見ると手続きが大きく変わっているようにはとらえにくく、また、特別支援学校就学者の比率が年々高くなっているという現実も一方にあります。こうした仕組みが、広く教育現場に受け入れられるためには、当該の児童生徒だけでなく、全児童生徒にもメリットがあることが認められなければなりませんが、それには一層のきめ細やかな指導体制の充実や環境の改善が求められます。ドイツでは、「障害者の権利に関する条約」批准以降、通常の学校の体制も変革しながら、分離教育からインクルーシブ教育への取り組みがトップダウンで精力的に進められていますが、その道のりは平坦でないことを教えてくれています。
*1:「21世紀の特殊教育の在り方について~一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について~(最終報告)」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/006/toushin/010102.htm
*2:これまでの制度改革
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1299891.htm
*3:障害者基本法
https://www.mhlw.go.jp/tenji/dl/file05-02.pdf
障害者基本法の第16条第1項の条文
「国及び地方公共団体は,障害者が,その年齢及び能力に応じ,かつ,その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため,可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ,教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。」
*4:中央教育審議会初等中等教育分科会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm
*5:学校教育法施行令の一部改正について(通知)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1339311.htm
就学先を決定する仕組みの改正(第5条及び第11条関係)
「市町村の教育委員会は、就学予定者のうち、認定特別支援学校就学者(視覚障害者等のうち、当該市町村の教育委員会が、その者の障害の状態、その者の教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して、その住所の存する都道府県の設置する特別支援学校に就学させることが適当であると認める者をいう。以下同じ。)以外の者について、その保護者に対し、翌学年の初めから2月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならないとすること。」
高等学校 情報:副教材「情報 最新トピック集 2021 高校版」更新
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Webマガジンまなびと:「学び!とPBL」Vol.32
Webマガジン:「学び!とPBL」Vol.32 “Fukushimaに海外の「仲間」を呼びたい!”を追加しました。
Fukushimaに海外の「仲間」を呼びたい!
1.台湾の「仲間」に、福島に来てもらいたい!
図1 台湾の生徒の到着を待つ福島の生徒たち 台湾と交流を始めたプロジェクトのメンバーは、次のステップを考えました。その結論は「福島に台湾の友達に来てもらう」というものでした。福島は、2011年の原発事故で世界的に知られた地名で、親日的だからといって、原子力の放棄を決めた台湾の人たちが、ハンディキャップを持つこの地に「行きたい」といってくれるかどうかわかりません。呼ぶための資金をどうしたらいいのか、そもそも福島に来て何を見て、何をしてもらうかもわかりません。
まず資金は、福島県が進めていた旅行客の誘致事業に合致し、何人を呼ぶか人数にもよりますが、可能性が見えてきました。立人高級中学の教務の先生に相談したところ、「日本に興味のある生徒はたくさんいる、日本に行ったことのある生徒もいる、福島に行くかどうか聞いてみる」と言ってくれたことで、にわかに可能性がふくらんできました。
2.「交流」ではなく「協働」を!
図2 生徒たちのバスが到着した! 私たちの福島市に来てもらいたい、しかし、福島市は皆無ではないにしろ、外国の方がめざしてくるような観光資源があるわけではありません。「福島市」にこだわらず「福島県」に広げれば、外国からも人気のある「会津」もあります。それなら、いっそ、立人高級中学の生徒たちに「見たいもの」「やりたいこと」を直接聞けばいいということになり、日本に来てくれることになった生徒たちとの間で、LINEの翻訳機能などを使ってやりとりが始まりました。
図3 交流事業開会式 観光地をただ見学するだけではなく、私たちの目的は「交流」ではなく「協働」なんだ、いっしょに何かをやりたいということになりました。このプロジェクトも両国の高校生の協働による手作りのツアーとして設定しました。LINEのやりとりで、台湾の人たちは家の中で料理をつくったりする機会が少ないということがわかり、それなら福島の名産であるリンゴを使って、みんなでアップルパイをつくろうということになりました。
滞在期間も2017年11月3日から6日の4日間(正味2日と少し)と決まり、限られた予算と時間の中でのスケジュールや宿泊先の決定、見学先の下見、開会行事の中身、福島の生徒たちが所属している学校との調整などを慌ただしく進めました。ここには、生徒たちが2年前に企画実施した「福島市の観光ツアー」(学び!とPBL<Vol.17>「地域課題に挑む生徒たち②」参照)の経験が如実に生きていました。
海外への旅行経験が、提携先のオーストラリアの1回のみの立人高級中学の劉校長先生が2度目の海外、初めての日本の旅行先として、私たちの福島市にお越しいただくことになりました。福島と立人をつないでくださった楊先生もツアーに参加してくださることになりました。
3.粗末な接待だけど意味のあるものに
図4 会津日新館の前で 11月3日夜、台湾を早朝に発った台湾の仲間たちが、列車、飛行機、バスを乗り継いで福島の飯坂温泉に到着しました。生徒14人と劉校長や楊先生、教務の先生、日本語の先生、外部協力者の大人5名もいっしょでした。それを迎える福島側は、福島市の中高生(高校生は初対面、中学生は高校受験を控えているために1日だけの参加)20人や先生方、福島大学のスタッフらです。
図5 交流で距離が縮まる関係 決して豪華とは言えない温泉旅館を拠点に、これから3日間が始まります。事前に知らされていなかった日本の「温泉」の入り方に、生徒たちは声をあげて驚いており、見かけは私たちと何ら変わりない彼らとの間に大きな文化の違いがあることを実感させられました。開会式は、1日の旅行の疲れもあり、感動の再会も控えめにして、翌日の準備に備えました。
図6 鶴ヶ城の前で沸き立つ生徒たち 2日目は、台湾の生徒からのリクエストに応えて、会津に向かいました。江戸時代の藩校である「会津日新館」、会津を代表する名城「鶴ヶ城」、宿場町の装いをそのままに残す「大内宿」などを見て回りました。寒暖差が少ない台湾の風景に慣れていた客人たちは、いずれも日本の鮮やかな紅葉を楽しんでいました。途中冷たい雨にたたられ、温暖な気候しか知らない台湾の方々が心配されましたが、初めて見る日本の歴史的な佇まいに感動している様子でした。交流を積み重ねていく1日の中で、少しずつ福島側と台湾側とで打ち解けていく様子が、手に取るようにわかりました。とりわけ、日本語が話せるひょうきんな男子生徒が人気で、場をなごませてくれました。
図7 みんなで浴衣を着て 旅館に戻ると、夕食の後、みんなで浴衣に着替え、延々と写真を撮影し続けました。予算の都合上、本当に粗末な接待しかできませんでしたが、その不足分を生徒たちの互いの思いやりで埋め合わせてくれているようでした。
図8 福島市民家園 説明も生徒が行う 翌日は、福島市内の体験活動となります。伝統的な木造建築群の「民家園」では、機織りや囲炉裏など日本古来の文化を体験しました。昼食は味噌を使った料理でしたが、味噌文化を知らない台湾の生徒たちは手を出そうとはしませんでした。
図9 みんなでアップルパイを作る 午後は、リンゴの選果場を見学し、いかに安全管理がしっかりしているか説明してもらいましたが、台湾の生徒たちにはちんぷんかんぷんの様子でした。そこでいただいたリンゴを使って、両国の生徒たちがアップルパイをつくります。言葉が通じませんでしたが、見よう見まねで作業が進み、そのプロセスで生徒たちの絆も築かれていきました。
図10 紅葉を楽しむ生徒たち 夕方の自由時間には、福島近郊でショッピングを楽しみました。日本の医薬品がとても人気があり、先生方も買い込んでいました。劉校長先生は、お孫さんのためにバックパックを品定めしていました。
図11 お別れ会の夜 生徒たちが自分たちで企画したツアーも、今晩のお別れ会で終了となります。大人が考えれば、もっとこうなったのではないかと思いながらも、生徒たちが自分でつくった「おもてなし」には、別の魅力と学びがあります。お別れ会ではみんなでつくったアップルパイを食べ、いっしょにピコ太郎の「PPAP」をやって大いに盛り上がり、両国の生徒たちでお互いに感謝の言葉を交わし、日本側から写真入りのメッセージを贈り、台湾での再開を約束して、感動的に終わりました。翌朝早くに、台湾の生徒たちは福島を発ち、その日の内に台湾に戻ります。
台湾の仲間が帰国した数日後、「とんでもないこと」が判明し、このツアーの意味を考えさせられることになります。
中美特設サイト更新
中学校美術の先生応援サイト「中美 チュービ」:「指導の悩みABC」先輩からのアドバイス vol.23 “【マンガ】研究会、全国大会に参加して”
、vol.24 “【マンガ】同僚っていいもんだ!”
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