「ヒカリの国のなかまたち」(第3学年)

1.題材名

ヒカリの国のなかまたち

2.学年

第3学年

3.分野

立体に表す

4.時間数

5時間

5.準備物

教師:
透明な材料(フードパック、プラスチックカップ、プラスチックスプーン、卵パック、ストロー、緩衝材)、カラーセロハン、段ボール、電球、目玉シール、セロハンテープ
児童:
はさみ、タブレット

6.題材設定の理由

 本題材は、様々な色の光の世界にどんな生き物が住んでいるかを想像し、透明な材料で生き物をつくるものである。光を扱うことで、児童が直感的に美しさを感じ、題材への興味・関心をもち、造形的な見方・考え方を働かせながら学習活動を展開できると考えた。導入では暗い教室で4色の光を映し出し、その美しさに浸る活動からスタートし、児童の意欲を高められるようにした。また、透光性のある材料のみを使用することで、光を通すことで生まれる色の感じ、材料と光の色との組み合わせによる感じ、色の明るさといった造形的なよさや面白さを存分に感じ取ることができるようにした。

7.題材の目標

【知識及び技能】

  • 光を通す材料からヒカリの国に住む生き物をつくる行為を通し、材料や光の色の感じのよさが分かる。
  • 手や体全体を十分に働かせ、材料の組み合わせ方を変えたり、光の見え方を確かめたりして工夫してつくる。

【思考力、判断力、表現力等】

  • 光を通す材料から、ヒカリの国に住む生き物を思い付き、どのように表すか考える。
  • 自分たちの作品や製作過程から、造形的なよさや面白さを感じ取、自分の見方や感じ方を広げる。

【学びに向かう力、人間性等】

  • つくりだす喜びを味わい、進んでヒカリの国に住む生き物を表したり鑑賞したりする活動に取り組む。

8.題材の評価規準

【知識・技能】
 ヒカリの国に住む生き物をつくる行為を通し、光を通す材料や光の色の感じのよさを分かっている。
 手や体全体を十分に働かせ、表したい生き物のイメージをもって材料の組み合わせ方を変えたり、光の見え方を確かめたりして工夫してつくっている。

【思考・判断・表現】
 光を通す材料から、ヒカリの国に住む生き物を思い付き、どのように表すか考えている。
 自分たちの作品や製作過程から、造形的なよさや面白さを感じ取り、自分の見方や感じ方を広げている。

【主体的に学習に取り組む態度】
態表態鑑 つくりだす喜びを味わい、進んでヒカリの国に住む生き物を表したり鑑賞したりする活動に取り組もうとしている。

9.本題材の指導にあたって

 児童が様々な色の光から感情、自然、音、温度などのイメージを広げ、それに合った生き物を発想することができるように、光の色から感じるイメージを膨らませる活動と、生き物に光を当てて見え方を試す活動を十分に行った。
 導入では、指導者が作例として用意した生き物に光を当てて見せることで、素材の特徴を捉え、光を通すことの面白さや美しさを感じることができるようにした。赤・青・黄・緑の4色から児童が直感的に感じた「情熱的だ」「寒そう」「太陽の光のよう」「森の中にいるみたい」といったイメージを発表し合うことで、一人ひとりが色の違いによる面白さを感じられるようにした。児童はさまざまな色の光に興味をもち、「きれい」「次は何色かな」など光の美しさに驚いている様子が見られた。
 表現活動では、毎時間、様々な色の光の空間(「ヒカリの試着室」)に製作中の生き物を置いて、見え方を試すための「旅行タイム」を設定した。

「ヒカリの試着室」(図1)
段ボール箱、電球、プラスチックカップ、色セロハンで作成。白い電球にプラスチックカップ(赤・青・黄・緑それぞれの色セロハンを貼ったもの)を自由に被せることで、箱の中の色を変えることができる。

 教室を暗くし、製作中の生き物を「ヒカリの試着室」の中に置いて見え方を確認することで、材料の組み合わせなど、どんな工夫をすれば自分のイメージに合う生き物をつくることができるのか考えられるようにした。

10.題材の指導計画

光を通す材料に興味をもち、自分の選んだ色のヒカリの国にいたら面白いと思う生き物を考えてつくりはじめる。(1時間)
生き物を光の空間に置いて色の感じを確かめながら、自分のイメージに合うように製作を進める。(3時間)
自分たちの作品を見て、感じとったり考えたりしたことを話し合いながら自分の見方や感じ方を広げる。(1時間)

11.授業の様子

 本題材では、児童が材料の組み合わせや光の色による見え方の違いなどを試すことで、一人ひとりがつくりたいもののイメージをもち、創造的に活動することをねらいとした。児童が初めて材料を光に当て、鑑賞と表現を繰り返しながら試行錯誤して活動する2時間目の実践を主に紹介する。

本時の指導(2/5時間)

①目標
 材料の組み合わせを工夫して光の色に合う生き物をつくることができる。

②展開


学習活動

教師の働きかけ




1.本時の活動の見通しをもつ。
・前時の活動を想起する。

・前時までの学習を振り返りながら、4色のイメージを確認できるようにする。

「どのように材料を工夫してヒカリの国に住む生き物をつくりましたか。」
・工夫したこと、発見したことを全体で共有し、形の工夫の面白さに気付くことができるようにする。

・本時の学習課題を確認する。

自分のすきなヒカリの国にぴったりの生き物をつくろう。

 








2.表現活動を行う。
・製作途中の生き物を4色の光に当ててイメージを確認する。

「それぞれの色の国に合う生き物を考えましょう。」
・同じ生き物でも光の色によって感じるイメージが違うことに気付くことができるようにする。

・自分の使いたい材料を選び、自分の選んだ色のヒカリの国に住む生き物をつくる。

・形や素材、硬さの異なる材料を用意することで、それぞれの特徴を生かしながら表現することができるようにする。

・生き物を様々な色の光の中に置き、見え方を確認する。

・「ヒカリの試着室」を用意し、光の色の違いによる見え方の変化や、材料それぞれの見え方の違いに気付くことができるようにする。また、作品の装飾に使用したカラーセロハンの見え方も、光との組み合わせによって変化する点にも着目するよう伝える。
・見え方を試すことで、さらにどんな工夫をすればよいか発想を広げることができるようにする。

・材料の特徴を生かしながら表現活動を続け、自分のイメージに近づける。

・手が止まっている児童には他の児童の作品を見に行くよう促すなどして友達の表現のよさを見付け、発想を広げることができるようにする。
・表現しながらイメージが変わってきた児童については、初めとは違う色の国に住むことにしてもよいと伝える。

評価

材料の組み合わせを工夫して光のイメージに合う生き物をつくっている。
【思考・判断・表現】(観察・対話・作品)




3.学習を振り返る。
・自分が活動を通して、学んだことを振り返る。

「光の色に合わせてどんな工夫をしましたか。」
・気付いたことや工夫したこと、次の時間にやってみたいこと等を振り返り、次時への意欲を高めるようにする。
・自分の作品を撮影し記録することで、児童が自己の変容を捉えることができるようにする。

完成した児童の作品

【作品例①】緑の国のすし屋の店長
 店長は、お客さんにサービスをする穏やかな性格なので、優しいイメージの緑の国を選んだ。緑の光に緑のセロハンは目立たないので、緑の光に合う青のセロハンを多く使った。色の見え方を何度も確かめながら製作していた。

【作品例②】タイムマシーンにのったペンギン
 黄色の国に迷い込んだペンギンを想像してつくった。未来っぽさを感じる黄色を選んだ。帽子を二重にしてレバーが動くように工夫した。色セロハンをストローの中に入れたり透明カップの内側に貼ったりして光を通したときの見え方を考えていた。

ヒカリの国の鑑賞

 最後には、それぞれのヒカリの国に住む生き物を集め、鑑賞を行った。

12.実践を振り返って

 導入では、赤・青・黄・緑の4色の光から自分の表したいことのイメージを広げる活動を行った。指導者が作例として用意した生き物に光を当てて見せた際には、児童が感じたこととその根拠を確かめながら話し合い、自分がつくりたい生き物のイメージが明確になるようにした。それによって、「ぼくは強い生き物をつくりたいから、やっぱり赤にしよう。」「青い国に住む海の生き物をつくってみたいな。」など、表したいことが具体化され、製作への意欲を高めることにつながった。
 表現活動では、材料の組み合わせや光の色による見え方の違いを試す「旅行タイム」を設定した。「旅行タイム」では、自分の表したいイメージに合うかどうか光の当て方を変えてみたり、別の色との見え方の違いを比べてみたりする児童の姿が見られた。そして工夫したいことを見付けてつくり、また光に当てて見え方を試しさらにつくるというように、鑑賞と表現を繰り返しながら主体的に製作に取り組むことができていた。また、光に当てた生き物を同じグループの友達と見せ合うことで、お互いの作品のよさを自然に伝え合ったり、新たな発想をしたりする児童もみられた。
 様々な工夫をする児童がいる一方で、イメージを広げることができず、材料にあまり手を加えないまま仕上げてしまう児童も見られた。ヒカリの国での暮らしや生き物同士の会話を想像させたり、劇化させたりするなど、生き物やその世界をたっぷり想像するよう促すといった手立ても考えられた。

絵本をきっかけにはじめてみよう(2) ~ハーモニーの教育~

 前号(Vol.39)では、ハーモニーの教育(Vol.01, Vol.12, Vol.13)に関する絵本を取り上げました。今回は、前号に引き続きハーモニーの原則の中でも特に「多様性」に着目した絵本をもう一冊ご紹介したいと思います。また、ESD実践のアプローチの一つとして、絵本がどのような可能性を持っているのかということについても考えていきます。
 今回ご紹介する絵本は『ミリーのすてきなぼうし』(作:きたむらさとし)です。こちらは、日本の絵本作家のもので、小学校の国語の教科書にも掲載されていますが、世界各国でも翻訳され愛読されています。物語は、ミリーという女の子が「とくべつなぼうし」を購入するところから始まります。「とくべつなぼうし」は色も形も大きさも、ミリーの想像しだいで自由自在に変化します。例えば、ミリーがケーキ屋さんの前を通ると、ケーキがたくさん重なった美味しそうな帽子になります。お花屋さんの前を通ると、花束の帽子に変わります。公園では、噴水の帽子に…そんなミリーですが、街を行く人々を見ていると、突然、全ての人がそれぞれの素敵な帽子を頭に乗せていることに気づきます。
 この絵本からは、大人も子どもも誰もが素敵な自分だけの帽子を持っていて、その帽子は一人ひとりの想像しだいでどんな帽子にもなりうるのだというメッセージが伝わってきます。ここで描かれている帽子は、もしかしたら「その人らしさ」や「その人の夢」を象徴しているのかもしれません。想像力を広げながらワクワクした気持ちで楽しんでもらいたい絵本です。

絵本『ミリーのすてきなぼうし』の表紙
(出典:BL出版ウェブページ)

 私は現在、保育者養成校に勤務していますが、この絵本を大学のゼミの授業で取り上げることもたびたびあります。あるときは、初回のゼミでこの絵本を読み、自分がどんな帽子をかぶっているのか、一人ひとりに発表してもらいました。絵本は、子どもだけでなく大人の心にも深く響きます。多様性の大切さを言葉で説明することも必要ですが、それだけでは伝わらないものが、絵本を通して私たちの心の中に届くような気がしています。
 ハーモニープロジェクトのホームページには、ハーモニーの原則をやさしく読み解いた魅力あふれる絵本がいくつも取り上げられています(参考文献の「ハーモニーの原則と関係する絵本のリスト」を参照)。日本語に翻訳されていない絵本も多く含まれていますが、英語を学び始めたばかりの子どもでもわかりやすい英語で書かれていますので、イラストを頼りにしながら、お話を読み進めていくと、これまで触れたことのない新たな物語の世界に引き込まれるでしょう。
 2021年5月にESDに関するユネスコ世界大会で採択された「ベルリン宣言」では、ESDを教育現場で実践する際、認知的な学びのアプローチだけでなく、社会情動的な学びのアプローチも重視していくことが述べられています。また、「想像すること」の重要性については、2021年11月に発表されたユネスコの最新報告書『私たちの未来を共に再想像する:教育のための新たな社会契約』の中でもメインテーマとなっています(Vol.31)。ユネスコは、小学校就学前の段階からESDを始める必要性を説いてきましたが、幼い子どもたちと「持続可能性」について学ぶとき、特に大切にしたい点は社会情動的な観点です。つまり、知識として持続可能性について学ぶのではなく、むしろ、体験や感情を伴った形で学んでいくことが肝要です。物語や絵の持つ力に触れながら、絵本の世界に子どもと共に入り込むことで、持続可能性が表現された世界を擬似体験することができるのではないでしょうか。絵本を一つのきっかけとして、新たなESDの実践が生まれていくことを望みます。
 今回ご紹介した絵本のリストの冒頭では、絵本の魅力について、次のように語られています。「子どもたちの想像力を刺激したり、質問を引き出したり、話し合いを始めたり、物事の概念やキャラクター、文脈といったことに命を吹き込んだりできるのは、絵本の素晴らしい力です。」絵本の世界の力を借りながら、あらためて「多様性」について子どもたちと共に考え対話する機会を持ってみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

Webマガジンまなびと:「学び!とESD」Vol.40

Webマガジン:「学び!とESD」Vol.40 “絵本をきっかけにはじめてみよう(2) ~ハーモニーの教育~”を追加しました。

デジタル教科書・教材サポートサイト:ユーザーサポートにデジタル教科書(教材)更新データ追加【小学社会】【中学社会】

デジタル教科書・教材サポートサイト:「ユーザーサポート」にデジタル教科書(教材)更新データ【小学社会】【中学社会】を追加しました。

幻滅

© 2021 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 3 CINÉMA – GABRIEL INC. – UMEDIA

 もう60年ほど前になると思うが、中学校の国語教師のY先生の授業は、脱線とまではいかないが、教科書と関係のない話が多かった。よく話していたのは、フランスの作家、バルザックだった。曰く「バルザックは、生涯、90ほどの小説を書いた」。曰く「約200人ほどの人物の性格を描き分けた」。曰く「その作品群を自ら人間喜劇と名付けた」。曰く「バルザックを読め」と。
 このほど、このバルザックの書いた小説「幻滅―メディア戦記」が「幻滅」(ハーク配給)というタイトルで映画になった。
 今から、200年ほど前、主に、フランスはパリのメディアのありようや、貴族と一般人の差異を描いた、痛快な人間ドラマだ。
 19世紀の始め、20歳になる孤児のリュシアン・ド・リュバンプレ(バンジャマン・ヴォワザン)は、田舎町の小さな印刷所で働いていた。
 リュシアンは、仕事の合間、詩作に励み、いつかパリに出て、詩人になることを夢みていた。そんなリュシアンを理解し、応援しているのが地元の大地主の妻、ルイーズ・ド・バルジュトン伯爵夫人(セシル・ド・フランス)だ。
 ルイーズは、リュシアンのために詩の朗読会を開くが、だれもリュシアンの詩を理解できない。やがて、リュシアンとルイーズは、深い仲となる。ふたりの関係は、バルジュトン伯爵の知るところとなり、リュシアンとルイーズは、駆け落ち同然に、パリに向かう。
 パリでは、ルイーズに思いを寄せているデュ・シャトレ公爵(アンドレ・マルコン)が、秘かに、リュシアンの下宿先を世話してくれる。
 ルイーズは、リュシアンをオペラに誘う。ルイーズのいとこになる社交界の著名人、デスパール公爵夫人(ジャンヌ・バリバール)が同席するなか、観客の注目がリュシアンに集まる。田舎育ちのリュシアンの言動は、当然、客席からひんしゅくを買う。
 パーティの席上、新進作家のナタン(グザヴィエ・ドラン)だけが、リュシアンに好意的な態度を示す。
© 2021 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 3 CINÉMA – GABRIEL INC. – UMEDIA 下宿に置いていたお金を盗まれたリュシアンは、小さなビストロで働きだす。ここでリュシアンは、ジャーナリストのエティエンヌ・ルスト―(ヴァンサン・ラコスト)と出会う。
 リュシアンは、詩を書いていることと、芸術批評の仕事への憧れをエティエンヌに語る。現実的なエティエンヌは、うそぶく。「自分の仕事は株主を裕福にすること」と。
 エティエンヌに気に入られたリュシアンは、出版界の大物、ドリア(ジャラール・ドパルデュー)の主催する集まりに参加するようになる。ドリアは、ろくに読み書きはできないが、お金になる出版なら、どんな内容でも手を出す。
 恐怖政治を経て、王党派と自由派の対立が顕著になる。王党派を批判する自由派の新聞記者たちは、広告主の意向を汲み、世間の注目を集めるような記事ばかりを書く。
 リュシアンは、エティエンヌの依頼で、ある大衆劇の批評記事を書くよう依頼される。ここでリュシアンは、出演していた若い女優のコラリー(サロメ・ドゥワルス)と知り合う。若い二人は、たちまち男女の関係となる。
 自由派を支援する新聞2紙が合併する。エティエンヌは、新しい新聞「コルセール・サタン」の編集長になる。「もっともらしい言葉はみな真実だ」と挨拶するエティエンヌ。
 貴族たちにバカにされたリュシアンは、復讐よろしく、王党派を批判する記事を書きまくる。
 ナレーションが、当時の様子をうまくダイジェストする。「論説紙が商業誌へと変貌し、新たな産業が生まれつつあった。今や新聞は人々が望む情報を売る店だ。読者を啓蒙するのではなく、彼らの意見に媚びる。一部の記者は、文章と言葉の商人となり、芸術家と大衆の間のブローカーと化した」。
 羽振りのよくなったリュシアンは、劇場主を買収し、コラリーをラシーヌの戯曲「ベレニス」の主役になるよう画策する。
 作家として力をつけてきたナタンは、王党派とも親しい。ナタンはリュシアンに忠告する。「近く、自由派の新聞を取り締まる新法が出来るらしい。気をつけたほうがいい」と。
 早いテンポで、当時の新聞界、演劇界の内情が語られていく。多くの人物が暗躍する。ほとんどの人物が、金と名誉のために動く。映画は、2時間29分ほどのなかに、当時のメディア事情が語られ、絶妙のタイミングで、ナタンのナレーションが重なっていく。
© 2021 CURIOSA FILMS – GAUMONT – FRANCE 3 CINÉMA – GABRIEL INC. – UMEDIA 200年ほど前の話だが、メディアとお金の関係など、まったく今と同じようである。政権の批判を忘れ、お金のために、かんたんに寝返るジャーナリストは、いまの日本にも数多く存在する。
 驚くのは、主要な登場人物の人となりが、短いセリフやちょっとしたシーンから、いきいきと伝わってくることだ。映画では、原作にはない人物を造形したりするが、やはりバルザックのもとの小説が優れているからだろうか。「200人ほどの人物を描き分けた」といったY先生の言葉の真実味が増す。
 脚本、監督は、2015年に「偉大なるマルグリット」を撮ったグザヴィエ・ジャノリ。まだ学生の頃から、バルザックの「幻滅」を映画にしたいと思っていたそうだ。
 俳優たちが、みな力演。リュシアンを演じたバンジャマン・ヴォワザンは、フランソワ・オゾン監督の「Summer of 85」に出ていた。ルイーズ役のセシル・ド・フランスは、セドリック・クラピッシュ監督の「スパニッシュ・アパートメント」以来、ごひいきの女優である。そのほか、監督業を離れてグザヴィエ・ドラン、多くのフランス映画に出ているジェラール・ドパルデューなど、豪華なキャストだ。
 添えられた音楽の選曲が絶妙。なんども流れるのは、シューベルトの歌曲集「白鳥の歌」のなかの「セレナーデ」。さらに、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「不安」の第2楽章、モーツァルトの弦楽三重奏のためのディヴェルティメントの第4楽章、シューベルトの弦楽三重奏曲第1番の第2楽章、シューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」の第2楽章、バッハの4台のチェンバロのための協奏曲、パーセルのソナタ第1番、マックス・リヒターの「サマー 1」などなど。
 映画を見て思った。もし、バルザックがいま生きていたら、どんな小説を書くだろうか、と。せめて、バルザックの傑作と言われている「ウジェニー・グランデ」、「ゴリオ爺さん」、「谷間の百合」そして「幻滅」と、改めて読み直したいと思っている。
 バルザックの言葉である。「幻滅の後、自分自身のうちに何かを見つけねばならない人々を思う」。

2023年4月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町新宿ピカデリーYEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開

『幻滅』公式Webサイト

監督・脚本:グザヴィエ・ジャノリ
出演:バンジャマン・ヴォワザン、セシル・ド・フランス、ヴァンサン・ラコスト、グザヴィエ・ドラン、サロメ・ドゥワルス、ジャンヌ・バリバール、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・マルコン、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、ジャン=フランソワ・ステヴナン
2022年/フランス映画/フランス語/149分/カラー/5.1chデジタル/スコープサイズ/原題:Illusions perdues
字幕:手束紀子
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
配給:ハーク
配給協力:FLICKK

今、改めてどうつきあう? 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 図画工作編」

山添joseph勇さん大泉義一 先生

 今回は、「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 図画工作編」とのつきあい方についてです。
 「学習指導要領等の改善に係る検討に必要な専門的作業等協力者」のお一人である早稲田大学教授の大泉義一先生(※1) と、教育者外からの視点で「学習指導要領解説『図画工作編』をていねいに読む」という配信を行っていた美術家で深沢アート研究所の山添joseph勇さん(※2)から伺ったお話を、4つの視点でお伝えします。
 皆さんも、ぜひ解説を片手にお読みください。
※本記事の中では学習指導要領の本文を「本文」、同解説を「解説」と表記します。
※脚注は対談に同席した編集部にて作成しました。

① 一つ一つの言葉をていねいに読もう

山添:2016年に教科書に関わるようになって初めて学習指導要領の存在に触れました。「解説」は読むたびにいろいろな考えや想いがめぐる、とてもいい本なんですよね。
大泉:「本」って(笑)。読むたびにいろいろな読み方ができるというのは、「解説」の内容を委員で考えあった時にも大切にしたことですね。使っている言葉の意味を規定しすぎないようにしていました。
様々な箇所に山添さんのメモが書かれている
山添:きれいな言葉やいい言葉がたくさんあるんですよ。「光あふれる広場」(p26)(※3)とか。本当はただの「広場」という言葉でいいし、もしくは光あふれない広場でもいいけど、読んだ人が気持ちよくなる、こういう言葉が大切だと思いました。

大泉:これは平成20年度版にもある言葉ですけど、「光あふれる広場」と書かれていれば、先生だったら子どものいる姿が思いうかびますよね。触発されて活動のイメージが広がるような言葉は入れていますね。
山添:技能についてのところで「はさみを使う行為から動きやリズムをつくりだしたり、無心になって用具を使う中から形を見付けたりするなど(略)」(p47)(※4)とあるのもよくて。使い方を学ぶだけじゃなくて、使えるようになるからまた新しいことが思い付くっていうのが、「造形遊び」じゃなくて「絵や立体、工作に表す」の中で書かれるのがいいです。
大泉:これも前からありますね。「技能」は平成20年度版までは「創造的な技能」と呼ばれていたんですが、改訂全体の方針でどの教科も「知識及び技能」に統一することになった。でも「創造的」であることは変わりないので、この説明は残して、山添さんのおっしゃるように、行為や発想・構想との間に往還が起こるようなことが「技能」ですよ、と解説してるんですよね。
山添:これは「本文」の言葉ですが、「情操」(※5)にもすごく感動したんです。「美しいな、きれいだな、いいな」って子どもたちが純粋に思う時の心を「情操」って言っているのかなと。いわゆる「いい作品」とかじゃなくて、子どもたちがストレートに感じる心を指していて、とてもいいと思いました。
 「解説」では一つ一つの言葉をすごく丁寧でやさしく定義していたり、逆にあえて言い切ったりしているところもあってすごく配慮している。ちゃんと議論した上で、説明したりしなかったりしてるんでしょうね。

大泉:説明していないと言えば〔共通事項〕で示されている「イメージ」(※6)ですね。もう少し説明をした方がよいのでは?という議論もあったんですが、一般の人が使う「イメージ」以上でも以下でもない解釈にしておこう、ということになりました。説明されていない言葉については、文字通りの意味で解釈すればいいんですよね。
山添:そういえば、「など」を使っているところも多いですよね。「など」は大切にして読んだ方がいい(笑)。

――大切な指摘です。〔共通事項〕には「形や色など」という言葉がありますが「形や色」と略されていることをたまに耳にすると気になります。『学び!と美術』の125回目(※7)でも書いていただいたように「触った感じ」はとても重要だと思うんですが、「など」に入っているので取りこぼされがちだと感じることも多いです。

大泉:触った感じや材質感(※8)は「など」の例として書かれている。ここを見落とすと図画工作がビジュアルな側面に寄ってしまう。小学生にとっての「触った感じ」はとても重要なんだけどな。
 本文で「など」があったら、「解説」を読んでみる。そこに解説されていることが結構重要だったり、子どもの姿の具体だったりするんです。

編集者メモ
・好きな言葉を探して読むと、見え方が変わってくる。
・解説されていない言葉は、字義通りに受け止めればよい。
・「本文」に「など」と書かれているところは、「解説」でしっかりチェック。

② 子どもたちの「あるある」を探してみよう

大泉:学習指導要領は、現場の先生方がつくっているものです。学習指導要領の改訂前には実施状況調査(※9)というのを行います。そこで、子どもたちの学習の実態や先生方の指導の実態を捉えたうえで、「こういう実態だったら、ここを変えてもっと子どもたちがよりよく育つようにしましょう」と考えて次の学習指導要領をつくっていく。なので、どこかで勝手につくられているのではなく、現場の先生方の実践、子どもたちの姿からつくられていくんですよね。改善の方向を子どもたちや現場の先生方に教えてもらいながら考えていくんです。
山添:そういうことって、普通は知らないですよね。
大泉:協力者の会議の時『子ども(の姿)から離れないようにしよう』というのを合言葉のようにしていました。だからこの本には、子どもが豊かに表現や鑑賞の活動に取り組む姿が散りばめられているんですよ。
山添:いつも子どもを見ている先生にとっては「当たり前」と思うようなことが書かれているってことですか。

大泉:そうですね。その「当たり前」が教育においては尊いと思います。先生方の現場に学習指導要領の「真実」があるんです。
山添:へ~「真実」ってなんか重っ。
 そうそう、私が比較的専門とする造形遊びの方の技能では「並べる、つなぐ、積む」に加えて「重ねる、かぶせる、丸める、(中略)たらすなど」(p44)(※10)というように子どもの姿もすごく具体的に書かれていますよね。こういうところもいいなと思うところです。
大泉:ここは今回の改訂で明確化したところですね。授業で見られる子どもの姿からより具体化している。解説で書かれてることは「子どもあるある」なんですよ。
山添:学習指導要領で学ぶんじゃなくて、「ああ分かる分かる」って思って読むといいですね。
大泉:逆引きみたいに子どもの姿を見てから解説を読んで「あー、あるある」って確認する使い方もいいかもしれない。「こんな姿も出てくるはずなのか。だったらこういう活動も……」のように使うのもありですね。
山添:そうやって読むと、学習指導要領に追われるんじゃなくて、子どもの成長をちゃんと見ることができますね。子どもに寄り添える。

編集者メモ
・学習指導要領は、子どもたちの実態を基に改善が図られている。
・なので「解説」で書かれている子どもの姿は、図画工作での「子どもあるある」だと思って読むと、共感的に読んでいくことができる。

③ 逆説表現に注目しよう

山添:「絵や立体、工作に表す」のところには「作品として残したいという意識も生まれてくる」(p27)(※11)とあるんですけど、これも素敵な言葉ですよね。
大泉:造形遊びとの違いを説明するための記述(※12)の中の表現だと思うけど、それでも初めから作品ありきではなくて、子どもに「作品として残したいという意識」があるから作品になるってことを言ってる。
山添:今ので思い出しましたけど、「~ではなく」(※13)とか「一方で」のような逆説的な表現も結構あって、それもなんかいいですよね。工作の説明で「一方、『工作』とは、意図や用途がある程度明確で」(p27)(※14)と書かれているのが好きで。
造形遊び、絵、立体、工作それぞれの距離感もちゃんと示されているんですよね。

――「本文」だけだとこの辺の距離感は分かりにくいですよね。文字通り「解説」で解説している部分ですね。

大泉:目標の(3)に「楽しく豊かな生活」(※15)ってあるじゃないですか。これについて解説してある6行の文章は大切なところなんです。「その生活は図工における児童の学習生活をはじめとして、学校生活、家庭生活、社会生活へと広がりをもつものであり、そのような社会では、一人一人の児童が楽しさや豊かさの実感をもって生きていくことができる」(p16)(※16)。社会が先にあってそこに子どもが合わせるんじゃなくて、子どもたちの豊かさがあって、それが連綿とつながった先に社会が構成されるべきだ、という考えを表明しているんですよね。
山添:ここでも逆説が出てきますね。「物質的な豊かさだけではなく、一人ひとりの児童が楽しいといった心情を抱いたり、充足感を得たりするような、豊かさを実感できる自分の生活のこと」(p16)(※17)って。要は、豊かさとは金では無い!という結構挑戦的で現実的な言葉。こういう書き方があるからこの本が堅く見えないんですよね。

編集者メモ
・「解説」には「~ではなく」や「一方」といった、逆説的な表現が結構ある。
・そう表現されているところには意味があるので、「~ではなく」「一方」前後の対比をしっかり読む。

④ 書かれていないことに思いをはせよう

山添:目標の「つくりだす喜びを味わう」(※18)ってとてもいい言葉だけど、ものづくりや作品には苦しさや、見られたくないっていうような一面もあると思うんです。そういうことは書かれていない。
山添さん所有。喜びを味わうの箇所に「苦しみ」と書かれている
大泉:これは教育全般に言えることだと思うんだけど、成功的なことしか見せない傾向はありますよね。実際の子どもたちのことを考えると、90分の授業でずっと集中してるわけでもないし、上手くいかないことや、形に残らなかったこともあると思うんですが、そういうところをすべて示し切るのは難しい。やはり子どもの実態が第一です。
山添:「つくりだす喜び」の横に「苦しみ」ってメモを衝動的に書いちゃっていましたよ(笑)その「苦しさ」が美しくないかというとそんなこともないですしね。
大泉:つくりだす過程でいろいろなことが起こる。そういうものをひっくるめての「つくりだす喜び」なんだって言わないといけないですね。
山添:「解説」の最初にある総説の改訂の経緯なんかには結構しんどい未来予想図が書かれてるんですけどね(笑)。実際の授業の中には、苦しい絵をかく子もいると思うんです。でもその子がその絵をかいたというのは、そういう表現をだせる空間になっていたってこと。そういう時期を過ごすから健全になっていける子どももいると思います。
大泉:学習指導要領で示す言葉の限界も知りながら読まないといけないですね。さっきも言いましたけど、現場の方に真実があるというのをしっかり踏まえておくことが大事ですね。

――「よさ」に気づいたということは「よくなさ」にも気づいてるってことなんでしょうけど、「両方を記述しきるのは現実的には不可能ですよね。

大泉:例えば「よさや美しさ」は一気に捉えられるわけではなくて「ああでもないこうでもない」という失敗を含む探索や試行錯誤を通じて捉えられるものですからね。「つくり、つくりかえ、つくる」(p10など)(※19)には、そのようにいろいろやっていいんだよ、というメッセージも込められているんです。

――「つくり、つくりかえ、つくる」は「広くとらえれば図画工作科の学びそのもの」(p27)(※20)って書いてますしね。

大泉:造形遊びに限らず、図画工作の学習全体でこういう姿を大切にしたい、ということで加えられた一文ですね。
山添:造形遊びは本当によくできた分野だと思っていて。本当は形にならなくても活動の中で力が育っていればそれでいいんだけど、そういうこともなかなか示されないですよね。
 造形遊びって本当に難しくて。子どものどこを大切にするかで変わりますよね。「解説」で具体的に示されている部分だけに引っ張られすぎると、整えてしまうんですよね。リラックスして鼻歌交じりにするぐらいが本当はいいと思います。結果的に表現になっちゃった、というぐらいが大事だと思うんですけど。
大泉:学習指導要領の「言葉だけ」にまじめに向き合うほど、形や色などの造形的側面にこだわってしまうかもしれない。そこに示し切れていない子どもの姿って、当たり前だけどたくさんあるから、そのことを踏まえておかないといけないですね。活動の最後に形に残っていなくても、活動の中で資質・能力が働いていたら学習としては成立しているんです。

――「感覚や行為」(※21)の「行為」ってそういうことですよね。

大泉:もちろん、子どもの一つ一つの行為まで教師が規定して指導するってことじゃなくて、子どものあらゆる行為には資質・能力の発揮が表れているから、大切に見てあげましょう、ってことですよね。「解説」で示している「あるある」は子どもの行為を制限するものじゃなくて、ほんの一例。むしろここに書ききれていないものが、先生方の目の前にたくさんある。繰り返しますが、何より学習指導要領の真実は教育現場にある、と思いながら読んでほしいですね。
山添:「本文」だけだと全然頭に入ってこないけど、「解説」は豊かな言葉で書かれているから読んでて楽しいんです。けどこれを読んで、目の前にいるその時々の子どもに教師としてほぼ毎日接し、さらに子どもたちの6年間の成長を意識して判断して授業をしてると思うと、やっぱ先生たちはすごいですよね。

――教科書をつくる時もこれを目指せばいい、という感じになってしまいがちですが、「解説」を含めてこの学習指導要領からどれくらい子どもの姿を豊かに想像できるか、というのが大切ですね。本日はありがとうございました。

編集者メモ
・「解説」は「あるある」だけど、書ききれていない子どもの姿もたくさんある。
・書かれていることを現実の授業に戻す時(教科書をつくる時)には、書かれていないことにも思いをはせることが大切。
・学習指導要領の「真実」は教育現場にある!


大泉 義一(おおいずみ・よしいち)
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
東京生まれ。博士(教育学)東京学芸大学教育学研究科。
都内公立中学校教諭、東京学芸大学附属小学校文部科学教諭、北海道教育大学准教授、横浜国立大学准教授を経て2019年より現職。美術科教育学会副代表理事。専門は、美術教育、デザイン教育、ワークショップ論。
主著に『子どものデザイン その原理と実践』(単著、日本文教出版、2017)、『美術教育学の歴史から:美術教育学叢書(2)』(共著、学術研究出版、2019)、「造形ワークショップの評価に関する実践研究:〈実践デザイン=評価デザイン〉と〈日常生活への延長〉」(単著、『美術教育学研究』第47号、大学美術教育学会、2015)など。
2011年に、学生とともに取り組んでいるワークショップ・プロジェクト『アートツール・キャラバン』で第5回キッズデザイン賞(フューチャーアクション部門)受賞、2013年には、教育現場との連携に基づく図画工作・美術科の授業における教師の発話に関する研究で第10回美術教育学賞受賞。
大泉義一研究室ホームページ:http://www7b.biglobe.ne.jp/~oizumi-labo/


山添joseph勇(やまぞえ・じょせふ・いさむ)
美術家/深沢アート研究所
東京造形大学絵画科卒/静岡福祉大学非常勤講師。
インスタレーションや空間、平面、立体、映像などの作品を制作や、現代アートを基軸としたこども造形教室やこども造形ワークショップの企画・実施などを主な活動とする。
<活動略歴>食と現代美術(BankART1929、2005~2021)/造形プログラム提供(CANVAS、吉本興業など(2004~)) / 横浜市民ギャラリーあざみ野『夏のこどもぎゃりぃ』(2006~2008)/十和田市現代美術館『親子のためのスクール』(2017)/ SONYプログラミング教育キット教育プログラム開発KOOV(2019)/BankARTSchool子ども造形ワークショップ(2004~)/KAATキッズサマーパーティー(2018、2019)/受賞:キッズワークショップアワード最優秀賞(2020)/令和二年度版図画工作教科書共同著者
著書『こどもがたのしくつくるはじめてのこうさく』(高橋書店刊)/ころころコース世界〇〇旅行へん(コクヨ)など。
『深沢アート研究所』は、カブ(アーティスト・緑化研究者)と山添joseph勇のコンビによる、現代アート・子ども造形・緑化の研究などを主な活動とするアーティストユニット(2003~)。

※1:平成20年の改訂の際には「小学校学習指導要領解説図画工作編作成協力者」のお一人。
※2: 第1回:A表現(1)(2)の(ア)造形あそびをする活動の内容 https://youtu.be/WKxzkkv_yjw(p26、p39-p40、p44-p45、p62-p63、p67-p68、p85-p86、p90-p91)
第2回:A表現(1)(2)の(イ)絵や立体、工作に表す活動の内容 https://youtu.be/x_24rT6vFJk(p27-p28、p41-p42、p46-p47、p64-p65、p69-p70、p87-p88、p92-p93)
第3回:B鑑賞の活動の内容「見方・感じ方」https://youtu.be/vBx8F5ScFiU(p31-p32、p50-p51、p73-p74、p96-p97)
第4回:A表現(1)(2)とB鑑賞を通しての共通事項(ア)(イ)https://youtu.be/_EcI4IaArV8(p32-p34、p54-p55、p77-p78、p100-p101)
第5回:図画工作科の目標 https://youtu.be/39AYVKAD2yY(p09-p16)
第6回:道徳と幼稚園教育要領と中学校美術の目標(ねらい)と内容 https://youtu.be/s5AvGtcDjDA(p160-p163、p175-p179、p150-p153)
※3:学習指導要領(平成29年告示)解説「図画工作編」p26。平成20年告示の学習指導要領解説(以下平成20年版)ではp20。
※4:前掲書p47。平成20年版ではp37。
※5:教科の目標(3)「つくりだす喜びを味わうとともに、感性を育み、楽しく豊かな生活を創造しようとする態度を養い、豊かな情操を培う」。解説は前掲書p16。「美しい物や優れたものに接して感動する、情感豊かな心をいい、情緒などに比べて更に複雑な感情を指すものとされている。」とあり、更に「よさや美しさなどのよりよい価値に向かう傾向をもつ意思や心情と深く関わっている。それは、一時的なものではなく、持続的に働くものであり、教育によって高めることで、豊かな人間性等を育むことになる。」と解説されている。
目標の(3)は指導する事項と直接対応していないが、非常に重要なことが記述されている。

※6:前掲書p33、55、78、101。いずれの箇所でも「イメージとは、児童が心の中につくりだす像や全体的な感じ、又は、心に思い浮かべる情景や姿などのこと」と記述されており、発達の段階に合わせた変化などへの言及はない。平成20年版ではp26。
※7:学び!と美術 <Vol.125> 触ることから始まる 群馬大学共同教育学部 教授 林耕史 https://www.nichibun-g.co.jp/data/web-magazine/manabito/art/art125/
※8:前掲書p54。第1学年及び第2学年の目標の〔共通事項〕についての解説の中で、「形、線、色、触った感じなど」として記されており、その後にさらに具体的な子どもの姿の例が記述されている。ちなみに平成20年版の第1学年及び第2学年の内容における〔共通事項〕の記述では「形、線、色、質感など」(p41)。
※9:学習指導要領実施状況調査。国立教育政策研究所の教育課程研究センターが実施する、実際の教育現場において、学習指導要領で示されたことがどのように実現されているかを調査するもの。
平成20年告示の学習指導要領についての調査は平成24年度、25年度に実施された。
※10:前掲書p44。「他にも、重ねる、かぶせる、丸める、破る、巻く、つるす、潜り込む、垂らす、などが考えられるが(略)」。「本文」で「並べる、つなぐ、積む」を取り上げて示している理由についても示されている。なお平成20年版では「重ねる~」以降の記述はなく、対談で述べられているように今回の改訂でより具体的な表記になっている。
※11:前掲書p27。平成20年版では「作品と呼べるようになる」(p22)。「解説」の文章の追記や削除は公開されるわけではないためこうした変化は気付きにくいが、より子どもの心情に寄り添った重要な変化だろう。
※12:前掲書p21では「『造形遊びをする』は、結果的に作品になることもあるが、初めから作品をつくることを目的としない」とある。つまり造形遊びをする活動の中で「作品」になること自体は否定されていない。が、作品にならなくても「資質・能力」が発揮されていればよいということ。
※13:前掲書を検索すると「ではなく」は総説を含めて39か所。「一方」は7か所。
※14:前掲書p27。「絵や立体」との違いについて記述されている。
※15:脚注(※5)参照。
※16:前掲書p16。
※17:前掲書p16「物質的な豊かさだけではなく(略)」として逆説表現が使われている。一般に「豊かさ」というと「物質的な豊かさ」をイメージしてしまうことに対する警鐘か。
※18:脚注(※5)参照。
※19:前掲書p10、26、40、63、75、86、106。主に造形遊びをする活動の中で使用されているが、p10は教科の目標(1)について、p106は主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善についての記述の中で使用されており、対談中でも言及されたように、図画工作の学びを貫く子どもたちの姿と言えそうである。なお平成20年版ではA表現(1)造形遊びをする活動についての解説の中で一度使用されている。
※20:前掲書p27。
※21:教科の目標(1)「(前略)造形的な視点について自分の感覚や行為を通して理解するとともに(後略)」。平成20年版では目標に記述はなく〔共通事項〕(1)アに「自分の感覚や活動を通して(後略)」と記述されている。

大阪中之島美術館と日本文教出版の共同企画『お手紙書こう』について

大阪中之島美術館で2023年4月15日より開催される『佐伯祐三ー自画像としての風景』において、大阪中之島美術館と日本文教出版の共同企画『お手紙書こう』を実施します。詳しくは、『お手紙書こう』のページをご覧ください。
https://www.nichibun-g.co.jp/otegamikakou-nakka/