「令和7年度版 中学校教科書のご案内」特設サイト
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月別アーカイブ: 2024年4月
高等学校 情報:「情報Ⅰ」「情報Ⅰ図解と実習」「情報Ⅱ」に「情報カタログ2024(副教材一覧)」追加
高等学校 情報:「情報Ⅰ」「情報Ⅰ 図解と実習」「情報Ⅱ」に「情報カタログ2024(副教材一覧)」を追加しました。
Webマガジンまなびと:「学び!とESD」Vol.52
Webマガジン:「学び!とESD」Vol.52 “見えないものの声を聴く ~ヒューマンとノンヒューマン~(その2)”を追加しました。
見えないものの声を聴く ~ヒューマンとノンヒューマン~(その2)
ノンヒューマンの声
今回は、ポスト・コロナ社会のESDにおいても新たな課題とされている「人間と人間ならざるもの(ノンヒューマン)」たちとの関係性を考える絵本シリーズの第2弾です。「その1(学び!とESD<Vol.49>)」の「ノンヒューマン」の対象は動物たちでしたが、今回のそれは「空気」です。ご紹介したい絵本のタイトルは、『空気はだれのもの? ジェイクのメッセージ』。作者の淡く優しい絵と文章が、空気と一匹の犬の声を通じて本を読む子どもたちに大切なメッセージを届けてくれます。
物語の冒頭、犬のジェイクは空気と出会い、そこで空気からあることを頼まれます。空気の世界に案内するから一緒に来てくれないかと。空気と犬のジェイクの旅が始まります。風の風船に乗ったジェイクは、空気に案内されるまま高く高く空を上昇しますが、その道中で下から漂う汚れた臭いを感じます。臭いの正体は、人間たちが出した煙や化学物質でした。
空気と一匹の犬の旅はさらに宇宙にまで達します。青く輝く地球を目にしたジェイクはその美しさにとても感動しますが、空気はそんな綺麗な地球が毛布のように「汚れ」に包まれることで地球の温度が高くなってしまうことを教えてくれます。そしてその結果氷山や氷河が溶けて海水が増え、小さな島や海岸が海に沈んでしまい、そこにいた植物や動物が困ってしまうということも。空気はジェイクに頼みます。「人間たちに伝えて、これ以上空気を汚さないで」と。そしてジェイクもそれに同意し、地球や空気は誰のものでもない、人間も含めて「お互いのため」に存在していることを思い出してほしいと人間たちに伝えることを空気に約束します。
この絵本は、大気汚染、気候変動、脱炭素社会などという難しい用語を使わずとも、読み手となる子どもたちにたくさんのことを教えてくれます。単純に「空気の声を聴く」という手段を通じてです。私たちが普段気にも留めない、改めて考えることもない、でも必要不可欠な空気という存在に目を向けてその声を聴くことで、問題そのものだけではなく、他のものごとの見方も変わってくるかもしれません。
脱人間中心主義の動向
人間だけではなく、それ以外のアクター(行為者、関係者)を「ノンヒューマン」として捉え、ヒューマンとノンヒューマンとの関係性から社会や環境を捉え直そうとする動きは、昨今の大きな潮流です。アクターを動植物といった「自然」のみに限定せず、テクノロジーも含めた「モノ」にも目を向け、しかも人間もアクターの一つと捉えてアクター相互の関係性を重視しようとする態度(*1)は、人類学のみならず、アート、文学、環境哲学などの様々な領域に広がっています。いかに人間のエゴ(Ego-centric)を見直し、生態系中心(Eco-centric)にものごとを考えることができるか、という「eGoからeCo」へのパラダイム転換の試みです。
<出典:「Medium」ホームページ>
“Anthro VS Eco: The Battle of the Prefixes”より
https://medium.com/@rnb96/anthro-vs-eco-the-battle-of-the-prefixes-20d257111013
それは、人間のより良き生活のための問題解決として展開されてきたデザインという分野においてでさえも同様です。現代社会に起因する環境に関わる喫緊の課題に直面している今、これまでの「人間中心設計」(Human-Centered Design:HCD)に対する批判的アプローチとして、「ノンヒューマン」という観点が注目されています。デザインを再定義するという大きな問い直しです。
つまり、従来どおりに人間のみをステークホルダー(利害関係者)とし、そのニーズと嗜好に応え、開発や発展のみをゴールに置いた人間中心設計に対し、すべての対象者をアクターとして捉え、環境、社会、経済を持続可能なものにするための「環境中心設計」(Environment-Centered Design:ECD)というデザイン思想です。このアクターは、ブルーノ・ラトゥールの「アクター・ネットワーク理論(ANT)」(*2)に由来しています。
<出典:「THE SUSTAINABLE UX」ホームページ>
“What is Environment Centered Design vs Human Centered Design”より
https://thesustainableux.com/what-is-environment-centered-design-vs-human-centered-design/
上記2つの図を見て、読者の皆さんは何を感じるでしょうか。両図の左側のHCDが「人間を世界の中心やトップに据えているなかで、右側のECDは「人間も世界の数あるうちのアクターの1つでしかない」としており、人間とノンヒューマンのどこまでもフラットな関係性に気づかせてくれます。
そこで次号では、ポーランド人デザイン人類学者モニカ・シュネル氏がつくった「アクタント・マッピング・キャンバス(Actant Mapping Canvas)」というデザイン・ツールを紹介したいと思います。ノンヒューマンを意識したデザインの再定義という大きな試みを通じて、私たちはどのような視点をもつことができるようになり、それがどうESDに結び付くのかを考えたいと思います。
*1:ヒト以外の生命(動植物や微生物など)のみならず、生命の定義には入ってこないウィルス、さらには大地・水・太陽・大気といった循環を支えている非生命までを含む広い概念。前田幸男『「人新世」の惑星政治学:ヒトだけを見れば済む時代の終焉』(2023年)青土社
*2:人間と非人間を等価なアクターと見なして、互いの関わり合いから社会を捉え直すための理論
【参考文献】
- 葉 祥明(2008年)『空気さんありがとう!―ジェイクのメッセージ』自由国民社
- アルトゥーロ・エスコバル(2024年)『多元世界に向けたデザイン ラディカルな相互依存性、自治と自律、そして複数の世界をつくること』ビー・エヌ・エヌ
- ブリュノ・ラトゥール(2019年)『社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門』法政大学出版局
- The Mediumホームページ:https://medium.com/

- THE SUSTAINABLE UXホームページ:https://thesustainableux.com/

Webマガジンまなびと:「学び!と美術」Vol.140
Webマガジン:「学び!と美術」Vol.140 “【三菱鉛筆】カタくて、やわらかい、芯のある会社 ~突撃! 図工な企業(第1回)~” を追加しました。
【三菱鉛筆】カタくて、やわらかい、芯のある会社 〜突撃! 図工な企業(第1回)~
図画工作や美術を通して培われる力(図工力)は、生活や社会の中でどのような力として発揮されているのでしょうか。シリーズ「突撃!図工な企業」では、図工力を発揮して活動している(と編集部が感じた)企業や組織を訪問し、働く方々のお話を聞きながら、図画工作や美術を学ぶ意義を捉え直していきます。
図工力とは
ここでの
今回の「図工な企業」は、三菱鉛筆株式会社。学校でもおなじみの筆記具をつくっている会社です。長く親しまれ続ける商品を開発するために、図工力はどのように関係しているのでしょうか。商品企画や開発に携わっている3人の方にざっくばらんに話していただきました。
◎お話を聞いた図工な人々
鈴木 秀享さん (商品開発部 商品第三グループ グループ長/写真左 )福田 千絵さん (商品開発部 商品第三グループ 係長/写真中央 )寺杣 緑さん (経営企画室 広報担当 課長代理/写真右 )
商品の価値について振り返らざるを得ない状況からの……
――弊社問い合わせ窓口経由で、福田さんから小学校図画工作科編集部あてに「意見交換したい」という熱いメッセージをいただいたのは昨年8月です。そこから、みなさんと交流するうちに、「図工な企業だな」と感じ、今回お話を聞きに来ました。
――いいほうに変われたんですね。
もがきつつ、楽しみつつ、変わっていく

☞ 自分の「こうしたい」を実現するために、もがき試行錯誤する。それすら楽しむ!
若手社員や社外からの刺激が新しい価値につながる

――社外のいろいろな人に会うようになったのはいつごろからですか。
☞ 人から受けた刺激を受け止め、よりよい商品や新しい価値を創出していく。
☞ 自分がつくったもので他者が幸せになることを知り、自分も幸せを感じられる。
こだわりと考え抜く力
――貴社の鉛筆やペンは学校でも長年にわたり使われています。
☞ 「なんで? どうして?」と自問しながら、こだわりをもって自分の納得する形に落とし込む。
鉛筆:シンプルゆえの表現の広がり
――鉛筆は描画材としてもよく使われます。鉛筆の魅力って何でしょう。

3人に鉛筆で自由にかいていただいた
(左:鈴木さん、右上:寺杣さん、右下:福田さん)
目を輝かせ、本当に楽しそうに話す3人からは、生み出した商品への愛、ユーザーへの愛、ユーザーから生み出される表現への愛があふれていました。試行錯誤しながらつくり、思いや作品を人と共有し、自己肯定感を形成していく。図画工作や美術で育まれる力が、働く人の幸せを生み出すのだなと感じた取材でした。

サインペン・鉛筆・色鉛筆を担当するグループのリーダー。営業部門や生産部門を経て現部門へ。商品企画や分析を通じて、自社商品への見方や愛着にも変化が起きる。また、学校等の現場にも訪問する機会があり、プライベートで子どものスポーツ指導に携わっており、子どもの成長や学びに興味をもっている。しっかり社会とつながる企業や仕事を実現することを志している。

サインペン・鉛筆・色鉛筆の企画を担当。学校の図工・美術の授業や幼児の造形遊びに興味があり、先生方のお話や子どもたちの取り組みにいつもワクワクしている。最近、自分が子どもの頃に好きだったモノを思い出して魅力を再発見する活動を開始した。

広報担当として、会社の中と社会とをつなげる役割を担っている。2022年に策定・公表した企業理念「違いが、美しい。」という言葉と日々向き合い、「世界中あらゆる人々の個性と創造性を解き放つ会社」を実現するために鋭意活動中。表現を通じて、人々の生活に彩りを添えられたらと思っている。
令和6年度版『小学算数』教科書の表紙イラストを制作したIC4DESIGNが、そのイラスト、『小学算数』SMART MATH TOWNでNYX Awards Advertising &Design-Book Cover Design GOLDを受賞しました。
第60回 全国図工・美術教育研究大会
第60回 全国図工・美術教育研究大会を追加しました。
Webマガジンまなびと:「学び!とICT」Vol.13
Webマガジン:「学び!とICT」Vol.13 “教育現場での生成AIの活用 第1回 ~生成AIに触れてみる~”を追加しました。
Webマガジンまなびと:「学び!と人権」Vol.27
Webマガジン:「学び!と人権」Vol.27 “共通の課題(その1) 人権に取り組む三つのモデル” を追加しました。



