Webマガジン:「学び!と道徳2」Vol.17 “第3回中学校道徳教育セミナー” を追加しました。
月別アーカイブ: 2020年3月
第3回中学校道徳教育セミナー
記録的な暖冬で東京では梅の花や河津桜などが咲き、例年より早く春の訪れを感じます。「一月往ぬる二月逃げる三月去る」といわれる様に時間はアッという間に過ぎ、学校では3学期もわずかとなりました。先生方は3年生の進路指導、学期・学年評定の作成、卒業式の準備、さらに学校評価、新年度の準備など多くの仕事を抱えて多忙な日々を過ごしておられるのではないかと思います。そのような中、政府は新型コロナウイルス感染拡大防止のために学校の臨時休校を要請しました。その対応のために、先生方はさらに多忙になられると思われます。インフルエンザなどとともに罹患しないようにご自愛ください。
さて、前回予告したように今回は、1月19日に早稲田大学で実施された第3回中学校道徳教育セミナーについて報告します。今回は大学院の授業の関係で日曜日に実施することになりました。遠方から来られる先生方には参加しづらいのではないかと心配していましたが、定員60人をはるかに上回る80人のお申し込みがあり、当日は77人の参加がありました。参加者の中には毎回参加しているリピーターもいて、セミナーへの期待を感じました。
セミナーの内容は、午前中に二つの模擬授業と実践報告、午後には島先生の講演と三つの分科会と盛沢山でしたが、「1,000円の参加費でこれだけ学べるのはありがたい」と喜んでいる先生もいました。前回同様に、早稲田大学道徳教育研究会(MOS)の院生がセミナーを主催し、当日の企画と運営を行うとともに、分科会では院生たちの取組も発表する機会をいただいて学びを深めることができました。
MOSのメンバーとして活動した道子、真理、響の感想をもとに「第3回中学校道徳教育セミナー」について報告したいと思います。
1 模擬授業


2 講演

3 分科会
「反転学習とドラマによる主体的・対話的で深い学び」
※クリックでPDFが開きます


第3回中学校道徳教育セミナーの報告はいかがでしたでしょうか? 次回のセミナーでまた先生方と再会できることを楽しみにしていますので、多くの先生方の参加を願っています。
次回「学び!と道徳2」は道徳科の様々な指導方法について取り上げていこうと考えています。ご期待ください。
小学校 生活:「生き活きうぃーくる」第59回
小学校 生活 ブログ:「子どもがかわる 授業がかわる『生き活きうぃーくる』」第59回
を追加しました。
一般書籍:小学校・中学校 納得と発見のある道徳科
一般書籍:『小学校・中学校 納得と発見のある道徳科』(2020年3月20日発売)を追加しました。
my実践事例:高等学校 情報 No.001
社会と情報 情報の活用と表現「ピクトグラムでSNSのよりよい使い方を提案しよう」(第1学年)
1.はじめに
本校では,平成28~29年度の2年間に渡り,国立教育政策研究所より,教育政策研究所教育課程研究指定校事業(共通教科「情報」)の指定を受けた。この指定を受け,情報科での問題解決に対する学習者の意欲を向上させるための題材の工夫を行うとともに,思考力・判断力・表現力を育成するための方法を検討した。
高校入学直後に生徒たちが直面する問題のひとつにSNS関連のトラブルがある。そこで,新学習指導要領「情報Ⅰ」の学習内容も意識し,情報社会の問題を,情報デザインの考え方で解決する手立てを考えるという授業を考えた。この実践では,生徒たちに身近なSNSの問題点を発見させ,その問題を解決するための手立てをピクトグラムで分かりやすく提案できるようになることをねらいとしている。ピクトグラムを採用したのは,誰でも比較的簡単に作成できるからである。
また,情報の残存性・複製性・伝播性など,情報がもつ特性を理解した上でSNSを活用できるようになることもねらいとしている。情報科でのしっかりとした学びが,情報社会でのトラブル回避に役立つことを気づかせたい。
2.単元名
情報の活用と表現
「ピクトグラムでSNSのよりよい使い方を提案しよう」(実施学年:第1学年)
3.単元の目標
・情報通信ネットワークなどを適切に活用するために,情報の特性とメディアの意味を理解させる。
・情報を分かりやすく的確に伝えるための,表現や伝達の工夫について考えさせる。
4.単元の評価規準
|
ア 関心・意欲・態度 |
イ 思考・判断・表現 |
ウ 技能 |
エ 知識・理解 |
|---|---|---|---|
|
・情報の特性について関心を持つ。 |
・目的や対象を明確にして,表現や伝達の工夫をし,表現している。 |
・分かりやすくなるようなデザインを効果的に取り入れている。 |
・情報の特性とメディアの意味を理解している。 |
5.単元の指導と評価の計画
(ア:関心・意欲・態度/イ:思考・判断・表現/ウ:技能/エ:知識・理解)
|
時 |
学習内容・学習活動 |
評価の観点 |
評価の方法 |
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|---|---|---|---|---|---|---|
|
ア |
イ |
ウ |
エ |
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|
1 |
・情報メディア・表現メディア・伝達メディアについて興味を持つ。 |
○ |
ワークシート1 |
|||
|
2 |
・情報の特性について関心を持つ。 |
○ |
○ |
ワークシート2 |
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|
3 |
・自分の考えを分かりやすく伝えるスライドを制作する。 |
○ |
ワークシート3・4 |
|||
|
4 |
・引用のルールを理解する。 |
○ |
ワークシート3・4 |
|||
|
5 |
・メラビアンの実験の内容をもとに,ノンバーバルコミュニケーションを意識したリハーサルを行う。 |
○ |
ワークシート5 |
|||
|
6 |
・発表と相互評価に主体的に取り組む。 |
○ |
○ |
ワークシート6 |
||
6.本時の目標【2限目】
前述のように,本単元は6時間で構成される。今回は2限目の内容について紹介する。2限目の目標は以下である。
情報の特性を理解した上でSNSの問題点について考え,ピクトグラムを効果的に使って,相手に情報を分かりやすく伝えられるようになる。
7.本時の流れ【2限目】
|
時間 |
学習内容・学習活動 |
指導上の留意点 |
評価 |
|---|---|---|---|
|
導入 |
・情報の特性である,情報の残存性・複製性・伝播性について理解する。 ・SNSで,こうした特性に起因するトラブルがないか考える。 |
・情報の3つの特性については,身近な事例を交えながら説明を行う。 ・SNSを活用していない生徒には,事例を提示し,どのようなトラブルが起こり得るか考えさせる。 |
ア:行動観察 |
|
展開1 |
・身近なSNSのトラブルをベースに,SNSの問題点について考え,その問題点をピクトグラムで表現する。 ・ピクトグラムを制作するときに,なぜそのピクトグラムを制作したのか理由を書く。 |
・ピクトグラムを制作するときのルールを確認しておく。 ・相互評価を予定しているため,自分が制作するピクトグラムの内容を,周りに伝えないよう指示する。 ・ピクトグラムはPowerPointで制作させる。 |
イ:成果物(ピクトグラムのスライド) |
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展開2 |
・ピクトグラムの相互評価を行う。 ・画面上のピクトグラムを見て,そのピクトグラムから伝わる情報をワークシートに記入する。 |
・生徒を移動させ,周りの人のピクトグラムが何を伝えていると思うかをワークシートに書かせる。 ・見たピクトグラムがなぜそう見えたのか,理由を書かせる。 |
イ:ワークシート |
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まとめ |
・自分の制作したピクトグラムが相手に正しく伝わったか,振り返りを行う。 ・どのような工夫をすれば,相手に正しい情報が伝わるのか考える。 |
・ルーブリックを用い,もらったコメントをもとに自分のピクトグラムを評価させる。 ・成績のための評価ではなく,学習意欲を高めるための評価であることを意識させる。 |
イ:ワークシート |
8.今回の実践のまとめ
今回の実践では,情報社会の問題(SNSのトラブル)を題材にしつつ,情報デザイン(ピクトグラム)の概念を組み込んだ授業を行うことができた。生徒たちにとって,身近で切実な問題であるSNSのトラブルを題材に取り上げることで,学習意欲が高まった。
また,発表にPREP法や引用を組み込むことで,簡潔で分かりやすい発表資料を,生徒たちに簡単に制作させることができた。リハーサルでも,ペアをつくって本番と同じルーブリックによる相互評価を行うことで緊張感が増し,発表前のリハーサルの重要性を認識させることができた。
評価については,単元のひとつひとつのルーブリックを積み上げたものが,単元最後の発表時のルーブリックとなっている。これまでの授業で積み上げてきた評価がそのまま単元全体の評価となるので,単元全体でねらい・方法・評価の一体化を行うことができた。
9.「情報Ⅰ」に向けて
新学習指導要領「情報Ⅰ」では,図1に示すように(1)「情報社会の問題解決」,(2)「コミュニケーションと情報デザイン」,(3)「コンピュータとプログラミング」,(4)「情報通信ネットワークとデータの活用」の4つの内容を学習することになっている。
「情報Ⅰ」はこれらの項目を個別に学習するのではなく,たとえば今回の実践のように(1)の「情報社会の問題解決」の中に,(2)の「情報デザイン」の内容を取り入れるというような授業設計が必要だと考える。図2に示すように,全体の項目を関連付けながら「情報Ⅰ」の授業をつくっていきたい。

