Webマガジン:「学び!と共生社会」Vol.49 “障害がある生徒の就労と「自立」”を追加しました。
月別アーカイブ: 2024年2月
障害がある生徒の就労と「自立」
はじめに
前回、障害者の法定雇用率の関連で我が国の障害者雇用について記しました。特別支援教育の分野でも、高等学校段階での障害がある生徒へのキャリア教育・職業教育の推進や就労支援の充実が図られています。障害のある生徒が、生涯にわたって自立し社会に参加していくために職業的な「自立」を果たすことは重要なことですが、目先の「自立(independent, self-reliance)」に惑わされずに、「自立」の意味をしっかりとらえて、障害のある生徒一人一人に応じた「自立」と就労を含めた社会参加を考えていくことを忘れてはなりません。実際、一般就労は特別支援学校卒業者の3割程度で、他は福祉的就労となっているようです。一般就労では、離職者も少なくないようです。こうした現状を踏まえて、「自立」についてはVol.6で行政的なとらえ方について触れたのですが、改めて障害がある生徒の就労と社会参加という観点から、自律(autnomy)とも絡めて見つめなおしてみたいと思います。
1.特別支援学校高等部卒業後の実態
改正障害者雇用促進法などの法的整備に後押しされて障害者の社会参加が進むなか、特別支援教育の教育現場でも、障害のある生徒の就職や職場定着を促進するための教育の充実に力が注がれています。
特別支援教育における就労支援の取り組みについては、図からわかるように、近年特別支援学校の卒業生の進路として、企業等への一般就労が微増傾向にあります。これは、障害者を積極的に採用しようとする企業が増えていることの表れでもあり、最近はそうした雇用ニーズに呼応して、企業就労を目指した特別支援学校高等部での取り組みも活発になってきています。
2.キャリア教育・職業教育の推進
文部科学省においても、障害者の社会参加が進んでいる現状を踏まえ、障害者の就労支援に向けたキャリア教育・職業教育の充実に取り組んでいます。平成31年2月に告示された特別支援学校高等部学習指導要領(*1)では、キャリア教育・職業教育の充実を目指して、次の点が示されています。
- 学校においては,キャリア教育及び職業教育を推進するために,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,学校や地域の実態等を考慮し,地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設ける。
- 地域や産業界や労働等の業務を行う関係機関の人々の協力を積極的に得るよう配慮する。
3.就労後の定着率
「職業教育」「キャリア教育」「就労支援」の推進に伴って、特別支援高等学校の中には、「一般就労率100%」を掲げる学校も出てきています。職業教育に重点化した教育課程を編成して、あいさつや身だしなみなどの日常生活への対応や社会人としてのマナー、場に応じた適切なコミュニケーションなど就労に向けた指導が徹底的になされています。また、就労支援に関しても、職場開拓、進路指導、現場実習先の選定に力が入れられています。こうした成果として高い一般就労率を達成して、それを誇っている学校が人気を博すという傾向も認められます。
こうした流れが加速してきている一方で、特別支援学校高等部卒業生の就労状況を見ると課題も浮かび上がってきます。榊・今林(2022)の研究報告によると、早期離職の問題が次のように指摘されています(*2)。
特別支援学校高等部を卒業した知的障害者の就職率は,ゆるやかな上昇傾向にあり,全国平均で34.9%となっている。一方で若者の早期離職が社会問題化しており,新規高卒就職者の就職後3年以内の離職率は39.5%となっている。この職場定着の問題は,独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センターの先行研究などから知的障害者にも同様のことがいえる。それによると,知的障害者における就職後3か月時点での定着率は85.3%,就職後1年時点での定着率は68%である。また,就職している知的障害者の平均勤続年数は7年5か月となっている。
知的障害の分野に限ってのデータではありますが、特別支援学校を卒業して就労した者のうち3割が何らかの理由で、1年で離職しているということになります。これは、一般の高校卒業者の離職率に比べると低いようですが、1年で3割の離職者が出ているということは、その後も増えている可能性があります。見逃すことができない課題だと言えそうです。卒業時に就職率100%を達成したということで満足することなく、離職の背景を丁寧に分析し、適切な対応をしていくことが課せられていると言えます。
生活する期間は学校よりも地域社会の方が圧倒的に長いので、当座の職業的「自立」を目指して特訓を受けたとしても、それが長続きしないということは昨今の風潮に警笛を発しているとも受け取れます。そこで気を付けなければならないのが、この「自立」のとらえ方です。
4.特別支援教育で重視される「自立」とそのとらえ方
特別支援学校学習指導要領(*3)には、その目標が次のように掲げられています。
個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う。
これについて、特別支援学校学習指導要領解説自立活動編(*4)には、次のようにとらえ説明されています。
- 自立活動の目標は,学校の教育活動全体を通して,児童生徒が障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要とされる知識,技能,態度及び習慣を養い,心身の調和的発達の基盤を培うことによって,自立を目指すことを示したもの
- 「自立」とは,児童生徒がそれぞれの障害の状態や発達の段階等に応じて,主体的に自己の力を可能な限り発揮し,よりよく生きていこうとすること
- 「障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服する」とは,児童生徒の実態に応じ,日常生活や学習場面等の諸活動において,その障害によって生ずるつまずきや困難を軽減しようとしたり,また,障害があることを受容したり,つまずきや困難の解消のために努めたりすることを明記したもの。「改善・克服」については,改善から克服へといった順序性を示しているものではない
- 「調和的発達の基盤を培う」とは,一人一人の児童生徒の発達の遅れや不均衡を改善したり,発達の進んでいる側面を更に伸ばすことによって遅れている側面の発達を促すようにしたりして,全人的な発達を促進すること
「自立」というと「経済的自立」や「社会的自立」を想起しますが、「自立活動」の「自立」は狭義の意味での「自立」を示しているものではありません。「自立」と「就労」を短絡的に結び付けることのないよう気を付けたいものです。
5.「自立」と社会参加
「自立」と混同して用いられる言葉に「自律」があります。これは、自分を律して行動するという意味ですが、教育基本法及び学校教育法には「自律の精神を養うこと」が明記されています。
<教育基本法>(*5)
第二条 二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
<学校教育法>(*6)
第二十一条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法第五条第二項に既定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
子どもの成長にとっては、自律も大切です。幼稚園、小学校、中学校の学習指導要領には、しっかりと上記の法に則って「自律の精神を養う」ことが反映されています。一方、特別支援学校学習指導要領の本文中には「自律」の文言が見当たりません。しかしながら、「自律」があってこそ「自立」は成立するのです。特別支援学校の教育は幼稚園、小学校、中学校の教育目標の達成に努めなければならないことになっていますので、当然「自律」への対応も含まれていると言えます。このようにとらえることによって、特別支援教育学習指導要領における「自立」は、児童生徒自身が「学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服」するということだけでなく、自主的で目的的に他者と関わっていくという意味合いも含めた幅広の解釈が可能となっていきます。
また、文部科学省が高校生向けに発行しているキャリア形成支援教材「私のライフプラニング」(*7)の「自立と共生社会」という節には、「自立」が一人ではなし得ないこと、他者に支えられながら、他者を支える関係の中で暮らしていることが記述されています(図2)。共生社会の実現という視点からは、「自立」をこのようにとらえていくことも大切なのではないでしょうか。
図2 「私のライフプラニング」第1章第3節「自立と共生社会」
出典:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/
)
また、脳性まひの障害がある熊谷晋一郎さんも、ご自身の経験を踏まえて、「自立は、依存先を増やすこと」と次のように主張されています(*8)。
一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと生きていけないんですよ。
東日本大震災のとき、私は職場である5階の研究室から逃げ遅れてしまいました。なぜかというと簡単で、エレベーターが止まってしまったからです。そのとき、逃げるということを可能にする“依存先”が、自分には少なかったことを知りました。エレベーターが止まっても、他の人は階段やはしごで逃げられます。5階から逃げるという行為に対して三つも依存先があります。ところが私にはエレベーターしかなかった。
これが障害の本質だと思うんです。つまり、“障害者”というのは、「依存先が限られてしまっている人たち」のこと。健常者は何にも頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きていけない人だと勘違いされている。けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、障害者は限られたものにしか依存できていない。依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くすると、何にも依存してないかのように錯覚できます。“健常者である”というのはまさにそういうことなのです。世の中のほとんどのものが健常者向けにデザインされていて、その便利さに依存していることを忘れているわけです。
実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態なのだろうと思います。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。障害者の多くは親か施設しか頼るものがなく、依存先が集中している状態です。だから、障害者の自立生活運動は「依存先を親や施設以外に広げる運動」だと言い換えることができると思います。
まとめ
現在の特別支援学校の就労への取り組みで、熊谷さんが示したような「他者に支えられながら、他者を支える関係」としての「自立」のとらえ方がどれほど反映されているのでしょうか。「学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服」することに励んで、就労を実現させたにもかかわらず、そのうちの3割は1年で離職し、平均勤続年数が7年余りという現実。こうした事実は、学校での就労に向けた指導や受け入れ側の人的物的環境、広く言えば社会の側の問題に起因するところも大いにあるのではないかとも思われます。学校卒業後の長い人生を共に豊かに生きていくために、「自立」を本人だけの問題として片付けるのではなく、併せて社会の意識改革が進んでいくことが不可欠ではないでしょうか。
*1:特別支援学校高等部学習指導要領
https://www.mext.go.jp/content/20200619-mxt_tokubetu01-100002983_1.pdf
*2:榊 慶太郎・今林俊一 特別支援学校(知的障害者)における就労支援に関する研究(8)-卒業生への追跡調査から-
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第31巻(2022)
https://ir.kagoshima-u.ac.jp/record/16003/files/2435113X_v31_p104-113.pdf
*3:特別支援学校幼稚部教育要領 小学部・中学部学習指導要領
https://www.mext.go.jp/content/20200407-mxt_tokubetu01-100002983_1.pdf
*4:特別支援学校学習指導要領解説自立活動編
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/18/1278525.pdf
*5:教育基本法
https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/mext_00003.html
*6:学校教育法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000026
*7:文部科学省高校生のキャリア形成支援教材「私のライフプラニング」
高校生のキャリア形成支援教材「私のライフプラニング」
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/kyoudou/detail/1411247.htm
*8:熊谷晋一郎「自立は、依存先を増やすこと希望は、絶望を分かち合うこと」
https://www.tokyo-jinken.or.jp/site/tokyojinken/tj-56-interview.html
小学校 図画工作:「みんなの図工ギャラリー」更新
小学校 図画工作:「みんなの図工ギャラリー」
を更新しました。
Webマガジンまなびと:「学び!とPBL」Vol.71
Webマガジン:「学び!とPBL」Vol.71 “「Grow Up」学年、学びの集大成(中学校でPBL⑤)”を追加しました。
「Grow Up」学年、学びの集大成(中学校でPBL⑤)
中学校における探究活動の実践を、前回に引き続き、福井市森田中学校(以下、森田中学校)の木下慶之先生の取り組みを通して見ていきましょう。今回は、2020年度に探究活動に取り組んだ2年生の学年の終わりから3年生に進級して以降の実践です。
1.探究を活動誌にまとめよう
2021年2月、これまでの探究のプロセスを活動誌にまとめようと、活動誌実行委員会が結成されました。橋本教諭が彼らの活動を支援していきました。これまでのプロジェクトのストーリーや、そこで学んだこと、未来に向けての夢について、学年の生徒たちから原稿を集め、オンライン上のアプリ「Canva」(*1)を使って編集し、冊子を作成しました。3月、全12ページの活動誌「MORITA OSHITAI!」(*2)が完成しました。
お世話になった地域の公民館などの施設や飲食店などに配布され、翌年の5月の修学旅行先でも子どもたちによって配布されました。これまでのプロジェクトのプロセスだけでなく、実行委員の作成したアンケートの質問と回答も掲載されました。「学んだこと、できるようになったこと」「私たちの描く未来」「森田のためにこんな人になりたい」の3つについてまとめられ、生徒にとってどのような学びがあり、何に気づいたのかを私たちもこの活動誌を読んで改めて実感することができました。
この図は、これまでの探究のストーリーと、今後の展望をつなげたカリキュラム図です。一つひとつの活動はすべてつながっています。筋書き通りにはなかなかうまくいきませんが、今自分が取り組めることに徹底的に取り組み、ちょっと何かに挑戦してみる、その積み重ねが繰り上がりを生み出し、成長となります。
こうして3月、「Grow Up」学年の彼らは第2学年を修了し、第3学年へと進級しました。進路決定と最終学年としての活動、修学旅行や学校祭など、大きなプロジェクトが待っていますが、さらに新学年での生活でも発展させてほしいと願いました。
3月末、早速5月に予定している修学旅行に向けて、生徒たちと教員たちとの挑戦が始まりました。
2.学びがつながる修学旅行
コロナ禍により、修学旅行についても従来の形式では実施は不可能となり、「Grow Up」学年の生徒たちも修学旅行先の検討が必要になりました。
3月福井市教育委員会からの指示事項で「1泊2日の県内」という条件が提示され、これに基づいて「県内修学旅行」を検討することになります。教師側で「そもそも修学旅行とは何なのか」を考えました。なぜ、私たちは修学旅行を企画するのか、そこでどんな経験を生徒たちにさせたいのか、なぜディズニーランドに行っていたのか、わざわざ県外で自然体験活動をする意義は何か、など根本から修学旅行について考えました。
「県内案は確かに活動範囲が限定されていていいかもしれない。しかし、これまで生徒たちに企画させていたのに、教員だけで決めてしまっていいのか」、「生徒たちは自分たちで考える修学旅行にしたいのではないか」、「もう一度シャルソン(学び!とPBL <Vol.69> 参照)とかができたらいい」、「せっかくなら、生徒たちがわくわくできることを」など、議論がなされました。
学年集会が開かれ、直接生徒たちの声を聴くことになりました。それぞれの案のメリットやデメリットなどを、資料を提示して生徒たちに考えさせ、全体の場で採決をとります。その結果、「芦原温泉に宿泊して、三国、あわら地区でシャルソンをしよう」という案に決まり、早速教員と一緒に企画に参画する実行委員の募集が始まりました。
実行委員の生徒たちは「しおり」「イベント」「シャルソン企画」など各チームに分かれます。テーマは「We love 福井 フラミンゴ(福井ラブみんなでGoの略)」。森田シャルソンや森田推し隊プロジェクトでの活動をつなげ、生徒たちなりに修学旅行先であるあわら市や三国の地域を探り、調査したことを発信させようと考えました。訪問先で「森田推し隊の活動誌」を配布しようという提案もなされます。PR動画を作成し、修学旅行から戻ってきたらそれらを編集し、発表し合おうというアイデアも生まれました。宿泊先は芦原温泉の清風荘、ここを最終的なゴールにすることにしました。「森田シャルソン」のように、生徒たちはチームの旗を募集し、旗をもってシャルソンを実行することになりました。ただどうしても公共交通機関の本数や時間帯には限界があるので、旅行会社の方と相談し、臨時のシャトルバスを周航してもらうことにしました。ここでも「森田シャルソン」での経験が生かされました。
iPadで動画や資料を撮影、編集し、ツアービデオクリップを作成しながら活動し、それらは、修学旅行後にも編集され、後日、成果発表会が行われました。シャルソンでの訪問先の1つである農場の方から、生徒たちへのあたたかい応援のお手紙(*3)をいただきました。「やってよかった。」と感動を共有することができた瞬間でした。修学旅行とはそもそも何か、生徒たちにどのような経験をさせ、学びと成長を実感させ、仲間たちとの思い出をつくる場であるべきか、問い直すことのできた学習活動でした。
3.みんなで支える環境をつくる学ぶ力UPプロジェクト
学校祭が終わると否応なしに受験体制へ突入していきます。受験に向けて意識を高める子もいれば、テストが苦手な生徒など、なかなか意欲が湧かず悩んだり不安になったりする子もいるのが現実です。「受験は団体戦だ」と唱えるものの、みんなが同質同様に進路について考え、受験に取り組むのは難しいことです。同僚間での意識の共有も重要になります。
学習担当の先生と10月から質問会(いわゆる補充的な学習会)の企画をすることになりました。質問会の日程や内容を検討していると、同僚が「このような学習についても、生徒たちと一緒に何かできませんかね」と提案してきました。教師だけで企画するのではなく、生徒たちの声を聞いて、彼らにも参画してもらってはどうかというのです。生徒たちは「廊下とかに勉強を教え合うスペースをつくってはどうか」「プリントを解くだけではなく、お互いに質問し合う場もほしい」「復習プリントコーナーをつくってほしい」など、自分だけでなく、学年全体の雰囲気や環境を向上させる提案をしてきました。
早速、学年会の中で同僚たちと思いを共有し、生徒による学習実行委員会が結成されました。学習担当教師と実行委員は不定期ではあるが、昼休みに都度ミーティングをしながらプロジェクトを企画、実践していきました。「みんなの質問ボックス」「復習ポスター掲示板」「ホワイトボードコーナー」「歴史年表階段コーナー」「カウントダウンカレンダー」「クラス対抗学習時間コンクール」など、さまざまな活動を通して、みんなでお互いを支え励ましていこうとしました。進路説明会では、その取り組みを保護者も含めてみんなで共有しました。
そのような甲斐もあってか、受験前の面接練習では、生徒たちがお互いに面接を練習し合う姿や、模擬面接官の横に座り、仲間に質問したり、練習後に評価し合ったりする姿が見られました。「建築家になろうとおっしゃいましたが、植林についてはどう考えていますか?」と生徒面接官が鋭い質問をし、「ありがとう、その視点はなかった。」「そういうことも考えなければいけないね。」と、真摯にその指摘を受け止めて新たな視点を取り入れようとしました。また、面接練習の中で、生徒たちは「森田推し隊プロジェクト」を通して、自分たちが学んだことや気づいたことを語っていました。
そして、入試も終わり、いよいよ卒業式です。卒業式の前々日である3月9日には「森田39(サンキュー)シャルソン」というテーマで、各クラスが4コースに分かれて森田地区のゴミ拾いをしながら、自分たちの生まれ育ったまちに感謝を伝えるまち歩きイベントを企画しました。コロナ禍の中、「森田推し隊プロジェクト」を実践した「Grow Up」学年は森田中学校を巣立ち、それぞれの進路へ歩み出していきました。
学年主任として、教師の学びも共有したいと、総合を担当した廣澤教諭にインタビューをしました(一部のみ掲載)。
彼らとの日々は教師たちにとっても学びや気づきが多く、生徒たちの活動に寄り添ってきたからこそ、気づくことができた視点、学ぶことができた成長の様相があったのでした。
彼らの卒業した後も、「森田推し隊プロジェクト」という実践は、後輩たちの実践の1つのモデルになっていきました。
*1:Canva https://www.canva.com/ja_jp/
*2:森田推し隊プロジェクト活動誌「MORITA OSHITAI!」 PDF版
*3:三国あわらシャルソンでの訪問先の1つである農場(田嶋牧場)からは、次のような、生徒たちへのあたたかい応援のお手紙をいただいた。
(略)先日は、修学旅行の折に我が「田嶋牧場のソフトクリーム屋」に立ち寄って下さりありがとうございました。「おいしい!」と言っていただき、皆さんの若くお元気な姿に接することができ、とてもうれしかったです。
その時にいただいた“MORITA OSHITAI!”という活動誌を読ませてもらい思わずひとりパチパチと拍手していました。
町づくりは役所や一部の人に任せるのではなく、住民のひとりひとりが考えていかなくては、中々成果があがらないなあ、子どもの頃から自分の町を良くしたいという気持ちをもってくれるといいなあと思うことが度々ありましたので森田中学の生徒さんの取り組みは本当に感心致しました。
御苦労も多々あったここと思いますが、最後のおひとりおひとりの言葉を拝読し、成長されたんだなあと、またまた拍手を送りたくなりました。
森田の住民ではありませんが、「ありがとう」と言いたいです。
森田から福井、日本、世界へと、そして地球のことも考えていって下さい。地球人ひとりひとりが考えていくべきことですが…。(略) 御礼と感想を伝えさせていただきました。皆さんお元気で!
EDU-Portシンポジウム
EDU-Portシンポジウムを追加しました。
機関誌・教育情報:「教育情報」No.23
機関誌・教育情報:「教育情報」No.23 “[特集]デジタル社会とどのように付き合っていくか” を追加しました。
[特集]デジタル社会とどのように付き合っていくか
図工のみかた:「図工のあるまち」更新
図画工作科ブログ「図工のみかた」:「図工のあるまち」第四十四回 “金ケ崎芸術大学校 第十八回 金ヶ崎要害鬼祭2024”
を追加しました。
機関誌・教育情報:「その他の教育資料」No.85
機関誌・教育情報:「その他の教育資料」No.85 “もっと、知りたい!! 美術の評価 ~実践編~” を追加しました。



