日本の諸地域/九州地方(第2学年)

1.単元名・教材名

単元名:九州地方ー自然環境をテーマにー
教材名:④自然環境を生かした南西諸島の観光業

2.単元の目標

(1)九州地方の地形や気候などの自然環境に関する特色を理解し、九州地方の自然環境を生かした産業や、防災の取り組みについて、様々な情報を調べまとめることができる。【知識・技能】

(2)九州地方の地域の広がりや結びつき、人々の対応に着目し、特色ある自然環境や産業の様子を多面的・多角的にとらえ考察し、表現できる。【思考・判断・表現】

(3)九州地方について、よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究する態度を養う。【主体的に学習に取り組む態度】

3.評価規準

知識・技能

思考・判断・表現

主体的に学習に取り組む態度

・九州地方の地形や気候などの自然環境に関する特色を理解し、環境を生かした産業や、防災の取り組みについて様々な情報をもとに、まとめている。

・九州地方の地域の広がりや結びつき人々の対応に着目し、特色ある自然環境や産業の様子を多面的・多角的に捉え、考察し表現している。

・九州地方について見通しを持って学習に取り組み、よりよい社会の実現を視野に課題に主体的に追究しようとしている。

4.単元の指導にあたって

 中学校学習指導要領(地理的分野)における地理的分野の内容は、大項目として「A 世界と日本の地域構成」「B 世界の様々な地域」「C 日本の様々な地域」の3つで構成される。その中で「C 日本の様々な地域」は「世界と日本の地域構成」及び「世界の様々な地域」の学習成果を踏まえ、日本及び日本の諸地域の地域的特色を捉える学習を通して、我が国の国土に関する地理的認識を深めることをねらいとし、さらに「(1)地域調査の手法」、「(2)日本の地域的特色と地域区分」、「(3)日本の諸地域」、「(4)地域の在り方」の4つの中項目で構成されている。
 「(3)日本の諸地域」では、①自然環境を中核とした考察の仕方、②人口や都市・村落を中核とした考察の仕方、③産業を中核とした考察の仕方、④交通や通信を中核とした考察の仕方、⑤その他の事象を中核とした考察の仕方を基にして、空間的相互依存作用や地域などに着目し、主題を設け課題を追究、解決したりする活動を通して、その地域的特色や生じる課題について理解すること、考察の仕方で取り上げた特色ある事象と、それに関連する他の事象やそこで生じる課題を理解すること、また、思考力、判断力、表現力を身に付けること、日本の諸地域において中核となる事象の成立条件を地域の広がりや、結びつき、人々の対応に着目し、他の事象や課題を有機的に関連付け多面的・多角的に考察し表現することとしている。
 このことから本単元では、九州地方を学ぶ考察の仕方として「自然環境」に着目しながら、自然環境がどのように人々の生活や産業に影響を与えているのか関連付け、「問い」を構造化し、多面的・多角的な考察から追究していくことで、自分のことばで論理的な思考力を育めるよう指導した。

5.単元の指導計画

時間

学習のねらい

生徒の活動と内容

評価基準の具体例

 

単元を貫く問い

九州地方では自然環境をどのように生かし、生活しながら環境保全に関わることで、どのような課題があるのでしょうか。

1

学習課題
 九州地方の自然環境や人々の生活には、どのような特色がみられるのでしょうか。

九州地方の自然環境と人々の関わり
(教科書P.166-167)
○九州地方の地形と人口分布
○温暖で雨の多い九州地方の気候

○九州地方の導入として、九州地方のイメージや気候、特産品などの写真やキャプションから、自然環境と人々の結びつきを通して課題に対する興味・関心と学習意欲を高める。
○九州地方の自然環境と人々の生活・産業との関わり、環境保全に関わる課題について追究する事への意欲を高める。

知識・技能
○九州地方の位置や広がり、地形や気候の特色、人々の生活のあらましを理解している。九州地方の地形地図と人口密度の分布図、雨温図と景観写真を関連付けて読み取っている。
主体的に学習に取り組む態度
○単元の追究するテーマに関心を持ち、自然環境と人々の生活・産業との関わり、環境保全に関わる課題の追究に対する意欲を高めている。

2

学習課題
 九州地方の人々の生活は、火山活動や雨の多い気候と、どのようにかかわっているのでしょうか。

自然環境に影響を受ける人々の生活
(教科書P.168-169)
○火山と人々の生活
○火山活動を自然のめぐみとして生かす
○気候と人々の生活

○九州地方の人々の生活が火山活動や台風、梅雨による大雨などの自然環境と密接に関わりながら営まれていることを理解する。
○九州地方の自然環境が及ぼすメリット、デメリット写真や新聞記事などを活用し、多面的、多角的に考察し、表現する。

知識・技能
九州地方の人々の生活が火山活動や温暖な気候と関わりながら営まれていることを理解している。
思考・判断・表現
九州地方の自然環境がもたらすメリット・デメリットを資料から読み取り、多面的・多角的に考察し表現している。

3

学習課題
 九州地方では、自然環境を生かしながら、どのような農林水産業が行われているのでしょうか。

自然環境の特色を生かした農林水産業
(教科書P.170-171)
○九州北部の稲作
○九州南部の畜産業と園芸農業
○過疎化の影響と農業

○九州地方では気候や地形、消費地からの距離などの自然環境を生かすとともに交通の発達、灌漑施設などの整備などにより、北部と南部でそれぞれの特色のある農業が営まれていることを理解する。
○九州地方の北部と南部の農業の特色を生み出したり九州地方の漁業が盛んな理由を自然的条件と社会的条件の両面から考える。

知識・技能
九州地方の南部と北部の農業の特色を理解している。
思考・判断・表現
九州地方の南部と北部、それぞれの農業の特色の理由を地形や気候、交通網や消費地との距離を関連付け考察している。

4
本時

学習課題
 なぜ、南西諸島にはたくさんの観光客がおとずれるのでしょうか。

自然環境を生かした南西諸島の観光業
(教科書P.172-173)
○自然環境を生かした観光業
○沖縄の歴史と独自の文化
○環境保全と観光の両立をめざして

○南西諸島では美しい自然と温暖な気候、大陸との交流により形成された独自の文化によって観光業が発達し、観光業と環境保全の両面をめざした取り組みが行われていることの理解を深める。
○南西諸島で観光業が発展している理由を自然的条件と社会的条件から考える。

知識・技能
南西諸島で観光業が発展している理由と観光業と環境保全の両立をめざした取り組みが行われていることを理解している。
思考・判断・表現
南西諸島で観光業が発展している理由を気候や景観、独自の歴史や文化、交通網の発達などと関連付けて考察している。

5

学習課題
 九州地方の工業は、どのように変化しているのでしょうか。

工業の変化と自然環境の保全
(教科書P.174-175)
○北九州工業地帯の発展と公害
○変わる九州地方の工業
○世界の環境首都をめざす北九州市

○北九州市や水俣市などでは持続可能な社会の実現に向け、公害を克服した経験を生かして先進的な取り組みが行われていることを理解する。
○北九州で盛んな工業が北九州工業地帯を中心とした金属工業や化学工業から、自動車やIC(集積回路)などの機械工業に変わってきていることと、その理由を多面的・多角的に考察し、表現する。

知識・技能
北九州市や水俣市では環境保全のために先進的な取り組みが行われていることを理解している。
思考・判断・表現
九州地方で盛んな工業が金属や化学から機械に変わってきていることと、その理由を多面的・多角的に考察し、表現している。

6.本時の学習(第4時)

目標

  • 南西諸島の自然環境や沖縄県独自の文化の魅力に着目し、観光業が盛んな理由について考える。(思考・判断・表現)
  • 環境と環境保全は両立するか、両立するためにはどうしたらいいのか考える。(主体的に学習に取り組む態度)

時間

学習課題及び内容

学習活動と教師の支援・指導の留意点

資料

導入
5分

自然環境を生かした観光業

○南西諸島のイメージは?
・暖かい、青い海、砂浜、白い砂浜

本時の課題

なぜ、南西諸島にはたくさんの観光客がおとずれるのでしょうか。

教科書
航空会社のポスターやCM

展開
35分

沖縄の歴史と独自の文化

○沖縄県が他府県と比べてどんな特徴があるかペアで相談しよう。
・自然環境(さんご礁の海 台風)、農産業、
独自の文化、首里城(琉球王国)、
世界文化遺産、食文化、中国との交流

教科書
P.173 図4
図3

沖縄の基地と人々

・沖縄県の土地利用から経済効果がある一方で米軍基地による課題があることを理解させる。

 

環境保全と観光の両立をめざして

・北部にテーマパークの建設が予定されているが、そのために自然破壊も懸念されている。

開発と環境保全は両立するのだろうか。
また、両立させるためにはどんな事が必要だろう。

・エコツーリズムは可能か。グループで話し合う。

新聞記事
ネット記事

まとめ
10分

 

・話し合ったことを発表させる。
・自分の考えをワークシートにまとめる。
・南西諸島はその自然環境を生かし観光業や温暖な気候を利用した農業、さらに地理的な要因から中国や東南アジアとの交流から独自の文化が形成されたこと、また開発に伴う環境保全のバランスが課題となっていることを理解させる。

 

7.ワークシート

世界の諸地域/アフリカ州(第1学年)

1.単元名・教材名

単元名:アフリカ州-自立のための開発と国際協力をテーマに-
教材名:アフリカ州と日本の未来を考える

2.単元の目標

 「最後の経済フロンティア」と呼ばれるアフリカ州の潜在的可能性について考えることを通して、「アフリカ=支援対象国」という一面的な捉え方から脱却し、アフリカ諸国が抱える諸問題の解決に日本がどのように関わっていくべきか探ることで、双方の持続可能な発展に必要な視点を見出す。

3.評価規準

【知識・技能】

  • アフリカ州について、自然環境や人口、産業などの特色を理解し、その知識を身に付けている。
  • モノカルチャー経済や都市問題などのアフリカ州が抱える問題と、その解決のためにどのようなことが行われているか理解している。

【思考・判断・表現】

  • 輸出品が特定の農産物や鉱産資源に偏るようになった原因を追究し、その問題点を多面的・多角的に考察している。
  • 複数の資料を読み取り、アフリカ州の持つ潜在的可能性について多面的・多角的に捉えている。

【主体的に学習に取り組む態度】

  • 「双方の持続可能な発展」という視点から、アフリカ州が抱える課題を解決していくためには何が必要か、日本はどのように関わっていくべきか考え、アフリカ州が抱える問題の解決策を具体的に述べている。

4.単元の指導にあたって

 この単元では、モノカルチャー経済によってアフリカ州の国々が国家の低成長、国民の格差拡大などの問題に直面していることを理解することが肝要である。しかし、外から押し付けられたモノカルチャー経済からの脱却はアフリカ諸国の自助努力のみで成し遂げることは難しく、国際社会全体で考えなければならない。その際、アフリカ州が抱える諸問題を安易に「経済的・物質的に援助する」という方策で解決しようとするだけでは、アフリカ州の国々の経済的な自立にはつながらない。かくいう日本もこれから人口減少時代を迎え、内需の縮小が予想される中、現在の経済規模を維持することが困難な状況にあり、いつまで支援・援助を行えるのかは不透明である。アフリカ州が抱える課題の解決に、日本としてどのようなことができるかを考えることは、アフリカの経済発展に活かせるだけでなく、日本のビジネスチャンスにもなるという視点で捉え、双方の持続可能な発展について考察させたい。様々な資料を読み取り、多面的に考えることで、国際社会と協力し合ってお互いに持続可能な社会をつくることが重要であることを実感し、自らの生き方にも応用させていこうとする姿勢を養いたい。

5.単元の指導計画

時間

主な学習内容

学習の目標

評価規準

導入

アフリカ州
-自立のための開発と国際協力をテーマに-
(P.72~73)

単元を貫く問い
日本はアフリカ州の国々とどのように関わっていけばよいでしょうか。

・教科書の資料を通して、アフリカ州の特色と日本との関わりについてとらえる。

・気候や人々の生活など、複数の視点からアフリカ州の特色について捉えている。
・身のまわりの生活を想起しながら、アフリカ州と日本との関わりについて考えている。

1

1 アフリカの自然環境と人々のかかわり
(P.74~75)

学習課題
アフリカの自然環境や人々の生活には、どのような特色がみられるのでしょうか。

・アフリカ州の気候の特色を、雨温図などから考察する。
・アフリカ州の地形や人口、産業について、基礎的・基本的な知識を身に付ける。
・アフリカ州の国々が植民地支配されていた歴史を理解し、植民地時代の宗主国との結びつきについて図表などから理解する。

・アフリカ州の自然環境や気候の特色を、地図や主題図、雨温図等の読み取りを通して理解している。
・アフリカ州の産業の特色を、自然条件と関連付けて理解している。
・植民地支配されていた歴史的背景が、現在でもアフリカの人々の生活や民族問題など、様々な面で影響を及ぼしていることを理解している。

2

2 農産物や鉱産資源の輸出にたよる経済
(P.76~77)

学習課題
アフリカの国々の経済には、どのような特色や課題があるのでしょうか。

・アフリカ州では輸出用作物の栽培や鉱産資源の開発が盛んであることを、資料の読み取りから理解する。
・モノカルチャー経済の原因について理解し、特定の農産物や鉱産資源の輸出に頼った経済の問題点を考察する。

・アフリカ州で生産されているものを身のまわりの生活と関連付けて理解している。
・モノカルチャー経済の解決策について、教科書等の資料を活用しながら、自分の意見をまとめている。

3

3 社会・経済の開発や発展と国際協力
(P.78~79)

学習課題
アフリカの国々の自立や発展のために、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

・アフリカ州の社会・経済の発展、歴史的背景が、社会や人々の生活にどのような影響を及ぼしているかを理解する。
・さまざまな国際協力について知る。

・アフリカ州が抱える課題の多面性について理解している。
・インターネット等を使って国際協力の具体例について調べ、説明している。

4
本時

アフリカ州と日本の未来を考える

複数の資料を通してアフリカ州の潜在的可能性を探り、アフリカ州と日本の持続可能な発展について考える。

アフリカ州が抱える課題を解決していくためには何が必要か、日本はどのように関わっていくべきか考え、課題の解決策を具体的に述べている。

6.本時の学習(本時4時間/全4時間)

①目標
 複数の資料を読み取り、既習事項を活用しながらアフリカ州の持続可能な発展と日本との関わりについて考え、自分の言葉で表現する。

②学習展開

学習活動と予想される反応

指導のポイント

○アフリカ州が抱える問題についてふり返る。

導 入 問 題
【アフリカ州にはどのような可能性があるのだろうか。】

個別探究
○自分の意見をワークシートに記入する。
 ※根拠となる資料を必ず提示する。

協同探究
○全体で意見交流を行う。
《予想される生徒の反応例》
・若者が学ぶことで、ITなど新しい産業が発展する。(資料1)
・耕作可能な土地が残っているので、農業が発展する余地がある。(資料2)
・品種改良により、農産物の増産が見込める。(資料3)
・日本企業がアフリカで製品を生産することで、現地の雇用が拡大したり、産業が発展したりする。(資料4)
・観光業に発展の余地がある。(資料5)
・電力供給の伸び→生活の改善や産業の発展に活かすことができる。(資料6)
・インターネットを活用することで教育環境が拡大し、人々の未来が広がる。(資料7)
・若年層が多いため、働き手がたくさんいる。(既習)
・綿花の生産が盛んな地域があり、日本でもその品質が認められている。(既習)

〔関連付け発問〕
○アフリカの可能性を一言でまとめると?
 →若年層が多い(労働者・消費者)
 様々な産業に発展の余地がある
〔追究型発問(設定型)〕
○アフリカに足りないものは何だろう。
 →技術、知識、国民の統合(国家として)
○アフリカの足りない部分に、日本が協力できることは何だろう。
 →技術供与、ものづくりの伝統、教育(人材)

導入問題のポイント(よさ)
○「貧困」「未開の地」「国際社会からの支援に依存している」というステレオタイプなアフリカ観を見直し、アフリカに対する多面的な見方を引き出すことができる。

考えやすい工夫
○順番通りではなく、自分が興味を持った資料から見てもよい。
○教科書的な語句だけではなく、自分自身の言葉で表現してもよい。
○複数の資料を提示することで、アフリカが抱える問題を多面的に理解しやすい。

協同探究の進め方、工夫
○アフリカの可能性にはどのような側面があるかを関連付けることで、展開問題の解決策の足がかりとさせる。
○追究型発問により、アフリカと日本の違いをとらえさせる。

展 開 問 題
【アフリカ州の問題を解決するために、アフリカと日本はこれからどのような関係を築いていけばいいだろうか。】
《予想される生徒の反応例》
・一方的な支援ではなく、日本企業が積極的に投資や技術供与などを行ってアフリカの産業の育成に貢献し、購買力をつけたアフリカの人々に日本の商品を買ってもらうことで、双方の発展を目指す。(A評価)
・綿花などアフリカでつくられた質のいいものを外国へ輸出し利益を得て、経済発展を目指す。(B評価)

展開問題のポイント(よさ)
○新学習指導要領の理念である「持続可能な社会の創り手」としての姿勢を養うことができる。
○「支援の対象」という旧来のアフリカ観を超え、「持続可能な発展を共に目指すパートナー」としてアフリカを捉えることで、内需の縮小が予想される日本が経済発展を維持していくための重要な視点に気付くことができる。

【評価】
A:「持続可能な発展」という視点から、日本の関わり方を明確にして、アフリカ州が抱える問題の解決策を具体的に述べている。
B:アフリカが抱える問題の解決のための具体的な自分の意見を述べている。

ワークシート

資料1~7

日本の諸地域/近畿地方(第2学年)

1.単元名・教材名

単元名:近畿地方-歴史的背景をテーマに-
教材名:④伝統を生かした産業と世界進出

2.単元の目標

 本単元は歴史的背景をテーマとしており、かつて首都であった京都や奈良、江戸時代には「天下の台所」とよばれ日本全国の物流の拠点でもあった大阪等が学習内容に含まれる。これらの都市と近隣地域は、政治や文化、産業、経済面等で密接な関わりをもつ。そのため本単元では、地理的事象と歴史的事象を関連づけて考察するとともに、統計資料や図表等を基に説明したりまとめたりする力をつけることを目標とする。

3.評価規準

【知識・技能】

近畿地方の自然環境や人口、産業等の特徴をとらえ、その知識を身につけている。
自然環境や人口、産業等の資料から近畿地方の特徴を読み取っている。

【思考・判断・表現】

近畿地方の地域的な特徴について、歴史的な背景と関係づけながら多面的・多角的に考察し、表現している。
自然環境や人口、産業等の資料から読み取れる内容や対話的活動を通して考えたこと等を説明している。

【主体的に学習に取り組む態度】

目標をもち、他者と対話しながら計画的に学習活動に取り組んでいる。
自らの学びをふり返り、理解を深めたことや困難を感じた課題とその理由、解決法等を詳しく記述している。

4.単元の指導にあたって

中学校学習指導要領(地理的分野)
C 日本の様々な地域
(3)日本の諸地域

次の①から⑤までの考察の仕方を基に、空間相互依存作用や地域などに着目し、主題を設けて課題を追求したり解決したりする活動を通して、以下のア及びイの事項を身に付けることができるように指導する。

①自然環境を中核とした考察の仕方
②人口や都市・村落を中核とした考察の仕方
③産業を中核とした考察の仕方
④交通や通信を中核とした考察の仕方
⑤その他の事象を中核とした考察の仕方

ア 次のような知識を身に付けること。

(ア)幾つかに区分した日本のそれぞれの地域について、その地域的特色や地域の課題を理解すること。
(イ)①から⑤までの考察の仕方で取り上げた特色ある事象と、それに関連する他の事象や、そこで生ずる課題を理解すること。

イ 次のような思考力、判断力、表現力等を身に付けること。

(ア)日本の諸地域において、それぞれ①から⑤までで扱う中核となる事象の成立条件を、地域の広がりや地域内の結びつき、人々の対応などに着目して、他の事象やそこで生ずる課題と有機的に関連付けて多面的・多角的に考察し、表現すること。

 学習指導要領における以上の記載を基に本単元の指導にあたっては、近畿地方の自然環境や人口、農業や工業、観光業等について人の営みと自然環境や空間的な相互依存作用に着目するとともに歴史的な背景と関連づけて考察する力を養いたい。

5.単元の指導計画

時間

主な学習内容

学習のねらい

生徒の活動と内容

評価規準


近畿地方-歴史的背景をテーマに-
(P.192~193)

単元を貫く問い
 近畿地方の地理的な特色と歴史的な背景はどのように結びついているのでしょうか。

近畿地方の地域的特色が歴史的背景と関係が深いことを知る。

奈良や京都、大阪や神戸等の都市について歴史的背景と地域的特色についてコンセプトマップを用いて関連づける。

他者と協力しながら多くの語句を関連づけたコンセプトマップを作成している。

1

1 近畿地方の自然環境と人々のかかわり
(P.194~195)
・中部の平野と南北の山地
・三つの地域で異なる気候
・自然環境と人々の生活

学習課題
 近畿地方の自然環境や人々の生活には、どのような特色がみられるのでしょうか。

近畿地方の地形や気候、人々の生活について知る。

近畿地方の地形や気候、京阪神大都市圏や郊外の産業や人口の課題を考える。

地形や気候の特色、過密と過疎の課題等を説明している。

2

2 現在にいきづく歴的都市の特色
(P.196~197)
・豊かな歴史に支えられた近畿地方
・千年の歴史をもつ京都
・日本の歴史のふるさと、奈良

学習課題
 歴史的都市である京都や奈良には、どのような特色があるのでしょうか。

歴史での既習事項と関連づけながら京都や奈良の特色を考察する。

歴史で学習したことや伝統文化と近郊農業等の地理の学習を関連づけてその特色をまとめる。

京都、奈良の歴史的都市としての特色を説明している。

3

3 港町から世界へ
(P.198~199)
・日本の窓口としての大阪湾
・水の都、大阪の発展
・世界への窓口となった神戸

学習課題
 近畿地方は、歴史的に世界とどのような結びつきをもってきたのでしょうか。

大阪湾の歴史地理学的特色について知るとともに、現在の様子や課題について考える。

大阪湾に面した都市や港がどのように発展し、世界とつながってきたのかについて歴史的背景や地形等を基にまとめるとともに現在の課題について考える。

大阪や神戸が発展した歴史的背景や現在の課題について地形や物流等の観点から説明している。

4
本時

4 伝統を生かした産業と世界進出
(P.200~201)
・転換期をむかえる阪神工業地帯
・世界をめざす企業と伝統産業の取り組み
・都市の発展を支えた林業

学習課題
 歴史や伝統を生かした産業から、新たな技術がどのように生まれてきたのでしょうか。

阪神工業地帯の特色や優れた製品を生み出す工業、伝統産業や林業等について、歴史的背景と関連づけて考察する。

現在の技術や産業が歴史的な積み重ねの延長にあることを知るとともに、近畿地方や阪神工業地帯の産業等の特色について統計資料を基に説明する。

阪神工業地帯の特色を江戸時代の産業や日本の産業革命の視点や地図、統計資料等を基に説明している。

5

5 歴史を生かした観光業の推進
(P.202~203)
・世界中からくる観光客のおもてなし
・歴史的な街なみの保存

学習課題
 近畿地方では、歴史的な景観や文化財の保全と観光をどう両立させているのでしょうか。

世界中から観光客が訪れており、観光業と街なみ保存の両立をめざす取り組みが行われていることを知る。

世界中から観光客が訪れていることを統計資料や図表等から知るとともに、歴史を生かした観光業と都市の発展、景観政策等を関連づけて説明する。

観光業が歴史的な建築物や文化を背景に成立していることや、これらと景観政策との対応関係を説明している。

6.本時の指導(本時4時間/全5時間)

①本時のねらい
 近畿地方や阪神工業地帯の産業は、16世紀に始まる堺での鉄砲の生産や江戸時代における綿花栽培、それらを基にした明治時代における軽工業から重化学工業へと推移する日本の産業革命等との関わりが深い。これらのことをふまえた上で情報端末を活用し、現在の近畿地方や阪神工業地帯の産業の特色等について自分たちで調べ、まとめることを通して社会科における資質能力を総合的に向上させることを本時のねらいとする。

②本時の展開

ねらいと主な学習内容

学習活動と教師の支援・
指導上の留意点

資料

ねらい
(1)近畿地方の産業や阪神工業地帯等が発展した理由について、1543年の鉄砲の伝来や堺における生産が盛んであったこと、江戸時代に河内平野等で綿花の栽培が盛んであったこととその地理的要因、綿花に代表される商品作物の普及や貨幣経済の浸透及び問屋制家内工業や工場制手工業等との関連について知識を深める。
(2)明治時代の日本での産業革命や鉄砲の生産や綿織物業等から軽工業や重化学工業の発展へと至るつながり等について、大阪紡績会社や財閥との関係等を踏まえながら近畿地方の産業の地理的事象と歴史的事象を関連づけて考える。
(3)経済産業省と内閣府が運営するRESASを活用して、近畿地方の産業や阪神工業地帯の特色について対話的な学習を行い、地理的事象と歴史的事象の両方と関係づけながら学習内容をまとめ、説明する。

(1)鉄砲の伝来や堺で鉄砲の生産が盛んとなったこと、堺が国際的な貿易都市であったこと等について織田信長や豊臣秀吉等の事業と関連づけて学習する。また、江戸時代に河内平野等での綿花栽培が盛んになった理由や綿織物の普及について学ぶとともに、江戸時代の交通網と主な特産物等に触れながら、商品作物としての綿花栽培や綿織物業、貨幣経済の浸透や問屋制家内工業、工場制手工業とのつながりについて理解を深める。

(1)鉄砲の伝来や戦国時代から安土桃山時代にかけての鉄砲の需要の高まりについて、南蛮貿易の貿易港としての堺の発展や貿易品目、織田信長や千利休、豊臣秀吉の事業等と関連づけながら学習する。また、綿花が亜熱帯の植物であり、気候や砂質の土壌が栽培に適していたことや大阪湾の魚が肥料として使用可能であること、江戸時代の交通網と主な特産物等に触れながら、江戸期における綿織物業と問屋制家内工業や工場制手工業の関係や貨幣経済の発展と社会の変化等歴史的分野での学習事項と関連づけて理解を深められるよう支援する。

(1)「鉄砲・キリスト教織田信長の関係地☆」
「長篠合戦図屏風☆」
「堺の鉄砲鍛冶☆」
「桃山文化の関係地☆」
「主な大名の配置☆」
「江戸時代の交通網と主な特産物☆」

(2)明治時代におこった日本の産業革命に関連して、日清戦争前後に軽工業、日露戦争前後に重工業が発展したことを学習するとともに、当時の財閥や八幡製鉄所が現存する会社に関係していることを知り、近畿地方における産業等の地理的な事象が歴史的な事象と関連していることについて理解を深める。

(2)(1)での学習を踏まえた上で、明治時代に起こった日本の産業革命が、日清戦争前後に繊維等の軽工業、日露戦争後に鉄鋼等の重工業の分野で進行したことについての理解を深める。また、渋沢栄一の事業や財閥を母体とする住友金属の事業、明治期における殖産興業等にふれながら鉄砲や綿花栽培、軽化学工業及び重化学工業の発展、阪神工業地帯等について地理と歴史を関連づけて考えられるよう支援する。

(2)「大阪紡績会社☆」
「主要品の生産量の移り変わり☆」

(3)タブレット端末を活用してRESASを起動し、現在の阪神工業地帯を構成する兵庫県や大阪府、また、神戸市や大阪市、東大阪市、堺市等の都市の地域産業構造マップや全産業の構造等について調べ、その特色や課題等について話し合いながら学習内容をまとめる。

(3)現在の近畿地方の産業や阪神工業地帯等について、RESASの地域産業構造マップや全産業の構造の統計資料等を基にその特色について話し合う。(1)(2)で学習した内容や(3)で話し合った事柄を関係づけながら学習をまとめる。その際に学習者が知識を関連づけて考察した事柄を自力で説明できるよう支援する。

(3)「阪神工業地帯の業種別工業製品出荷額★」
「神戸医療産業都市への進出企業・団体数と雇用者数★」

☆歴史的分野教科書記載資料
★地理的分野教科書記載資料
RESAS

全産業の構造 – ポートフォリオ全産業の構造 – 横棒グラフ

日本の諸地域/中部地方(第2学年)

1.単元名・教材名

単元名:中部地方―活発な産業を支える人々の暮らし
教材名:活発な産業を支える人々の暮らし① 工業の発展と地域の変化

2.単元の目標

(1)中部地方の産業が地域に果たす役割やその動向が、交通網の整備や外国との関係によって変化していることを理解することができる。【知識・技能】

(2)人と自然とのかかわりや地域どうしのつながりに着目して考え、中部地方の産業の課題に対して多面的・多角的に考察し、その変容を捉えることができる。【思考・判断・表現】

(3)中部地方の自然環境、人口、産業などの特色について概観する中で、特に東海、中央高地、北陸の各地域の産業に関心をもち、地域的特色を意欲的に追究することができる。【主体的に学習に取り組む態度】

3.評価規準

知識・技能

思考・判断・表現

主体的に学習に取り組む態度

中部地方について、自然環境や人口、産業などの特色を大まかに捉えている。

中部地方について、産業を中核とした考察の仕方を基に地域的特色を理解し、その知識を身に付けている。

中部地方の地域的特色を、産業を中核とした考察の仕方を基に多面的・多角的に考察し、その過程や結果を適切に表現している。

中部地方の産業の地域的な違いについて、地形や気候などの自然的条件と、交通網や外国との関係など社会的条件との両面から考察して、各地域の特色を捉えている。

中部地方の自然環境や人口、産業などの特色について概観する中で、特に東海、中央高地、北陸の各地域の産業に関心を持ち、設定した追究テーマを基に地域的特色を意欲的に追求している。

4.指導にあたって

(1)単元について

中学校学習指導要領(地理的分野)
C 日本の様々な地域
(3)日本の諸地域

次の①から⑤までの考察の仕方を基にして,空間的相互依存作用や地域などに着目して,主題を設けて課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。

①自然環境を中核とした考察の仕方
②人口や都市・村落を中核とした考察の仕方
③産業を中核とした考察の仕方
④交通や通信を中核とした考察の仕方
⑤その他の事象を中核とした考察の仕方

ア 次のような知識を身に付けること。

(ア)幾つかに区分した日本のそれぞれの地域について,その地域的特色や地域の課題を理解すること。
(イ)①から⑤までの考察の仕方で取り上げた特色ある事象と,それに関連する他の事象や,そこで生ずる課題を理解すること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア)日本の諸地域において,それぞれ①から⑤までで扱う中核となる事象の成立条件を,地域の広がりや地域内の結び付き,人々の対応などに着目して,他の事象やそこで生ずる課題と有機的に関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。

(太字・下線は筆者による)

 以上のことを基に、今回取り扱う中部地方では、中部地方の盛んな産業を、自然環境、歴史、交通網、文化的背景などの多様な視点から捉えることで、地域によって特色のある産業に対する関心を高める。また、産業と地理的条件の関係性を考察し、その地域に根付いた産業の必然性を見いだすことで、地理的な見方・考え方を養っていきたい。

(2)題材のねらい、達成に向けた指導計画の構想
 本単元は、中部地方の産業が地域に果たす役割やその動向が、交通網の整備や外国との関係によって変化していることを理解させることをねらう。その際、中部地方の地域的特色について、東海、中央高地、北陸の各地域の違いを、自然的条件と社会的条件の両面から考察して捉えさせる。中部地方の自然環境、人口、産業などの特色について概観する中で、特に東海、中央高地、北陸の各地域の産業に関心をもち、設定した追究テーマを基に地域的特色を意欲的に追究する。
 設定したテーマは、次のようなものである。「北陸地方でお米の生産が盛んなのはなぜだろう。」、「北陸地方の農業で稲作が有名なのはなぜだろう。」、「中央高地で果樹栽培や高原野菜の栽培が盛んなのはなぜだろう。」、「中央高地で精密な機械がつくられているのはなぜだろう。」、「二輪車の製造が多いのはなぜだろう。」、「静岡で茶の栽培が盛んなのはなぜだろう。」、「東海地方で施設園芸農業が盛んなのはなぜだろう。」
 また、本時では、北陸地方の伝統工業と地場産業について、品物ごとに分かれて調べ活動を行い、お互いが調べたことを教え合い、北陸の産業に共通する地理的条件を見つけ出したい。調べたことや教え合ったことをワークシートに記入しておくことで、調べたことを整理して、知識として定着させたい。授業では、すべての生徒が見通しを持って学習ができるように、本時の課題や本時や活動の流れを黒板に明確に示す。さらに、仲間との意見交換を通して、多面的・多角的な見方を基に授業のまとめを記述することができるように、個人学習の場面とグループ学習の場面を分けて設定する。
 さらに、主体的・対話的で深い学びの姿を可視化するために、新潟県立教育センター作成の「主体的・対話的で深い学び実践ハンドブック」中のNITS【実現したい子どもの姿】ピクトグラムを取り入れた。

5.題材指導と評価の計画(5時間 本時4/5)

時間

主な学習内容

学習目標

評価規準

1

1 中部地方の自然環境と人々のかかわり
(p208~209)
・「日本の屋根」のある中部地方
・三つの地域の気候の特色

・地図帳を使って、中部地方の地形の様子とその交通への影響を捉える。
・中部地方を三つの地域に分けて、その気候の特色の違いを雨温図から捉え、その理由を地形などと関連付けて捉える。

・中部地方の自然環境の特色と、東海、北陸、中央高地の気候的な違いを、地図や雨温図を使って読み取っている。(知識・技能)
・中部地方の地域による気候の違いを、地形などの自然環境と関連付けて理解している。(知識・技能)

1

2 日本を支える工業の中心地,東海
(p210~211)
・自動車工業の盛んな東海
・なぜ東海の工業が発展したのか
・自動車工業の課題

・東海で各種の近代工業が発展し、変容した理由を理解する。
・東海の産業の変容と課題、その解決方法について考察する。

・東海の工業の特色を、自然的条件や社会的条件と関連づけて多面的に考察して捉えている。(思考・判断・表現)
・中部地方の産業について意欲的に追究している。(主体的に学習に取り組む態度)

1

3 交通網の整備による中央高地の産業の変化
(p212~213)
・地形や気候に適応した特色のある農業
・中央高地の工業の変化
・リゾート地としての発展

・中央高地の産業が発展し、変容した理由を理解する。
・中央高地の工業の様子を示す写真やグラフなどから中央高地の産業の姿を捉える。

・中央高地の農業の特色を、自然環境の特色や交通の発達などを示す資料と関連づけて読み取っている。(知識・技能)
・中央高地の産業の特色を、自然的条件や社会的条件と関連づけて多面的に考察し、捉えている。(思考・判断・表現)

1
本時

4 自然環境からみた北陸の農業や工業
(p214~215)
・水田単作の米作り
・伝統産業・地場産業の課題と取り組み
・日本の電力を支えてきた中部地方

・自然環境のほか、社会的条件やその変化を表す資料から、中央高地、東海、北陸各地域の農業の特色を捉える。
・北陸の地場産業の変容と課題、その解決方法について考察する。

・写真や農業生産額のグラフから北陸の農業や工業の特色と各農家の工夫と努力を読み取っている。(知識・技能)
・中部地方の地場産業の課題に対して多面的・多角的に考察し、その変容を捉えている。(思考・判断・表現)

1

5 消費地と結びつく農業・漁業の戦略
(p216~217)
・静岡県の茶の生産と消費地との結びつき
・温暖な気候と交通網を生かした園芸農業
・焼津港の漁業と消費地との結びつき

・東海の農業や漁業について、他地域との結びつきに着目する。
・東海で、特色のある農業や漁業が発展した理由を考え、理解する。

・東海で特色のある農業や漁業が発展した理由を、自然環境、交通網の整備の面から理解し、説明している。(知識・技能)
・中部地方の地域的特色について、他の消費地との結びつきに着目して、自分なりに工夫して、地図や図表を適切に活用して理解している。(知識・技能)

6.本時の指導(本時4時間/全5時間)

(1)本時のねらい

北陸地方の工業を、気候と歴史的背景から考察することを通して、北陸地方に根付いた産業の特色を見いだす。【思考・表現・判断】

三条市で作業工具の製作所を営む兼古さんと交流することで、職人の意匠に触れ、身近な地場産業に関心を持つ。【主体的に学習に取り組む態度】

(2)読解力育成を踏まえた指導のポイント
本時の展開では、以下の読解力を育成するための手立てを講じる。

「推論」…三条の鍛冶に関する資料を読み、三条市で鍛冶産業が盛んになった背景には、多発する洪水などの気候条件が関わっていることを捉える。さらに、北陸地方の他の地域でも、同様に気候条件が産業に関わっていることをあげて、気候条件が北陸地方の産業に影響を与えていることを説明できるようにする。

(3)本時の展開

時間

○学習活動 ・予想される反応

●教師の支援 ※評価

導入
(5分)

○金物・洋食器の写真を見せ、どこで生産されているものか探す。
・両方とも北陸地方(三条市と燕市)で盛んに作られている品物だ。
○前時をふりかえり、東海の工業との違いを問う。
・東海は自動車の生産が盛んだが、三条市と燕市で盛んな品物が金属製品なのはなぜ?

●実物も用いて教材に注目を集める。

●必要に応じてヒントを出す。

展開①
(17分)

○本時の課題を提示する。

北陸地方の三条市・燕市で金物・洋食器の生産が盛んなのはなぜだろう?

○いつから、どのようなきっかけで金属産業が盛んになったのか考える。
・100年くらい?もっと昔から?
・スプーンは洋食に使うから明治以降?

●燕市のスプーンはいつから作られるようになったのか発問する。

○個人で、どちらかの品物について調べてワークシートに記入する。
・スプーンは江戸時代の和釘作りで培った金属加工の技術が活かされているようだ。

●資料から探すことが難しい生徒には、助言や問答など机間指導をする。
※資料を読み取ることができる。(知識・技能)

○調べたことを班内で共有し合い、共通している地理的条件を見つける。
・どれも、雪や雨がたくさん降る北陸ならではのものだ。

※調べたことを班のメンバーに説明できる。(思考・判断・表現)

展開②
(18分)

○Zoomによる配信で、三条市で地場産業に携わっている兼古耕一さん(株式会社兼古製作所社長)から、話を聞く。
・使いやすいドライバーなどの工具には、職人さんの努力や工夫が深く関わっていたのか。
○話を聞いて、兼古耕一さんに質問する。

●Zoomによる配信の準備をする。
※話を聞き、資料で調べたことと重ね合わせて考えることができる。(主体的に学習に取り組む態度)

※積極的に質問する。(主体的に学習に取り組む態度)

まとめ
(10分)

○北陸地方の産業は冬の豪雪や秋の多雨といった気候条件に大きな影響を受けていることを、具体例を挙げて説明する。
・北陸の産業は、冬に雪が多く降ることや、秋に降水量が多いことが影響している。例えば、三条の金物は、冬に家の中でできる副業としてはじまり、職人の情熱によってよいものを作り続ける地場産業に発展した。

●北陸地方の地場産業を紹介する。
●助言や問答など机間指導をする。
※北陸の産業の特色について、自分の言葉でまとめることができる。(思考・判断・表現)
【推論】
複数の地場産業から、その成立過程は気候条件に影響を受けていることを捉え、説明することができる。

7.ワークシート

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8.資料プリント

○北陸地方の工業①「三条市・燕市の工業」

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○北陸地方の工業②「福井県鯖江市のメガネフレーム」

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身近な地域の調査『刈谷市南部から日本の農業を考える』(第2学年)

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

身近な地域の調査『刈谷市南部から日本の農業を考える』

2.単元の目標

社会的事象への
関心・意欲・態度

社会的な
思考・判断・表現

資料活用の技能

社会的事象についての知識・理解

学校周辺の農業について,フィールドワークや取材活動などに主体的に取り組むことができる

学校周辺の農家が大切にしていることを多角的に捉え,自分たちの生活に結び付けて将来の姿を考察することができる

フィールドワークや取材活動で得た知見を,自分の言葉でまとめたり級友に伝えたりすることができる

農業の全国的な現状や課題と地域の農業が抱えるそれとを比較し,共通点や差異を捉えることができる

3.単元の指導に当たって

(1)教材観
 農業の高齢化とそれに伴う後継者不足は全国的な課題である。その課題の解決策として国は『農事組合法人』を制度化し,日本の農業を大規模農業へ転換するよう支援を進めている。同時に,自営的な小規模農業を守り,生きがいや居場所作り,郷土コミュニティーの形成など高齢者でも農業を続けていける仕組みづくりも行われている。本校を中心とした刈谷市南部は『農事組合法人』を中心に大規模農業が展開されると同時に,産直センターへの出荷や自家用の作物を栽培するなどの高齢者を中心とした小規模農家の両方が存在する。まさに日本の農業の縮図となっており,地域から日本全体の姿を見る身近な地域の調査の目的に沿っている。

(2)目指す生徒像
・自ら問題をもち,追究を深める生徒
・学校周辺の農業が抱える問題に切実感をもつ生徒
・これからの地域農業のあり方を考え始める生徒(=郷土に愛着を感じる生徒)

(3)手立て

手立て1 生徒が自ら問題をもち,追究を深めるための手立て
ア:学校周辺で行われ,農業従事者の高齢化という問題を抱える地域農業を教材化する。
イ:学校周辺の田畑で栽培されている作物を調べたり,農家やJA,産直センターに取材や調査活動を行ったりするなど,体験的な活動を軸にした単元構想の工夫をする。

手立て2 地域の社会的事象が抱える課題に切実感をもち,これからの地域の姿を考え始めるための手立て
ア:取材や調査活動の中で,農業に携わる方と関わり,思いや願いに触れる場を設定する。
イ:取材や調査活動によって明らかにしたことを通して,仲間と関わる場を設定する。
ウ:意見交流において,切り返しなどをしたり,ゲストティーチャーを登場させたりすることで,問題を焦点化する。

4.単元の指導計画

時数

学習のねらい

生徒の活動と思考
生徒の問題

評価規準の具体例

1

◎地域の農産物を食べてみよう
・地域の農業に目を向けさせ,興味をもつ

・地域の農作物のことを意識していなかった

・何という名前の品種なのか

2

◎学区の作物調べをしよう

・大豆がとても多い

・作物調べを通して,地域の農業に興味をもち,自らの問題を見つけることができる
(関心・意欲・態度)

3

◎作物調べを通して分かったことと,分からなかったことを出し合おう

・大豆栽培をしている
『農事組合法人』ってどんな集団なんだろう

4

◎庚申塚(学校の北側)の調査を通して『農事組合法人』がどんな人たちか追究しよう

○農家への取材活動を行う
・お年寄りで農作業のできない人が『農事組合法人』に預ける
誰が利益を得ているのか調べたい

・庚申塚の調査を通して学区の農業が抱える課題を見出すことができる
(思考・判断・表現)

5

◎庚申塚の調査から分かったことと分からなかったことを出し合おう

6
7

◎JAへの取材を通して地域農業が抱える課題を明らかにしよう

○JA(営農センター)や産直センターへの聞き取り調査,取材活動
・農業では十分な収益が得られない
・地域農家は高齢化している
・地域農家の厳しい現状を受けて大規模化している

・この地域の農業が大規模化してきている背景や従事する人々の願いをあきらかにすることができる(思考・判断・表現)

8

◎JAへの取材から分かったことと分からないことを出し合おう

9

◎農業が大規模化してきていることについて考えよう

10
11

◎農業が大規模化してきている学校周辺の小規模農家について考える

○小規模農業を続ける人たちに迫る調査活動を行う

・小規模農業を続ける人に迫る調査活動ができる
(資料の活用)

12
本時

○追究したことを出し合い,小規模農家の思いや願いに迫る
・小規模農家は自分の土地を守っていきたいという思いが強い

・地域農業が抱える課題を切実に捉え,これからの農業のあり方を考えることができる。
(思考・判断・表現)

13

◎単元まとめを書こう
・単元を振り返り,農業について考えたことや調査活動を通して学んだことをまとめる

○単元まとめを書く
・小規模も大規模もこの国には必要だ
・もっと農業を活性化する方法を探したい

5.本時の学習

(1)目標
・調査結果やこれまでの学習を基に自分の考えをもち,話し合いに参加することができる。(関心・意欲・態度)
・地域農業が抱える課題を切実に捉え,これからの農業のあり方を考えることができる。(思考・判断・表現)

主な学習内容

学習活動と生徒の思考

教師の見取り・支援

○学習課題を確認する
◎農業が大規模化している学校周辺の小規模農業について考える

○前時までに追究してきたことを出し合う(話し合い)
・小規模農家が続ける理由
・小規模農業の難しさ
・大規模農業が拡大する理由
・大規模農業の難しさ

・前時までの追究を座席表に落とし,生徒の意見を十分に見取る
・左記の4点を中心に構造的な板書を心掛け,農業が大規模化してきていることを明確にする

○話し合いを深める

○小規模農業のこれからを考える(話し合い)
・小規模農業を続けることは収益面,高齢化など難しいことが多いから,徐々に衰退
・土地があるから始める人もいるのではないか

・話し合いをこれからの小規模農業がどうなるのかという点に焦点化するために,意図的に指名したりする

○ゲストティーチャーの話を聞く

○ゲストティーチャーの話を聞き,これからの地域農業のあり方に目を向ける(聞く→ひとり調べ)

・生徒の意見を聞いて感じたことを率直に語る中で,JAとして地域の農業を守っていきたいという願いを伝えてもらう

○これからの農業の姿を考える

○これからの地域農業のあり方を考える(話し合い)
・小規模も大規模もこの国には必要だ
・農業自体を活性化する必要がある

・自分たちにできることも含めて考えさせる
・どのような意見も肯定的に受け入れる