読み物プラス
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子どもの頃から、絵を描いたりモノを作ることが好きだった。
高校生になって、進路について真剣に考えていたときに、レオナルド・ダ・ヴィンチの本を読み、ミケランジェロの作品を美術館で観て感動した。
しかし、ルネッサンスマンにあこがれはしたものの、当時はマンガ、映画、ロックに夢中で、どうしても時代のズレを感じていた。
そのときに、生まれて初めて会った日本人のアーティストが岡本太郎である。
彼の考え方は明快だった。「本当の進路は、一流企業や大学に入る事ではなく、どのように生きるかだ。」
目からウロコが落ちた。方法論ではなく、人生が一枚の絵であることを知った。
2000年1月から「日常のアート化」をテーマに、アート活動「バケツ・プロジェクト」を開始した。
最初に展示を行ったのは、当時、アシスタントをしていたアーティスト・折元立身プロデュースの「TOKYO TATAMI SPACE」展で、日本よりヨーロッパで話題になった。
彼の自宅の庭の木にバケツを吊るした「バケツの木」のアート作品がそれである。
そして、バケツの木から生まれた[バケツ☆キッズ(BUCKET KIDS)]へとストーリーは続く。
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『日常物のキーワード、大量消費社会のアイコンとしてプラスチックのバケツ、コーン、ボールを選んだ。
美術の中から作るのではなく、日常から素材を選び、再構成して日常の中に戻し、元々の意味を変えていく。
歴史をひもとくと、日本では約60年前に初めて商品化されたプラスチック・バケツ。
新し過ぎず、古過ぎず、生活になくてはならないモノ。
また、どこへ行ってもあるが、地域により微妙にデザインが異なっている点に、その国の文化・歴史が隠されている。』
アート(美術・ヴィジュアルアーツ)の言葉は「色・形・空間」である。
アートは世界共通語である。
アートを使ったコミュニケーション。
国・人種・性別・年齢・職業・ジャンルを超えて、美術館という聖域のみならず、日常空間をアートで埋め尽くし、そして観客を取り込んでいく。
バケツプロジェクトは、どこまでアートか? アートとは何か? という観客(社会)に対する問いで、夢で、希望である。
人と人をつなぐバケツアートにより、私の世界への旅は始まった。
次回は、実際にどのようにアートパフォーマンス&展覧会を行っているかを話しましょう。