小学校 体育

2026.07.03 <No.001>

「KOMAKOMA×日文」を活用した「走・跳の運動 走り幅跳び」(第4学年)

埼玉県戸田市立戸田第一小学校 佐藤陽介

「KOMAKOMA×日文」を活用した「走・跳の運動 走り幅跳び」(第4学年)

1.単元名

「走・跳の運動 走り幅跳び」(第4学年)

2.目標

(1)走り幅跳びの行い方を理解し、「KOMAKOMA×日文」で撮影した自分の動きを分析することを通して、5~7歩程度の短い助走から強く踏み切って遠くへ跳ぶことができるようにする。
(2)「KOMAKOMA×日文」のパラパラマンガPDFから自己の能力に適した課題(助走、空中姿勢、着地)を見付け、課題解決のための練習の場を選んだり、友達にアドバイスを伝えたりできるようにする。
(3)走り幅跳びに進んで取り組み、友達と動画を撮影し合ったり、パラパラマンガPDFを共有してアドバイスを認め合ったりしながら、きまりを守って仲よく運動し、場や用具の安全に気を配ることができるようにする。

3.準備(材料・用具)

教師:メジャー、学習掲示物、マーカー、砂ならし、ケンステップ、踏切版、ラダー、小型ハードル、ラインカー、ゴム紐
児童:ChromeBook
ICT環境:ブラウザアプリ「KOMAKOMA×日文」、学習支援ソフトミライシード「オクリンクプラス」

4.評価規準

知識・技能

走り幅跳びの行い方(助走、踏切り、空中姿勢、着地の局面)について、「KOMAKOMA×日文」で撮影したパラパラマンガPDFを基に自己で分析した課題について言ったり書いたりしている。
5~7歩程度のリズミカルな助走から力強く踏み切り、膝を柔らかく曲げて両足で着地している。
自分に合った踏み切り足を決めて跳ぶことができている。

思考・判断・表現

「KOMA KOMA×日文」のパラパラ漫画PDFで一連の動きから、自己の能力に適した課題(助走、踏切、空中姿勢、着地)を見付け、練習の場を選んでいる。
オクリンクプラスで共有された友達のパラパラマンガ風PDFを見ながら、動きのよさや変化を具体的に見付け、そのコツを言葉や動作で友達に伝えている。
友達との競争の仕方を考えたり、競争の規則や記録への挑戦の仕方を選んだりして幅跳びを行っている。
コマ送り写真とお手本を比較し、自身のフォームのよい点や課題を具体的に言語化している。

主体的に学習に取り組む態度

オクリンクプラスで記録した過去の自分と比較しながら、より遠くへ跳ぶために粘り強く練習に取り組もうとしている。
自身の課題を踏まえ、次時に向けた具体的なめあて(距離や意識するフォーム)を設定している。
幅跳びの練習や競争に進んで取り組もうとしている。
安全や競争のきまりを守り、誰とでも仲よく励まし合おうとしている。
場や用具の安全を確かめている。

5.本単元の指導にあたって

~走・跳の運動「走り幅跳び」におけるICTの効果的な活用~

 走る・跳ぶといった運動は動きが速いため、通常の動画では適切なタイミングで停止させたり、ポイントと比較したりすることが困難である。コマ撮り写真を採用することで、児童自身が容易に自分のフォームを確認・比較できるようになった。
 本単元では、ICTを単なる撮影ツールではなく、「動きの可視化」「対話的な分析」の核として活用した。

「KOMAKOMA×日文」によるコマ撮り分析

  • 児童がペアになり、跳躍の瞬間を1コマずつ撮影。
  • 動画と異なり、1コマずつ静止画で動きを確認できるため、「踏み切り足の膝が上がっているか」「空中姿勢が『く』の字になっているか」といった技術的なポイントを、児童が自分のペースで詳細に分析が可能となる。

パラパラマンガPDFによる客観的な考察

  • 撮影したデータを「パラパラ漫画PDF」としてダウンロードする。これは1枚に最大18コマが割り付けられた形式である。
  • 一連の動きの連続性を1枚のシート上で一覧できるため、助走から踏み切り、着地までの「リズム」や「姿勢の変化」を視覚的に捉えやすくなる。オクリンクプラスで共有する際も、1つのファイルとして扱いやすいため、相互評価がスムーズになる。

「オクリンクプラス」での共有とデジタルポートフォリオ

  • ダウンロードしたPDFを「オクリンクプラス」のカードに貼り付けて提出・共有。
  • 友達のPDFを見ながら、「両手が上がった空中姿勢がいいね。」、「着地の時の足が『くの字』になっているね。」といった具体的なアドバイスをし合うことにつなげることができる。
  • 単元の「前半」と「後半」のPDFを保存・比較することで、自分の動きがどう良くなったかを視覚的に実感し、次時のめあて設定に繋げることが可能となる。

 オクリンクプラスでの振り返りシートにおいて、「空中姿勢の『グリコ』のポーズが上手く意識できなかったから、今度はうまくできるようにしたい」「今は2.5m以上いけたから、次は3m以上いけるように頑張る」といった、次時に向けた具体的な課題や目標が設定されるようになった。

6.単元の指導計画

学習活動の流れ

指導上の留意点、評価方法

1

ねらい
【学習の見通しをもつ】
1.集合、挨拶、健康観察をする
2.単元の学習の見通しをもつ
3.本時のねらいを知り、自己の目標を立てる
4.場や用具の準備をする
5.準備運動、主運動につながる運動をする
6.走り幅跳びの行い方を確認する
7.走り幅跳びにチャレンジする
8.本時を振り返り、次時への見通しをもつ
9.整理運動、場や用具の片付けをする
10.集合、健康観察、挨拶をする

・安全な砂場の使い方やルールの確認を徹底する。
・オクリンクプラスを使用し、単元の見通し(学習計画)を配付する。
・自分の目標記録を新体力テストの50m走と立ち幅跳びの記録、自分の身長とを含めて算出する。またオクリンクプラスのカードに「単元のめあて(目標記録やなりたい姿)」を記入して提出・共有する。
【評価方法】
行動観察、オクリンクプラスの提出内容(主体的に学習に取り組む態度)

2

3

ねらい
【走り幅跳びのコツやポイントを知り、自己の記録に挑戦することを楽しむ】
1.集合、挨拶、健康観察をする
2.本時のねらいを知り、自己の目標を立てる
3.場や用具の準備をする
4.準備運動、主運動につながる運動をする
5.走り幅跳びで、記録への挑戦をする
6.動きを身に付けるための練習の仕方を知る
7.自己の記録をとる
8.本時を振り返り、次時への見通しをもつ
9.整理運動、場や用具の片付けをする
10.集合、健康観察、挨拶をする

【コマ送り動画で「踏み切り」のコツを掴む】
・リズミカルな助走から強く踏み切るための場(ケンステップやリズム太鼓など)を用意する。
・KOMAKOMA×日文を導入。グループ内で互いの跳躍を撮影し、「パラパラ漫画PDF機能」を使って「踏み切るときの姿勢」や「助走のリズム」を客観的に分析する。
・PDF分析で見つけた自分なりのコツや課題を、オクリンクプラスのデジタル学習カードでまとめ、クラス全体で共有ボードに提出する。
【評価方法】
行動観察(知識・技能)
オクリンクプラスの提出カード(思考・判断・表現)

4

5

6

ねらい
【動きを身に付けるための活動や競争の仕方を工夫して、競争や記録に挑戦することを楽しむ】
1.集合、挨拶、健康観察をする
2.本時のねらいを知り、自己の目標を立てる
3.場や用具の準備をする
4.準備運動、主運動につながる運動をする
5.グループ内で走り幅跳びの競争をする
6.自己の課題に応じて動きを身に付けるための場を選び、練習をする
7.本時を振り返り、次時への見通しをもつ
8.整理運動、場や用具の片付けをする
9.集合、健康観察、挨拶をする

課題に応じた練習の場を複数用意し、選択させる。
・KOMAKOMA×日文を活用し、自分の立てた目標に合わせてコマ送り分析を継続する。

・毎時間の終末にデジタル学習カードを更新させる。友達のカード(共有ボード)を参考にしたり、グループ内でアドバイスをし合ったり、対話的な学びを促す。
・グループ内でのミニ競技会を取り入れ、記録更新へのモチベーションを高める。
【評価方法】
行動観察、オクリンクプラスのカードの更新履歴(思考・判断・表現)
行動観察、グループ内での相互評価(主体的に学習に取り組む態度)

7

ねらい
【今までの学習を生かして、ジャンプフェスで最高記録に挑戦する】
1.集合、挨拶、健康観察をする
2.本時のねらいを知り、自己の目標を立てる
3.場や用具の準備をする
4.準備運動、主運動につながる運動をする
5.ジャンプフェスで、自己の最高記録更新に挑戦する
6.単元を振り返り、学習のまとめをする
7.整理運動、場や用具の片付けをする
8.集合、健康観察、挨拶をする

【ジャンプフェスと単元のまとめ】
・自己ベスト更新を目指す「ジャンプフェス」として、互いに応援し合う温かい雰囲気を作る。
・計測時は、これまでサポートし合ったグループで協力して行う。
・オクリンクプラスを用いて、単元全体の振り返りを行う。最初の時間に立てた目標と照らし合わせ、「できるようになったこと」「工夫したこと」「友達の良かったところ」をまとめ、提出させる。
【評価方法】
実技の観察(知識・技能)
オクリンクプラスの振り返り(主体的に学習に取り組む態度)

7.本時の学習

①目標
 自身の跳躍をコマ送り写真で客観視し、お手本と比較しながら「よい点」と「課題点」を具体的に見付けることができる。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫や教師の支援・評価の留意点

1.「よい助走」のポイントを確認し、本時のめあてを確認する。
・オクリンクプラスでの3択クイズの集計結果を確認する。(教室で確認後に校庭へ移動)
2.集合、挨拶、健康観察をする。

・「リズムよくスピードを徐々に上げていく」という動きのよいイメージをもたせる。
・朝学活などで事前に行った集計ボードを画面に映し、視覚的に共有する。

3.本時のねらいを知り、目標を立てる。

・「今日は自分の動きを細かく分析して、次への目標を見つけよう」と声かけをする。
・素早く集合をしたり、大きな声で挨拶をしている児童を称賛する。

4.場や用具の準備をする。
5.準備運動、主運動につながる運動をする。

・安全な準備の仕方を確認する。

「コマ送り写真とお手本を比べて、自分のジャンプの『よいところ』と『課題』を見つけよう!」

・4グループに分かれ、4つの場をローテーションしながら運動に取り組む。

①ラダーの場
②小型ハードルの場
③大きなうさぎジャンプの場
④バスケットゴールタッチの場

①と②の場はリズミカルな助走を意識させる。
③は「く」の字の着地を意識させる。
④で助走から力強く踏み切り、両手を振り上げた空中姿勢を意識させる。
・友達の動きを褒めたり、順番を守り安全に取り組もうとしている児童を称賛する。

6.跳躍の練習を行い、グループで撮影し合う。
・グループは4人1組である。
・グループ内で「跳ぶ人」「撮影する人」などの役割を分担する。
・KOMAKOMA×日文を活用し、互いの跳躍を撮影する。

7.自分のフォームを客観視し、分析する。
・お手本イラストとポイント(助走・踏切・空中姿勢・着地)が載ったカードに、自分のコマ送り写真を貼り付ける。
・比較しながら「よい点」と「課題点」を言語化し、提出ボックスへ送る。

【KOMAKOMA×日文】
・動きが速い体育の授業でも正確に振り返りができるよう、保存時に必ず「パラパラマンガPDF(コマ送り)」を選択させる。
・撮影者は、助走から着地までが画面に収まるよう、真横からのアングルを工夫させる。

【オクリンクプラス】
・動画では適切なタイミングで止めるのが難しいが、コマ送り写真なら比較しやすいことを実感させる。
・分析に悩んでいる児童には、「踏切板の位置はどうかな?」「空中での手の位置をお手本と比べてごらん」と、具体的な視点を与えて言語化を支援する。

コマ送り写真とお手本を比較し、自身のフォームのよい点や課題を具体的に言語化している。【思考・判断・表現】

・相互撮影で協力し合えた姿勢や、仲間の良いプレー(走り幅跳びが80cmいけてすごかった等)を認め合う姿を価値付け、称賛する。
・「空中姿勢時に両手をあげることが意識できなかったから次はうまくできるようにしたい」など、次時への明確な課題をもたせる。

自身の課題を踏まえ、次時に向けた具体的なめあて(距離や意識するフォーム)を設定している。【主体的に学習に取り組む態度】

8.全体で共有し、本時の振り返りをする。
・提出ボックスのカードをいくつか取り上げ、具体的な分析ができている児童を紹介する。
・「今日のMVP」とその理由、めあての達成度、次回の目標を振り返りシートに記入する。