小学校 図画工作

2026.10.22 <No.074>

「BOX ART」~卒業に向けて~(第6学年)

東京都あきる野市立南秋留小学校 雨宮玄

「BOX ART」~卒業に向けて~(第6学年)

1.題材名

「BOX ART」~卒業に向けて~

2.学年

第6学年

3.分野

立体に表す

4.時間数

9時間

5.準備物

【教師】
面材:段ボール、さまざまな柄の折り紙、黄ボール紙、白ボール紙、お花紙、透明ラミネート紙、透明カラー折り紙、英字新聞、プラスチック段ボール、アルミホイル、布等
線材:アルミ線、竹串、ストロー、わり箸、ひも、毛糸等
点材:スパンコール、ビーズ、発泡スチロール玉等
自然材:板、枝、木くず、ドライフラワー、松ぼっくり等
人工材:発泡スチロール、絵の具のかけら、綿等
描画材:アクリル絵の具、透明絵の具、パステル、色えんぴつ、カラーペン等
用具:カッター、発泡スチロールカッター、電動糸のこぎり、ボンド等

【児童】
ハサミ、のり、セロハンテープ、水彩絵の具、家からもってきた材料

6.題材設定の理由

(1)児童の実態から

 本校6年生は全体的に図工が好きな児童が多く、感覚的・直感的に造形活動を楽しむことができる。
 2学期には「絵のある部屋」という題材に挑戦した。自分が選んだ絵から発想を広げ、さまざまな材料を生かし、その絵を置いてみたい部屋をつくる題材で、今回の授業につながるような箱形の空間を生かす活動だった。活動の中で、選んだ絵に合うような周りの雰囲気づくりを、色彩を中心に工夫して表す児童が多くいた。
 また、3学期に行った「音の絵」では、自分たちが演奏した音楽を聴いて、絵に表すという難しい活動に挑戦した。音楽を構成するさまざまな音やリズム・メロディを、色や形で表現するといった活動を、抵抗を感じずに、直感的に行える児童が多く、活動後の振り返りでは「気持ちよく、いい感じにできた」という児童がほとんどであった。

 さまざまな題材に積極的に取り組む児童が多くいる一方で、イメージがもてなかったり、イメージを形にする技能面でつまずいてしまったりして、活動を深めていけない児童もいる。そのような実態から、まず、より多くの児童がイメージを広げ、自分なりのテーマがもてるように、児童が自分自身とつながりの深い自分の写真を活動の起点にすることにした。また、以前経験したことがある、段ボールを使って箱型をつくるという活動を取り入れることで、技能面のつまずきを、できるだけ少なくなるようにした。

(2)自分の写真を使う意味

 高学年になると、何かをつくり始める時「何をしていいか分からない」とか「イメージが浮かばない」といった発想面でつまずいてしまう児童が少しずつ多くなる。そのような実態から、本題材では自分の家から持ってきた自分が写っている写真(1年生~6年生)を基に、イメージを広げていくことにした。自分の写真を見る時、その時の風景、匂い、音、言葉、温度、などさまざまなことを思い出し、自分を包んでいた空気、雰囲気を自分の実感として感じることができる。あとわずかで小学校を卒業する6年生にとって、思い出の写真に浸る時間は、とても有意義な時間であり、同時に自分の心と直結する時間でもある。そのような時間を出発点に、児童が表したいことを思い浮かべながら、自らのイメージを広げ、深めていくことを期待する。

(3)今までの経験が生きる題材

 小学校生活最後の作品として、6年生が今まで経験した材料や用具等が生かせ題材を設定した。経験してきたさまざまな材料や用具を活用し、経験や技能を総合的に生かし、自分なりのリアリティをもって表現を深め、高学年としての充実感や満足感が得られることを期待したい。また、テーマを自分で決め、試し、考え、つくり、つくりかえながら、自分が感じる“よりいい感じ”に迫り、最後までやりきる造形活動は、これまでの6年間での図工の時間で、常に児童に意識するよう促してきたことである。その集大成として、今回の活動が一人ひとりの心の中に残ることを願っている。

7.題材の目標

【知識及び技能】
知 自分の感覚や行為を通して、自分の写真やさまざまな材料の形や色、箱の中の空間などの造形的な特徴を理解する。
技 さまざまな材料や用具を活用するとともに、前学年までの材料や用具などについての経験や技能を総合的に生かしたり、表現に適した方法などを組み合わせたりするなどして、表したいことに合わせて表し方を工夫して表す。

【思考力、判断力、表現力等】
発 自分の写真やさまざまな材料の形や色などの造形的な特徴を基に、自分のイメージをもち、感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、どのように表すかについて考える。
鑑 自分や友だちの作品の面白さやよさ、美しさを感じ取ったり考えたりし、自分の見方や考え方を広げる。

【学びに向かう力、人間性等】
つくりだす喜びを味わい、自分の写真を置きたい空間や世界を、主体的に表現したり観賞したりする学習活動に取り組む。

8.題材の評価規準

【知識・技能】
知 自分の感覚や行為を通して、自分の写真やさまざまな材料の形や色、箱の中の空間などの造形的な特徴を理解している。
技 さまざまな材料や用具を活用するとともに、前学年までの材料や用具などについての経験や技能を総合的に生かしたり、表現に適した方法などを組み合わせたりするなどして、表したいことに合わせて表し方を工夫して表している。

【思考・判断・表現】
発 自分の写真やさまざまな材料の形や色などの造形的な特徴を基に、自分のイメージをもち、感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、どのように表すかについて考えている。
鑑 自分や友だちの作品の面白さやよさ、美しさを感じ取ったり考えたりし、自分の見方や考え方を広げている。

【主体的に学習に取り組む態度】
つくりだす喜びを味わい、自分の写真を置きたい空間や世界を、主体的に表現したり観賞したりする学習活動に取り組もうとしている。

9.指導計画(全9時間)

時間

児童の活動の流れ

教師の指導の手立て

1

●小学校6年間を振り返り、自分がつくりたい「BOX ART」のイメージをもつ。
●自分が持ってきた写真や、過去の6年生の作品を見て、自分がつくりたい箱の形や、テーマ、使いたい材料などをワークシートに書き込む。

▼小学校生活最後の図工の作品だということを伝える。
▼過去の6年生の作品を見せながら、イメージが広がるような声かけをしていく。

2

●ワークシートを基に、段ボールを組み合わせて、箱の形をつくる。
●自分の写真を置きたい空間をイメージし、その特徴に合う色・形・使う材料等を考え、試し、色を塗ったり、材料を組み合わせたりして空間をつくる。
●材料の組み合わせ方、接着の仕方、用具の正しい使い方を知る。

▼どんな形・サイズの箱にするか一人ひとりと確認し、必要な材料について相談する。
▼児童の思いを確認しながら、いくつかのパターンを示したり、材料や用具の特徴を生かした組み合わせ方などを示したりする。

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4

5

6

●活動途中の友だちの作品を見て、よさや気付いたことを自分の活動に生かす。
●自分の写真と材料の大きさや形、空間との関係を見ながら、色々試し、置き方を工夫する。
●自分の思いに合わせて、形や色の組み合わせ方を考えたり、材料の特徴を生かしたりして、より満足のいく空間をつくる。

▼鑑賞に入る前に、友だちのいいところを見付けるように声かけをする。
▼自分の表したいことを確認するよう呼びかけ、写真の置き方や、空間の使い方についてイメージが広がるよう、児童作品を見せながらいくつか示す。
▼活動が停滞している児童には、児童の思いやイメージをよく聞き、適した材料や、組み合わせ方などを一緒に考える。

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9

●自分の活動を振り返ったり、友だちの活動や作品を鑑賞したりして、良いところや面白いところ、その理由をワークシートに書き込む。

▼学年全員の作品を鑑賞できるように、展示する。

10.作品

思いで

作者の言葉
題名が「思いで」なので、はしごなどを古い感じに見せるため、木くずを使ってボロボロ感を出しました。

6年間の自分

作者の言葉
水族館に行ったときの作品系と家族系と学校・行事系の写真を合計10枚つかいました。

思い出の場所

作者の言葉
中心の3つの作品は家でがんばって作りました。写真は4~6年のころだと思います。「こんなこともあったな」と思い出しながら作っていました。

1年1組だった自分

作者の言葉
学校に入ってきんちょうしていたときの教室を再現して、思い出をふり返れるよう工夫した。この写真から1年生のころきんちょうして最後まで残っていたことを思い出せて、良く仕上がった。

Hokkaido!!

作者の言葉
この写真は私が北海道に行ったときの思い出の写真です。下を海っぽくキレイにできました!!

入学式

作者の言葉
この写真は、私の入学式の写真です。お母さんがとってくれた写真です。入学式に行く前にお母さんにかみの毛をセットしてもらいました。幼稚園からの友達とはなれてしまって悲しいと思ったことを覚えています。

自分らしさ

作者の言葉
使う写真は1年生から6年生の思い出に残った6枚で1学年に1枚使っている。外側は天の川を上にかいて、横には星空、内側にはよく見る一直線の道路をかいて、いつもの自分らしい作品に思い出をつけたしたものになっている。