使ってみよう!ずがこうさくの教科書
使ってみよう!ずがこうさくの教科書
「学びに向かう力、人間性等」とは、どのようなことを指すのでしょうか? 「人間性」などと言われると、授業中の子どもの姿から見取ることができるのか、不安です……。
そうですね、確かに「え!人間性?」って思いますよね。でも慌てないでください。ちょっと落ち着いて目標から考えてみましょう。各学年の
この文章は、「~とともに」という言葉で、二つの内容をつなげて示しています。「学びに向かう力・人間性等」には、
では、それぞれについて、教科書の題材「ちょきちょき かざり」(1・2上 p.12-13)を基に具体的に考えてみましょう。
1)主体的に学習に取り組む態度の表れ
まず、「主体的に学習に取り組む態度」を考えます。目標(3)の前半
例えば「ちょきちょき かざり」であれば……
題材との出会いから、紙を折ったり切ったりしながら、どんな形ができるか考え、切ってできる形を見付けて、
さらに、切り方を工夫して、どうなるかを確かめることを繰り返し、
最後につくった形を飾って、その成果を味わうところまで
……活動の始めから終わりまでを通して、子どもたちが進んで活動に取り組んでいく姿です。
自ら進んで表現に取り組んでいるかどうかは、「楽しんでいるか」「楽しく取り組んでいるか」で分かります。
2)幅広い人間性等の表れ
一方、目標(3)の後半の
そこで大切なのは、教師が一つ一つの題材への取り組みを終えた子どもにどのような姿(態度)を期待するかです。例えば、「ちょきちょき かざり」の活動に主体的に取り組んだ後に、「みんなで教室を飾ると、明るく、そして楽しくなるんだな」という思いを抱いた子どもたちは、この経験を生かして日々の生活の中でも身近なものを使って生活空間を飾ることを楽しむようになることが期待できます。
題材ページの右下には、
「学びに向かう力、人間性等」のことが少し見えてきましたでしょうか。これまでの「関心・意欲・態度」に近い部分が「主体的に学習に取り組む態度」といえるかもしれません。ただ、これまでの評価の観点「関心・意欲・態度」については、「学習に関心をもつ」という学習の入口だけで捉えて評価をしてしまったり、正しいノートの取り方や挙手の回数をもって評価したりするなど、本来の主旨とは異なる、誤った捉え方をされることがありました。子どもたちの主体的に学習に取り組む態度が、形や色と関わって生活を楽しく豊かにする態度へとつながっていくように、子どもたちの姿を見取り適切に評価し、支援を行っていただきたいと思います。
*1:今回は低学年の目標(3)を例に考えました。中学年や高学年の目標も文章全体の構造は同じですが、学年が上がるにつれて少しずつ文言が変化しています。低学年の目標(3)の冒頭の「楽しく」は、中学年では「進んで」、高学年では「主体的に」になっています。また、後半の「楽しい生活を」の部分は、中・高学年では「楽しく豊かな」となっており、質的な変化が表されています。
*2:文部科学省「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」平成31年1月21日
*3:*2と同様
※2020年度版小学校図画工作科内容解説資料として扱われます。