学び!と美術
2026.08.07 <Vol.168>
9月 授業改善したいけど、どうしたらいいか分からない……~若手先生のための「声かけ&心がけ」事例集~
どんな状況でも子どもの学びを止めないために、また先生自身の成長のために、どのような気持ちをもって臨めばよいかを考えるシリーズ。登場人物といっしょに1年を乗り越えていきましょう。
【登場人物】
フタバ先生
教師になって3年目、初めての学級担任で6年生を受け持つことに。子どもが大好き。タイパ・コスパがつい気になっちゃう。図工には苦手意識あり。
ヤドリギ先生
教師歴ウン十年の大ベテラン。図工が専門。ホームセンターめぐりが趣味。
【これまでのお話】
8月は……
先生
夏休みは英気を養おう。
自分の好きなものや趣味に没頭する時間をもつことも大切に。
夏休みが明けたら……
少しずつ図工の授業が分かってきたフタバ先生。校務もこなして、さらに授業改善もしていきたい、とやる気いっぱい。だけど、実際にどうしたらいいか分からない…。きょうもヤドリギ先生を訪ねていきます。
先生
「授業がんばるぞ!」って思うんですけど、忙しくて、何から手をつけていいか分からなくって…….。
先生
学級担任になって間もないのに、授業以外の校務も任されて……。それでも、フタバ先生はがんばっているよね。
大切なことはね、自分が分からないことは「分からない」と言うってこと。だって経験がないんだもの。分からないのは当然。
そして、分からなかったらネットや本に頼るだけじゃなくて、同僚の先生に相談してほしい。授業で何かつまずきを感じているのなら、ほかの先生の授業を見に行ったり、機会があれば研究会などにも積極的に参加したりして、ほかの学校の先生と交流するといいよね。
そうやって自分が動いて、しっかりと人とつながったほうがいいんじゃないかな。ほかの先生に自分の授業を見てもらって、客観的な意見をもらうというのもいいよね。
先生
人に聞く……。なんか、何が分からないかも言語化する自信がないかも……。あと、タイパ・コスパ的にはどうなんでしょうか。
先生
ネットはいつでもなんでも早く調べられるから便利だよね。
だけど、やっぱり実際に授業を見ると気づきがたくさんあるんだよ。題材ごとの場の設定、材料の大きさや提示のタイミング、そして先生の何気ない声かけや授業中の目配り。直接見ることで、いろいろなことが分かるんじゃないかな。
先生
結局、足を運んで直接話を聞くのがタイパもコスパもいいかも。先生、今度、授業を見に行ってもいいですか。わたしの授業も見に来てください!
先生
もちろん!
わたしは今でも「自分が何が分かっていないかを見つけに行く」っていう思いで、ほかの先生の授業を見に行ってるんだ。
今月の心がけ
「分からないことは素直に『分からない』って言おう。そして周りの人とつながりをもちながら解決していこう。」
次回は「活動の進度の違いにとまどう」です(10月公開予定)。
【困ったときのお助け資料】
田中明美(たなか・あけみ)(写真右)
静岡県富士宮市出身。東京造形大学美術学科Ⅱ類(彫刻科)卒業。埼玉県と東京都の産休代替教職員(小学校、中学校、養護学校、ろう学校)を経て、東京都の図画工作科教員・指導教諭となった。現在、品川区立立会小学校に勤務して20年目、主任教諭。東京都図画工作研究会(都図研)の副会長や第57回都図研城南大会(関東甲信越静地区造形教育連合東京大会)研究局長、品川区の研究部長などを務め、現在は都図研の研究局のアドバイザーとなる。家にはオオバタン(オウム)がおり、オートバイ好き。
手塚千尋(てつか・ちひろ)(写真左)
明治学院大学准教授。美術領域固有の探究のプロセスとSTEM領域の学びの接続点をさぐる研究に従事する。共著に『ABRから始まる探究(2)初等教育編 子どもの表現とアートベース・リサーチの出会い』(学術研究出版社)、『アート学習ハンドブック(学術研究出版社)』がある。

「教員養成課程ではこんなこと習ってない…」が溢れる図画工作の教員現場。
独創性も捨てがたいけれど、ピンチは「共創」で乗り越えられます!