令和7年度 教科書
「情報Ⅱ」

著作関係者

著作者

  • 黒上晴夫(関西大学教授)
  • 堀田龍也(東北大学大学院教授/東京学芸大学大学院教授)
  • 村井 純(慶應義塾大学教授)
  • ほか38名

取り組み

特別支援教育・カラーユニバーサルデザイン・UDフォント

誰もが使いやすく学びやすい教科書をめざして、星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員の大内進先生に校閲をお願いしました。特別支援教育の観点から、カラーユニバーサルデザインに配慮するとともに、全面的にユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を用い、見やすさ、読みやすさ、分かりやすさに配慮した教科書作りに努めています。

防災・安全教育

関西大学特別任命教授の河田惠昭先生に校閲をお願いしました。昨今の防災・安全教育の重要性から考えて、防災・安全に関わる内容を取り扱い、生徒の意識を高めたいと考えています。

教科書のポイント

①高度な「情報Ⅱ」の内容も負担なく学べるように工夫

「情報Ⅰ」から「情報Ⅱ」へスムーズに移行できるよう、「情報Ⅰ」教科書の見やすく、すっきりとしたレイアウトは「情報Ⅱ」教科書でもそのまま踏襲しています。
また、情報Ⅱで学ぶより広範な知識を生徒の探究的な学習活動につなげるべく、教科書全体を形づくっています。
見開き完結で内容を整理し、十分な解説量で読めば理解できるように配慮しています。さらに、章末問題では充実した問題を用意しています。解答・解説つきで、自学自習にも対応。丁寧な記述の教科書本文と相まって、定期テスト対策をはじめ大学入試対策にも有効です。

②高度な学習到達点に無理なく導く実習内容

学習指導要領の(4)に定められた情報システムの開発については、各章の章末実習で段階を踏みながら「Webアプリケーションの開発」に取り組みます。各章末実習を順番に取り組むことで、第5章「問題発見・解決の探究」の活動につながる構成になっています。
また、データサイエンス(データ分析)については、情報Ⅰでのプログラミング学習を前提に重回帰分析やクラスタリングなど、より実践的な「機械学習によるデータ分析」(第5章2節)を扱っています。さらに、情報デザインについては、問題解決型の実習「個人情報保護のリーフレット作成」に取り組みます。いずれも情報Ⅱの内容にふさわしい探究活動ですが、それぞれ手順を細かく記述することにより、生徒は迷いなく取り組めるようになっています。

③実践的なプログラミング学習を手厚くサポート

Pythonはいま広く使われている人気のプログラミング言語で、大学入学共通テストの試作問題でもよく似た言語(疑似言語)が使われました。Pythonによるプログラミング学習のさらなる定着を図るために、プログラムのコードには紙幅が許すかぎり解説を加え、さらに、教科書QRコンテンツでは各段階のソースコードや実習の完成形などを確認することができます。また、教科書では、Python以外にもHTMLやCSS、SQLも扱っています。

目次

データの活用は、第3章で取り上げ、データ分析の手法として回帰分析や分類、クラスタリングについて詳しく解説しています。その学習成果は第5章第2節2「機械学習によるデータ分析」での実習をこなすことにより確かめることができます。
Webアプリケーションは第2章、情報システム開発は第4章で取り上げており、それぞれ章末実習を経て、第5章第2節3「Webアプリケーションの開発」での実習につながっていきます。
また、第1章~第4章の章末には章末問題を配置し、基本的な確認問題で各章の学習内容を振り返るとともに、思考力を問う問題をバランスよく扱っています。

序章:情報社会に生きるわたしたち

  • オリエンテーション的な位置づけの章です。
  • なぜ「情報Ⅱ」を学ぶのか
  • 「情報Ⅱ」で学ぶこと
  • 学習の前に確認しよう(チェックリスト)

第1章:情報社会の進展と情報技術

  • 情報技術の発展がもたらす生活や社会の変化、情報セキュリティおよび情報社会における権利や法律について解説しています。
  • 情報技術による社会や生活の変化
     情報技術による社会や生活の変化
     情報技術の進展と今後
  • 情報社会と情報セキュリティ
     情報セキュリティの重要性
     情報社会における権利と法律

+章末問題

第2章:コミュニケーションとコンテンツ

  • コンテンツの制作を通して、メディアとコミュニケーションのあり方、メディアプランニング、コンテンツの評価や改善などについて解説しています。
  • コンテンツの制作
     コンテンツ制作のプロセス
     仮説生成と要件定義
     メディアプランニング
     コンテンツの制作と評価・改善
  • Webサイトによる情報発信
     Webサイトのしくみと情報発信
     Webサイトの定量的な分析

+章末実習1:プロトタイプの作成

+章末実習2:Webページの作成とレスポンシブ化

+章末問題

第3章:情報とデータサイエンス

  • 情報システムとデータの関係を出発点に、データの整理と収集、データベース、データサイエンス(データ分析)について解説しています。
  • データ活用の重要性
     情報システムとデータ
     データサイエンスの活用
  • データの蓄積と活用
     リレーショナルデータベースの設計と操作
     非関係データベース
  • データの分析
     数理モデル
     変数選択と次元削減
     回帰分析
     クラスタリング
     ニューラルネットワーク など

+章末実習1:データベースの作成とSQL

+章末実習2:Webアプリケーションの作成とデータベースとの連携

+章末問題

第4章:情報システムとプログラミング

  • 情報システムの処理のしくみや技術の解説、プロジェクト・マネジメントを含むシステム開発の各工程(設計、テストなど)について解説しています。
  • 情報システムのしくみと情報セキュリティ技術
     情報システムと社会への影響
     情報セキュリティの確保
  • 情報システムの開発と運用
     システム開発の流れ
     システム設計の表現方法
     モジュールの分割
     プログラミング
     テストと運用
     プロジェクト・マネジメント

+章末実習1:要件定義とシステムの可視化

+章末実習2:プログラム構造の明確化

+章末問題

第5章:情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究

  • 第1章~第4章で学んだことを振り返り、Pythonプログラミングによるデータ分析やアプリケーション開発など、問題解決の探究活動(実習)が中心となる章です。
  • 情報と情報技術を活用した問題解決
  • 情報と情報技術を活用した問題解決の探究―実践編
     個人情報保護のリーフレット作成
     機械学習によるデータ分析
     Webアプリケーションの開発

内容解説資料

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教科書検討の観点からみた特色