読み物プラス

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悔恨 ― NOT YET OVER ―
2021.04.30
読み物プラス <Vol.32>
悔恨 ― NOT YET OVER ―
福島県郡山市立小山田小学校教諭 大塚久

 震災後から描き始めている10作目の漫画が完成しました。

 私は、震災後の福島の状況を風化させないことだけにあり、福島県人として、この活動を続けていく義務があると思っています。

 今回の作品は、震災後10年目ということもあり、あの時の怖さをもう一度思い出そう(私も含め)と、また、読んでいただける方に思い出してほしいという願いを込めて描かせていただきました。
 あの日はちょうど、中学校の卒業式でした。私の漫画では唯一描いてない中学校を舞台にして、いつの時代にも存在する「いじめ」と当時のニュースや原発事故をからませてみました。
 そして、この作品は、東京の「タワーホール船堀」で展示され、いろいろな方に読んでいただきたいと思っています。(「もやい展」 2021/4/1~4/8)

 副題として、「NOT YET OVER」とつけさせていただきました。あの日から10年、まだまだ復興の途中です。

 2月13日、大震災の余震という震度6強の地震が福島県をおそいました。揺れの恐怖よりも原発の恐怖が上まわり、あの時の嫌な記憶が蘇ってきました。

 私の漫画は「福島の真実!」ということではなく、風化させないための表現方法の一つであります。そして私は、希望のある作品(フィクション)にしようと常に思っています。

 この漫画はいろいろな方のご協力によって製本されています。この場をお借りして感謝申し上げます。

 今回も手に取っていただいてありがとうございます。

 また、最後まで読んでいただきありがとうございます。

 そして、また来年お目にかかれたらうれしく思います。

読み物プラスVol.31「ダバイザー(第3巻)」
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